JPH0423105B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は燃料ポンプユニツトに係り、特定発明
は燃料タンク内に設置したサブタンクを負圧可能
とし、燃料ポンプによるエンジンへの燃料供給と
共に、サブタンク内空を負圧にして燃料タンクの
底部から補給チユーブにより燃料を補給する構成
にした燃料ポンプユニツトに関する。またこの特
定発明と産業上の利用分野及び構成に欠くことが
できない事項の主要部が同一である第２の発明
は、特定発明と同一の構成にしているの他、サブ
タンクの燃料面上昇により弁を上昇して弁口を閉
じるカツトオフバルブをサブタンクに設け、該バ
ルブに連結した吸引チユーブをエンジンに接続
し、前記したバルブが閉じられるまでは、エンジ
ンの吸入行程によりサブタンクの負圧を増大する
と同時に該バルブを経てエンジンに吸引したサブ
タンクの燃料ガスをエンジンで燃焼する構成を付
加したものである。

（従来の技術） 内空の負圧を可能にしたサブタンクを使用した
燃料タンクユニツトの存在はなく、第５図に示す
ジエツトポンプ方式、第６図に示す方式の燃料ポ
ンプユニツト等が公知である。

第５図の方式ではサブタンクａにエンジンへの
燃料供給の燃料ポンプｂ、リターンチユーブｃを
設け、燃料ポンプのサクシヨンチユーブを臨ませ
た底部に新車時に最初に燃料を流入させ常時はサ
ブタンクａの燃料が逆流しないための逆止弁ｄに
より閉塞される補給口ｅを設け、さらに燃料タン
クｆの底部に開口する補給チユーブｇをサブタン
クａ内に挿入してリターンチユーブｃに連結し、
リターン燃料の流れにより燃料タンクｆから燃料
を吸引するジエツトポンプｈを設け、第６図方式
ではサブタンクａにエンジンに燃料を供給する燃
料ポンプｂ及びリターンチユーブｃを設け、燃料
ポンプｂのサクシヨンチユーブを臨ませた底部
に、燃料タンク内の燃料面が下がるとフロート性
バルブｄにより開閉される補給口ｅを設けたもの
が存在するが、それらのサブタンクａは何れも負
圧可能なものではなく、燃料タンクの燃料は常に
サブタンクに補給されている。

（発明が解決しようとする問題点・本発明の目
的） 本発明の特定発明は、燃料タンクが燃料切れに
近付いたときに、エンジンに燃料を供給する燃料
ポンプの燃料供給を可及的に延長するため、燃料
ポンプを燃料タンク中のサブタンクに設ける燃料
ポンプユニツトにおいて、サブタンクに燃料タン
クの燃料を該サブタンクの周部に設ける迷路を介
して常に補給する従来の構成によることなく、サ
ブタンクの内部が負圧にされると補給チユーブに
より燃料タンクの底部から自動的に補給できるよ
うにサブタンクを負圧可能にすると共に、燃料タ
ンクの底部に補給口を臨ませた補給チユーブを負
圧可能なサブタンクに開口し、燃料ポンプにより
エンジンに燃料供給を行うことによりサブタンク
中の燃料を減少すると同時にサブタンクの負圧機
能により該サブタンクを負圧に傾け、その負圧の
継続を以て燃料タンクから補給チユーブにより燃
料を補給すること解決しようとする問題点とし、
本発明の目的とするものである。

また、第２の発明は、サブタンクに燃料が入れ
てない新車などにおいて、該サブタンクの燃料面
上昇と共に弁口を閉じるカツトオフバルブをサブ
タンクに設け、サブタンク内のエヤまたは燃料ガ
スを吸引して内空を負圧に傾け、サブタンク内空
の負圧により燃料タンクからサブタンクに燃料を
自動的に補給して燃料ポンプによるエンジンへの
燃料供給を開始させ、空気弁の一種であるカツト
オフバルブからエンジンに吸い込んだ燃料ガスを
該エンジンで燃焼させる構成を特定発明に付加す
ることを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明は前記した目的にそれぞれ合致するもの
であつて、特定発明は燃料タンク中に、該燃料タ
ンクの底部に補給口を臨ませた補給チユーブを内
部に開口すると共にエンジンに接続した燃料ポン
プを設置し、さらにリターンチユーブを臨ませた
負圧可能なサブタンクを設け、燃料ポンプによる
エンジンへの燃料供給によつてサブタンク内に負
圧を生じさせて補給チユーブにより燃料タンクか
ら燃料補給を生じさせる構成にしたことを特徴と
する燃料ポンプユニツトに関するものである。

また第２の発明は、特定発明と同じに燃料タン
ク中に、該燃料タンクの底部に補給口を臨ませた
補給チユーブを開口すると共に、エンジンに接続
した燃料ポンプを設置し、さらにリターンチユー
ブを臨ませた負圧可能なサブタンクを設け、該サ
ブタンクに燃料面の上昇により弁を上昇して弁口
を閉じるカツトオフバルブを設け、該バルブに連
結した吸引チユーブをエンジンに接続し、エンジ
ンの吸入行程によりサブタンクを負圧に傾けて燃
料タンクからサブタンクに燃料補給を生じさせ、
かつカツトオフバルブを経てエンジンに吸引した
燃料ガスを該エンジンにより燃焼する構成にした
ことを特徴とする燃料ポンプユニツトに関するも
のである。

（実施例） 第１〜３図は本発明の特定発明及び第２の発明
の燃料ポンプユニツトを併せて例示したものであ
つて、１は燃料タンク、３該燃料タンク１の作業
穴２に燃料洩れの無いように施す密閉蓋であつ
て、その下面に補給チユーブ５、燃料ポンプ６の
燃料供給管７、リターンチユーブ８、カツトオフ
バルブ９に連結した吸引管１０の各挿通部を密閉
蓋３との共同により密閉し、又は単独で密閉して
負圧可能にしたサブタンク４を設ける。補給チユ
ーブ５はサブタンク４の底から突出して、袋形の
フイルター１１を燃料タンク１の中央部の底に接
触させてなり、サブタンク４を燃料タンク１の中
心部に取付けることができないときは補給チユー
ブ５のサブタンク４の底部から突出するほぼ水平
屈曲の部分を燃料タンク１の底部の中心まで延ば
してフイルター１１を取付ける。補給チユーブ５
は上端の燃料噴出口をサブタンク４の上端の近く
で開口させているが、特定発明は図示より低い位
置にすることができる。

燃料ポンプ６がサブタンク４の内部の底に設け
た据付座１２に底部を固定して、エンジンへの燃
料供給管７を密閉蓋３から外部に突出してなる。
この燃料ポンプはサクシヨンチユーブ１３をサブ
タンク４の底部に接近させて設ける。

サブタンク４は約150mmAq以下の負圧により、
補給チユーブ５からの燃料補給を可能にする。

リターンチユーブ８はエンジン負荷が安定して
いるとき燃料ポンプ６による供給量の約70〜80％
の燃料をサブタンク４に返し、高速走行等の高負
荷のとき約20〜30％の燃料をサブタンク４に返
す。リターン燃料には燃料ガスを混合しているか
ら、燃料ポンプ６のサクシヨンチユーブ１３の反
対側に開口させガス化分をサブタンク４の液面に
上昇させて分離する。

カツトオフバルブ９は一種の空気弁であつて、
第２〜３図に示すように底中心が開放され、上端
に吸引チユーブ１０が連結された弁筒１４の内部
に弁口１６をもつ弁座板１５を設けると共にバラ
ンスばね１７によりサブタンク４内の燃料の燃料
面P₁の上昇と共に上昇する弁１８（燃料より比
重が大きい）により第２図に示すとおりに弁口１
６を閉じる構成になり、リターンチユーブ８によ
りリターンされる燃料があつても、第３図のよう
に燃料面P₁が低いと、弁口１６が開放されたま
まになる。

吸引チユーブ１０は逆止弁１９を介してエンジ
ンに連結され、ピストンの燃料吸込行程で、サブ
タンク４内の空気又は燃料ガスを吸引して該サブ
タンク４の内空を負圧に傾け、或は負圧を増加す
る。

第４図はカツトオフバルブ９の他の実施例を示
し、弁筒１４ａの内部に弁口１６ａをもつ通路１
５ａを設けると共に、サブタンク内の燃料面P₁
の上昇と共に比重約1.4の樹脂製弁１８ａをバラ
ンスばね１７ａの弾力の共動の下に上昇して弁口
１６ａを閉じる、燃料タンク１が上下反転すれば
弁１８ａが自重により弁口１６ａを閉じる。

（作用） 本発明の特定発明は、カツトオフバルブ９を欠
くもので、サブタンク４に図示のように燃料P₁
が補給される状態説明する。燃料ポンプ６が燃料
をエンジンに供給すればその供給量に対応して該
タンク４内の燃料P₁が減少して内空の負圧を増
大し補給チユーブ５から燃料タンク１内の燃料を
該負圧による圧力差でサブタンク４内に吸引して
燃料P₁を補給する。しかるにリターンチユーブ
８により燃料の戻り量は既述のように一定でない
から、燃料P₁の液面は第２，３図のように浮動
する。しかし燃料ポンプによる燃料供給量からリ
ターン燃料のリターン量と差引いた容積に相当し
てサブタンク４の内空が負圧に傾けられ、ほぼそ
れに対応して燃料P₁を燃料タンク１から補給チ
ユーブ５により補給されることになる。

第２の発明はサブタンク４内に上記のカツトオ
フバルブ９を備え、第２図のように燃料P₁の液
面の上昇と共に弁口１６が弁１８により閉じられ
て吸引チユーブ１０によりエンジンに連通しなく
なるが、液面は常に上昇しているものでないこと
は既述のとおりであり、サブタンク４の燃料が入
つていない新車などでは第３図のように弁口１６
が開いて吸引チユーブ１０によりエンジンに連通
しているから、エンジンの空始動をするとピスト
ンの下降行程によりサブタンク４の内部を負圧に
傾けて補給チユーブ５により燃料タンク１の底部
から燃料をサブタンク４内に吸込み、該燃料P₁
が燃料ポンプ６のサクシヨンチユーブの高さに達
すれば該ポンプ６によりエンジンに燃料を供給
し、リターンチユーブ８によつて燃料の返りを生
ずる。

（効果） 本発明の特定発明はサブタンク４を負圧可能と
し、該サブタンクの内部の燃料ポンプによりエン
ジンに燃料を供給すると同時に該供給量に相当す
る負圧を生じさせて補給チユーブにより燃料タン
クの燃料Ｐを該サブタンクに補給する新方式の構
成になり、負圧可能なサブタンクによりエンジン
への燃料供給及び補給チユーブによるサブタンク
内への燃料補給を施すことができる効果をもつ。

また第２の発明は特定発明の構成に、サブタン
クの燃料面の上昇により弁を上昇して開口を閉じ
る一種の空気弁であるカツトオフバルブを付加す
る構成を加え、該バルブを吸引チユーブによりエ
ンジンに連結し、弁口が開いている間はエンジン
の燃料吸引行程によりサブタンクのエヤ又は燃料
ガスを吸引して負圧を助長し、かつエンジンによ
り吸引された燃料ガスを燃焼させる構成により、
サブタンクに燃料が補給されていない新車などに
対応させ得ると共にエンジンに吸込まれた気化燃
料を燃焼して外部に排出せず、サブタンクの負圧
に対応させて燃料を燃料タンクから補給するもの
であるため、エンジンが消費した燃料分だけしか
補給することがなく、その補給量は少いから、エ
ンジンの近くを通る間に加熱されて溶け込んでい
た燃料ガスを放出して、放出分が無くなつたリタ
ーン燃料が燃料ポンプによりエンジンに送られる
燃料の大半を示すことによつて、ベーパーロツク
を生じ難くする等、負圧可能なサブタンクを使用
することによる特有の効果を生ずる。

【図面の簡単な説明】

第１〜３図は本発明の第１実施例を示し、第１
図は縦断正面図、第２，３図は同要部の拡大縦断
正面図、第４図はカツトオフバルブ９の他の実施
例を示した拡大縦断側面図である。第５図は従来
から使用されているジエツトポンプ方式の燃料ポ
ンプユニツトの縦断拡大正面図、第６図はその他
の従来の方式の燃料ポンプユニツトの縦断拡大正
面図である。 １……燃料タンク、３……密閉蓋、４……サブ
タンク、５……補給チユーブ、６……燃料ポン
プ、８……リターンチユーブ、９……カツトオフ
バルブ、１０……吸引チユーブ、１８……弁、１
９……逆止弁、Ｐ，P₁……燃料。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 燃料タンク中に、該燃料タンクの底部に補給
   口を臨ませた補給チユーブを開口すると共に、エ
   ンジンに接続した燃料ポンプを設置し、さらにリ
   ターンチユーブを臨ませた、負圧可能なサブタン
   クを設け、 燃料ポンプによるエンジンへの燃料供給によつ
   てサブタンク内に負圧を生じさせて補給チユーブ
   により燃料タンクから燃料補給を生じさせる構成
   にしたことを特徴とする燃料ポンプユニツト。 ２ 燃料タンク中に、該燃料タンクの底部に補給
   口を臨ませた補給チユーブを開口すると共に、エ
   ンジンに接続した燃料ポンプを設置し、さらにリ
   ターンチユーブを臨ませた、負圧可能なサブタン
   クを設け、 該サブタンクに、燃料面の上昇により弁を上昇
   して弁口を閉じるカツトオフバルブを設け、該バ
   ルブに連通した吸引チユーブをエンジンに接続
   し、 エンジンの吸入行程によりサブタンク内空を負
   圧に傾け、その負圧により燃料タンクからサブタ
   ンクに燃料補給を生じさせ、かつカツトオフバル
   ブを経てエンジンに吸引した燃料ガスを該エンジ
   ンにより燃焼する構成にしたことを特徴とする燃
   料ポンプユニツト。