JPH04222299A - 化粧シートおよびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は壁紙などとして使用する
ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）の化粧シート、とくに表面に
凹凸を有するとともに、凸部にエンボスを与えた化粧シ
ートと、その製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】家屋の内装、とくに壁紙に好んで用いら
れているＰＶＣ製の化粧シートは、難燃紙をはじめとす
る基材シートの上にＰＶＣのペーストを塗布し、塗膜を
加熱してゲル化させるとともに、エンボス加工などを施
して製造したものがほとんどである。　　場合によって
は、ＰＶＣペーストに発泡剤を加えておいて、発泡させ
ることがある。　　発泡性樹脂層の上に発泡抑制剤を含
有するインキの印刷を行ない、その部分の発泡を抑制し
て凹凸を形成させる、「ケミカルエンボス」とよばれる
技術がある。

【０００３】しかし、在来のこの種の化粧シートは意匠
に変化が乏しいため、改良が求められていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のケミカルエンボス技術を利用したＰＶＣ発泡樹脂層を
もつ化粧シートにおいて、さらに変化に富んだ意匠を実
現したもの、およびその製造方法を提供することにある
。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の化粧シートは、
図１に示すように、基材シート（１）上にＰＶＣ発泡樹
脂層（２）を設けてあり、この発泡樹脂層（２）には高
度に発泡して凸部を形成した部分（２１）と発泡を抑制
され凹部を形成した部分（２２）とがあって、上記凸部
の表面にエンボス加工（４）を施してなるものである。

【０００６】基材シートとしては、難燃処理した坪量５
０〜１００ｇ／ｍ２程度の紙類が好ましいが、それ以外
の紙類、各種の織布および不織布類、プラスチックシー
トを使用することができる。

【０００７】エンボス加工は既知の技術に従って実施す
ればよい。　　エンボス加工の条件は、一般に温度１５
０〜２５０℃、圧力３〜１８ｋｇ／ｃｍ２が適当である
。　　凸部の表面にだけエンボスを設けるには、版胴と
圧胴とのクリアランスを基材シートとＰＶＣ発泡樹脂層
の厚さの合計より小さく、ただし凹部にはエンボス版が
触れないように調節して加熱加圧するか、または後記す
るように熱硬化型の発泡抑制剤含有インキを用いて、凹
部にエンボス効果が及ぶようにする。

【０００８】着色したＰＶＣ層を設けて美麗な外観を与
えてもよく、とくにＰＶＣ層にパールのような光沢をも
たせて、化粧シートの高級感を高めることは推奨される
態様である。　　パール光沢を与える顔料としては、貝
がらの内側の部分やくず真珠を粉砕したもの、マイカ、
マイカの微粒子にＴｉＯ２または酸化鉄を焼き付けたも
のが知られている。　　ＴｉＯ２などの一部を金や銀に
代えると、さらに豪華な感じが出せる。

【０００９】ＰＶＣ発泡樹脂層は、基材シート上に、適
宜の大きさのブロックに分けて設けてもよい。　　この
場合、基材シートの表面があらわれる部分には、適宜の
印刷を施すとよい。

【００１０】上記のような化粧シートを製造する本発明
の方法は、基材シート上に発泡剤を含有するＰＶＣのペ
ーストを塗布し、その上に発泡抑制剤を含有するインキ
で所望のパターンを印刷し、必要であれば発泡抑制剤を
含有しないインキの印刷をも行なった後に加熱して、発
泡抑制剤含有インキの印刷の有無に応じて異なる度合の
発泡を起させることにより凹凸をもった発泡樹脂層をつ
くり、ついでエンボス加工を施して発泡樹脂層の凸部の
表面にエンボスを与えて、図面に示した化粧シートを得
ることからなる。

【００１１】本発明で使用するペーストは、いうまでも
なくＰＶＣゾルに、フタル酸ジオクチル（ＤＯＰ）を代
表とする可塑剤、発泡剤、必要ならば発泡促進剤、さら
には各種の添加剤を、適当量加えたものである。

【００１２】発泡剤は、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモ
ニウムのような無機系発泡剤や、アゾジカルボンアミド
、パラトルエンスルホヒドラジドのような有機系発泡剤
など、既知のものを使用すればよい。　　発泡促進剤は
、使用した発泡剤に応じて適宜に選択する。　　たとえ
ば、発泡剤としてアゾジカルボンアミドを使用したとき
は、硫酸鉛、マレイン酸鉛、フタル酸鉛、ステアリン酸
鉛、亜鉛華、尿素、しゅう酸、エタノールアミンなどが
適当である。

【００１３】基材シートへの発泡性樹脂ペーストの塗布
は、グラビアコート法、スクリーン印刷法、ロールコー
ト法、ナイフコート法など通常の手法でよい。　　ブロ
ックに分けて塗布する場合は、ロータリースクリーン印
刷やグラビア盛り上げ印刷が好適である。

【００１４】ＰＶＣ層上にパターン印刷するインキは、
ＰＶＣと相溶性のよい合成樹脂をビヒクルとし、それに
発泡抑制剤を分散させたものである。　　もちろん、顔
料や染料などの着色材を添加してもよい。　　発泡抑制
剤は、既知のものの中からえらべばよい。　　たとえば
、無水トリメリット酸、マレイン酸、フマル酸、アジピ
ン酸、１，２−フタル酸のような有機酸が有用である。 　　そのほかに、ベンゾトリアゾールを使用してもよい
。

【００１５】発泡抑制剤含有インキとして、熱硬化型の
インキを使用することが好ましい。熱硬化型インキ例を
あげれば、、ビヒクルにアクリル樹脂、アクリルメラミ
ン樹脂、ウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂を使用したイ
ンキと、ＰＶＣなどの熱可塑性樹脂のビヒクルに、架橋
剤として多価アルコール（メタ）アクリレートのような
多官能性モノマーに過酸化物を加えたものを添加したイ
ンキである。

【００１６】

【作用】本発明は、基材シートの表面に形成したＰＶＣ
発泡樹脂層において高度に発泡した凸部と発泡が抑制さ
れた凹部とが生じるケミカルエンボス技術に、凸部の表
面へのエンボス加工を組み合わせることによって、化粧
シートに変化に富んだ意匠を与える。

【００１７】この組み合わせの効果を十分に得るには、
凸部の表面にシャープなエンボスを施す必要がある。　
　それには、版胴と圧胴とのクリアランスを狭くしたり
、高温でプレスしたりする苛酷なエンボスを行なわなけ
ればならないが、そのようなエンボス加工をすると、凹
部の表面にもエンボスが入り、意匠を損う心配がある。 そこで熱硬化性の発泡抑制剤含有インキを使用すれば、
加熱発泡工程で加えられる熱によりこのインキが硬化し
て凹部表面の硬度および耐熱性が高くなり、苛酷な条件
でエンボス加工しても凹部表面にエンボスが付与されず
、凸部の表面にだけエンボスの付与される。

【００１８】

【実施例１】基材シートとして坪量７０ｇ／ｍ２の難燃
紙「ＷＫ−７０ＮＲＤＳ」（興人製）を使用し、その上
に下記の組成のＰＶＣ発泡性樹脂ペーストを１７０μｍ
の厚さにロールコートして、１６０℃に６０秒間加熱し
た。 　　　　ＰＶＣ樹脂　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　１００重量部　　　　可塑剤（ＤＯＰ）　
　　　　　　　　　　　　　　　　　６５重量部　　　
　発泡剤（アゾジカルボンアミド）　　　　　　３重量
部　　　　パール顔料　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　５重量部　　その上に下記の組
成のインキで、格子模様（幅２．５ｍｍ、間隔７７．５
ｍｍ）をグラビア印刷した。 　　　　ビヒクル　　（ＰＶＣ樹脂）　　　　　　　　
　　２８重量部　　　　発泡抑制剤（無水トリメリット
酸）　　１２重量部　　　　溶　　　　剤　　（ＭＥＫ
）　　　　　　　　　　　　　　６０重量部上記のシー
トを２００℃の温度に５０秒間加熱して発泡させ、発泡
抑制インキの印刷層の有無により、発泡の度合（倍率）
を凸部で４．５倍、凹部で１．０〜２．０倍とした。　
　続いてこの発泡シートを、版深さ６００μｍのエンボ
ス版胴を使用し、圧胴との間で、温度２００℃、圧力６
ｋｇ／ｃｍ２の条件でエンボス加工して、図面に示すよ
うな本発明の化粧シートを得た。

【００１９】

【実施例２】実施例１と同様に、難燃紙の基材シート上
に下記の組成のＰＶＣ発泡性樹脂で厚さ１７０μｍの層
を設けた。 　　　　ＰＶＣ樹脂　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　１００重量部　
　　　可塑剤（ＤＯＰ）　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　６５重量部　　　　
発泡剤「ＡＺＳ」（大塚化学製）　　　　　　　　　　
　　　　　　　　３重量部　　　　チタン顔料「Ｒ−９
００」（デュポン製）　　　　　　　　１５重量部　　
　　炭酸カルシウム「Ｗｈｉｔｏｎ−Ｈ」（白石工業製
）　　　　　　３０重量部　　　　安定剤「ＫＦ−８３
Ｆ８」（共同薬品製）　　　　　　　　　　　　　　　
　　１重量部　　　　酸化亜鉛　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　１重量部　　　　希釈剤（キシロール）　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
５重量部　　その上に、印刷インキ「ＮＷＰ」（昭和イ
ンク工業所製）で１色目を、下記の組成のインキで２色
目を、いずれもグラビア印刷して絵柄を設けた。 　　　　アクリルメラミン樹脂　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　３０重量部　　　　発
泡抑制剤（ベンゾトリアゾール）　　　　　　　　　　
　　　　１５重量部　　　　溶　　　　剤　　（キシロ
ール）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
５５重量部上記の印刷を施したシートを２１０℃の温度
に６０秒間加熱して、樹脂層を発泡させるとともに、発
泡抑制インキを架橋させた。　　発泡抑制インキの印刷
層の有無により、発泡の度合は凸部で４．５倍、凹部は
１．０〜２．０倍と異なり、凹部の表面は硬化していた
。　　続いてこの発泡シートを、実施例１と温度および
圧力の条件は同じであるが、版胴と圧胴とのクリアラン
スを狭くしてエンボス加工した。　　得られた本発明の
化粧シートは、実施例１の化粧シートよりさらにシャー
プなエンボスを凸部に有していた。

【００２０】

【実施例３】発泡抑制インキとして下記の組成のものを
使用したほかは実施例２と同様にして化粧シートを製造
し、同様な製品を得た。

【００２１】 　　　　塩ビ−酢ビ共重合体　　　　　　　　　　　　
　　　　２５重量部　　　　発泡抑制剤（無水トリメリ
ット酸）　　１２重量部　　　　架橋剤（ＴＭＰＴ）　
　　　　　　　　　　　　　　　１０．２重量部　　　
　溶　　　　剤　　（キシロール）　　　　　　　　　
　５２．８重量部

【００２２】

【発明の効果】本発明の化粧シートは、表面にＰＶＣ樹
脂が高度に発泡した凸部と発泡が抑制された凹部とから
なるケミカルエンボスに加えて、凹部の表面にエンボス
版によるエンボスをも有し、変化に富んだ意匠が実現す
る。　　この化粧シートは、家屋の内装材、とくに壁紙
として最適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】　　本発明の化粧シートを説明するための模式
的な断面図。

【符号の説明】

１　　基材シート ２　　ＰＶＣ発泡樹脂層 ２１　　凸　　部　　　　　　　　２２　　凹　　部４
　　エンボス

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　基材シート上にポリ塩化ビニル発泡樹
   脂層を設けてあり、この発泡樹脂層には、高度に発泡し
   て凸部を形成した部分と発泡を抑制され凹部を形成した
   部分とがあって、上記凸部の表面にエンボス加工を施し
   てなる化粧シート。
2. 【請求項２】　　ポリ塩化ビニル発泡樹脂層にパール光
   沢顔料を練り込んだ請求項１の化粧シート。
3. 【請求項３】　　ポリ塩化ビニル発泡樹脂層を基材シー
   ト上に非連続のブロックの形で設けた請求項１の化粧シ
   ート。
4. 【請求項４】　　基材シート上に発泡剤を含有するポリ
   塩化ビニルのペーストを塗布し、その上に発泡抑制剤を
   含有するインキで所望のパターンを印刷し、加熱して、
   発泡抑制剤含有インキの印刷の有無に応じて異なる度合
   の発泡を起させることにより凹凸をもった発泡樹脂層を
   つくり、ついでエンボス加工を施して発泡樹脂層の凸部
   の表面にエンボスを与えることからなる化粧シートの製
   造方法。
5. 【請求項５】　　発泡抑制剤含有インキとして熱硬化型
   のインキを使用し、エンボス加工を発泡樹脂層の凸部に
   限定して行なう請求項４の製造方法。