JP4812152B2 - 木質化粧シート及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、天然木に近い木目模様を有する木質化粧シート及びその製造方法に関する。本発明の化粧シートは、天然木の木目と導管模様を立体的に現すことにより意匠性が高く、家具等の工業製品の表皮材、建築内装材等の表皮材として有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来から、家具の表面、建築物の壁面、天井面、床面等の表皮材として、木目を現す木質化粧シートが用いられている。図1に示すように、従来の一般的な木質化粧シート11は着色ベースフィルム層12の一方の面に木目模様部13と導管模様部14とを、例えばグラビア印刷により印刷し、この上に透明フィルム15を重ね熱ラミネーションを行うことによりこの透明フィルム15を着色ベースフィルム層12に接着し、これと同時にこの透明フィルムの最表面にエンボス加工を施してエンボス凹部16を設けている。また、着色ベースフィルムの木目模様を印刷した面とは反対の面には、基材に貼り付けるための粘着剤層17及び剥離紙18が設けられている。
【0003】
ここで木目模様とは、天然木材の断面に見られる年輪、板目もしくは柾目を現す模様を意味し、導管模様とは、植物組織において根から吸収した水分や養分を上部に送る管の模様を意味し、木目模様よりも微細な筋状の意匠を現す。一般に天然木材における木目模様とは、上記の板目、柾目及び導管模様の総称をいうが、本明細書においては木目模様と導管模様とを上記のように区別する。
【0004】
上記の木質化粧シートでは、エンボス凹部を設けることにより表面上に導管の断面を再現し、立体感を現している。しかしながら、このエンボス凹部は上記のように木目模様部及び導管模様部を設けた後にエンボス加工によって単に表面全体に設けているため、透明フィルムの下面に設けられている導管模様部と同調していない、すなわち、木質化粧シートの上面から見た場合に、導管模様部の位置とエンボス凹部の位置が重なっていない。通常、天然木材ではこの導管模様は木材のベースとなる色よりも濃い、ほとんど黒色に近い色を示しているが、上記のようにエンボス凹部と導管模様部が同調していないと、このエンボス凹部においては下部の着色ベースフィルムの色を示すのみであり、従って従来の木質化粧シートでは天然木材の意匠を忠実に再現しているとはいえない。
【0005】
このようなエンボス凹部と導管模様部が同調しない問題を解消するために提案された木質化粧シートを図2に示す。この木質化粧シート21はいわゆるワイピングタイプとして知られており、上記と同様にして着色ベースフィルム層22に木目模様部23を印刷し、透明フィルム25を熱ラミネートして着色ベースフィルム層22に接着すると同時にエンボス加工を施してエンボス凹部26を設け、このエンボス凹部に着色インク24をワイピングにより充填して導管模様部を形成している。そして着色ベースフィルム層22の木目模様を印刷した面とは反対の面には、基材に貼り付けるための粘着剤層27及び剥離紙28が設けられている。この木質化粧シートでは、エンボス凹部内にインクを充填しているため、当然にエンボス凹部と導管模様部は同調することになり、上記の問題を解消している。しかし、このエンボス凹部はインクを充填させるためにはその大きさ及び深さをある程度大きくする必要があるが、このように大きなエンボス凹部では微細な天然木材の導管模様を表現することは困難である。結局この木質化粧シートにおいても天然木材の意匠を忠実に再現しているとはいえない。
【0006】
このような問題を解決するため、特開平8−132583号公報には、図3に示すような化粧シートが提案されている。この化粧シート31は、透明プラスチックシート35の一方の面に木目模様絵柄印刷層33(上記の木目模様層に対応)と隠蔽ベタ層32(上記の着色ベースフィルム層に対応)を順に設け、この透明プラスチックシート35の他方の面に艶調整層39とこの艶調整層39上に前記木目模様絵柄印刷層と同調した木目導管柄印刷層34(上記の導管模様層に対応)とを具備している。この化粧シートでは、透明なプラスチックシートの表裏両面を利用して木目導管柄印刷層と木目模様絵柄印刷層を同調させているため、天然木に近い意匠性が得られ、さらに木目導管柄印刷層を弾性球状有機樹脂ビーズを混入してなる印刷インクにより設けているため、木目導管柄印刷層の表面は半球面状の滑らかな微細凹凸状に形成され、表面の摩擦係数が少なくなり、磨耗量も少なくなるために、優れた耐擦傷性を奏するとされている。
【0007】
通常、このような化粧シートを表皮材として基材、例えば壁面に貼り付ける場合、シートの表面が貼り付け道具であるスキージーで擦られる。上記の化粧シートでは木目導管柄印刷層が表面上に凸上に形成されているため、たとえこの木目導管柄印刷層が弾性球状有機樹脂ビーズを含んでいるといっても、この凸部にスキージーが引っ掛かり、シート全体を基材に均一に圧着することができず、場合によっては導管柄印刷層が剥がれてしまうという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解消し、表面強度に優れ、天然木に近い外観を有しかつ天然木に近い触感をも有する木質化粧シートを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明によれば、2つの主要面を有する透明樹脂フィルムと、この透明樹脂フィルムの第一の主要面に木目模様部と着色ベースフィルム層を順に有し、この透明樹脂フィルムの第二の主要面に導管模様部を有する木質化粧シートにおいて、前記導管模様部を艶消しビーズを含む印刷インキにより形成し、前記導管模様部をその表面を露出させつつ前記透明樹脂フィルムの第二の主要面中に埋め込んでいる。
【0010】
この木質化粧シートは、透明樹脂フィルムの第一の主要面に木目模様部をそして第二の主要面に導管模様部を印刷し、次いでこの透明樹脂フィルムと、この透明樹脂フィルムの第一の主要面上の木目模様部の表面に配置した着色ベースフィルムをエンボスロールの間に通し、前記着色ベースフィルムを透明樹脂フィルムに熱ラミネートすると共に前記導管模様部を透明樹脂フィルムの第二の主要面にエンボスして埋め込むことによって製造される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を説明する。本発明の木質化粧シートの一態様を図4に示す。本発明の木質化粧シート41は、表面から順に、所定のパターンで形成された導管模様部44、透明樹脂フィルム45、所定のパターンで印刷された木目模様部43及び着色ベースフィルム42が積層されており、基材に貼り付けるための粘着剤層47及び剥離紙48がさらに積層される。
【0012】
このような木質化粧シートは以下のようにして製造される。まず、図5に示すように、2つの主要面を有する透明樹脂フィルム45の第一の主要面に木目模様部43を、そして第二の主要面に導管模様部44を所定のパターンで印刷する。
【0013】
透明樹脂フィルム45としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂等の各種合成樹脂を用いることができるが、加工性、施工性、コスト等の観点からポリ塩化ビニル樹脂が好ましい。またこの透明樹脂フィルム45は、少なくとも下地の木目模様部及び着色ベースフィルムを透過して観察することができる程度の透明度を有していることが必要である。この透明樹脂フィルム45の厚さは50〜300 μm 程度であればよいが、150 μm 程度の厚さが好ましい。この厚さが薄すぎると、表皮材としての強度が十分ではなく、またこのフィルム45の表裏に設けた導管模様部44と木目模様部43の印刷模様に立体感を持たせる効果も十分ではないからである。反対に厚過ぎても所望の立体感が得られず、また加工性、運搬性、コスト及び基材への施工性においても問題がある。
【0014】
木目模様部43は、塩化ビニル−酢酸ビニル系(塩酢ビ系)、アクリル系、セルロース系等の公知のバインダー用樹脂と公知の顔料を含む汎用印刷インクを用い、通常の印刷法であるグラビア印刷法やスクリーン印刷法等によって透明樹脂フィルム45上に、天然木の年輪、柾目、板目を現す所定のパターンで印刷することにより形成される。この木目模様部43は、透明樹脂フィルムの一方の面の全体に設けても、部分的に設けてもよい。この木目模様部43の厚さは特に限定されず、通常の印刷層の厚さである0.1 〜30μm 程度の範囲である。この印刷に用いるインクには、木目の照り感を再現し、木目の立体感をより高めるために、パール顔料や金属粉等の光輝性顔料を添加してもよい。
【0015】
導管模様部44は、木目模様部43と同様に各種印刷法、好ましくはグラビア印刷法によって、2つの主要面を有する透明樹脂フィルム45上の木目模様部43が設けられた第一の主要面とは反対面である第二の主要面上に天然木の導管を現す所定のパターンで印刷される。この導管模様部44の印刷に用いるインクのバインダー樹脂としては、塩酢ビ系、アクリル系、セルロース系等の公知のバインダー用樹脂、又はアミノアルキド樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性、光硬化性、電子線硬化性等の硬化性樹脂を使用することができる。
【0016】
またこの導管模様部44の印刷に用いるインクには、艶消しビーズを混入させる。このビーズとしては、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、メラミン樹脂等の樹脂ビーズを用いることができる。また、艶消しガラスビーズ等の樹脂以外の材料より形成されたビーズも適用可能である。これらはその材料自体が艶消されているが、必要に応じて所望の艶消度を与えるために、艶消剤を混入させるか表面に塗布してもよい。このビーズの大きさは、平均粒子径で5〜50μm であることが好ましく、20μm 程度であることがさらに好ましい。粒径がこの範囲より大きいと、以下に記載のようにこのビーズを透明樹脂フィルムの第二の主要面中に十分に埋め込むことができず、また微細な導管模様を形成することができない。一方、あまりに小さいと、微細すぎて模様を構成する線を形成することができず、また強度も十分でないからである。
【0017】
さらに、この導管模様部44の印刷に用いるインクには、上記のビーズ自体が着色されていることが好ましい。この着色は、ビーズにブラック、レッド、ブラウン、イエロー等の各種顔料を混入させることによって行われ、目的とする導管の色を再現する色にすればよい。
【0018】
上述したバインダー用樹脂及びビーズは、ビーズに対するバインダー用樹脂の質量比率を3/35〜4/5とするようにインク中に含まれており、特にその好ましい質量比率は17/50である。この導管模様部44の厚さも特に限定されないが、混入させるビーズの粒径、その添加量等によっても異なり、通常5〜50μm 程度である。
【0019】
こうして図5に示すように透明樹脂フィルム45の第一の主要面に木目模様部43がそして第二の主要面に導管模様部44が印刷される。この木目模様部43と導管模様部44の印刷は別個に行ってもよいが、同時に印刷することが好ましい。すなわち、木目模様部43と導管模様部44の印刷を別個に、例えば先に木目模様部43を印刷し、続いて導管模様部44を印刷する場合、その位置を同調させる、すなわちこれらの模様が調和した天然木の木目を再現するように配置することは、印刷版の位置決め等の煩雑な作業が必要になる。ところが、木目模様部43と導管模様部44の印刷を同時に行えば、印刷時における印刷版の位置決めが一回のみですみ、木目模様部43に調和する位置に導管模様部44を容易に印刷することができ、同調させることが容易になる。
【0020】
次に、図6に示すように、この木目模様部43と導管模様部44を印刷した透明樹脂フィルム45の木目模様部側に着色ベースフィルム42を重ね、表面が平坦なエンボスロール61の間に加熱下で通すことにより、着色ベースフィルム42を透明樹脂フィルム45に熱シールする。着色ベースフィルム42は、木質化粧シートのベースとなる色を与えるものであり、所定の色を与える顔料を添加した塩酢ビ系、アクリル系、セルロース系等の熱可塑性樹脂を用いる。この熱シールを行う際の温度は、着色ベースフィルムの軟化点を越える温度であり、通常90〜200 ℃である。この温度が低すぎると着色ベースフィルムの接着不良が起こるおそれがあり、反対に高すぎると透明樹脂フィルム45及び木目模様部43が熱的損傷を受けるおそれがある。
【0021】
図6では、着色ベースフィルムの熱シールと透明樹脂フィルムのエンボス加工を同時に行っているが、この工程を別個に行ってもよい。すなわち、透明樹脂フィルムに着色ベースフィルムを熱シールした後に透明樹脂フィルムのエンボス加工を行ってもよく、逆に透明樹脂フィルムにエンボス加工を行った後に着色ベースフィルムを熱シールしてもよい。
【0022】
上記のように、導管模様部44にはビーズが含まれているため、透明樹脂フィルム45がエンボスロール61を通過する際に、透明フィルム45は加熱されていることもあって、ビーズはエンボスロールに押されて透明樹脂フィルム45の第二の主要面中にその表面を露出して埋め込まれることになる。
【0023】
こうして得られた木質化粧シートの背面、すなわち透明樹脂フィルムとは反対面である着色ベースフィルムの背面に粘着剤層を設けることが好ましい。これによって、木質化粧シートを工業製品の表面、建築物の壁面、天井面等の施工部位に容易に貼り付けることができる。この粘着剤層は、例えば、剥離紙の剥離面の上に塗膜化した粘着剤層を有する、剥離紙付き粘着剤層を別途用意に、この粘着剤層と着色ベースフィルムとをドライラミネートすることによって配置される。この粘着剤層としては、アクリル系接着剤、ゴム系接着剤、シリコーン系接着剤等を用いることができる。
【0024】
以上のようにして本発明の木質化粧シート41が得られるが、導管模様部44に含まれるビーズは球状であるため、エンボスロール61を通過後に表面を露出して埋め込まれた導管模様部44の表面は微細な凹凸状になっており、透明樹脂フィルムの第二の主要面上のこの導管模様部44が設けられていない領域と導管模様部との間には立体的な段差が生ずることになる。天然木の導管部は本来凹んでおり、従って本発明の木質化粧シートでは、天然木に近い立体的な導管の意匠を再現することができ、かつ触感も天然木に近いものを再現することができる。さらに、導管模様部44が透明樹脂フィルム中の埋め込まれているため、磨耗によってこの導管模様が消失することも抑制される。
【0025】
また、図1及び2に示すような化粧シートに施されたエンボス凹部は、ロール状に突起を有するエンボスロールによって形成されるものであり、ロール上に突起を形成するため、あまり微細な突起を形成することが困難であり、従って比較的大きな凹部しか形成することができなかった。これに対して、本発明により形成される導管模様部44は、透明樹脂フィルム上に印刷した後、この印刷部を表面が平坦なロールによって押し込み埋め込ませて、エンボス凹部を形成しており、印刷模様を再現する微細な模様にエンボス加工を施すことができる。
【0026】
また、このビーズは艶消処理が施されており、一方透明樹脂フィルムの第二の表面上の導管模様部44が設けられていない領域は、表面が平坦なエンボスロール61を通過することによって艶が付与されることになり、両者の間で光沢差が明確になる。その結果、導管模様部44はこの導管模様部44が設けられていない透明樹脂フィルム表面からあたかも凹んでいるかのような視覚的効果も得られる。
【0027】
このように、本発明の木質化粧シートでは、導管模様部が艶消しとなっており、さらに凹んでいるという複合効果によって、視覚的にも触感的にも天然木に近いものを再現することができる。さらに、ビーズとして着色ビーズを用いる場合、このビーズ自体が導管模様を形成する画素となり、このビーズによって導管印刷模様を形成するため、微細な模様を表現することができる。例えば、導管模様部を従来の一般的な100 線/インチのスクリン線数のグラビア版を用いた場合、約200 μm の大きさの点(網点)の集まりから印刷線が構成されるのであるが、平均径20μm の着色ビーズを混入させた場合、同じグラビア版を用いても約20μm の大きさの点(網点)の集まりから印刷線が構成されることになり、より繊細な導管模様のパターンを印刷することができるのである。
【0028】
【実施例】
実施例1
厚さ150 μm の透明な塩化ビニルフィルム(バンドー化学(株)社製)の第一の主要面に、塩酢ビ系のインクにより3版構成でサクラ柄を印刷し、木目模様部を形成した。この3版構成のうち1版では、バインダー樹脂/パール顔料=90/10(質量%)のインクで印刷し、木目の照り感を出した。
【0029】
次いで、以下の組成の印刷インクを用い、上記の塩化ビニルフィルムの第二の主要面、すなわち木目模様部を印刷した面と反対面に、この木目模様部と同調するようにして導管模様部を印刷した。
(a) 塩酢ビ系クリアーインク(VSA 880 メヂウム固形分20%大日精化工業(株
)製) 63部
(b) 艶消し着色ビーズ(アクリルコポリマー着色ビーズラブコロール大日精化
工業(株)社製ラブロール)070(F)Brown 平均粒径20μm 26部
(c) 艶消し着色ビーズ(アクリルコポリマー着色ビーズラブコロール大日精化
工業(株)社製ラブロール)020(F)Black 平均粒径20μm 11部
【0030】
この塩化ビニルフィルムの木目模様部側に着色ベースフィルム(塩酢ビ樹脂層)を重ね、図6に示すように熱ラミネート及びエンボスを行い、積層シートを得た。このエンボスは梨地調のエンボスを押した。最後に、剥離紙にアクリル系粘着剤を厚さ40μm でコートし、乾燥後に上記積層シートの着色ベースフィルムとラミネートして本発明の木質化粧シートを得た。
【0031】
実施例2
上記導管模様部を形成するインクの組成を、(a):(b):(c) =30:49:21とすることを除き、実施例1と同様にして木質化粧シートを製造した。
【0032】
実施例3
上記導管模様部を形成するインクの組成を、(a):(b):(c) =80:14:6とすることを除き、実施例1と同様にして木質化粧シートを製造した。
【0033】
比較例1
着色ベースフィルムを熱ラミネートする際にエンボス加工を行わないことを除き、実施例1と同様にして木質化粧シートを製造した。
【0034】
評価試験
得られた木質化粧シートについては、耐摩耗性及び再現性の評価を以下のように行った。
耐摩耗性の評価はJIS K7204に準じ、テーバー摩耗試験機を用いて行った。すなわち、木質化粧シートの上にCS−17の摩耗輪を載せて1kgの荷重をその木質化粧シートに与えた後に、木質化粧シートを回転させたとき、導管模様部の消失に要する回転数を測定して耐摩耗性を評価した。
また、再現性の評価は、目視により実施例1と比較して行った。
表1に、耐磨耗性及び再現性の評価を示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、天然木に近い外観、触感を有する導管模様を再現し、かつ表面強度に優れた木質化粧シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の木質化粧シートの構成を示す断面図である。
【図2】従来の木質化粧シートの構成を示す断面図である。
【図3】従来の木質化粧シートの構成を示す断面図である。
【図4】本発明の木質化粧シートの構成を示す断面図である。
【図5】本発明の木質化粧シートの製造過程における、透明樹脂フィルムに木質模様部と導管模様部を設けた際の断面図である。
【図6】本発明の木質化粧シートの製造過程における、着色ベースフィルムの熱ラミネートとエンボス加工を行う際の断面図である。
【符号の説明】
11、21、31、41…木質化粧シート
12、22、32、42…着色ベースフィルム
13、23、33、34…木目模様部
14、24、34、44…導管模様部
15、25、35、45…透明樹脂フィルム
16、26、46…エンボス凹部
17、27、47…粘着剤層
18、28、48…剥離紙
39…艶調整層
61…エンボスロール
Claims (2)
- 2つの主要面を有する透明樹脂フィルムと、
この透明樹脂フィルムの第一の主要面に設けられた木目模様部と、
前記透明樹脂フィルムの第一の主要面上の木目模様部上に積層された着色ベースフィルム層と、
前記透明樹脂フィルムの第二の主要面に設けられた導管模様部
を有する木質化粧シートであって、前記導管模様部が艶消しビーズを含む印刷インクにより形成されており、前記艶消しビーズは、この艶消しビーズに対するバインダー用樹脂の質量比率を3/35〜4/5とするように前記印刷インク中に含まれており、前記艶消しビーズは、前記透明樹脂フィルム表面中に埋め込まれて前記導管模様部の表面に微細な凹凸状を形成し、前記導管模様部が前記透明樹脂フィルム表面中に埋め込まれているがその表面を露出していることを特徴とする木質化粧シート。 - 透明樹脂フィルムの第一の主要面に木目模様部を、そして第二の主要面に艶消しビーズに対するバインダー用樹脂の質量比率を3/35〜4/5とするような印刷インクにより導管模様部を印刷し、次いでこの透明樹脂フィルムと、この透明樹脂フィルムの第一の主要面上の木目模様部の表面に配置した着色ベースフィルムをエンボスロールの間に通し、前記着色ベースフィルムを透明樹脂フィルムに熱ラミネートすると共に前記導管模様部を形成する前記艶消しビーズを透明樹脂フィルムの第二の主要面にエンボスして埋め込むことを特徴とする、請求項1記載の木質化粧シートの製造方法。
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