JPS6026719B2 - 凹凸化粧材及びその製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は凹凸イり鉾材及びその製造方法に関するもので
ある。

一般に凹凸化粧材なかんずく木目模様のある凹凸イＱ鉾
板は天然木の立体的な感じを表現するものとして、その
商品価値が広く需要者の間で認められている。

従来このような立体感を表現する為の凹凸を与える有力
な手段として基材に塗布または被覆された樹脂の表面に
ヱンボスロールを押圧して凹凸を与える機械的ェンポス
法と、基村に塗布した樹脂の硬化を部分的化学的に制御
して凹凸を与える化学的ェンボス法が周知である。

しかしながら、前記従釆法は、天然木により近い感じを
具現しようとするときに重大な欠点を有している。

即ち、基本的には化粧板を構成する表面樹脂層によって
凹凸が与えられる従釆法は、その表面樹脂が必然的に木
目印刷模様を被覆し、それを通して木目印刷模様が表わ
れることになるので、天然木に特有の光沢のある部分す
なわち「テリ」が具現されない。

本発明はこのような欠点を解消した新規な凹凸化粧材及
びその製造方法を提供することを目的とする。

次に本発明についてさらに詳細に説明する。

本発明の化粧材は基材上に艶のある区画と艶のない区画
とからなる任意模様を有し、前記区画のいずれか一方の
一部又は全部が他方に対して実質的に凸状である。前記
任意模様としては抽象柄、幾何学模様、木目模様、その
他種々のものが考えられ、ここに記載した模様限定され
るものではない。任意模様として木目模様を有する凹凸
化粧材とした場合には、艶のある区画は木目の夏目を表
わし、艶のない区画は木目の冬目を表わすように、全体
の木目模様を区分して光沢差を与えるようにすれば、前
記「テリ」を具現でき、更に敷のない区画を艶のある区
画に対して凸状にすれば、冬目の模様が夏目の模様に対
して凸状となるのでイ物態材の表面は前記「テリ」と相
挨つて天然木材の実感をより忠実に再現したものとする
ことができる。

本発明に於いて、用いる基村は紙、プラスチックフィル
ム、合板、木材単板、石膏ボード、パーチクルボード、
金属板、またはこれらのうちの２種以上を贋層した複合
材、その他本発明の任意模様を施せるものならばよい。

長尺の紙またはプラスチックフィルムを基材として用い
る時は連続的生産方式が可能であり、経済的に最も有利
である。基材として紙またはプラスチックフィルムを用
いた場合には化粧紙、化粧フィルムが得られ、合板、パ
−チクルボード、その他板状のものを用いた場合には化
粧板が得られる。本発明で艶のある区画及び艶のない区
画は印刷手段によって容易に形成される。

即ち、鱗のある区画は顔料粒子が微細で樹脂固型分の比
較的少い印刷インキを用いることによって、また艶のな
い区画は、炭酸カルシウム等の比較的粒子の大きい充填
剤を含む樹脂固型分の多い印刷インキを用いることによ
って達成される。種々実験の結果によれば印刷インキに
占める固形分の割合は、前者に於いて２５％乃至３５％
、後者に於いて３５％乃至５０％のとき最も良い結果を
得ることができる。

印刷法はグラビア印刷法乃至はグラビアオフセツト印刷
法が最も好ましいが、一部オフセット印刷法、シルクス
クリーン印刷法の使用も可動である。

本発明で凸状部分は加熱すると含有する発泡剤の分解に
よって発泡し、膨脹する発泡性インキによつて形成され
る。

発泡性インキは前記艶のある区画あるいは艶のない区画
と一部又は全部が同調するように前記艶のある区画ある
いは艶のない区画が印刷される前及び／または印刷され
た後に印刷されるが、この関係は凸状の要求程度、艶の
必要度によって任意に決定される。

尚、加熱発泡後の発泡性インキは微細な凹凸を有する多
孔費であるので、光沢を有せず、この意味で実質的に前
記麓のない区画を構成する印刷インキと同等である。

加熱発泡温度は艶のある区画及び艶のない区画を構成す
る印刷インキに使用される樹脂の軟化点よりも低いこと
が望ましい。

このことは艶のある区画を凸状とする時に重要である。

即ち、髄のある区画を凸状とするには麓のある区画を印
刷する前に該艶のある区画を構成する印刷インキの下に
、これと同調するように、発泡性インキを先に印刷して
加熱発泡させればよいのであるが、この場合もし艶のあ
る区画を構成する印刷インキに使用される樹脂の軟化点
が加熱発泡温度よりも低いときは前記印刷インキの樹脂
が軟化し、発泡剤の分解ガスを吸収して発泡し、その結
果艶のある区画の艶が消失することがあるので注意を要
する。本発明によって得られた凹凸イＱ鑑材は艶のある
区画と麓のない区画とからなる任意模様を有し、しかも
前記区画のいずれか一方が他方に対して実質的に凸状で
あるので、天然木特有の「テリ」を表現でき、立体感に
すぐれ、天然木感の再現性は極めて良好であり、木目以
外の模様を施した場合にも立体感、装飾感に優れた凹凸
イ劫鑑材である。

また、本発明の方法の一つによれば、凸状部を艶のある
状態にすることもでき、また本発明の他の方法によれば
、凸状部を艶のない状態にすることもできる。以下本発
明の実施例を示す。

実施例 １ ２０夕／れの薄葉紙に下地色を印刷し、次いで、「杉」
の木目模様を印刷した。

木目模様のうち夏目は固形分２５％のグロスインキ（東
洋インキ製造製）で、冬目は固形分４５％のマットイン
キ（東洋インキ製造製）で印刷した。

次いで冬目の印刷の上にそれと同調して発泡性インキで
印刷した後１８０ｑＣの熱風炉を通し５現砂間加熱して
発泡ざせた。得られた製品はグロスインキの「テリハマ
ットィンキの「艶消し」及び発泡インキの「凸状」が相
俊つて天然の「杉」に酷似した風合し、を与えた。

尚、発泡性インキの組成はエチレン−酢ビ系ェマルジョ
ンに発泡倍率が約１ぴ音‘こなるように発泡剤としてジ
ニトロンベンタジアミンを添加したものを用いた。実施
例 ２ 実施例１に於いて夏目の印刷と同調するように先ず、発
泡性インキを印刷した後、夏目と冬目の印刷をし、同様
の処理を行なった。

その結果、実施例１と凹凸が逆になった立体感のあるイ
協鑑材が得られた。実施例 ３ ５０夕／め厚紙に縦線と横線から成る桝目模様を印刷し
た。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 基材上に艶のある区画と艶のない区画とからなる凹
   凸模様を有する化粧材であつて、凹部が艶のあるインキ
   で形成され、凸部が艶のないインキとその上又はその下
   に施した加熱発泡済みの発泡性インキとで形成されてい
   ることを特徴とする凹凸化粧材。 ２ 基材上に、艶のある模様に相当する部分に艶のある
   インキを用いて模様を施し、次いで艶のない模様に相当
   する部分に艶のないインキと発泡性インキとを任意の助
   序で施して模様を施した後、加熱して該発泡性インキを
   発泡させることを特徴とする凹凸化粧材の製造方法。 ３ 基材上に艶のある区画と艶のない区画とからなる凹
   凸模様を有する化粧材であつて、凹部が艶のないインキ
   で形成され、凸部が加熱発泡済みの発泡性インキとその
   上に施した艶のあるインキとで形成されていることを特
   徴とする凹凸化粧材。 ４ 基材上に、艶のある模様に相当する部分に発泡性イ
   ンキを用いて模様を施し、更にその上にこれと同調させ
   て艶のあるインキを用いて模様を施すと共に艶のない模
   様に相当する部分に艶のないインキを用いて模様を施し
   た後、加熱して該発泡性インキを発泡させることを特徴
   とする凹凸化粧材の製造方法。