JPH09143433A - 接着方法 - Google Patents

接着方法

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JPH09143433A
JPH09143433A JP30085095A JP30085095A JPH09143433A JP H09143433 A JPH09143433 A JP H09143433A JP 30085095 A JP30085095 A JP 30085095A JP 30085095 A JP30085095 A JP 30085095A JP H09143433 A JPH09143433 A JP H09143433A
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JP
Japan
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adhesive layer
adhesive
resin
dyn
adherend
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JP30085095A
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English (en)
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Masato Yanagi
正人 柳
Shinichiro Mizuno
信一郎 水野
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】二種類の接着剤を使用することで強固な接着強
度を得る方法を提供する。 【解決手段】第一の被着体表面に、表面粘着性かつ動的
弾性率が106 〜107dyn/cm2 であり、エチレ
ン性不飽和結合の反応により硬化可能である樹脂に重合
開始剤を含有させた接着剤層(1)を設け、第二の被着
体表面に、表面粘着性かつ動的弾性率が106 〜107
dyn/cm2 であり、エチレン性不飽和結合の反応に
より硬化可能である樹脂に重合開始剤の分解促進剤を含
有させた接着剤層(2)を設け、上記接着剤層(1)と
上記接着剤層(2)を介して第一の被着体と第二の被着
体を重ね合わせ、樹脂層の動的弾性率を107 dyn/
cm 2 以上となるように接着剤層を硬化することを特徴
とする接着方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接合時には粘着性
を示して仮止めを必要とせず様々な被着体に容易に接着
するという粘着剤としての性質を有し、貼り合わせた後
は室温で短時間に硬化して強固な接着力を示す接着方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在世の中に見られる接着方法は、初期
は液状で何らかの化学変化により硬化して接着力を発現
する接着剤によるものがほとんどで、硬化が終了するま
で仮止め等の処置が必要となっている。このような操作
性の煩雑さを解消するために接合時には粘着性を有し、
被着体に容易に仮接着でき、貼り付けた後は徐々に硬化
して強固な接着力を示す接着方法としては硬化性粘着テ
ープ等を用いるものがある。この硬化性粘着テープ(も
しくはシート)には、空気中の湿気や被着体の水分で硬
化する湿気硬化型(特公昭47−44017号公報、特
公昭49−5895号公報、特開昭54−64536号
公報、特開昭58−171460号公報、特開昭59−
58071号公報、特開昭61−145268号公報、
特開昭61−148281号公報)、熱で硬化する熱硬
化型(特公昭50−12464号公報、特開昭51−6
235号公報、特開昭54−102335号公報、特公
昭55−8113号公報、特公昭59−14508号公
報、特開昭59−108072号公報、特開昭60−2
17283号公報、特開昭61−81467号公報)、
光で硬化する光硬化型(特開昭56−120786号公
報、特開昭57−159864号公報、特開昭60−6
9178号公報、特開昭61−162574号公報)、
空気を遮断することによって硬化する嫌気硬化型(特公
昭58−12918号公報、特開昭59−199784
号公報、特開昭59−199785号公報、特開昭60
−6773号公報、特開昭60−11568号公報、特
開昭60−13868号公報)がある。
【0003】しかし、いずれの硬化性粘着剤(あるいは
テープおよびシート)による接着方法もそれぞれ大きな
問題を持っている。すなわち、湿気硬化型は使用時まで
乾燥状態で保存する必要があり、製造にも特別な設備を
必要とする。熱硬化型は熱に弱い材料には適用できない
し、光硬化型は光を透過する材質の場合でしか使用でき
ない。嫌気硬化型は常に空気に接触するような保存状態
を必要とし、硬化性をよくしようとすれば、保存性が劣
るというように、硬化性と保存性のバランスをとるのが
難しい。
【0004】本来、最も理想的な硬化性粘着剤(あるい
はテープおよびシート)による接着方法は、何のエネル
ギーも加えることなしに、貼り付けただけで硬化し接着
するものである。前述の湿気硬化型や嫌気硬化型はこれ
にあたるが、通常の粘着テープでこのような機能を発現
させることは保存性の点で非常に難しく、できたとして
も硬化性とのバランスに欠ける中途半端なものしかでき
ない。
【0005】このような問題点を解決するため、二枚の
テープを使用時に貼り合わせ、反応性成分を別々のテー
プに含有させるタイプの硬化性粘着テープ(特開昭58
−67775号公報)による接着方法が提案されてい
る。しかし、常温で容易に反応し、強固な接着強度を発
揮させるようにするためには、樹脂構造の設計が非常に
重要であり、従来の硬化性粘着剤用樹脂では、満足すべ
き性能を発揮することはできない。従来の樹脂を用いた
上記の二枚貼り合わせ型硬化性粘着テープ(もしくはシ
ート)による接着方法の問題点は、接合時の粘着特性と
貼り合わせ硬化後の接着特性のバランスが悪く、ほとん
どの場合は、粘着特性が良好であれば接着強度が乏し
く、接着強度が大きければ初期の粘着特性が劣ってい
た。従って、テープとの構成を二枚貼り合わせ型とし
て、保存性と硬化性の両立がはかれたとしても、適切な
樹脂設計なしに粘着特性と接着特性のバランスに優れた
硬化性粘着テープによる接着方法は得られなかった。ま
た、テープという形態では被着体に対しての濡れ性に限
界があり、接合剤が本来持っている硬化後の凝集力を十
分生かし切れない問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、樹脂の構造
や分子量を考慮しないで作製した二枚貼り合わせ型硬化
性粘着テープによる接着方法の持つ、粘着特性と硬化後
の接着力のバランスに劣るという従来の欠陥を解消し、
この両者のバランスを十分配慮した樹脂設計を行うとと
もに、形態を2つの接着剤層にすることによって、保存
性が良く硬化前の粘着特性および硬化後の接着力に十分
優れ、なおかつ室温において短時間で硬化する硬化性粘
着剤の接着方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、第一の被着体
表面に、表面粘着性かつ動的弾性率が106 〜107
yn/cm2 であり、エチレン性不飽和結合の反応によ
り硬化可能である樹脂に重合開始剤を含有させた接着剤
層(1)を設け、第二の被着体表面に、表面粘着性かつ
動的弾性率が106 〜107 dyn/cm2 であり、エ
チレン性不飽和結合の反応により硬化可能である樹脂に
重合開始剤の分解促進剤を含有させた接着剤層(2)を
設け、上記接着剤層(1)と上記接着剤層(2)を介し
て第一の被着体と第二の被着体を重ね合わせ、樹脂層の
動的弾性率を107 dyn/cm 2 以上となるように接
着剤層を硬化することを特徴とする接着方法に関する。
【0008】更に本発明は、上記接着剤層(1)および
/または接着剤層(2)の樹脂が重量平均分子量が10
00〜5000の不飽和ポリエステルオリゴマー(A)
と重量平均分子量が10万〜100万の粘着性アクリル
ポリマー(B)からなる上記接着方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、接着剤層(1)
および接着剤層(2)の樹脂としては、粘着性であり、
かつエチレン性不飽和基同士の反応により硬化できるこ
とが必要である。このような樹脂は、1種類の樹脂、例
えば、エチレン性不飽和基を有する粘着性アクリルポリ
マーであってもよく、2種以上の樹脂の混合物であって
もよい。樹脂の混合物としては、粘着性のアクリルポリ
マーや粘着性のブタジエン系ゴムにエチレン性不飽和結
合を有する樹脂の混合物であってもよい。好ましい樹脂
としては、粘着性アクリルポリマーと不飽和ポリエステ
ル樹脂の混合物である。より好ましくは、重量平均分子
量が1000〜5000の不飽和ポリエステルオリゴマ
ー(A)と重量平均分子量が10万〜100万の粘着性
アクリルポリマー(B)の混合物である。不飽和ポリエ
ステルオリゴマー(A)とは、特開昭61−12612
8号公報に製造方法が記載されている、水酸基を有する
化合物、環状酸無水物、エチレン性不飽和基を有するエ
ポキシドを、開環重合して得られる不飽和ポリエステル
オリゴマーが好適である。一般的な不飽和ポリエステル
は主鎖中に二重結合を有するのに対し、本発明のポリエ
ステルオリゴマーは(メタ)アクリロイル基等によるエ
チレン性不飽和部分をポリエステルの側鎖に有している
為に、反応活性が極めて大きいのが特徴で、室温でも短
時間に硬化する硬化性を有している。
【0010】この不飽和ポリエステルオリゴマーの合成
に用いられる水酸基を有する化合物としてはメチルアル
コール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール等の一般的なアルコール類、および
エチレングリコール、プロピレングリコール、1、4−
ブチレングリコール、1、3−ブチレングリコール、ブ
テンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオ
ール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ジエチレ
ングリコール、ジプロピレングリコール等の低分子量ジ
オール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリプロピレン−ポリエチレングリコール、ポ
リブチレングリコール、ポリエーテルジオール、ポリエ
ステルジオール等の高分子量ジオールなどがある。グリ
セリン、トリメチロールプロパン、1、2、6−ヘキサ
ントリオール等の3価以上のアルコール化合物も使用で
きるが、好ましくはジオール類である。環状酸無水物と
しては、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水1、2−
シクロヘキサンジカルボン酸、無水シス−4−シクロヘ
キセン−1、2−ジカルボン酸、無水イタコン酸、無水
グルタル酸、無水シトラコン酸、無水コハク酸などが挙
げられる。エチレン性不飽和基を有するエポキシドとし
ては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレ
ート等である。
【0011】合成は環状酸無水物1モルと、エチレン性
不飽和基を有するエポキシド1モルと、水酸基を有する
有機化合物0.05〜5.0モルと、ラジカル重合禁止
剤をエポキシドに対して0.1〜4phr、好ましくは
0.1〜1phrを反応容器に入れ、均一な温度分布で
制御し得る加熱器にて60〜95℃、好ましくは80〜
90℃に加熱しながら攪拌し、さらに反応容器内雰囲気
酸素濃度が1%〜10%好ましくは1〜5%である条件
下で反応させて行なう。不飽和ポリエステルオリゴマー
は、硬化前の粘着剤としての凝集力と貼り合わせ後の硬
化性および接着力を十分確保する為に、その重量平均分
子量が1000〜5000の範囲のものが好ましい。す
なわち、重量平均分子量が1000以下であると接着剤
層全体の弾性率が106 dyn/cm2 以下となり凝集
力が不足して接着初期の凝集力が不足してズレなどを起
こすため仮止めが必要となり、5000以上であると接
着剤層全体の弾性率が107 dyn/cm2 以上とな
り、被着体に対して均一に塗布できなくなったり貼り合
わせ後の硬化反応に長い時間を要して硬化性が著しく低
下する。
【0012】上記粘着性アクリルポリマー(B)とは水
酸基、三級アミノ基、カルボキシル基、アミド基、N−
置換アミド基、ニトリル基などの官能基を有するポリマ
ーであり、一般に粘着剤用アクリル樹脂として用いられ
ているものである。また、ポリマー単独では粘着性に劣
っていても、不飽和ポリエステルオリゴマー(A)やそ
の他の樹脂を加えることにより、良好な粘着特性を示す
ようなポリマーは本発明のアクリルポリマー(B)とし
て用いることができる。これらの官能基を有するアクリ
ルポリマーは、水酸基、三級アミノ基、カルボキシル
基、アミド基、N−置換アミド基、ニトリル基などを有
するモノマーのうちの一種または数種と、アルキル(メ
タ)アクリレート、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
ビニルエーテル、スチレンなどのモノマーとの共重合体
などである。
【0013】水酸基を有するモノマーとしては、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ア
リルアルコールなどがあり、三級アミノ基を有するモノ
マーとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジ
メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどをあ
げることができる。カルボキシル基を有するモノマーと
しては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸などがあ
る。アミド基、N−置換アミド基を有するモノマーとし
ては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル
(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリル
アミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、
N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−プロ
ポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチルア
クリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、ジアセト
ンアクリルアミドなどがある。ニトリル基を有するモノ
マーとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、クロトノニトリル、フマロニトリルなどがある。ま
た、アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレートなど
のアルキル(メタ)アクリレートがある。その他、シク
ロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)ア
クリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレ
ートなどやアルキル基が芳香環基、複素環基、ハロゲン
原子などで置換されているアルキル(メタ)アクリレー
トなど、一般にアクリルポリマーの合成に用いられるモ
ノマーを本発明のポリマーの合成にも用いることができ
る。
【0014】粘着性アクリルポリマーの合成方法は通常
のラジカル重合であり、反応方法に何等制限はなく、溶
液重合、塊状重合、乳化重合などの公知の重合法で行な
うことができるが、反応のコントロールが容易であるこ
とや直接次の操作に移れることから溶液重合が好まし
い。溶媒としては、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、トルエン、セロソルブ、酢酸エチル、酢酸
ブチルなど本発明の樹脂が溶解するものであれば何でも
よく、単独でも、複数の溶媒を混合してもよい。また、
重合反応の際に使用される重合開始剤もベンゾイルパー
オキサイド、アセチルパーオキサイド、メチルエチルケ
トンパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの
有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ
系開始剤など公知のものであれば何でもよく、とくに制
限はない。
【0015】粘着性アクリルポリマーは、硬化前の粘着
剤としての凝集力と貼り合わせ後の硬化性および接着力
を十分確保する為に、その重量平均分子量が10万〜1
00万の範囲のものが好ましい。すなわち、重量平均分
子量が10万以下であると接着剤層全体の弾性率が10
6 dyn/cm2 以下となり接着初期の凝集力が不足し
てズレなどを起こすため仮止めが必要となったり硬化後
の接着力が十分得られなくなる。一方、重量平均分子量
が100万以上であると接着剤層全体の弾性率が107
dyn/cm2 以上となり粘度が高すぎて被着体に均一
に塗布できなくなったり、不飽和ポリエステルオリゴマ
ーとの相溶性が著しく低下して十分な硬化後の接着力を
確保することが困難となる。
【0016】また粘着性アクリルポリマーのガラス転移
点は、室温での粘着性や硬化性を確保するために−40
〜0℃の範囲が好ましい。すなわち、ガラス転移点が−
40℃以下のポリマーは室温での凝集力が不足して接着
後のズレを起こす原因となり、0℃以上であると初期接
着力が極端に悪く接合できないばかりか接着剤層中を重
合開始剤とその分解促進剤が相互拡散することができな
くなり硬化反応が進行しなくなってしまう。粘着性アク
リルポリマー(B)の配合量は、本発明の接着剤層
(1)および接着剤層(2)における不飽和ポリエステ
ルオリゴマー(A)100重量部に対して通常50〜2
00重量部の割合で用いられる。
【0017】本発明において、接着剤層(1)に使用さ
れる重合開始剤としては、ジ−tert−ブチルパーオ
キサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジ
クミルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド
類、アセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキ
サイド類、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロ
ヘキサノンパーオキサイド、3、3、5−トリメチルシ
クロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノ
ンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類、1、
1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサ
ンなどパーオキシケタール類、tert−ブチルヒドロ
パーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、1、
1、3、3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイ
ド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、ジイソプロピ
ルベンゼンヒドロパーオキサイド、2、5−ジメチルヘ
キサン−2、5−ジヒドロパーオキサイドなどのヒドロ
パーオキサイド類、tert−ブチルパーオキシアセテ
ート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサ
ノエート、tert−ブチルパーオキシベンゾエートな
どのパーオキシエステル類などの有機過酸化物、など公
知のものであれば特に制限はない。重合開始剤(C)の
配合量は、本発明の接着剤(1)における不飽和ポリエ
ステルオリゴマー(A)100重量部に対して通常0.
1〜15重量部の割合で用いられる。
【0018】本発明において、接着剤層(2)に使用さ
れる重合開始剤の分解促進剤としては、N、N−ジメチ
ルベンジルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、N、N−ジエチルアニリン、N、N−ジメチルアニ
リン、N−フェニルジエタノールアミン、N−フェニル
ジイソプロパノールアミン、ジメチル−p−トルイジ
ン、トリエタノールアミン、4−フェニルモルホリンな
どの三級アミンや、リチウム、カルシウム、ストロンチ
ウム、バリウム、セリウム、ジルコニウム、バナジウ
ム、モリブデン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、
銅、亜鉛、スズ、鉛などの金属のラウリル酸塩、ナフテ
ン酸塩、オクチル酸塩、オレイン酸塩、オクテン酸塩な
どの脂肪酸塩、ロジン塩などの樹脂酸塩、アセチルアセ
トネート錯塩などのキレート化合物などから選ばれる金
属化合物のうちの1種または2種以上を促進剤として用
いることができる。特に、重合開始剤として有機過酸化
物を用いた場合、重合開始剤の分解促進剤として三級ア
ミンまたは金属化合物のうちのどちらか、あるいはその
両方を併用するのが好ましい。
【0019】これらの促進剤のうち、三級アミンは通常
有機過酸化物100重量部に対して、1〜100重量部
の割合で、金属化合物は有機過酸化物100重量に対し
て、0.01〜10重量部の割合で用いられる。重合開
始剤と重合開始剤の分解触媒はお互いに反応して活性ラ
ジカルを発生することが目的であり、上記組合わせの他
何らかの反応によって活性ラジカルが発生する組合わせ
のものならば本発明の重合開始剤と重合開始剤の分解触
媒として使用しても何ら制限するものではない。
【0020】接着剤層(1)および(2)は、不飽和ポ
リエステルオリゴマー(A)、粘着性アクリルポリマー
(B)、重合開始剤および重合開始剤の分解促進剤を室
温で混合攪拌することにより得ることができる。第一お
よび第二の被着体表面に接着剤層を設ける方法として
は、適当な溶剤を添加して粘度を調整し、刷毛塗り、ス
ピンコート、ロールコート、スクリーン印刷等の方法で
塗工して揮発分を揮散させて行う。この他、被着体に接
着剤層が数μから数十μ程度の均一な薄膜として得られ
る方法であるならば、本発明において何ら制限を加えな
い。 ここで言う溶剤としては、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、トルエン、セロソルブ、酢酸
エチル、酢酸ブチルなど、通常有機溶剤と呼ばれるもの
等でよく、本発明の不飽和ポリエステルオリゴマー
(A)、粘着性アクリルポリマー(B)、重合開始剤お
よび重合開始剤の分解促進剤を溶解するものであれば何
でもよく、単独でも、複数の溶剤を混合してもよい。溶
剤の配合量は、塗布する方法によって適宜使用する際に
決定すればよい。
【0021】本発明における接着方法は、第一の被着体
表面の接着剤層(1)と第二の被着体表面の接着剤層
(2)を空気などの気泡が入らぬように接触させて両被
着体を圧着して行う。接合後、硬化反応が直ちに進行し
て室温下でも1時間以内に接着剤層(1)および(2)
の動的弾性率を107 dyn/cm2 以上として所定の
接着強度に到達する。
【0022】本発明における接着剤の硬化機構は、接着
剤層(1)と接着剤層(2)を接触させた瞬間から接着
剤層(1)に含まれる重合開始剤と接着剤層(2)に含
まれる重合開始剤の分解促進剤が、不飽和ポリエステル
オリゴマーおよび粘着性アクリルポリマーを媒体として
相互拡散して反応して室温下においても活性ラジカルを
生成することに始まる。生成した活性ラジカルは次に不
飽和ポリエステルオリゴマーと反応し、不飽和ポリエス
テルオリゴマーのエチレン性不飽和基がラジカル重合に
よる連鎖反応によって架橋構造を形成して動的弾性率が
107 dyn/cm2 以上となり接着剤層が硬化する。
【0023】硬化前の粘着特性を改善し、特に凝集力を
高めるために、本発明では、さらにポリイソシアネート
を添加して、粘着性アクリルポリマーを部分架橋させる
ことも可能である。このようなポリイソシアネートとし
てはトリレンジイソシアネート、4、4´−ジフェニル
メタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジ
イソシアネート、1、5−ナフタレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネ
ート、水添4、4´−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、水添トリレンジイソシアネートなどのジイソシアネ
ート類、あるいはこれらとグリコール類またはジアミン
類との両末端イソシアネートアダクト体、あるいはこれ
らの混合物があり、必要に応じてトリフェニルメタント
リイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシア
ネートなどの3官能以上のポリイソシアネート類もジイ
ソシアネート類と混合して用いることができる。
【0024】本発明の硬化性樹脂組成物には、その性能
を阻害しない範囲で、必要に応じて顔料、染料、無機充
填剤、有機溶剤、銀粉、銅粉、ニッケル粉などの金属
粉、カーボンブラック、グラファイト、キシレン樹脂や
ロジン系樹脂などの粘着付与剤、シランカップリング
剤、消泡剤、レベリング剤などを加えることができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。例
中、部とは重量部を、%とは重量%を、それぞれ表わ
す。
【0026】ポリエステルオリゴマーの合成 オリゴマー1 エチレングリコール 3.4部 ヘキサヒドロ無水フタル酸 50.3部 グリシジルメタクリレート 46.3部 N、N−ジメチルベンジルアミン 0.9部 ハイドロキノン 0.2部 酢酸エチル 25.0部 上記組成物をそれぞれ混合し、空気雰囲気中、80℃で
10時間反応させ、冷却後、酢酸エチル125部を加え
て、オリゴマー1の溶液(固形分40%)を得た。ま
た、GPCによるスチレン換算重量平均分子量は210
0であった。
【0027】アクリルポリマーの合成 ポリマー1 ブチルアクリレート 92.0部 アクリルアミド 2.8部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 5.2部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 80℃に加熱した上記のそれぞれの組成の混合物125
部に、上記の同組成の混合物125部を滴下し、滴下終
了後、12時間加熱還流させ、冷却し、ポリマー1の溶
液(固形分40%)を得た。また、GPCによるスチレ
ン換算重量平均分子量は57万であった。
【0028】
【実施例1】オリゴマー1の溶液100部、ポリマー1
の溶液100部およびベンゾイルパーオキサイド4部を
室温で十分に混合し、1mm厚のアルミ板10mm×1
00mmに乾燥膜厚10μとなるようにハンドアプリケ
ータを用いて塗布し、熱風オーブン中90゜C 2分間乾
燥して接着剤層(1)を得た。オリゴマー1の溶液10
0部、ポリマー1の溶液100部およびジエタノールア
ニリン4部を室温で十分に混合し、1mm厚のアルミ板
10mm×100mmに乾燥膜厚10μとなるようにハ
ンドアプリケータを用いて塗布し、熱風オーブン中90
゜C 2分間乾燥して接着剤層(2)を得た。接着剤層
(1)と接着剤層(2)が1cm×1cmの面積で接触
するようにアルミ板を接触し、接触直後と室温放置1時
間後に外観の目視と剪断接着力を測定した。剪断接着力
は、剥離速度毎分5mmで室温23゜C で測定した。ま
た、接着剤層(1)および(2)をヘラで掻き取りレオ
メトリックス社製粘弾性測定装置RDS−2で室温23
゜C での硬化前の接着剤層の動的弾性率G’を測定し
た。その結果、測定直後および室温放置1時間後ともに
外観上ズレなどの変化は見られなかった。直後の剪断接
着力は2.3kgf/cm2 、1時間後では42.2k
gf/cm2 であった。接着剤層(1)のG’は3.6
×106 dyn/cm2 、接着剤層(2)のG’は2.
8×106 dyn/cm2 であった。また、硬化した接
着剤層の動的弾性率を同様な条件で測定したところ、
5.6×109 dyn/cm2 であった。
【0029】
【実施例2】オリゴマー1の溶液60部、ポリマー1の
溶液100部、ベンゾイルパーオキサイド3.2部、シ
リコン化合物(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式
会社製SH29PA)0.32部および酢酸エチル16
0部を室温で十分に混合し、0.6mm厚で直径120
mmのポリカーボネイト円盤に乾燥膜厚5μとなるよう
にスピンコートし、室温にて風乾して接着剤層(1)を
得た。オリゴマー1の溶液60部、ポリマー1の溶液1
00部、ジエタノールアニリン4部、シリコン化合物
(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製SH2
9PA)0.32部および酢酸エチル160部を室温で
十分に混合し、0.6mm厚で直径120mmのポリカ
ーボネイト円盤に乾燥膜厚5μとなるようにスピンコー
トし、室温にて風乾して接着剤層(2)を得た。接着剤
層(1)と接着剤層(2)が気泡を巻き込まぬように接
触させ、接触直後と室温放置1時間後に外観の目視と接
着面積が1cm×1cmとなるように切り出して剪断接
着力を測定した。剪断接着力は、剥離速度毎分5mmで
室温23゜C で測定した。また、接着剤層(1)および
(2)をヘラで掻き取りレオメトリックス社製粘弾性測
定装置RDS−2で室温23゜C での硬化前の接着剤層
の動的弾性率G’を測定した。その結果、測定直後およ
び室温放置1時間後ともに外観上ズレなどの変化は見ら
れなかった。直後の剪断接着力は3.8kgf/c
2 、1時間後では24.3kgf/cm2であった。
接着剤層(1)のG’は4.5×106 dyn/c
2 、接着剤層(2)のG’は4.1×106 dyn/
cm2 であった。また、硬化した接着剤層の動的弾性率
を同様な条件で測定したところ、8.4×107 dyn
/cm2 であった。
【0030】
【発明の効果】本発明の接着方法は、接着後仮止め無で
硬化が終了するまでにずれることがなく、被着体どおし
がそれぞれの実施例にあるように硬化後の接着剤層の動
的弾性率を107 dyn/cm2 以上となり、接着剪断
接着力が20.0kgf/cm 2 以上となって強固に接
着することが可能である。このように本発明により、接
合時には粘着性が高く被着体に仮接着でき、機械的な仮
止めが不必要であり、室温で短時間で硬化して強固な接
着力を示し、硬化前の粘着性と硬化後の接着力とのバラ
ンスに優れ、かつ保存性の優れた接着方法が得られるよ
うになった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 5/12 CFD C08J 5/12 CFD

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の被着体表面に、表面粘着性かつ動
    的弾性率が106 〜107 dyn/cm2 であり、エチ
    レン性不飽和結合の反応により硬化可能である樹脂に重
    合開始剤を含有させた接着剤層(1)を設け、第二の被
    着体表面に、表面粘着性かつ動的弾性率が106 〜10
    7 dyn/cm2 であり、エチレン性不飽和結合の反応
    により硬化可能である樹脂に重合開始剤の分解促進剤を
    含有させた接着剤層(2)を設け、上記接着剤層(1)
    と上記接着剤層(2)を介して第一の被着体と第二の被
    着体を重ね合わせ、樹脂層の動的弾性率を107 dyn
    /cm2 以上となるように接着剤層を硬化することを特
    徴とする接着方法。
  2. 【請求項2】 接着剤層(1)および/または接着剤層
    (2)の樹脂が重量平均分子量が1000〜5000の
    不飽和ポリエステルオリゴマー(A)と重量平均分子量
    が10万〜100万の粘着性アクリルポリマー(B)の
    混合物である請求項1記載の接着方法。
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