JPH04244074A - エポキシ化反応粗液の精製方法 - Google Patents

エポキシ化反応粗液の精製方法

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JPH04244074A
JPH04244074A JP9830191A JP9830191A JPH04244074A JP H04244074 A JPH04244074 A JP H04244074A JP 9830191 A JP9830191 A JP 9830191A JP 9830191 A JP9830191 A JP 9830191A JP H04244074 A JPH04244074 A JP H04244074A
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Kimiaki Honda
本田 公映
Akihiro Kuwana
章博 桑名
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明によって、製造されるエポ
キシ基およびまたはビニル基を有する生成物は、樹脂の
原料として重要な化合物である。
【0002】
【従来の技術】これまでに、エポキシ基およびまたはビ
ニル基を有する目的生成物を含有する反応粗液の精製方
法として、 (1)蒸留による精製方法:生成物が熱に対して比較的
安定である場合は、蒸留によって精製する方法が一般的
に用いられている。通常この方法がコスト面で優位であ
る。
【0003】(2)水洗による精製方法:反応粗液中に
酸や過酸化物が存在する場合、反応粗液を蒸留すると目
的生成物が重合したり副反応を起こすことが多い。この
ような場合、反応粗液を直接蒸留塔に仕込むことができ
ないので、水洗による精製方法が用いられる。水洗によ
って重合や副反応を誘起する物質を除去した後、通常蒸
留によって精製する。
【0004】(3)中和による精製方法:水洗によって
重合や副反応を誘起する物質を除去できない場合や酸性
水溶液あるいはアルカリ性水溶液と目的生成物とが反応
する場合には、中和による精製方法を用いる。単に液の
PHを中和点まで調整するだけでは、重合や副反応を誘
起する物質を除去できない場合には、酸性水溶液あるい
はアルカリ性水溶液として重合や副反応を誘起する物質
を除去する場合もある。
【0005】中和によって重合や副反応を誘起する物質
を除去した後、通常蒸留によって精製する。等の方法が
知られている。しかしながら、これらの従来技術(2)
(3)では、目的物質を工業的規模で製造しようとする
場合に、水洗あるいは中和時の排水が、非常に問題にな
ることが多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来技
術(1)を用いることが不可能な場合に利用される従来
技術(2)(3)は、排水が問題となり工業的規模での
利用は難しい。このような状況に鑑み本発明者らは、鋭
意検討した結果、エポキシ基およびまたはビニル基を有
する目的生成物を含有する反応粗液から蒸留によって目
的生成物を分離する精製方法に於いて、蒸留工程で除去
したい物質の沸点と生成物の沸点の中間の沸点を有する
溶剤を反応粗液に添加することによって、目的生成物の
重合や副反応を誘起する物質と目的生成物との分離が可
能であることを見いだし、従来技術(1)を用いること
が不可能な場合に工業的に利用可能な反応粗液の精製方
法として本発明を完成させた。
【0007】
【発明の目的】本発明の目的は、エポキシ基およびまた
はビニル基を有する目的生成物を含有する反応粗液から
目的生成物を分離する精製方法に於いて、排水を出さず
しかも目的生成物が重合したり副反応を起こすことがな
い反応粗液の精製方法を開発することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、「エ
ポキシ基およびまたはビニル基を有する目的生成物を含
有する反応粗液から蒸留によって目的生成物を分離する
精製方法に於いて、蒸留工程で除去したい物質の沸点と
生成物の沸点の中間の沸点を有する溶剤を反応粗液に添
加することを特徴とする反応粗液の精製方法」である。
【0009】以下に本発明による反応粗液の精製方法に
ついて詳述する。本発明で使用される反応粗液は、おも
にエポキシ化反応により得られる反応粗液である。
【0010】本発明の精製方法において処理対象となる
反応粗液とその反応粗液を得るための出発原料の事例を
以下に記述する。 (イ)テトラヒドロベンジルアルコールを酸化剤で酸化
して3,4−エポキシテトラヒドロベンジルアルコール
を製造する場合 (ロ)3−シクロヘキセニルメチルメタクリレートを酸
化剤で酸化して3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
メタクリレートを製造する場合 (ハ)α−ピネンを酸化剤で酸化してα−ピネンオキサ
イドを製造する場合 (ニ)ビニルシクロヘキサンポリエーテルを酸化剤で酸
化してエポキシ化シクロヘキサンポリエーテルを製造す
る場合
【0011】ただし、他の反応により得られた反応粗液
であっても、エポキシ基およびまたはビニル基を有する
目的生成物と酸あるいは過酸化物などを含む反応粗液で
あって、その反応粗液をそのまま蒸留すると目的生成物
が重合したり副反応を起こしてしまう性質を有している
場合は、本発明を適用できる。
【0012】蒸留工程で除去したい物質とは具体的には
酸化剤として有機過酸を使用した場合にはそれが分解し
て生じた揮発性の有機酸、酸化剤として過酸化水素を使
用した場合にはそれが分解して生じた水、反応粗液の粘
度を低下させる目的で反応溶媒を使用した場合はその溶
媒、未反応の酸化剤、その他少量ではあるが分解により
生じた各種の低沸成分などである。
【0013】たとえば、酸化剤として有機過酸の代表的
な事例である過酢酸を使用する場合には分解により生じ
る酢酸、未反応の過酢酸および通常は過酢酸の安定化の
ために使用されている酢酸エチルなどが除去したい具体
的な物質に該当する。エポキシ化反応に用いられる酸化
剤は、不飽和結合をエポキシ化できるものなら何でもよ
く、過蟻酸、過酢酸、過プロピオン酸、m−クロロ過安
息香酸、トリフルオロ過酢酸、過安息香酸等の有機過酸
、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クミルハ
イドロパーオキサイド、テトラリルハイドロパーオキサ
イド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド
等のハイドロパーオキサイド類、過酸化水素等を例とし
て挙げることができる。
【0014】酸化剤は触媒を併用してもよく、例えば有
機過酸なら、炭酸ソーダ等のアルカリや硫酸などの酸を
触媒として用い得る。同じくハイドロパーオキサイドの
場合、モリブデンヘキサカルボニル等公知の酸触媒能を
持つ化合物を、また過酸化水素の場合、タングステン酸
と水酸化ナトリウムの混合物等公知の触媒能を持つ化合
物を併用することができる。
【0015】反応溶媒は反応粗液の粘度低下、酸化剤の
希釈による安定化等の効果があり、ベンゼン・トルエン
・キシレン・エチルベンゼン・イソプロピルベンゼン・
ジエチルベンゼン・P−シメン等の芳香族炭化水素、シ
クロヘキサン・n−ヘキサン・ヘプタン・オクタン・ノ
ナン・デカン・デカリン等の脂肪族炭化水素、シクロヘ
キサノール・ヘキサノール・ヘプタノール・オクタノー
ル・ノナノール・フルフリルアルコール等のアルコール
、アセトン・メチルエチルケトン・シクロヘキサノン等
のケトン、酢酸エチル・酢酸n−アミル・酢酸シクロヘ
キシル・プロピオン酸イソアミル・安息香酸メチル等の
エステルを使用し得る。
【0016】さらに、エチレングリコール・プロピレン
グリコール・エチレングリコールモノメチルエーテル・
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート・エ
チレングリコールモノエチルエーテル・エチレングリコ
ールモノエチルエーテルアセテート・ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル・ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル等の多価アルコールとその誘導体、クロロ
ホルム・ジメチルクロライド・四塩化炭素・クロルベン
ゼン等のハロゲン化合物、1,2−ジメトキシエタン等
のエーテル化合物等を用いることができる。
【0017】本発明で使用される反応粗液は、エポキシ
基およびまたはビニル基を有する目的生成物と、酸ある
いは過酸化物などを含み反応粗液をそのまま蒸留すると
目的生成物が重合したり副反応を起こす性質を有する。
【0018】すなわち、そのような反応粗液を蒸留する
場合、目的生成物の重合や副反応を引き起こす物質が塔
底に存在するような運転をすると塔底で目的生成物の重
合や副反応がおこり、目的生成物の収率や品質が低下し
、目的生成物の重合や副反応を引き起こす物質が塔底に
存在しないような運転をするために塔底の温度を上昇さ
せるとエポキシ基およびまたはビニル基を有する目的生
成物は熱的に不安定な物質が多く目的生成物の収率や品
質が低下する。
【0019】このような状況を解決するには、目的生成
物の重合や副反応を引き起こす物質を塔底に存在させず
、しかも塔底の温度を上昇させないようにすればよい。 それには、蒸留工程で除去したい物質の沸点と生成物の
沸点の中間の沸点を有する溶剤を反応粗液に添加して蒸
留を行う。
【0020】すなわち、そのような溶剤を蒸留塔内に存
在させることで、目的生成物の重合や副反応を引き起こ
す物質と目的生成物とをすばやく分離し、塔底の温度上
昇を防ぐことが可能となる。本発明で蒸留工程で、反応
粗液に添加する溶剤としては、蒸留工程で除去したい物
質の沸点と生成物の沸点の中間の沸点を有することが必
要である。また、後の精製工程のことを考慮すると、生
成物の沸点と添加する溶剤の沸点は離れているほうが好
ましい。もちろん、その系内で化学的に安定なことも必
要な条件である。
【0021】溶剤の具体的な事例としては、処理対象と
なる反応粗液とその反応粗液を得るための出発原料の組
み合わせにより異なるが、エポキシ化反応の説明のとこ
ろで反応溶媒の例として挙げた化合物がある。これらの
中から、沸点・化学的安定性を考慮して使用する溶剤を
選択すればよい。また、これらの中のいくつかを組み合
わせて使用しても良い。
【0022】前記(イ)〜(ハ)の工程の場合、キシレ
ン、トルエンが種々の点で好ましい溶剤である。また、
溶剤はその使用目的から塔頂・塔底の両方に存在する場
合が多くなるが通常コスト面から溶剤はリサイクル使用
を行うので、溶剤の回収の容易さも溶剤選択の基準とな
る。
【0023】また、そのような目的で用いられる溶剤の
使用量は、目的生成物の重合や副反応を引き起こす物質
と目的生成物とをすばやく分離し、塔底の温度上昇を防
ぐことが可能となる量であるので、系によって異なる。 通常は、反応粗液に対して5〜300重量%の量である
。使用量が少なすぎれば目的生成物の重合や副反応を防
ぐことができないし、使用量が多すぎれば溶剤回収のコ
ストが大きくなり無駄である。
【0024】また、そのような目的で用いられる溶剤の
蒸留塔への仕込み方法は、目的に支障をきたさなければ
、どのような方法であっても良い。たとえば、蒸留塔へ
仕込む前にあらかじめ反応粗液と溶剤を混合しておいて
もよいし、各々を異なる段に仕込んでもよい。また、気
相であっても液相であっても気液混相であってもよい。
【0025】反応時の溶媒と本特許で用いられる溶剤と
が同じ化合物でもよいなら、系が複雑にならないので同
じ化合物を用いた方がよい。蒸留の際に必要な量が反応
時すでに溶媒として添加されている場合は、蒸留の際あ
らたに添加する必要はない。蒸留の際に必要な量が反応
時すでに溶媒として添加されている量よりも多い場合は
、蒸留の際に足りない量を添加するとよい。
【0026】蒸留の際に添加する溶剤を反応時に添加し
ておいても良い。ただし、その溶剤の添加により反応成
績UP等の効果が得られない場合、反応系への溶剤の添
加は反応系のSTYを下げるだけになるので好ましくな
い。目的生成物が熱に対してあまり安定でないことが多
いので蒸留は、次のような形式でおこなわれることが多
い。■バッチ式でなく連続蒸留、■常圧でなく減圧蒸留
、■FFEタイプで滞留時間の小さいリボイラー。ビニ
ル基のラジカル重合を防止するために蒸留の際に、重合
禁止剤の添加、酸素の共存、光の遮断等が有効である。
【0027】重合禁止剤の例としては、ハイドロキノン
、ハイドロキノンモノメチルエーテル、P−ベンゾキノ
ン、クレゾール、t−ブチルカテコール、2,4−ジメ
チル−6−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4
−メトキシフェノール、3−t−ブチル−4−メトキシ
フェノール、2,6−ジ−t−ブチル−P−クレゾール
、2,5−ジヒドロキシ−P−キノン、ピペリジン、エ
タノールアミン、α−ニトロソ−β−ナフトール、ジフ
ェニルアミン、フェノチアジン、N−ニトロソフェニル
ヒドロキシルアミン、N、N−ジエチルヒドロキシルア
ミン等を挙げることができる。
【0028】上記のような重合禁止剤の使用量は、通常
目的生成物に対して0.001〜5.0重量%好ましく
は0.01〜1.0重量%である。重合禁止剤の添加量
が0.001重量%未満の場合は重合禁止効果が小さく
、逆に5.0重量%以上添加しても効果は向上しないの
で無駄となる。
【0029】また、上記のような重合禁止剤の仕込み方
法は、重合禁止の効果が得られるならどのような方法で
あってもよい。例えば、あらかじめ反応粗液や溶剤に添
加しておいてもよいし、塔頂から仕込んでもよい。系内
に酸素を存在させる場合は、爆発混合気の形成を避ける
ため酸素だけでなく、窒素等の不活性ガスと酸素(もし
くは空気)との混合気として使用することが多い。
【0030】以下に実施例を挙げて本特許をより具体的
に説明するが、本特許はこの実施例によって限定される
ものではない。
【実施例1】<3,4−エポキシテトラヒドロベンジル
アルコールの場合>テトラヒドロベンジルアルコール2
300g、酢酸エチル9660gを撹拌機を備えたジャ
ケット付きSus316製15l反応器に仕込んだ後昇
温して内部温度を25℃とした。
【0031】過酢酸30%を含む酢酸エチル溶液623
3gを4時間かけて滴下して、その後5時間熟成した。 滴下および熟成中は内部温度を30℃に保持するためジ
ャケットの冷却水を制御した。このようにして目的生成
物である3,4−エポキシテトラヒドロベンジルアルコ
ールを含む反応粗液18193kgを得た。
【0032】次いで、直径40mmのトレ−を20段設
けたオールダーショウ塔を用いて塔頂圧力60torr
で連続蒸留実験を行った。前記の3,4−エポキシテト
ラヒドロベンジルアルコール(以後ETHBと略)を目
的生成物として含む反応粗液1000gに溶剤としてキ
シレン650gを加えた液を、塔頂から8段のトレーに
450g/時で供給し、還留比1で塔頂から329g/
時、塔底から121g/時で抜き出した。表1に各液の
組成を示す。
【0033】
【表1】
【0034】蒸留前後で目的生成物であるETHBの量
が変化していないことから重合や副反応をおこしていな
いことがわかる。また比較例1のように塔内に固形物が
発生するようなことはなかった。この場合、除去したい
物質は酢酸(沸点:118℃)および過酢酸(沸点:1
10℃)で、添加した溶剤は混合キシレン(沸点:13
5〜145℃)、目的生成物はETHB(沸点:97℃
/3Torr.)である。
【0035】
【比較例1】反応粗液にキシレンを加えない以外は、実
施例1と同じ蒸留操作をおこなったところ、仕込み段付
近に白色の固形物が発生し蒸留できなくなった。また、
このとき酢酸とETHBの副反応生成物が塔底に多量に
発生していた。
【0036】
【実施例2】<3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
メタクリレートの場合>撹拌機および窒素と空気の混合
ガスの供給装置を備えたジャケット付きSus316製
15l反応器に3−シクロヘキセニルメチルメタクリレ
ート3913g、酢酸エチル7826g、ハイドロキノ
ンモノメチルエーテル5.85gおよびトリポリリン酸
ナトリウム2.35gを仕込んだ後昇温して内部温度を
45℃とした。
【0037】次いで、過酢酸30%を含む酢酸エチル溶
液6329gを4時間かけて滴下して、その後2時間熟
成した。滴下および熟成中は内部温度を50℃に保持す
るためジャケットの冷却水を制御した。この時窒素と空
気との3:1の混合ガスを84l/時間の供給速度でバ
ブリングした。このようにして目的生成物である3,4
−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートを含む
反応粗液17731gを得た。
【0038】次に、直径40mmのトレーを20段設け
たオールダーショウ塔を用いて塔頂圧力58torrで
連続蒸留実験を行った。3,4−エポキシシクロヘキシ
ルメチルメタクリレート(以後METHBと略)を目的
生成物として含む反応粗液1000gに溶剤としてキシ
レン780gを加えた液を、塔頂から8段のトレーに5
09g/時で供給し、還留比1で塔頂から335g/時
、塔底から174g/時で抜き出した。
【0039】METHBはラジカル重合をおこしやすい
物質なので、蒸留塔の仕込み液にハイドロキノンモノメ
チルエーテルを40ppm添加し、塔底から窒素と空気
の混合ガスをリークさせた。表2に各液の組成を示す。
【0040】
【表2】
【0041】蒸留前後で目的生成物であるMETHBの
量が変化していないことから重合や副反応をおこしてい
ないことがわかる。また比較例2のように塔底に重合物
が発生するようなことはなかった。この場合、除去した
い物質は酢酸(沸点:118℃)および過酢酸(沸点:
110℃)で、添加した溶剤は混合キシレン(沸点:1
35〜145℃)、目的生成物はMETHB(沸点:1
15℃/1Torr.)である。
【0042】
【比較例2】反応粗液にキシレンを加えない以外は、実
施例2と同じ蒸留操作をおこなったところ、塔底に多量
の重合物が発生した。
【0043】
【実施例3】<α−ピネンオキサイドの場合>撹拌機を
備えたジャケット付きSus316製15l反応器にα
−ピネン3070g、酢酸エチル8948gを仕込んだ
後昇温して内部温度を25℃とした。次いで、過酢酸3
0%を含む酢酸エチル溶液5858gを2時間かけて滴
下して、その後3時間熟成した。滴下および熟成中は内
部温度を30℃に保持するためジャケットの冷却水を制
御した。
【0044】このようにして目的生成物であるα−ピネ
ンオキサイドを含む反応粗液17876gを得た。直径
40mmのトレーを20段設けたオールダーショウ塔を
用いて塔頂圧力60torrで連続蒸留実験を行った。 α−ピネンオキサイド(以後PN0と略)を目的生成物
として含む反応粗液1000gに溶剤としてキシレン6
50gを加えた液を、塔頂から8段のトレーに450g
/時で供給し、還留比1で塔頂から329g/時、塔底
から121g/時で抜き出した。表3に各液の組成を示
す。
【0045】
【表3】
【0046】蒸留前後で目的生成物であるPNOの量が
変化していないことから重合や副反応をおこしていない
ことがわかる。また比較例3のように塔底で副生物が発
生するようなことはなかった。
【0047】
【比較例3】反応粗液にキシレンを加えない以外は、実
施例3と同じ蒸留操作をおこなったところ、酢酸とPN
Oの副反応生成物が塔底に多量に発生していた。
【0048】
【実施例4】キシレンのかわりにトルエンを使用した以
外は、実施例1と同じ蒸留操作をおこなったところ、実
施例1と同様に、蒸留前後で目的生成物であるETHB
の量が変化していないことから重合や副反応をおこして
いないことがわかった。
【0049】
【実施例5】酢酸と過酢酸のかわりにtert−ブタノ
ールとtert−プチルパーオキサイドである反応粗液
以外は、実施例2と同じ蒸留操作をおこなったところ、
実施例2と同様に、蒸留前後で目的生成物であるMET
HBの量が変化していないことから重合や副反応をおこ
していないことがわかった。
【0050】
【発明の効果】重合性を有する目的生成物、具体的には
、エポキシ基およびまたはビニル基を有する目的生成物
を得るための反応において、目的生成物が重合したり副
反応を起こすことがないようになった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  エポキシ基およびまたはビニル基を有
    する目的生成物を含有する反応粗液から蒸留によって目
    的生成物を分離する精製方法に於いて、蒸留工程で除去
    したい物質の沸点と生成物の沸点の中間の沸点を有する
    溶剤を反応粗液に添加することを特徴とする反応粗液の
    精製方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8796350B2 (en) 2010-03-09 2014-08-05 Henkel US IP LLC Cationic UV-crosslinkable acrylic polymers for pressure sensitive adhesives
CN115073396A (zh) * 2022-06-29 2022-09-20 江苏泰特尔新材料科技股份有限公司 一种脂环族环氧树脂的合成方法

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