JPH0421565Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はパチンコ機の玉止め装置に関するもの
である。

［従来の技術］ 周知のように、従来のパチンコ機は景品玉タン
クの下方に玉切れによつて上方へ回動する玉切れ
検知板を設け、この玉切れ検知板に連結した上下
杆の上昇によつてシヤツター部材を回動させて玉
供給皿の供給口を塞ぎ打玉を発射できないように
する玉止め装置が設けられている。

一方、最近のパチンコ機は、遊戯の興趣を高め
るため、例えば飛行機、フイバーと称される機種
で知られるように遊技盤上にマイクロコンピユー
タ制御による超特電入賞装置を配設し、予かじめ
定める遊技状態になつたとき超特電入賞装置を著
しく打玉の入賞し易い特賞遊技状態に変化させて
遊技者に短時間で多くの景品玉を獲得できる機会
を与えるようにしている。

［考案が解決しようとする問題点］ しかして、上述の特賞遊技状態のとき、景品玉
タンクへの景品玉の補給が遅れたりすると玉止め
装置が働いて打玉を発射できなくなり、入賞の機
会を失なつて遊技者との間にトラブルが発生する
という問題点がしばしばあつた。そこで、このよ
うな問題点を解決するには玉止め装置を取外すこ
とが考えられる。ところが、この玉止め装置を取
外すと景品玉タンクが空の場合、打玉が入賞して
も景品玉が払出されないため、所謂空打ち状態と
なつて多くの入賞玉が機構板のセーフ玉集合部に
滞溜し、景品玉払出装置が作動不能になるという
問題があつて、特に超特電入賞装置を備えない普
通のパチンコ機の場合好ましくない。

そこで、最近では玉止め装置が働くことによつ
てトラブルが懸命される超特電入賞装置を備えた
特殊なパチンコ機に限つて仕方なく玉止め装置の
シヤツター部材を動かないようにテープ等で固定
して問題の解決にあたつている。ところが、これ
とてもテープがはがれることがあつて充分な解決
策になつていない。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、景品玉タンクの玉切れによつて上方
へ回動する玉切れ検知板と、前記玉切れ検知板に
連結される上下杆と、前面に玉供給皿が装着され
た前板の裏面に回動自在に軸支されるシヤツター
部材とを備え、前記シヤツター部材は、前記上下
杆の下端と係合し得る係合部が形成された後方体
と、軸挿孔を有し、かつ前記玉供給皿の供給口を
塞ぐ玉止部が形成された前方体との二つの部材で
構成し、後方体をその係合部が前記上下杆の下端
に係合する位置、又は係合しない位置とにスライ
ドできるように前方体に結合させて一体化するよ
うに構成したものである。

［実施例］ 以下本考案を図面について説明する。第１図は
本考案の一実施例のパチンコ機の正面図である。
１はパチンコ機本体、２はその前枠、３は前枠２
の後面に位置する遊技盤であつて、その表面に発
射レール４およびガイドレール５が装設される。
発射レール４の発射位置には打玉杆の先端が臨
む。７は発射レール４およびガイドレール５の下
方部を覆う前板で、遊技盤３の上方部を覆うガラ
ス枠８とともに前枠２の窓孔の一側に開閉自在に
蝶着される。前板７の前面には玉供給皿９が固着
されており、該玉供給皿９と連通状の供給口１０
が前板７に開設されている。また、前板７の裏面
には打玉供給装置１１と後述する玉止め装置のシ
ヤツター部材１２とが設けられる。

打玉供給装置１１は、第４図及び第８図に示す
ように供給口１０と一致して終端に発射レール４
の発射位置に対応する送出口１３が設けられた傾
斜通路１４と、該傾斜通路１４の終端に位置して
横軸１５により前後方向へ回動可能に軸支された
供給制御部材１６とで構成される。供給制御部材
１６は、前面に円弧状の玉受部１７を設けるとと
もに、該玉受部１７上部に玉止部１８を有し、常
時下向回動するように自重を持たせることによつ
て第８図実線のように玉受部１７を送出口１３に
対応させ、玉止部１８を傾斜通路１４に臨ませて
その上面で打玉の流下を阻止するようになつてい
る。そして、打玉杆６の発射動作に連動させて供
給制御部材１６を第８図鎖線のように上向回動さ
せることにより玉受部１７に打玉を受け、その玉
重量で同図実線のように下向回動して打玉を発射
位置へ自動供給する。

第２図は本考案の一実施例のパチンコ機の裏面
図である。パチンコ機の前枠２の裏面には機構板
１９が着脱自在に装着される。機構板１９は遊技
盤３の裏面に対応する内面に、遊技盤３から一定
間隔で離れる入賞玉集合部２０が形成される。ま
た、機構板１９の表面上部には景品玉タンク２１
が配設されるとともに、中央部右側には景品玉タ
ンク２１からの景品玉が誘導樋２２を介して送ら
れる景品玉払出装置２３が配設される。景品玉払
出装置２３の下方には払出された景品玉を玉供給
皿９へ導く景品玉排出樋２４が配設される。ま
た、入賞玉集合部２０の出口部には入賞玉処理装
置２５が配設される。入賞玉処理装置２５は、入
賞玉集合部２０に集められた入賞玉を１個づつ受
けて景品玉払出装置２３を作動し、一定数（例え
ば13個）の景品玉を景品玉排出樋２４へ放出させ
る。

前記景品玉タンク２１の下方に位置した誘導樋
２２の底部には軸２６により玉切れ検知板２７が
その略中間部において回動可能に軸支されてい
る。玉切れ検知板２７は一端に重錘２８を備え、
他端の連結孔２９に上下杆３０の上端が嵌合連結
されていて、景品玉タンク２１内の景品玉が無く
なると重錘２８の作用により第２図鎖線のように
上方へ回動して上下杆３０が引上げられる。この
上下杆３０の下端は折曲げられて遊技盤３の裏面
から前面側へ突出し前記シヤツター部材１２と係
合可能なように位置するもので、前記玉切れ検知
板２７、上下杆３０、シヤツター部材１２とによ
つて玉止め装置が構成される。

しかして、本考案においては、前記シヤツター
部材１２を上下杆３０の下端が係合し得る係合部
３１を設けた後方体３２と、略中間部に軸挿孔３
３が形成され、かつ前端に前記供給口１０を塞ぐ
玉止部３４を設けた前方体３５との二部材で構成
し、その各々を別体に形成する。後方体３２の係
合部３１は、この実施例では平板部の後端から側
方へ突出した側板部の端縁を幅広に形成してその
前部を傾斜面３６とし、該傾斜面３６の下端に上
下杆３０が係合する水平部３７を設けて形成して
いる。また、平板部の上面中央部には切溝３８に
よつて上下方向へ弾性的に撓むことができ、かつ
先端部が平板部上面から突出する係止片３９が設
けられる。前方体３５は、軸挿孔３３より前部の
両側縁部に沿い溝４０，４０が形成される。ま
た、リブ壁を直立させた平板部の上面には前記後
方体３２の係止片３９が係合する係合孔４１が穿
設され、平板部の下面には係止凹部４２が形成さ
れる。

前記、後方体３２と前方体３５とは後方体３２
を前方体３５の溝４０，４０に嵌めて一体構造と
し、前方体３５の軸挿孔３３に軸４３を通して前
板７の裏面に回動自在に装着される。前記後方体
３２は、これの係止片３９が前方体３５の係止凹
部４２に係合する第４図実線位置で水平部３７下
面に上下杆３０の下端が相対するように正確に位
置決めされる。この状態のとき、玉切れ検知板２
７が上方に回動して上下杆３０が引上げられる
と、シヤツター部材１２が第４図鎖線のように回
動して前方体３５の玉止部３４により供給口１０
が塞がれる。一方、この状態から後方体３２を押
して右方へスライドさせると、係止片３９が下方
に押圧されたのち前方体３５の係合孔４１にて復
帰突出し、これによつて後方体３２は、係止片３
９を係合孔４１に係合させて上下杆３０の下端が
後方体３２の水平部３７に対応しない位置に確固
と支持される。この状態が第４図に鎖線で示され
る。この状態のとき、上下杆３０が上方へ引上げ
られてもその動きがシヤツター部材１２に伝達さ
れることがなく、供給口１０は開口されたまゝの
状態に置かれる。

このように構成された本考案は、超特電入賞装
置を備えない普通のパチンコ機の場合には後方体
３２を上下杆３０と係合し得る位置に係止固定し
て玉止め装置を働かせることができ、一方、超特
電入賞装置を備えた特殊なパチンコ機の場合には
後方体３２をスライドさせ、これによつて後方体
３２を上下杆３０と係合しない位置に係止固定し
て玉止め装置を働かせないようにすることができ
る。

［考案の効果］ 以上のように、この考案によれば、従来一体物
で形成されていた玉止め装置のシヤツター部材１
２を後方体３２と前方体３５との二部材で形成
し、後方体３２を左右方向へスライドさせること
によつて玉止め装置を働かせたり、働かせなかつ
たりすることができ、パチンコ機の種類に応じて
その使い分けが簡単にできる等の特有の効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
はパチンコ機の正面図、第２図はパチンコ機の裏
面図、第３図はパチンコ機の前板裏面の要部斜視
図、第４図はパチンコ機の前板裏面の一部を断面
にして示す正面図、第５図はパチンコ機の前板部
分を断面にして示す平面図、第６図はシヤツター
部材の斜視図、第７図はシヤツター部材の分解斜
視図、第８図は第６図Ａ−Ａ線断面図、第９図は
第６図Ｂ−Ｂ線断面図、第１０図は第６図Ｃ−Ｃ
線断面図である。 ２……前枠、７……前板、９……玉供給皿、１
０……供給口、１２……シヤツター部材、２１…
…景品玉タンク、２７……玉切れ検知板、３０…
…上下杆、３１……係合部、３２……後方体、３
３……軸挿孔、３４……玉止部、３５……前方
体、３９……係止片、４０……溝、４１……係合
孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 景品玉タンクの玉切れによつて上方へ回動す
   る玉切れ検知板と、 前記玉切れ検知板に連結される上下杆と、 前面に玉供給皿が装着された前板の裏面に回
   動自在に軸支されるシヤツター部材とを備え、 前記シヤツター部材は、前記上下杆の下端と
   係合し得る係合部が形成された後方体と、軸挿
   孔を有し、かつ前記玉供給皿の供給口を塞ぐ玉
   止部が形成された前方体との二つの部材で構成
   され、 後方体をその係合部が前記上下杆の下端に係
   合する位置、又は係合しない位置とにスライド
   できるように前方体に結合させて一体化するよ
   うに構成したことを特徴とするパチンコ機の玉
   止め装置。 (2) 前記後方体は、弾性的に撓むことができる係
   止片を形成した、実用新案登録請求の範囲第１
   項記載のパチンコ機の玉止め装置。 (3) 前記前方体は、前記後方体の係止片と係合し
   得る係合孔が形成され、かつ両側縁部に沿い後
   方体をスライド自在に支持する溝を形成した、
   実用新案登録請求の範囲第１項記載のパチンコ
   機の玉止め装置。