JP2618280B2 - 発泡化粧材 - Google Patents

発泡化粧材

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は発泡化粧材に関し、特に壁紙材、天井材など
の内装材に使用して好適な発泡化粧材に関するものであ
る。
[従来の技術] 従来の凹凸模様を有する化粧材としては例えば、裏打
紙に発泡又は非発泡の塩化ビニルペーストをコーティン
グした上に印刷を施し、グロス又はマットのクリアな塩
化ビニルペーストをコーティングし、発泡又はエンボッ
シングしたものが知られている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記従来技術によると、表面がどうし
ても塩化ビニルの硬い感じの風合いになってしまい、柔
かい感じの風合いを出すことが困難である。さらに、柄
の深みを印刷の柄の組合せだけで表現しているため、深
み感に乏しいという欠点もある。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたもので、そ
の目的は、柔かいタッチの深み感のある独特の風合いを
有する発泡化粧材を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本発明の発泡化粧材は、
任意の色に着色された基材上にカプセル発泡剤を含む樹
脂層を塗設しこれを加熱してカプセル発泡剤を発泡せし
めることにより形成される半透明発泡樹脂層を設けたこ
とを特徴とする。
また、本発明は、前記半透明発泡樹脂層の表面にエン
ボスを施したことを特徴とする。
このような本発明にあっては、着色ベタ印刷層と凹凸
表面を有する半透明発泡樹脂層との組み合わせにより、
着色ベタの色が濃淡状に表現されると共に、脱塩ビ感覚
の柔かいタッチの独特な風合いが得られる。
また、前記半透明発泡樹脂層の表面に絵柄印刷を施す
と、下地が半透明であるために柄の深みが表現できると
共に色の濃淡によって柄の深みが変化するので、特に濃
淡の階調のある印刷絵柄の場合非常に深みのある柄表現
が可能になる。
また、前記半透明発泡樹脂層の表面にエンボスを施す
と、着色ベタ印刷層の表面に対する濃淡が顕著になり、
深みのある独特のエンボス感を表現することが可能にな
る。
以下、本発明を詳細に説明する。
第1図に示すように、裏打紙1上に着色ベタ印刷層2
を設け、その上に凹凸表面を有する半透明発泡樹脂層3
を形成する。
裏打紙1としては、化粧材の基材として一般的に用い
られるものを任意に使用することができる。
裏打紙1上に着色ベタ印刷層2を設けるには公知の印
刷手段を用いて容易に行える。或いは通常のコーティン
グ手段によっても行える。
また、凹凸表面を有する半透明発泡樹脂層3は、着色
ベタ印刷層2の上にカプセル発泡剤を含有する樹脂層を
塗設し、これを加熱してカプセル発泡剤を発泡せしめる
ことにより形成することができる。
用いられるカプセル発泡剤は、熱可塑性樹脂の中空の
粒子で、中空部分に揮発性物質(例えばイソブタンなど
の揮発性炭化水素)が封入されている。カプセルを形成
する樹脂には、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重
合体などが使用される。カプセルの粒径としては好まし
くは5μ〜20μのものが使用される。かかるカプセル発
泡剤は加熱により封入されている揮発性物質が揮発する
ことによって発泡する。既に市販されているものとして
は、日本フェライト(株)製の「エクスパンセル(商品
名)」、松本油脂製薬(株)製の「ミクロパールF−40
(商品名)」などがある。
半透明発泡樹脂層3を構成する樹脂としては、塩化ビ
ニル樹脂などが好適である。
樹脂中に添加するカプセル発泡剤の量及び樹脂の塗布
量によって半透明感はコントロールすることが可能であ
るが、本発明においては、カプセル発泡剤は例えば塩化
ビニル樹脂100重量部に対して3〜7重量部使用するの
が好ましく、また樹脂の塗布量は150〜350g/m2であるこ
とが好ましい。
また前記の樹脂中にはカプセル発泡剤の他、溶剤、安
定剤、難燃剤などの添加剤が含有されている。
カプセル発泡剤を含有する樹脂層を着色ベタ印刷層2
の上に形成するには、グラビアコート、ロールコート、
リバースコート、ナイフコート、スクリーン印刷法等、
任意の方法でよい。カプセル発泡剤を加熱発泡せしめる
方法は例えば加熱炉等に入れるなど任意である。
半透明発泡樹脂層3の膜厚は、目的とする風合いを出
すためには、発泡後の膜厚で0.20〜1.0m/m程度が好まし
い。
また、第2図は、半透明発泡樹脂層3の表面に絵柄印
刷4を施した態様を示したもので、色の濃淡によって柄
の深みが変化する。淡色の方が深みが強く、特に透明イ
ンキの場合顕著に現われる。なお、絵柄印刷4は、樹脂
層3の発泡前に施してもよいし、或いは発泡後に施して
もよい。
また、第3図は、半透明発泡樹脂層3の表面にエンボ
スを施した態様を示し、凹部3aでは凸部3bよりも下地の
着色ベタ色濃度が強く現われるので、着色ベタ印刷層2
の表面に対する濃淡が顕著に現われ、深みのある独特な
エンボス感を表現することができる。
[実施例] 以下に実施例を示して、本発明をより具体的に説明す
る。
裏打紙として75g/m2の難燃紙を用い、この上にグレー
色のベタ印刷を行なった。さらに、この上に、下記に示
す組成の発泡樹脂層用塗布液をナイフコート法にて、樹
脂塗布量240g/m2となるように塗布した。
(塗布液組成) 塩化ビニル樹脂(酢酸ビニルコポリマー) 100重量部 ジオクチルフタレート 40重量部 安定剤(Ba−Zn系) 2重量部 カプセル発泡剤「エクスパンセル(商品名)」(日本フ
ェライト(株)製) 4重量部 難燃剤(リン系) 10重量部 これを180℃の加熱炉中を45秒間通過させたところ、
本発明に係る発泡化粧材が得られた。なお、発泡後の半
透明発泡樹脂層の厚さは0.50m/mであった。
得られた発泡化粧材は、着色ベタの色の濃淡が顕著に
現われ、深み感のある柔かいタッチの独特な風合いを有
するものであった。
さらに、この発泡化粧材の表面に、透明着色インキを
用いてグラビア印刷により絵柄印刷を施したところ、特
に色の濃淡によって柄の深みが変化する非常に深みのあ
る柄表現がされた発泡化粧材が得られた。
[発明の効果] 以上詳細に説明したように、本発明の発泡化粧材によ
れば、脱塩ビ感覚の柔かいタッチで、従来には見られな
い深み感のある独特な風合いが得られるという優れた効
果を奏する。また表面に絵柄印刷を施すことにより、さ
らに深みのある柄表現が可能になり、また表面にエンボ
スを施すことにより、深みのある独特のエンボス感を表
現することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を説明するための断面図、第2図は本発
明の実施例を説明するための断面図、第3図は本発明を
説明するための断面図である。 1……裏打紙 2……着色ベタ印刷層 3……半透明発泡樹脂層 4……絵柄印刷層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−82026(JP,A) 特開 昭60−242245(JP,A) 特公 昭42−26524(JP,B1)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】任意の色に着色された基材上に、カプセル
    発泡剤を含む樹脂層を塗設しこれを加熱してカプセル発
    泡剤を発泡せしめることにより形成される半透明発泡樹
    脂層を設け、その上に絵柄印刷層を設けたことを特徴と
    する発泡化粧材。
  2. 【請求項2】前記化粧材の表面にエンボスを施したこと
    を特徴とする請求項1記載の発泡化粧材。
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