JPS5919840B2 - 化粧シ−ト - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は表面に凹凸模様を形成するための化粧シートに
関するものである。

従来表面に凹凸模様を有する化粧材は多くの種類があり
またその製造方法も種々の方法が知られている。

そのうち最も一般的に行われている方法はエンボス板に
てエンボス加工を行なうことにより化粧板表面に凹凸を
具現させる方法であるが、この方法は模様と凹凸とを同
調させることが困難であるばかりでなく、エンボスによ
り基材が傷みやすく、また金属ロールに凹凸を施こす等
エンボス版の作成にも多くの手間と費用を必要とする等
の問題があつた。このような欠点を解消するために前記
の如き機械的なエンボス加工を施こさないで凹凸を形成
する方法が種々提案されている。

そのような方法の１つに発泡剤を含有するインキを用い
て基材表面に模様を施こしその上に必要に応じて樹脂塗
料を施こしてから加熱発泡させる方法がある。この方法
においては前記機械的にエンボス加工を施こす方法にお
ける問題点は解消するが、発泡剤を含有するインキを加
熱発泡させた場合に発泡により形成された凸部形状はな
だらかなものを表現することは極めて困難であり、従つ
て盛り上がり形状がソフトでなだらかな曲線を要求され
る製品には適していないという新たな問題点を有する。
また別の方法として木片や金属片等を模様状に基材に配
置しその上に樹脂シートを貼着したり又は樹脂塗料を塗
布する方法も知られている。

しかしながらこの方法においては木片や金属片を用いＪ
るために複雑な凹凸模様を形成することは不可能に近
く、従つて凹凸模様は極めて単調なものに限定されると
いう欠点を有する。本発明は前述の種々の問題点や欠点
を解消すべくなされたものである。

すなわち本発明の目的は； 極めて容易に表面に凹凸模
様を有する化粧材を得るための化粧シートを提供しよう
とするものであり、他の目的は凸部の盛り上り形状がソ
フトななだらかな曲線を出せるような化粧材を得るため
の化粧シートを提供しようとするものである。０ 次に
本発明について図面を参照しながら更に詳細に説明する
。

本発明の化粧シートは柔軟性を有する基材５の表面には
所望の模様４が施こされており、裏面には凹凸形成用樹
脂組成物３が模様状に施こされて■５ いる。

柔軟性を有する基材５としては薄葉紙、薄葉紙にメラミ
ンアルキッド樹脂やウレタン樹脂等により樹脂加工した
樹脂加工紙、樹脂混抄紙、不。織布、合成紙、熱可塑性
樹脂フイルム等を用いることができる。表面に施こされ
ている所望の模様４としては幾可学模様、木目模様、抽
象柄模様等任意のものでよい。

また艶出しインキや艷消しインキ等を用いる等の手段に
より部分的に艶のある部分や艶のない部分を形成させて
光沢差を設けてシくこともできる。このように光沢差を
設けた場合には化粧シートの立体感を向上させることが
できる。所望の模様４を施こすのに用いられる印刷イン
キとしては従来公知のものでよく、例えば酢酸セルロー
ス、硝酸セルロース、塩化ピニル、アクリル酸エステル
、酢酸ピニル等の樹脂をバインダーとした乾燥固化型の
インキや、メラミン了ルキツド、ウレタン、ポリエステ
ル等の樹脂をバインダーとした反応硬化型のインキ等を
使用できる。

これらのインキには酸化チタン、酸化シリカやホワイト
カーボン等を混入して卦いてもよい。所望の模様４を施
こすには従来公知の方法で行なうことができ、例えば平
版印刷、グラピア印刷、凸版印刷、スクリーン印刷等の
印刷方式を用いることができる。所望の模様４を施こし
た後に更にその上に必要に応じて表面保護樹脂６を塗布
することができる。

このものは着色透明又は無色透明の樹脂である必要があ
る。柔軟性を有する基材５の裏面には凹凸形成用樹脂組
成物３を模様状に施こして釦く。

この樹脂組成物３は光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂であつ
てもよく、これらの樹脂に固形分の多いバインダーを混
入させて厚盛りできるようにしたものを用いることがで
きる。あるいは更に樹脂組成物３として発泡剤を混入さ
せて卦くことができ、化粧シートを基材１に貼着する前
叉は後に加熱発泡させてもよい。

樹脂組成物３は厚盛りすることが好ましくグラビア印刷
、スクリーン印刷、グラビアオフセツト印刷、フレキソ
印刷等を使用することができる。グラピア印刷の場合、
厚盛りするために版深２００〜３００μのものを用い、
砂目、万線、亀甲等のスクリーンを用いて版のインキセ
ル形状を変えて、インキの着肉量を調整することができ
る。

樹脂組成物３１１Ｃ．用いられる樹脂としては、アクリ
ル樹脂、酢酸ピニル樹脂、塩化ピニル樹脂を主成分とし
たものが好ましく、厚盛りするために粘度の大きいもの
を用いることが好ましい。樹脂組成物３による模様は所
望の模様４ど同調したものでも同調ｔないものであつて
もよいが、同調させる方が一般的である。樹脂組成物３
は着色されていてもよく、また着色されていなくてもよ
い。

着色されている場合には、隠蔽性を持たせるために不透
明な顔料を入れて卦くことができ、このようにした場合
には表面から見た場合に隠蔽性を有する部分とある程度
の透明性を有する部分とを有し、より立体感を向上させ
ることができる。このようにして得られた化粧シートは
合板、パーチクルポード、石膏ボード、その他の板状物
に接着剤を介して貼着して化粧板を得るために用いられ
たり、あるいは壁紙、その他の内装材に用いることがで
きる。

本発明の化粧シートは、樹脂組成物３が内側になるよう
にして貼着して用いられるものである。

樹脂組成物３は厚盛りされているか、あるいは発泡剤を
含んでいる場合には加熱発泡によつて盛り上つているた
めに、該樹脂組成物３が内側になるように基板に貼着す
れば、樹脂組成物３の施されている部分はその体積の分
だけ柔軟性を有する基材５が樹脂組成物と反対の側へ膨
出し、柔軟性を有する基材５を介して表面に凹凸模様が
具現される。この凹凸模様は、柔軟性を有する基材５を
介して具現されているために、凸部形状はなだらかでソ
フトな曲線となる。本発明に卦いては、所望の模様とし
て木目模様を施こして卦き、該木目模様の骨版部を艶出
しインキにて印刷して訃き、またこの同じ骨版部に相当
する部分の裏面に隠蔽性を有するような着色された樹脂
組成物にて凹凸形成用模様を施こしておいた化粧シート
は、この化粧シートを基材に接着剤を介して貼着した場
合には、樹脂組成物により化粧材の表面に凹凸が具現さ
れ、しかもこの凸部形状はなだらかでソフトな曲線とな
り、更にこの凸部は艶出しインキにより光沢を有するの
で、天然の木質感に富んだ化粧材を得ることができ、し
かもその製造工程は極めて平易である。

第１図は、本発明の化粧シートを接着剤（図示せず）を
介して基材１１ＩＣ貼着した状態を示す斜視図である。

本発明に卦いて、柔軟性を有する基材５の表面と裏面の
印刷の同調は投光した場合、簡単に表面絵柄又は裏面絵
柄が識別できる為、透過型光電管検知器及び反射型光電
検知器を併用して行なうことができる。

本発明の化粧シートを用いた化粧材は、柔軟性を有する
基材に印刷を施す、必要に応じて加熱する、基板等に貼
着する、といつた極めて簡単な工程のみで、しかも短時
間に、複雑な凹凸状の模様をその表面に形成することが
でき、しかもこの凹凸は柔軟性を有する基材５を介して
表面に具現するので、凸部形状は樹脂組成物の形状がそ
のまま現われないので、ソフトな、なだらかな曲線を表
現でき、独特な効果を出すことができる。

更にまた一般に艶出しインキ、又は艶消しインキを使用
して平面上に模様を形成した場合４５程度の斜光線にし
ないと全反射光線による光沢効果は目視できないが、本
発明の化粧シートを用いて得られる化粧材は、なだらか
な盛り上りがあるためにどの角度からも全反射光線によ
る光沢が認められる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の化粧シートを基材に貼着した化粧材の
斜視図を示し、第２図は本発明の化粧シートの一実施態
様を示す断面図を示す。 １・・・基材、３・・・樹脂組成物、４・・・所望の模
様、５・・・柔軟性を有する基材、６・・・表面保護樹
脂。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 柔軟性を有する基材の表面には所望の模様が施こさ
   れており、裏面には、凹凸形成用樹脂組成物が模様状に
   施こされている化粧シート。 ２ 前記凹凸形成用樹脂組成物は発泡剤含有インキであ
   る特許請求の範囲第１項記載の化粧シート。 ３ 前記所望の模様は木目模様であり該木目模様の骨版
   部は光沢を有し、前記凹凸形成用樹脂組成物は前記木目
   模様の骨版部に同調させた骨版模様状に施こされている
   特許請求の範囲第１項記載の化粧シート。