JPS622075B2 - - Google Patents

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JPS622075B2
JPS622075B2 JP57074582A JP7458282A JPS622075B2 JP S622075 B2 JPS622075 B2 JP S622075B2 JP 57074582 A JP57074582 A JP 57074582A JP 7458282 A JP7458282 A JP 7458282A JP S622075 B2 JPS622075 B2 JP S622075B2
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JP
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fibers
fiber
ultrafine
leather
bundles
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JP57074582A
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JPS58191280A (ja
Inventor
Hiroyasu Kato
Kenkichi Yagi
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Publication date
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Priority to AT83103068T priority patent/ATE49783T1/de
Priority to EP19830103068 priority patent/EP0090397B1/en
Priority to US06/479,970 priority patent/US4476186A/en
Priority to CA000424906A priority patent/CA1207996A/en
Publication of JPS58191280A publication Critical patent/JPS58191280A/ja
Publication of JPS622075B2 publication Critical patent/JPS622075B2/ja
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  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、緻密に交絡した極細繊維およびその
束と樹脂とからなる銀面を有する皮革様シート物
に関する。 従来の人工皮革の銀面層はポリウレタンエラス
トマーなどの樹脂からなる多孔質あるいは非多孔
質の層、または、多孔質の層と非多孔質の層を積
層して一体化した層などから形成されている。し
かし、これらの銀面層を有する人工皮革は全体的
な一体感にとぼしくゴム的な反撥感が強い。擦過
傷がつきやすい、表面のツヤが一様で光沢に深み
がないなどの欠点を有するものである。また、こ
れらの欠点を改良するため、樹脂に微粒子など
各種充填剤を添加して銀面層を形成したもの、
微細繊維束の面配列体と多孔質物質を組み合わせ
て銀面層を形成したもの、表面の毛羽繊維と樹
脂とを一体化して銀面を形成したもの、表面繊
維を溶融あるいは溶解して部分的に結合して造面
し銀面層を形成したものなどが提案された。 しかしながらのものは、充填剤を添加するこ
とにより耐屈曲強度や銀面のツヤが低下するとい
つた問題を有し、のものは、銀面の繊維構造が
微細繊維が束の状態で平面的に配列したものであ
るため強くもまれたり、せん断応力がくり返しか
かつた場合、表面が毛羽立つたり、繊維束の配列
面にそつて剥離が生じ、いわゆる“銀うき”と称
される欠点が生じ、これが進行すると表面に亀裂
が発生するという問題を有し、また、微細繊維の
束にそつて表面に微細な凹凸が発生し外観を悪く
するという問題を有するものである。また、や
のものは、くり返し屈曲されたり、せん断応力
がくり返しかかつた場合、比較的簡単に表面にヒ
ビ割れや亀裂が発生し外観がきわめて悪化すると
いう問題を有するものである。 本発明者らは、かかる従来の人工皮革の問題点
を十分考慮し、前記のような問題がなく、特に耐
屈曲性、耐もみ性、耐せん断疲労性、耐もみ性、
耐傷性の高い皮革様シート物について鋭意検討
し、ついに本発明に到達したのである。すなわち
本発明は、緻密に交絡した極細繊維および/また
はその束と、該極細繊維および/またはその束の
空隙部分に存在する樹脂とから主としてなる複合
体によつて形成された銀面層を少なくとも片面に
有する皮革様シート物に関するものである。 本発明の皮革様シート物は、その銀面層が、極
細繊維およびまたはその束と、その空隙部分に存
在する樹脂とからなる複合体であり、かつ該極細
繊維および/またはその束が相互に緻密に交絡し
ていることを基本としており、この組合せによつ
てはじめてしなやかな風合、なめらかな表面感触
を有し、耐屈曲性、耐せん断疲労性、耐もみ性耐
傷性の良好な皮革様シート物を提供することが可
能となつたのである。 本発明に使用される極細繊維には、スーパード
ローなどの方法で直接製造した極細繊維を用いて
もよいが、繊維が細くなると紡糸が不安定になる
こと、加工がむつかしく取扱いにくいことなどか
ら、つぎに述べる極細繊維形成型繊維を用い加工
工程中の適当な時期に極細繊維に変成して用いる
ことが好ましい。すなわち、本発明に使用される
極細繊維形成型繊維は、たとえば、紡糸直後で極
細繊維を集束し部分的に軽く接着して1本にした
繊維、1成分を他成分間に放射状に介在せしめた
菊花状断面の繊維、多層バイメタル型繊維、ドー
ナツ状断面の多層バイメタル型繊維、2成分以上
の成分を溶融混合して紡糸した海島繊維、繊維軸
方向に連続した極細繊維が多数配列集合し他の成
分で結合および/または一部結合され1本の繊維
を形成した高分子相互配列体繊維などであり、こ
れらの2種以上の繊維を混合あるいは組み合せて
用いてもよい。複数の芯が他成分により介在的に
結合および/または一部結合された横断面を有す
る極細繊維形成型繊維は物理的作用を加えるある
いは結合成分の除去などにより比較的容易に極細
繊維が得られるため好ましく用いられる。また、
少なくとも1成分を溶解除去したとき0.2デニー
ル以下好ましくは0.05デニール以下の極細繊維を
主体とする繊維の束が得られる多成分からなる極
細繊維形成型繊維は、特にしなやかな風合、なめ
らかな表面を有する皮革様シート物が得られるた
め、さらに好ましく用いられる。また、本発明に
おける極細繊維は繊維形成能を有する高分子物質
からなり、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナ
イロン12、共重合ナイロンなどのポリアミド、ポ
リエチレンテレフタレート、共重合ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
共重合ポリブチレンテレフタレートなどのポリエ
ステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポ
リオレフイン、ポリウレタン、ポリアクリロニト
リルおよびビニル重合体などがあげられる。ま
た、該極細繊維形成型繊維の結合成分あるいは溶
解除去成分としては、例えば、ポリスチレン、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ
ウレタン、アルカリ溶液に易溶出型の共重合ポリ
エチレンテレフタレート、ポリビニルアルコー
ル、共重合ポリビニルアルコール、スチレン−ア
クリロニトリル共重合体、スチレンとアクリル酸
の高級アルコールエステルおよび/またはメタク
リル酸の高級アルコールエステルとの共重合体な
どが用いられる。紡糸のしやすさ、溶解除去の容
易さの点でポリスチレン、スチレン−アクリロニ
トリル共重合体、スチレンとアクリル酸の高級ア
ルコールエステルおよび/またはメタクリル酸の
高級アルコールエステルとの共重合体は好ましく
用いられる。さらに延伸倍率が高くとれ強度の高
い繊維が得られるという点でスチレンとアクリル
酸の高級アルコールエステルおよび/またはメタ
クリル酸の高級アルコールエステルとの共重合体
はさらに好ましく用いられる。また、該極細繊維
を枝分かれしやすくするという点で、結合成分あ
るいは溶解除去成分にポリエチレングリコールな
どの重合体を0.5〜30重量%混合して用いること
が好ましい。かかる極細繊維形成型繊維の繊度は
特に限定されるものではな液が、紡糸における安
定性、シート形成のしやすさなどから1〜10デニ
ールのものが好ましい。 本発明の銀面層における極細繊維は、繊度が
0.2デニール以下のものが好ましい。0.2デニール
より太い場合は、繊維の剛性が過大で銀面層の柔
軟性や表面のしわ形態が損われるばかりでなく、
揉みなどにより亀裂が発生しやすく表面に凹凸が
発生したりして緻密でしなやかな銀面層の形成が
むつかしい。0.2デニール以下好ましくは0.05デ
ニール以下の極細繊維を用いることによつて、は
じめて繊維どうしの交絡が緻密にでき、平滑性が
よくしなやかで、亀裂が発生しにくく手になじみ
のよい銀面層を有する皮革様シート物が得られ
る。 本発明の皮革様シート物の銀面層における繊維
構造は極細繊維および/またはその束が相互に緻
密に交絡していることが必要である。すなわち繊
維の交絡密度が高いということである。繊維の交
絡密度を測る一つの方法として、後述する繊維交
絡点間距離を測定する方法であるが、銀面層の繊
維は、この方法での測定値が200μ以下の交絡密
度を有していることが必要である。この値が200
μより大きい構造のもの、たとえば繊維の交絡を
ニードルパンチだけで行なつた絡みの少ない繊維
構造のもの、あるいは極細繊維またはその束が単
に面配列した構造のもの、あるいはまた極細繊維
またはその束が基材表面に毛羽状に密生しこれを
ねかせて造面した構造のものは、繊維の交絡がほ
とんどないかまたは少ないため、擦過、揉み、く
り返しせん断力などを受けたとき、表面が毛羽立
つたり亀裂が発生したりしやすいため好ましくな
い。こうした欠点をなくすためには、繊維交絡点
間距離は200μ以下であることが必要である。100
μ以下の場合より好ましい結果が得られる。 ここで、繊維交絡点間距離とは、つぎの方法で
求めた値のことであり、繊維の交絡の緻密さを示
す一つの尺度として値が小さいほど交絡が緻密で
あることを示すものである。第1図は銀面層にお
ける構成繊維を表面側から観察したときの構成繊
維の拡大模式図である。構成繊維をf1,f2,f3
……としそのうちの任意の2本の繊維f1,f2が交
絡する点をa1で上になつている繊維f2が他の繊維
の下になる形で交差する点までたどつていきその
交差した点をa2(f2とf3の交絡点)とする。同様
にa3,a4,a5,……とする。つぎにこうして求め
た交絡点の間の直線水平距離a1a2,a2a3,a3a4
a4a5,a5a6,a6a7,a7a3,a3a8,a8a7,a7a9,a9a6
……を測定し、これら多数の測定値の平均値を求
めこれを繊維交絡点間距離とする。 また、銀面層の下層は極細繊維束が主体に交絡
しており、銀面層の極細繊維および/またはその
束は該下層の極細繊維束が枝分かれしてさらに緻
密に交絡したものであり、銀面層と該下層では繊
維は実質的に連続しており、かつ該両層の境界は
枝分かれの程度が連続的に変化した繊維構造のも
のは、一体感のある風合のシート物が得られ銀面
層と下層が剥離することがないことから好ましく
用いられる。ここで、銀面層の極細繊維束の束の
太さは全ての束が同じである必要はなく、該下層
の束の太さにくらべできるだけ細い(束に含まれ
る繊維の本数が下層の束にくらべできるだけ少な
い)方がシート物の表面に凹凸が発生しにくく好
ましい。また、基材に不織布を使用した従来の皮
革様シート物は基材が繊維だけからなるものでは
外力によつて伸びやすく変形が塑性的であるため
もとの形にもどりにくく、これを防止することか
ら基材に樹脂が付与されていた。しかし、極細繊
維および/またはその束が緻密に交絡した繊維構
造を有する本発明の皮革様シート物は、該下層部
に樹脂が付与されてなくても異常に伸びることは
少なくシート物の形態保持性が良好である。この
ことも本発明皮革様シート物の大きな特徴であ
る。もちろん該下層にはポリウレタンエラストマ
ーなどの樹脂が付与されていてもよく、樹脂付量
はシート物の使用目的によつて異なる。衣料用と
して用いる場合は繊維の重量に対し0〜80部の付
量が好ましい。銀面層に用いる樹脂は、たとえ
ば、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリウレ
タン、ネオプレン、スチレンブタジエン共重体、
アクリルニトリルブタジエン共重合体、ポリアミ
ノ酸、ポリアミノ酸ポリウレタン共重合体、シリ
コン樹脂などの合成樹脂または天然高分子樹脂、
またはこれら樹脂の混合物などである。更に必要
によつては可塑剤、充填剤、安定剤、顔料、染
料、架橋剤等を添加してもよい。ポリウレタン樹
脂またはこれに他の樹脂や添加剤を加えたもの
は、特に柔軟な風合や感触をもち耐屈曲性のよい
銀面層が得られるため好ましく用いられる。銀面
層の樹脂の付着構造については格別な限定はなく
目的によつて変わりうるが、衣料用など柔軟性や
やわらかな感触が特に要求される場合は、銀面層
の表面に近くなるにつれて樹脂が多く付着した構
造のもの、銀面層の最表面のごく薄い層の樹脂付
量が特に多く、その他は全く樹脂が付着していな
いか付着していてもわずかの量であるような構造
のもの、あるいは、表面部分の樹脂は非多孔質で
それ以下は多孔質である構造のものなどが好まし
い。また、耐傷性の特に高いことが要求される場
合は、銀面層の空隙部分にほとんどすきまなく樹
脂が充填された構造のものが好ましい。 本発明の皮革様シート物を製造する方法として
は、まず該極細繊維形成型繊維をたとえば特公昭
44−18369号公報に示された紡糸装置で製造し、
ステープルにした後カード、クロスラツパーを通
してウエブを形成し、さらにこれにニードルパン
チを行ない該極細繊維形成型繊維を交絡させ繊維
シートを形成する。または、該極細繊維形成型繊
維の紡糸に引き続いて延伸を行ない金網上にラン
ダムに載置し、得られたウエブに前記と同様にニ
ードルパンチを行ない繊維シートを形成する。あ
るいは、普通繊維または別の極細繊維形成型繊維
からなる不織布、織布、編布に該極細繊維形成型
繊維を載置し、からませ不離一体にして繊維シー
トを形成する。つぎに、こうして得られた繊維シ
ートに高速流体流を接触させて極細繊維および/
またはその束に枝分かれさせると同時に緻密に交
絡させる。ここでいう流体とは、液体あるいは気
体であり、特別な場合は、きわめて微細な固体を
含むものであつてもよいが、取り扱いやすさ、コ
スト、流体としての衝突エネルギー量の点から水
が最も好ましく用いられる。さらに目的に応じ
て、該極細繊維形成型繊維の一部成分を溶解可能
な種々の有機溶剤あるいは水酸化ナトリウムなど
のアルカリまたは酸の水溶液なども使用できる。
これらの流体を加圧し、孔径の小さいノズルある
いは間隔のせまいスリツトから噴射させ高速の柱
状流あるいはカーテン状流とし、繊維シートに接
触させ繊維の枝分かれおよび交絡を行なう。液体
にかける圧力は、該極細繊維形成型繊維あるいは
極細繊維束の枝分かれのしやすさによつて異な
り、枝分かれしやすい繊維では、5〜70Kg/cm2
比較的低圧でよいが、枝分かれしにくい繊維で
は、70〜300Kg/cm2の高圧が必要である。また、
接触回数をふやすことにより枝分かれおよび交絡
の程度を高めることも可能であり、接触のたびご
とに圧力を変化させてもよい。しかる後、使用し
た該極細繊維形成型繊維を極細化するのに必要と
される場合は、該極細繊維形成型繊維の一部成分
を溶解する溶剤で得られた繊維シートを処理し該
一部成分を溶解除去する。また、必要に応じてポ
リウレタンエラストマーなどのバインダー樹脂の
溶液又は分散液を含浸し湿式又は乾式によつて凝
固させる。ここで、高速流体流で処理する前に該
一部成分を溶解除去してもよく、この場合は、該
一部成分の溶解除去によつて繊維シートの該極細
繊維形成型繊維が極細繊維の束に変成されている
ため、低い流体圧で容易にしかも高度に枝分かれ
および交絡させることができることから好ましい
方法である。また、該一部成分の溶解除去の工程
の前と後で高速流体流の処理を行なつてもよい。
また、バインダー樹脂を付与する工程は、前記の
ほかに、高速流体流の処理工程と該繊維の一部成
分の溶解除去工程の間にもつてくることが可能
で、この場合は、該一部成分の溶解除去に使用す
る溶剤で付与した樹脂が溶解しないことが必要で
あるが、得られた繊維シートの極細繊維束と樹脂
との間に該一部成分が存在していた空間ができ相
互の動きに自由度が増すため風合を柔軟にするの
に好ましい方法である。一方、バインダー樹脂を
付与した後で高速流体流の処理を行なうことは、
樹脂の付量が多いときは繊維が樹脂で束縛されて
いるため枝分かれおよび交絡がほとんど行なわれ
ず、好ましい方法とはいえない。しかる後、得ら
れた繊維シートの極細繊維および/またはその束
が交絡した表層部へ前記した銀面層用樹脂の溶液
又は分散液をリバースロールコーテイング、グラ
ビアコーテイング、ナイフコーテイング、スリツ
トコーテイング、スプレーなどの方法で付与し、
湿式又は乾式によつて凝固するかまたは固化さ
せ、ロール面あるいはシート面に重ね合わせ加圧
必要に応じて加熱し、繊維と樹脂とを一体化せし
めると同時に表面の平滑化を行なう。ここで、樹
脂を付与する前に繊維シートにプレスなどの処理
を行ない表面の平滑化することも好ましい方法で
ある。このとき表面にシボ模様のあるエンボスロ
ールあるいはシボ賦型シートを使用すると一体
化、平滑化とシボ賦型が同時に行なえるため好ま
しい。さらに必要に応じて、仕上げ剤塗布、染
色、揉みなどの処理を行なつてもよい。 こうして得られた本発明の皮革様シート物は、
しなやかな風合、なめらかな表面感触を有し、耐
屈曲性、耐せん断疲労性、耐もみ性耐傷性が良好
なため衣料用の銀付人工皮革をはじめ、靴用甲
皮、ハンドバツグ、カバン、ベルト、袋物、手
袋、ボールの表革など各種の用途に好ましく用い
られる。 以下に示す実施例は、本発明をより明確にする
ためのものであつて、本発明はこれに限定される
ものではない。実施例において、部および%とあ
るのは特に記載のないかぎり重量に関するもので
ある。また平均交絡点間距離の値は100個の測定
値の平均値とした。 実施例 1 2−エチルヘキシルアクリレート20部、スチレ
ン80部の割合で共重合させたビニール系ポリマ
(以下AS樹脂という)を結合成分として60部、極
細繊維成分としてナイロン6が40部からなる割合
で1フイラメント中に16本の島成分を有し、さら
にその島成分中に極細繊維成分が多数含まれる形
態の特公昭47−37648に示されたごとき高分子相
互配列体繊維の4.0デニール、51mmのステープル
を用いてカード・クロスラツパーを通してウエブ
を形成し、しかる後フツクの数が1個のニードル
を用いてニードルパンチをして該高分子相互配列
体繊維を絡合させ不織布Aをつくつた。不織布A
の目付け405g/m2、見掛密度は0.20g/cm3であ
つた。 孔径0.1mmの孔が孔の中心間距離0.6mmのピツチ
で一列に並んだノズルから100Kg/cm2の圧力をか
けた水を、不織布Aを移動させながら、その表面
に高速で噴射接触させ同じ条件で合計5回および
10回処理し、つぎに圧力を50Kg/cm2に下げノズル
を振動させながら同様の処理を5回処理のものお
よび10回処理のものそれぞれに1回行ない不織布
Bおよび不織布Cをつくつた。得られた不織布
B,Cは表層の高分子相互配列体繊維が極細繊維
やその束に枝分かれしており、かつ相互に緻密に
交絡した繊維構造を有するものであつた。 つぎに不織布A,B,Cそれぞれに、ポリエチ
レンアジペートとポリブチレンアジペートとの混
合ジオールとp・p′−ジフエニルメタンジイソシ
アネートのプレポリマーをエチレングリコールで
鎖伸長して得られたポリウレタンの7%ジメチル
ホルムアミド(以下DMFという)溶液を含浸し
表面に付着した液をスクレイパーで除去して水中
へ導入して凝固した。しかる後80℃の熱水中で十
分洗浄しDMFを除去した。乾燥後トリクロルエ
チレン中につけ、浸漬、絞液をくり返し、AS樹
脂をほぼ完全に抽出除去し、ついで乾燥を行なつ
て残留トリクロルエチレンを蒸発除去した。不織
布B,Cから得られたシートの水流処理した側の
面は凹凸の少ないきわめてスムーズな面であつた
が、不織布Aから得られたシートの表面は枝分か
れしてない極細繊維束にそつた凹凸がみられ平滑
性の悪いものであつた。つぎに、これらのシート
の表層部に、含浸に用いたポリウレタンと組成は
同じであるが硬さをやや硬くしたポリウレタンの
10%溶液に顔料を添加した溶液をグラビアコータ
で付与し乾燥して凝固した後加熱エンボスロール
に通してプレスし皮革様シボ模様を型押しした。
さらに常圧で液流染色機を用いて染色し、通常の
方法で仕上げ加工を行なつた。 不織布B,Cから得られた皮革様シート物は、
シボ模様にそつたなめらかな表面を有し、柔軟で
一体感のある風合のものであつたが、不織布Aか
ら得られた皮革様シート物は、シボ模様以外に血
管が浮き出たような状態に極細繊維束にそつた凹
凸がみられ、また極細繊維束にそつてところどこ
ろに染色のときに発生した亀裂がみられ極細繊維
が露出していた。 これらの皮革様シート物に付与されているポリ
ウレタンおよび仕上げ剤を溶剤で抽出除去し、銀
面層表面の構成繊維の繊維交絡点間距離を測定し
た。不織布Aを用いたものの平均繊維交絡点間距
離は361μ、不織布Bのものでは193μ、不織布C
のものでは77μであつた。 また、これらの皮革様シート物の耐屈曲性、耐
せん断疲労性、耐傷性を測定した結果は表1に示
したとおりであつた。これから、不織布B,Cを
使用した本発明の皮革様シート物は不織布Aを使
用したものにくらべ耐屈曲性、耐せん断疲労性、
耐傷性のいずれもすぐれたものであることがわか
つた。
【表】
【表】 実施例 2 実施例1でつくつた不織布Aを95℃に加温した
ポリビニルアルコール(以下PVAという)の5
%水溶液に浸漬しPVAの含浸と同時に不織布の
収縮を行ない乾燥して水分を除去した後、トリク
ロルエチレン中につけ、浸漬、絞液をくり返し
AS樹脂を抽出除去し乾燥した。得られた不織布
は極細繊維が実質的に束のまま交絡した不織布で
あり、この両面に実施例1と同じノズルを用いて
50Kg/cm2の圧力をかけた水を高速で噴射させ、同
じ条件でそれぞれの面に合計3回ずつの処理を行
ないPVAの溶解と同時に枝分かれ、交絡を行な
つた。それぞれ最後の1回はノズルを振動させな
がら処理し、PVAを除去後水を含んだ状態のま
まマングルを通してニツプした後乾燥した。得ら
れた不織布の表層はもとの極細繊維束が高度に枝
分かれしており、かつ緻密に交絡した繊維構造を
有するものであつた。しかる後、片面をサンドペ
ーパーで軽くバフイングし、もう一方の面の表層
部にポリウレタン溶液をグラビアコータで付与す
る以降実施例1と同じ方法で皮革様シート物を作
つた。 得られた皮革様シート物は、実質的に繊維の交
絡だけで形態が固定されているにもかかわらず形
態保持性が良好で、繊維構造が極めて天然皮革に
類似しており、柔軟性にすぐれ充実感のある風合
を有するものであつた。また、折り曲げ端を指で
つまんだとき、天然皮革における様な丸みのある
感触、形状を示し、手で強く揉むとか引張るとか
してみても亀裂や毛羽の発生はみられなかつた。
この皮革様シート物をコートに仕立ててみたとこ
ろ、紙様の折れジワの発生がなくきわめて上品な
外観を有するものであつた。 この皮革様シート物の銀面層のポリウレタンお
よび仕上げ剤を溶剤で除去し構成繊維の平均繊維
交絡点間距離を測定したところ13μであつた。 実施例 3 ポリスチレン95部とポリエチレングリコール5
部の混合物を結合成分として45部、極細繊維成分
としてポリエチレンテレフタレート55部なる割合
で1フイラメント中に16本の極細繊維が含まれる
ごとき形態の高分子相互配列体繊維の3.8デニー
ル、51mmのものを用いて実施例1と同様の方法で
不織布をつくつた。この不織布の目付は540g/
m2、厚みは2.8mmであつた。この不織布の片面
に、実施例1と同じノズルを用いて70Kg/cm2の圧
力で噴射させた水の柱状流を接触させ、同じ条件
で5回、圧力を30Kg/cm2に下げて2回の処理を行
なつた。さらに95℃の熱水中に入れ収縮処理とマ
ングルによるニツプを行なつた。得られた交絡不
織布は、厚みが約1.8mmに減少し、水流処理した
面から厚みの約1/4の層は該高分子相互配列体繊維 から枝分かれした平均繊度約0.15デニールの極細
繊維およびその束が主体に緻密に密度高く交絡し
ており、その表面は凹凸のきわめて少ないもので
あつた。しかる後、実施例1と同じポリウレタン
の濃度10%の含浸溶液を用い、同様に含浸、凝
固、湯洗、乾燥を行なつた。つぎにトリクロルエ
チレンを用いてポリスチレンとポリエチレングリ
コールの溶解除去を行ない、1.1mmにスライスし
た後水流処理した側の表層部にポリウレタンの溶
液にカーボンブラツクと染料を添加した塗料をグ
ラビアコータで付与し、乾燥して固化させ、プレ
スして一体化して複合体を形成しシボ賦型を行な
つた。反対面はバフイングを行ない極細繊維を毛
羽立たせ、ついで分散染料を用いて120℃高温染
色を行ない通常の仕上げ加工を行なつた。得られ
た皮革様シート物は、反撥性の少ない一体感のあ
る風合のもので、片面は比較的毛足の長い極細繊
維の毛羽を有し、もう一方の面は上品な外観の銀
面を有するもので、天然の銀付皮革に極めて類似
した構造のものであつた。またこのものを靴の甲
革として用いたところ、従来のものではつま先部
に“あらび”と称する凹凸の発生がさけられなか
つたが、本発明のものでは、こうした凹凸の発生
はなくスムーズな表面を有する靴が得られた。ま
た、この靴を着用したところ、従来のポリウレタ
ン被膜を有するものにくらべ極めて傷がつきにく
いものであつた。 この皮革様シート物の銀面層のポリウレタンお
よび仕上げ剤を除去し構成繊維の平均繊維交絡点
間距離を測定したところ98μであつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は銀面層における構成繊維を表面側から
観察したときの構成繊維の拡大模式図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 極細繊維および/またはその束の繊維交絡点
    間距離が200ミクロン以下である繊維構造体と、
    その空隙部分に存在する樹脂とから主としてなる
    複合体によつて形成され銀面層を少なくとも片面
    に有することを特徴とする皮革様シート物。 2 銀面層の下層は極細繊維束が主体に交絡して
    おり、銀面層は該下層の極細繊維束が枝分れした
    極細繊維および/またはその束が主体となつてお
    り、かつ該下層と該銀面層における繊維は実質的
    に連続しており、かつ該両層の境界は枝分れの程
    度が連続的に変化していることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項に記載の皮革様シート物。
JP7458282A 1982-03-31 1982-05-06 皮革様シ−ト物 Granted JPS58191280A (ja)

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