JPH04213380A - 硬化性粘着剤組成物およびこれを用いたシートもしくはテープ - Google Patents

硬化性粘着剤組成物およびこれを用いたシートもしくはテープ

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JPH04213380A
JPH04213380A JP3038024A JP3802491A JPH04213380A JP H04213380 A JPH04213380 A JP H04213380A JP 3038024 A JP3038024 A JP 3038024A JP 3802491 A JP3802491 A JP 3802491A JP H04213380 A JPH04213380 A JP H04213380A
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adhesive
curing
sheet
adhesive composition
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Tsukasa Otsuki
大槻 司
Masato Yanagi
正人 柳
Shiyunichi Onikubo
俊一 鬼久保
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Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,接合時には粘着性を有
し,被着体に仮接着でき,次に,加熱や光照射すること
により,あるいは貼り合わせただけで硬化して強固な接
着力を示す,いわゆる粘接着剤として好適な硬化性粘着
剤組成物と,それを基材に塗布または含浸させることに
よって作られることを特徴とする粘着シートまたはテー
プに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から,硬化性粘着剤組成物としては
,非反応性または反応性の粘着ポリマーに,反応性オリ
ゴマーまたはモノマーを添加したものが知られている(
特公昭50−28970号公報,特公昭53−3189
8号公報,特開昭53−118439号公報,特公昭5
4−28877号公報,特開昭60−69178号公報
,特公昭61−18591号公報,特開昭61−832
73号公報,特開昭61−83274号公報,特開昭6
1−101583号公報,特公平1−36513号公報
,特公平2−5791号公報など参照)。しかしながら
,これらの組成物では,硬化後の十分な接着力を得るた
めに反応性オリゴマーまたはモノマーを多く添加した場
合には,硬化前の粘着特性,特に凝集力が低下し,貼着
から硬化までの間にずれや剥離を生ずる可能性があった
。一方,硬化前の粘着特性,とりわけ凝集力を改善する
ために反応性オリゴマーやモノマーの添加量を減らすと
,硬化性が低くなり,十分な接着力が得られないという
結果になる。このように,硬化前の粘着特性とりわけ凝
集力と硬化後の接着力との両方に十分優れた硬化性粘着
剤組成物は開発されていなかった。
【0003】そこで,前発明(特開平1−188508
号公報,特開平1−193314号公報,特開平1−1
93315号公報)において,ポリマーに通常複数個の
不飽和基を有するグラフト鎖を導入することにより,硬
化前の粘着特性および硬化後の接着力に優れた,ポリマ
ー自体に硬化性を付与した粘着剤組成物を開発したが,
合成面および物性面にいくつかの問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】  この樹脂の合成は
ポリマーへの反応であるため,反応速度が非常に遅く,
反応を途中で停止した場合には,未反応の原料による臭
気の問題や,性能悪化の可能性があった。また,粘着特
性と硬化後の接着力のバランスの優れたものを容易かつ
安定につくることも難しかった。
【0005】本発明は,従来の硬化性粘着剤組成物にお
ける上記のような合成面および物性面の諸問題点を改良
し,硬化前の粘着特性と硬化後の接着力に十分優れた硬
化性粘着剤組成物,およびこれを用いたシートまたはテ
ープを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は,水酸基を有す
る化合物(a),環状酸無水物(b)およびエチレン性
不飽和基を有するエポキシド(c)を反応させて得られ
る不飽和ポリエステルオリゴマー(A),粘着性アクリ
ルポリマー(B),重合開始剤(C)を含むことを特徴
とする硬化性粘着剤組成物,およびこれを用いたシート
またはテープである。
【0007】本発明の硬化性樹脂組成物は,粘着性ポリ
マーと反応性のオリゴマーとのブレンドであるという点
で,従来のものと類似している。しかし,従来のブレン
ド型の粘接着剤では,前記のようにブレンドした両者の
性質を相殺してしまい,優れたものはできない。それに
対して,オリゴマーとして本発明のポリエステルオリゴ
マー(A)を用いた場合には,粘着性アクリルポリマー
(B)との相溶性があまり良くなく,そのためにおそら
くミクロ相分離構造をとっていると考えられる。そのた
めに,樹脂に硬化性を付与するだけでなく,硬化前の粘
着特性,特に従来のものでは大きく低下していた凝集力
をむしろ向上させることが特徴である。またポリイソシ
アネート(D)を添加することにより,硬化性を損なう
ことなく,凝集力を著しく向上させることが可能である
【0008】本発明の硬化性樹脂組成物において,水酸
基を有する化合物(a)としてはメタノール,エタノー
ル,1−プロパノール,2−プロパノール,1−ブタノ
ール,2−ブタノール,ペンタノール,ヘキサノールな
どの脂肪族飽和アルコール,アリルアルコール,クロチ
ルアルコール,プロパギルアルコールなどの脂肪族不飽
和アルコール,2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート,2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート,
3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート,4−ヒ
ドロキシブチル(メタ)アクリレート,N−メチロール
アクリルアミドなどの水酸基を有する(メタ)アクリレ
ートまたは(メタ)アクリルアミドなど,シクロペンタ
ノール,シクロヘキサノールなどの脂環式アルコール,
ベンジルアルコール,シンナミルアルコールなどの芳香
族アルコール,フルフリルアルコール,テトラヒドロフ
ルフリルアルコールなどの複素環アルコール,エチレン
グリコール,プロピレングリコール,1,4−ブチレン
グリコール,ブテンジオール,ヘキサンジオール,シク
ロヘキサンジオール,ビスフェノールA,ジエチレング
リコールなどのジオール,グリセリン,トリメチロール
プロパンなどのトリオール,フェノール,o−クレゾー
ル,m−クレゾール,p−クレゾールなどのフェノール
類などのアルコール性またはフェノール性の水酸基を有
する化合物であればよい。
【0009】しかしこの中でも,前出のジオールや,2
−ヒドロキシ−n−酪酸,3−ヒドロキシ−n−酪酸,
p−ヒドロキシ安息香酸,ヒドロキシピバリン酸,サリ
チル酸,バニリン酸,12−ヒドロキシステアリン酸な
どのカルボキシル基と水酸基を同時に有する化合物,あ
るいはエタノールアミン,1−アミノ−2−プロパノー
ル,o−アミノフェノール,m−アミノフェノール,p
−アミノフェノールなどのアミノ基と水酸基を同時に有
する化合物など,2つ以上の官能基を有する化合物が好
ましい。
【0010】本発明の硬化性樹脂組成物において,環状
酸無水物(b)としては多価カルボン酸の分子内無水物
であり,飽和または不飽和の脂肪族多価カルボン酸無水
物,脂環式多価カルボン酸無水物,芳香族多価カルボン
酸無水物など,あるいはこれらの一部が飽和または不飽
和の炭化水素基,芳香環基,ハロゲン原子,複素環基な
どで置換されたものがあり,これらの具体例としては,
無水こはく酸,無水フタル酸,無水マレイン酸,無水イ
タコン酸,無水グルタル酸,無水ドデセニルこはく酸,
無水クロレンデック酸,無水ピロメリット酸,無水トリ
メリット酸,シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物
,ヘキサヒドロ無水フタル酸,メチルヘキサヒドロ無水
フタル酸,テトラメチレン無水マレイン酸,テトラヒド
ロ無水フタル酸,メチルテトラヒドロ無水フタル酸,エ
ンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸,メチルエンド
メチレンテトラヒドロ無水フタル酸,5−(2,5−ジ
オキソテトラヒドロキシフリル)−3−メチル−3−シ
クロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物,無水メチ
ルナジック酸,無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸,
グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート),エ
チレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)な
どがある。これらの中でも,架橋構造を作らないジカル
ボン酸またはトリカルボン酸の無水物を用いることが好
ましい。
【0011】本発明の硬化性樹脂組成物において,エチ
レン性不飽和基を有するエポキシド(c)としては,グ
リシジル(メタ)アクリレート,グリシジルシンナメー
ト,アリルグリシジルエーテル,ビニルシクロヘキセン
モノエポキサイド,1,3−ブタジエンモノエポキサイ
ドなどがあり,これらは飽和もしくは不飽和の炭化水素
基,芳香環基,ハロゲン原子,複素環基などで置換され
ていてもよい。
【0012】上記水酸基を有する化合物(a),環状酸
無水物(b)およびエポキシド(c)を反応させて,エ
チレン性不飽和基を有するポリエステルオリゴマー(A
)が得られる。反応は,適当な溶媒の存在下あるいは不
存在下,N,N−ジメチルベンジルアミン,トリエチル
アミン,トリブチルアミン,N,N−ジエチルアニリン
,N,N−ジメチルアニリンなどの三級アミンなどを必
要に応じて触媒として用い,エチレン性不飽和基の保護
のために,ハイドロキノン,ハイドロキノンモノメチル
エーテル,tert−ブチルカテコール,p−ベンゾキ
ノンなどのラジカル重合禁止剤を添加した状態で行なう
ことができる。
【0013】反応は,水酸基を有する化合物(a)の水
酸基と環状酸無水物(b)の酸無水物基とが先ず優先的
に反応し,次いで,この反応により生じたカルボキシル
基とエポキシド(c)のエポキシ基とが反応し,二級の
水酸基を生じる。さらに,生じた水酸基と環状酸無水物
(b)の酸無水物基とが反応するというように,以下,
順次,上記と同様の反応を進行させることができる。
【0014】この反応において,水酸基を有する化合物
(a)の量に対して反応させられる環状酸無水物(b)
およびエポキシド(c)の量を調整することにより,水
酸基を有する化合物(a)を末端とする,所望する数の
エチレン性不飽和基を有する所望の長さのポリエステル
オリゴマー(A)をつくることができる。それぞれの化
合物の割合は,環状酸無水物(b)がジカルボン酸無水
物である場合には, 水酸基を有する化合物(a)1モ
ルに対して環状酸無水物(b)1〜20モル,およびエ
ポキシド(c)1〜20モルの割合で,また,環状酸無
水物(b)とエポキシド(c)とはほぼ等モルの割合で
反応させることが好ましい。環状酸無水物(b)がトリ
カルボン酸である場合には,水酸基を有する化合物(a
)1モルに対して環状酸無水物(b)1〜10モルおよ
びエポキシド(c)1〜20モルの割合で,また,環状
酸無水物(b)1モルに対してエポキシド(c)をほぼ
1〜2モルの割合で反応させることが好ましい。水酸基
を有する化合物(a)1モルに対して反応させられる環
状酸無水物(b)またはエポキシド(c)の量が1モル
未満の場合には,得られるポリエステルオリゴマー(A
)の分子量が低く,水酸基を有する化合物(a)の残留
もあって,必要な特性が得られない。逆に,環状酸無水
物(b)またはエポキシド(c)の量が20モルを超え
る場合には,反応のコントロールが難しくなったり,分
子量が高くなりすぎて,やはり必要な特性が得られなく
なる傾向がある。
【0015】本発明の硬化性樹脂組成物において,粘着
性アクリルポリマー(B)とは水酸基,三級アミノ基,
カルボキシル基,アミド基,N−置換アミド基,ニトリ
ル基などの官能基を有するものであり,一般に粘着剤用
アクリル樹脂として用いられているものである。また,
ポリマー単独では粘着性に劣っていても,ポリエステル
オリゴマー(A)やその他の樹脂を加えることにより,
良好な粘着特性を示すようなポリマーは本発明のポリマ
ー(B)として用いることができる。これらの官能基を
有するアクリルポリマーは,水酸基,三級アミノ基,カ
ルボキシル基,アミド基,N−置換アミド基,ニトリル
基などを有するモノマーのうちの一種または数種と,ア
ルキル(メタ)アクリレート,酢酸ビニル,プロピオン
酸ビニル,ビニルエーテル,スチレンなどのモノマーと
の共重合体などである。
【0016】水酸基を有するモノマーとしては,2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート,2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート,3−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート,4−ヒドロキシブチル(メタ
)アクリレート,N−メチロールアクリルアミド,アリ
ルアルコールなどがあり,三級アミノ基を有するモノマ
ーとしては,ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト,ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート,ジメ
チルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどをあげ
ることができる。カルボキシル基を有するモノマーとし
ては,アクリル酸,メタクリル酸,クロトン酸,マレイ
ン酸,フマル酸,イタコン酸,シトラコン酸などがある
。アミド基,N−置換アミド基を有するモノマーとして
は,アクリルアミド,メタクリルアミド,N−メチル(
メタ)アクリルアミド,N−エチル(メタ)アクリルア
ミド,N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド,N
−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド,N−プロポ
キシメチル(メタ)アクリルアミド,N−ブトキシメチ
ル(メタ)アクリルアミド,N−tert−ブチルアク
リルアミド,N−オクチルアクリルアミド,ジアセトン
アクリルアミドなどがある。ニトリル基を有するモノマ
ーとしては,アクリロニトリル,メタクリロニトリル,
クロトノニトリル,フマロニトリルなどがある。また,
アルキル(メタ)アクリレートとしては,メチル(メタ
)アクリレート,エチル(メタ)アクリレート,ブチル
(メタ)アクリレート,2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート,オクチル(メタ)アクリレートなどのアル
キル(メタ)アクリレートがある。その他,シクロヘキ
シル(メタ)アクリレート,ベンジル(メタ)アクリレ
ート,テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートな
どやアルキル基が芳香環基,複素環基,ハロゲン原子な
どで置換されているアルキル(メタ)アクリレートなど
,一般にアクリルポリマーの合成に用いられるモノマー
を本発明のポリマーの合成にも用いることができる。
【0017】反応は通常のラジカル重合であり,反応方
法に何等制限はなく,溶液重合,塊状重合,乳化重合な
どの公知の重合法で行なうことができるが,反応のコン
トロールが容易であることや直接次の操作に移れること
から溶液重合が好ましい。溶媒としては,メチルエチル
ケトン,メチルイソブチルケトン,トルエン,セロソル
ブ,酢酸エチル,酢酸ブチルなど本発明の樹脂が溶解す
るものであれば何でもよく,単独でも,複数の溶媒を混
合してもよい。また,重合反応の際に使用される重合開
始剤もベンゾイルパーオキサイド,アセチルパーオキサ
イド,メチルエチルケトンパーオキサイド,ラウロイル
パーオキサイドなどの有機過酸化物,アゾビスイソブチ
ロニトリルなどのアゾ系開始剤など公知のものであれば
何でもよく,とくに制限はない。
【0018】それぞれの反応によって得られた不飽和ポ
リエステルオリゴマー(A)と粘着性アクリルポリマー
(B)を混合することにより,硬化性を有する粘着性樹
脂を得ることができる。混合は室温で見かけ上,均一に
なる程度まで撹拌すれば十分であるが,相互の混合の状
態をより高めるために,溶媒の沸点以下の温度での加熱
撹拌を行なってもよい。
【0019】本発明においては,エチレン性不飽和基を
有するエポキシド(c)を用いているので,ポリエステ
ルオリゴマー(A)が不飽和基を持ち,電子線硬化や適
切な重合開始剤(C)との併用での熱硬化,嫌気硬化,
光硬化などの硬化法により,簡単に固化させることがで
きる。
【0020】熱硬化,嫌気硬化の場合に用いられる重合
開始剤(C)としては,ジ−tert−ブチルパーオキ
サイド,tert−ブチルクミルパーオキサイド,ジク
ミルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類
,アセチルパーオキサイド,ラウロイルパーオキサイド
,ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサ
イド類,メチルエチルケトンパーオキサイド,シクロヘ
キサノンパーオキサイド,3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサノンパーオキサイド,メチルシクロヘキサノン
パーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類,1,1
−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン
などパーオキシケタール類,tert−ブチルヒドロパ
ーオキサイド,クメンヒドロパーオキサイド,1,1,
3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド,p
−メンタンヒドロパーオキサイド,ジイソプロピルベン
ゼンヒドロパーオキサイド,2,5−ジメチルヘキサン
−2,5−ジヒドロパーオキサイドなどのヒドロパーオ
キサイド類,tert−ブチルパーオキシアセテート,
tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト,tert−ブチルパーオキシベンゾエートなどのパ
ーオキシエステル類などの有機過酸化物,アゾビスイソ
ブチロニトリル,アゾビスバレロニトリルなどのアゾ系
化合物など公知のものであれば特に制限はない。 重合開始剤(C)は,本発明の粘着剤組成物100重量
部に対して通常0.1〜15重量部,好ましくは0.5
〜5重量部の割合で用いられる。
【0021】有機過酸化物のうちラジカル発生速度の小
さいものを用いる場合には,N,N−ジメチルベンジル
アミン,トリエチルアミン,トリブチルアミン,N,N
−ジエチルアニリン,N,N−ジメチルアニリン,N−
フェニルジエタノールアミン,N−フェニルジイソプロ
パノールアミン,ジメチル−p−トルイジン,トリエタ
ノールアミン,4−フェニルモルホリンなどの三級アミ
ンや,リチウム,カルシウム,ストロンチウム,バリウ
ム,セリウム,ジルコニウム,バナジウム,モリブデン
,マンガン,鉄,コバルト,ニッケル,銅,亜鉛,スズ
,鉛などの金属のラウリル酸塩,ナフテン酸塩,オクチ
ル酸塩,オレイン酸塩,オクテン酸塩などの脂肪酸塩,
ロジン塩などの樹脂酸塩,アセチルアセトネート錯塩な
どのキレート化合物などから選ばれる金属化合物のうち
の1種または2種以上を促進剤として用いることができ
る。特に,嫌気硬化の場合には,促進剤として三級アミ
ンまたは金属化合物のうちのどちらか,あるいはその両
方を有機過酸化物と併用するのが好ましい。これらの促
進剤のうち,三級アミンは通常有機過酸化物100重量
部に対して,1〜100重量部の割合で,金属化合物は
有機過酸化物100重量に対して,0.01〜10重量
部の割合で用いられる。
【0022】光硬化の場合に用いられる重合開始剤(C
)としては,ベンゾイン,ベンゾインメチルエーテル,
ベンゾインエチルエーテル,o−ベンゾイル安息香酸メ
チル−p−ベンゾインエチルエーテル,ベンゾインイソ
プロピルエーテル,α−メチルベンゾインなどのベンゾ
イン類,ジメチルベンジルケタール,トリクロルアセト
フェノン,2,2−ジエトキシアセトフェノンなどのア
セトフェノン類,2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオ
フェノン,2−ヒドロキシ−4´−イソプロピル−2−
メチルプロピオフェノンなどのプロピオフェノン類,α
−アシロキシムエステル,ベンゾフェノン,メチルベン
ゾフェノン,p−クロルベンゾフェノン,p−ジメチル
アミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類,2−ク
ロルチオキサントン,2−エチルチオキサントン,2−
イソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類,
ベンジル,ジベンゾスベロンなどの他,加藤清視編:「
UV・EB硬化ハンドブック−原料編−」(1985年
12月,高分子刊行会刊)第67〜73頁あるいは山下
普三,金子東助編「架橋剤ハンドブック」(昭和56年
10月,大成社刊)第582〜593頁に記載されてい
るものがある。これらの重合開始剤(C)は,促進剤と
ともに用いてもよい。
【0023】このような促進剤としては,4,4´−ビ
ス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン,N−ジメチルア
ミノ安息香酸エチル,ジメチルエタノールアミン,グリ
シンなどの他,加藤清視編:前掲書,第67〜73頁に
記載されたものを用いることができる。光として紫外線
や可視光線など波長の比較的長いものを用いる場合には
,硬化効率の面から,重合開始剤および必要に応じて促
進剤を用いることが好ましい。重合開始剤(C)は,本
発明の粘着剤組成物100重量部に対して,通常0.0
5〜20部,好ましくは0.5〜10部の割合で用いら
れる。
【0024】以上の重合開始剤(C)および促進剤はマ
イクロカプセル化して用いることもできる。粘着剤組成
物あるいはそれを用いて作られたテープやシートなどの
製品が作られてから使用されるまでに長時間放置される
場合には,この方法により使用するまで安定に保つこと
ができる。特に嫌気硬化の場合には,用いられる重合開
始剤および促進剤のいずれか,あるいはその複数をマイ
クロマプセル化することにより保存安定性を大きく向上
させることが可能となる。上記の重合開始剤および促進
剤をマイクロカプセル化する方法としては特に制限はな
く,特公昭38−19574号公報,特公昭42−44
6号公報,特公昭42−771号公報,特公昭42−2
882号公報,特公昭42−2883号公報,特開昭5
6−115371号公報,特開昭60−60173号公
報などに記載された界面重合法,特公昭36−9168
号公報,USP3427250号公報,BP12364
98号公報などに記載されたin  situ重合法,
 USP3787327号公報,USP3551346
号公報,USP3574133号公報などに記載された
液中硬化被覆法,USP2800457号公報,USP
2800458号公報,USP3531418号公報,
USP3577515号公報,BP1117178号公
報に記載されたコアセルベーション法(相分離法),U
SP3523906号公報,USP3660304号公
報などに記載された界面析出法,USP3830750
号公報に記載されたスプレードライ法などがある。これ
らの方法のなかでも,マイクロカプセル壁の厚さを自由
に制御でき,マイクロカプセル壁の厚さを均一とするこ
とができ,マイクロカプセル壁の強度を高くすることが
できるポリユリアをマイクロカプセル壁とする界面重合
法,ゼラチンおよびアラビアゴムをマイクロカプセル壁
とする複合コアセルベーション法によりマイクロカプセ
ル化することが好ましい。マイクロカプセル化の詳細な
方法は上記の特許および特開平1−193314号公報
などに詳しく記載されている。
【0025】硬化前の粘着特性を改善するため,特に凝
集力を高めるために,本発明の粘着剤組成物にさらにポ
リイソシアネート(D)を添加して,粘着性アクリルポ
リマー(B)を部分架橋させることができる。このよう
なポリイソシアネートとしてはトリレンジイソシアネー
ト,4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート,ヘ
キサメチレンジイソシアネート,m−キシレンジイソシ
アネート,p−キシレンジイソシアネート,1,5−ナ
フタレンジイソシアネート,イソホロンジイソシアネー
ト,リジンジイソシアネート,水添4,4´−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート,水添トリレンジイソシアネ
ートなどのジイソシアネート類,あるいはこれらとグリ
コール類またはジアミン類との両末端イソシアネートア
ダクト体,あるいはこれらの混合物があり,必要に応じ
てトリフェニルメタントリイソシアネート,ポリメチレ
ンポリフェニルイソシアネートなどの3官能以上のポリ
イソシアネート類もジイソシアネート類と混合して用い
ることができる。
【0026】硬化前の粘着特性や硬化後の接着力を調整
するために,エチレン性不飽和基を持たないエポキシド
を用いて合成したポリエステルオリゴマー,あるいは本
発明で用いたエチレン性不飽和基を有するエポキシド(
c)と不飽和基を持たないエポキシドの両方を用いて合
成したオリゴマーを本発明のポリエステルオリゴマー(
A)として用いることができる。ただしエチレン性不飽
和基を全く持たないオリゴマーを用いる場合には不飽和
基を有するオリゴマーとの併用が必要である。エチレン
性不飽和基を持たないエポキシドとしてはエピクロルヒ
ドリン,フェニルグリシジルエーテル,スチレンオキサ
イド,シクロヘキセンオキサイド,ブテンオキサイドな
どがある。
【0027】硬化後の接着力をさらに強固なものとする
ために,本発明の粘着剤組成物にさらに本発明で用いた
不飽和ポリエステルオリゴマー(A)以外の(メタ)ア
クリロイル基などのエチレン性不飽和基を有するモノマ
ーやオリゴマーを添加することができる。このようなモ
ノマーやオリゴマーとしては,スチレン,アルキル(メ
タ)アクリレート,(メタ)アクリル酸,多価アルコー
ルポリ(メタ)アクリレート,エポキシポリ(メタ)ア
クリレート,オリゴエステルポリ(メタ)アクリレート
,ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート,ジアリルフ
タレート,ジアリルイソフタレートなどがある。これら
のモノマーやオリゴマーの使用量は,本発明の粘着剤組
成物の全固形分に対して60重量%以下である。60重
量%を超えると,硬化前の粘着特性,とりわけ凝集力が
著しく劣るようになる。
【0028】本発明の粘着剤組成物には,その性能を阻
害しない範囲で,必要に応じて顔料,染料,無機充填剤
,有機溶剤,銀粉,銅粉,ニッケル粉などの金属粉,カ
ーボンブラック,グラファイト,キシレン樹脂やロジン
系樹脂などの粘着付与剤,シランカップリング剤などを
加えることができる。
【0029】本発明の粘着剤組成物は,シリコーン処理
を施した紙や布,ポリエチレンテレフタレートフィルム
ラミネート紙などの低接着性の樹脂により加工を施した
紙や布,金属箔,プラスチックフィルムなどの剥離性の
高いフィルム,シートあるいはテープなどの上に塗工し
,必要があれば乾燥により有機溶剤を除去し,必要があ
れば裁断し,両面または片面の粘着シートあるいはテー
プの形にされる。また,補強や衝撃緩和のために,レー
ヨン,ナイロンなどの不織布や寒冷紗などの布類,ウレ
タン,アクリルなどのフォーム類などでライニングした
り,これらの布類,フォーム類などを芯材としてこれに
本発明の粘着剤組成物を塗布または含浸させて用いるこ
ともできる。ここで用いられるテープまたはシートの基
材,芯材などが粘着剤組成物とともに使用後も接着部に
残る場合には,これらが,加熱や光照射などの,硬化の
ための処理で著しく変質したり,硬化を著しく妨げるこ
とが無いものである必要がある。
【0030】このようにして得られた両面粘着シートま
たはテープは,2つの同種または異種の被着体間に挟持
され,その良好な粘着性によって仮接着した後,それぞ
れの硬化法に応じた処理をすることにより粘着剤組成物
が硬化し,被着体同士を強固に接着させることができる
。また,片面粘着シートまたはテープは,その良好な粘
着性によって被着体に仮接着した後,必要があれば基材
となっているシートまたはテープを剥離させ生じた粘着
面に他の被着体をさらに仮接着し,それぞれの硬化法に
応じた処理をすることにより粘着剤組成物が硬化し,被
着体に強固に接着させることができる。
【0031】重合開始剤,促進剤などがマイクロカプセ
ル化されているときには被着体に仮接着する前,あるい
は後に加圧ロールなどの圧力などの力を加えることによ
りマイクロカプセルを破壊する。またはマイクロカプセ
ルの性状に応じて,熱を加えたり,紫外線などの光を照
射することでカプセルを破壊することが必要となる。た
だし,徐放性のマイクロカプセルの場合はとくに破壊す
る必要はない。
【0032】嫌気硬化の場合には被着体に仮接着した後
は,重合開始剤などの作用により程なく硬化が開始され
,数時間から1週間程度で実用強度に達する。熱硬化の
場合には,オーブンなどの空気加熱では通常,80〜1
50℃で3〜20分間程度,熱プレスなどの接触加熱で
は80〜150℃で0.5秒〜5分間程度の加熱が行な
われる。光硬化の場合には,特に両面粘着テープまたは
シートのときには,少なくとも一方が光透過性を有する
ものであり,光透過性を有する被着体の側から光を照射
することにより接着させることができる。また,片面粘
着シートまたはテープは,光透過性のテープまたはシー
ト基材あるいは光透過性の被着体側から光を照射するこ
とにより接着させることができる。
【0033】本発明において光としては,太陽や蛍光灯
を線源とする可視光線,高圧水銀灯,超高圧水銀灯,メ
タルハライドランプ,カーボンアーク灯,キセノンラン
プなどを線源とする紫外線,コバルト60を線源とする
γ線,またはX線発生器を線源とするX線などの他,電
子線加速器などを線源とする電子線も含める。これらの
なかでも,実用上は,可視光線,紫外線,または電子線
,とりわけ,波長が200〜800nmの可視光線また
は紫外線を用いることが好ましい。光として紫外線を用
いる場合には,硬化効率の面から前記の通り,重合開始
剤(C)および必要に応じて促進剤を用いることが好ま
しい。線源の出力,線源からの距離,照射面積,用いる
樹脂や重合開始剤および促進剤の種類と量,粘着剤組成
物層の厚さ,被着体やテープまたはシート基材の種類や
厚さなどによって異なるが,通常,電子線の場合の照射
量は0.5〜50Mrad,紫外線の場合は20〜50
00mJ/cm2 程度,照射の時間は0.3〜30秒
程度である。
【0034】
【実施例】以下,実施例により本発明を説明する。例中
,部とは重量部を,%とは重量%を,それぞれ表わす。
【0035】ポリエステルオリゴマーの合成
【0036
】 オリゴマー1 エチレングリコール                
    2.0部ヘキサヒドロ無水フタル酸     
       51.0部グリシジルメタクリレート 
           47.0部N,N−ジメチルベ
ンジルアミン        0.9部ハイドロキノン
                        0
.2部酢酸エチル                 
         25.0部上記組成物を混合し,空
気雰囲気中,80℃で10時間反応させ,冷却後,酢酸
エチル125部を加えて,ポリエステルオリゴマー1の
溶液(固形分40%)を得た。
【0037】 オリゴマー2 エチレングリコール                
    3.4部ヘキサヒドロ無水フタル酸     
       50.3部グリシジルメタクリレート 
           46.3部N,N−ジメチルベ
ンジルアミン        0.9部ハイドロキノン
                        0
.2部酢酸エチル                 
         25.0部上記組成物を混合し,空
気雰囲気中,80℃で10時間反応させ,冷却後,酢酸
エチル125部を加えて,ポリエステルオリゴマー2の
溶液(固形分40%)を得た。
【0038】 オリゴマー3 エチレングリコール                
    2.5部無水こはく酸           
             40.3部グリシジルメタ
クリレート            57.2部N,N
−ジメチルベンジルアミン        1.1部ハ
イドロキノン                   
     0.2部酢酸エチル           
               25.0部上記組成物
を混合し,空気雰囲気中,80℃で10時間反応させ,
冷却後,酢酸エチル125部を加えて,ポリエステルオ
リゴマー3の溶液(固形分40%)を得た。
【0039】 オリゴマー4 p−ヒドロキシ安息香酸              
  4.5部ヘキサヒドロ無水フタル酸       
     49.7部グリシジルメタクリレート   
         45.8部N,N−ジメチルベンジ
ルアミン        0.9部ハイドロキノン  
                      0.2
部酢酸エチル                   
       25.0部上記組成物を混合し,空気雰
囲気中,80℃で10時間反応させ,冷却後,酢酸エチ
ル125部を加えて,ポリエステルオリゴマー4の溶液
(固形分40%)を得た。
【0040】 オリゴマー5 1−アミノ−2−プロパノール          2
.5部ヘキサヒドロ無水フタル酸          
  50.7部グリシジルメタクリレート      
      46.8部N,N−ジメチルベンジルアミ
ン        0.9部ハイドロキノン     
                   0.2部酢酸
エチル                      
    25.0部上記組成物を混合し,空気雰囲気中
,80℃で10時間反応させ,冷却後,酢酸エチル12
5部を加えて,ポリエステルオリゴマー5の溶液(固形
分40%)を得た。
【0041】 オリゴマー6 p−ヒドロキシ安息香酸              
  4.3部ヘキサヒドロ無水フタル酸       
     48.5部フェニルグリシジルエーテル  
        47.2部N,N−ジメチルベンジル
アミン        0.9部酢酸エチル     
                     25.0
【0042】上記組成物を混合し,空気雰囲気中,8
0℃で10時間反応させ,冷却後,酢酸エチル125部
を加えて,ポリエステルオリゴマー6の溶液(固形分4
0%)を得た。
【0043】アクリルポリマーの合成
【0044】 ポリマー1 ブチルアクリレート                
  88.2部酢酸ビニル             
               5.6部2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート    6.2部アゾビスイソ
ブチロニトリル            0.2部酢酸
エチル                      
  150.0部80℃に加熱した上記の組成の混合物
125部に,上記の同組成の混合物125部を滴下し,
滴下終了後,12時間加熱還流させ,冷却し,アクリル
ポリマー1の溶液(固形分40%)を得た。
【0045】 ポリマー2 ブチルアクリレート                
  93.5部アクリル酸             
               1.4部2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート    5.1部アゾビスイソ
ブチロニトリル            0.2部酢酸
エチル                      
  150.0部80℃に加熱した上記の組成の混合物
125部に,上記の同組成の混合物125部を滴下し,
滴下終了後,12時間加熱還流させ,冷却し,アクリル
ポリマー2の溶液(固形分40%)を得た。
【0046】 ポリマー3 ブチルアクリレート                
  92.0部アクリルアミド           
             2.8部2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート    5.2部アゾビスイソブチ
ロニトリル            0.2部酢酸エチ
ル                        
150.0部
【0047】80℃に加熱した上記の組成
の混合物125部に,上記の同組成の混合物125部を
滴下し,滴下終了後,12時間加熱還流させ,冷却し,
アクリルポリマー3の溶液(固形分40%)を得た。
【0048】
【実施例1】オリゴマー1の溶液41.9部,ポリマー
1の溶液58.1部を十分に混合し,この樹脂溶液10
0部に対してベンゾイルパーオキサイド0.4部を均一
に混合し,硬化性粘着剤組成物を得た。得られた硬化性
粘着組成物を,シリコーン処理を施したポリエチレンテ
レフタレートフィルム上に乾燥後の厚さが30μmとな
るように塗布し,60℃で3分間乾燥して粘着シートを
得た。また上記組成の樹脂混合物に,さらにトリレンジ
イソシアネート0.2部を加え,同様に粘着シートを得
,さらに50℃で3日間熟成させた。
【0049】得られた粘着シートについて,硬化前の粘
着特性(剥離接着力,タック,保持力)および硬化後の
剪断接着力の測定結果を表1に示す。硬化は130℃の
オーブン中で10分間加熱することにより行なった。な
お,測定は次のようにして行なった。
【0050】(1)硬化前の剥離接着力得られた粘着シ
ートの粘着面に厚さ50μmのポリエチレンテレフタレ
ートシートを貼着し,幅25mmに切断し,次にポリエ
チレンテレフタレートフィルムを剥離させ,生じた粘着
面を#280の紙やすりで研磨したステンレススチール
板(SUS304)に貼着し,30分間放置した後,2
5℃,相対湿度65%の条件下,剥離速度300mm/
分で180度剥離接着力を測定した。
【0051】(2)硬化前のタック 傾斜角30度の斜面に得られた粘着シートをセットして
,25℃,相対湿度65%の条件下,助走距離10cm
で,ステンレススチール製ボールを転がし,粘着面10
cm以内のところで停止する最大のボールの番号を測定
した。ボールの番号は1/16から1まで31種類ある
「ボールの呼称」の32倍の数値で表示した。
【0052】(3)硬化前の保持力 得られた粘着シートの粘着面に厚さ50μmのポリエチ
レンテレフタレートシートを貼着し,幅25mm,長さ
100mmの大きさに切断し,次にポリエチレンテレフ
タレートフィルムを剥離させ,生じた粘着面のうち,た
て25mm,横25mmの部分を紙やすり#280で研
磨したステンレススチール板(SUS304)に貼着し
,40℃,荷重1Kgで粘着シートがステンレススチー
ル板より落下するまでの時間(秒)を測定した。
【0053】(4)硬化後の剪断接着力縦50mm,横
10mm,厚さ0.5mmの2枚のアルミニウム板それ
ぞれの一端に,得られた粘着シートを縦10mm,横1
0mmに切断したものの粘着面を貼着し,ポリエチレン
テレフタレートフィルムを剥離させ,生じた粘着面同士
が重なるように貼着し,所定の硬化法で粘着剤を硬化さ
せた後,25℃,相対湿度65%の条件下,引張り速度
5mm/分で剪断強度を測定した。
【0054】
【実施例2】(マイクロカプセル化ベンゾイルパーオキ
サイドの調製) ポリビニルアルコール1部および水100部を30℃に
保ち,毎分225回転の速度で回転する撹拌翼で撹拌し
ながら,これに,ベンゾイルパーオキサイド5部,トリ
レンジイソシアネート5部をキシレン10部に溶解した
溶液を添加し分散させ,5分後にテトラエチレンペンタ
ミン1部を添加し,次いで2時間撹拌を続け,トリレン
ジイソシアネートと,テトラエチレンペンタミン,ポリ
ビニルアルコールおよび水とが反応して生成した壁を有
するベンゾイルパーオキサイドのマイクロカプセルの分
散液を得た。得られたマイクロカプセルの分散液122
部に,グルタルアルデヒド2部を添加し,2時間撹拌し
,次に,N−(2−アミノエチル)−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン2部を添加し,分散液のpHが約
11となるようにアンモニア水を加え,さらに撹拌を6
時間続けた後,マイクロカプセルを濾別し,エタノール
で洗浄し,50℃の温風で乾燥し,マイクロカプセル化
されたベンゾイルパーオキサイドを得た。得られたマイ
クロカプセル中にはベンゾイルパーオキサイドが20%
含まれ,マイクロカプセルの平均粒子径は40μmであ
った。
【0055】オリゴマー2の溶液45.8部,ポリマー
2の溶液54.2部を十分に混合し,この樹脂溶液10
0部に対してマイクロカプセル化されたベンゾイルパー
オキサイド10部,ナフテン酸コバルト0.1部,ジメ
チル−p−トルイジン0.5部およびトリレンジイソシ
アネート0.1部を均一に混合し,硬化性粘着剤組成物
を得た。得られた硬化性粘着剤組成物を実施例1と同様
にして粘着シートを得た。硬化前の粘着特性はマイクロ
カプセルを破壊しないように注意しながら実施例1と同
様にして測定した。また実施例1と同様にアルミニウム
板を貼り合わせた後,加圧ロールにて10Kg/cm2
 で加圧し,常温で1週間放置して,十分に硬化させた
後,実施例1と同様の条件で剪断接着力を測定した。さ
らに,粘着シート作製2カ月後に同様に測定を行なった
。以上の測定結果は表1に示した。
【0056】
【実施例3】オリゴマー3の溶液22.9部,ポリマー
3の溶液77.1部を十分に混合し,この樹脂溶液10
0部に対して2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェ
ノン0.4部およびトリレンジイソシアネート0.1部
を均一に混合し,硬化性粘着剤組成物を得た。得られた
硬化性粘着剤組成物を実施例1と同様にして粘着シート
を得た。得られた粘着シートについて,硬化前の粘着特
性と硬化後の剪断接着力を測定した。剪断接着力の測定
は縦50mm,横10mm,厚さ1.0mmのアクリル
板をアルミニウム板のかわりに用いた。硬化は2KW高
圧水銀灯下15cmの距離で15秒間紫外線を照射する
ことにより行なった。以上の測定結果は表1に示した。
【0057】
【実施例4】オリゴマー4の溶液38.0部,ポリマー
2の溶液62.0部を十分に混合し,この樹脂溶液10
0部に対してベンゾイルパーオキサイド0.4部および
トリレンジイソシアネート0.2部を均一に混合したも
の,ベンゾイルパーオキサイド1部,ナフテン酸コバル
ト0.1部,4−フェニルモルホリン0.5部およびト
リレンジイソシアネート0.2部を均一に混合したもの
,2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン0.4
部およびトリレンジイソシアネート0.2部を均一に混
合したものの3種類の硬化性粘着剤組成物を得た。得ら
れた3種類の硬化性粘着剤組成物を実施例1と同様にし
て粘着シートを得た。得られた粘着シートについて,そ
れぞれ硬化前の粘着特性と硬化後の剪断接着力を測定し
た。硬化はそれぞれ熱硬化,嫌気硬化,光硬化で行なっ
た。加熱は熱プレスを用い,130℃,50Kg/cm
2 で10秒間で行なった。嫌気硬化,光硬化は実施例
2,3と同様に行なった。以上の測定結果は表1に示し
た。
【0058】また,上記の樹脂溶液に開始剤などを全く
添加せずに粘着シートを作製し,硬化前の保持力の測定
の時と同様の方法で,50μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルムとステンレススチール板とを5mmの重
なり幅で貼り合わせ,エレクトロカーテン型の電子線照
射機を用いてポリエチレンテレフタレートフィルムの側
から5Mradの電子線を照射して硬化させた後,剪断
接着力を測定したところ,ポリエチレンテレフタレート
フィルムが破断した。
【0059】
【実施例5】オリゴマー5の溶液26.7部,ポリマー
3の溶液73.3部を十分に混合し,この樹脂溶液10
0部に対してtert−ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート0.4部およびトリレンジイソシアネー
ト0.2部を均一に混合し,硬化性粘着剤組成物を得た
。得られた硬化性粘着剤組成物を実施例1と同様にして
粘着シートを得,硬化前の粘着特性と硬化後の剪断接着
力を測定した。硬化は実施例1と同様に熱硬化で行なっ
た。以上の測定結果は表1に示した。
【0060】
【実施例6】オリゴマー4の溶液21.2部,オリゴマ
ー6の溶液21.7部,ポリマー3の溶液57.1部を
十分に混合し,この樹脂溶液100部に対してベンゾイ
ルパーオキサイド0.4部を均一に混合し,実施例1と
同様にして粘着シートを得た。また,上記組成の混合物
にさらにトリレンジイソシアネート0.1部を均一に混
合し,硬化性粘着剤組成物を得た。得られた硬化性粘着
剤組成物を用い実施例1と同様に粘着シートを得た。得
られたそれぞれの粘着シートについて,硬化前の粘着特
性と硬化後の剪断接着力を測定した。硬化は実施例4の
熱硬化と同様にして行なった。以上の測定結果は表1に
示した。
【0061】
【表1】
【0062】
【発明の効果】本発明の粘着剤組成物は,表に示された
ように硬化前の剥離接着力が1500g/25mm以上
,タックが7以上,保持力はポリイソシアネートを添加
しなくても1000秒以上である。さらに硬化後の剪断
接着力が熱,嫌気硬化の場合には30Kg/cm2 以
上,光硬化の場合には25Kg/cm2 以上となり,
硬化前の粘着特性,硬化後の接着力ともに優れている。
【0063】また,従来のポリマー中へ不飽和基を導入
した粘着剤組成物と比べて,反応のしやすさや反応残留
物による臭気の低減の点で優れるとともに,硬化性粘着
剤としての特性は従来のものに劣っていない。さらに,
ポリイソシアネートを適量添加することにより,凝集力
を向上させ,硬化前の剥離接着力やタック,硬化後の剪
断接着力を損なわずに,保持力を24時間経過後でもず
れのない状態にすることができる。
【0064】このように,本発明により,接合時には粘
着性が高く,硬化後には強固な接着力を示す,硬化前の
粘着特性と硬化後の接着力とのバランスに優れ,かつ臭
気の少ない硬化性粘着剤組成物が得られるようになった
。また,これを用いたシートおよびテープは,被着体に
仮接着できるため,機械的な仮止めが不必要であり,硬
化後は接着剤並みの強度に達するものであり,様々な用
途に使用することが可能になった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  水酸基を有する化合物(a),環状酸
    無水物(b)およびエチレン性不飽和基を有するエポキ
    シド(c)を反応させて得られる不飽和ポリエステルオ
    リゴマー(A)、粘着性アクリルポリマー(B)と重合
    開始剤(C)を含むことを特徴とする硬化性粘着剤組成
    物。
  2. 【請求項2】  不飽和ポリエステルオリゴマー(A)
    ,粘着性アクリルポリマー(B),および重合開始剤(
    C)の他にポリイソシアネート(D)を含むことを特徴
    とする請求項1に記載の硬化性粘着剤組成物。
  3. 【請求項3】  請求項1または請求項2に記載の硬化
    性樹脂組成物を,基材に塗布または含浸させることによ
    って得られることを特徴とする粘着シートまたはテープ
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