JPH06122856A - 硬化性粘着テープもしくはシート - Google Patents

硬化性粘着テープもしくはシート

Info

Publication number
JPH06122856A
JPH06122856A JP4296557A JP29655792A JPH06122856A JP H06122856 A JPH06122856 A JP H06122856A JP 4296557 A JP4296557 A JP 4296557A JP 29655792 A JP29655792 A JP 29655792A JP H06122856 A JPH06122856 A JP H06122856A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parts
adhesive
weight
sensitive adhesive
adhesive tape
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4296557A
Other languages
English (en)
Inventor
Masato Yanagi
正人 柳
Satoru Kagao
哲 加々尾
Sanae Nakaizumi
早苗 中泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink Mfg Co Ltd filed Critical Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority to JP4296557A priority Critical patent/JPH06122856A/ja
Publication of JPH06122856A publication Critical patent/JPH06122856A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は,接合時には粘着性を有し,貼り合わ
せた後は硬化して強固な接着力を示す,硬化性粘着テー
プおよびシートを提供するものである。 【構成】粘着性ゴム系ポリマー(A),環状酸無水物
(a)および不飽和エポキシド(b)を反応させて得ら
れる不飽和ポリエステルオリゴマー(B),ロジン系タ
ッキファイアー(C)より構成される硬化性樹脂組成物
に,重合開始剤(D)を配合してなる硬化性粘着剤を塗
工した粘着テープ(I)と,同様に硬化性樹脂組成物に
重合促進剤(E)を配合してなる硬化性粘着剤を塗工し
た粘着テープ(II)を,接合時に貼り合わせて硬化させ
ることを特徴とする硬化性粘着テープもしくはシート。
また,上記粘着剤に,必要に応じてポリイソシアネート
(F)を配合した硬化性粘着テープもしくはシート。 【効果】保存性が良く,プラスチック基材への接着性に
優れた硬化性粘着テープおよびシートが得られるように
なった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,接合時には粘着性を示
し,様々な被着体に容易に接着するという粘着剤として
の性質を有し,貼り合わせた後は徐々に硬化して強固な
接着力を示す硬化性粘着テープ(もしくはシート)に関
する。
【0002】
【従来の技術】接合時には粘着性を有し,被着体に容易
に仮接着でき,貼り付けた後は徐々に硬化して強固な接
着力を示す硬化性粘着テープ(もしくはシート)には,
空気中の湿気や被着体の水分で硬化する湿気硬化型(特
公昭47−44017号公報,特公昭49−5895号
公報,特開昭54−64536号公報,特開昭58−1
71460号公報,特開昭59−58071号公報,特
開昭61−145268号公報,特開昭61−1482
81号公報),熱で硬化する熱硬化型(特公昭50−1
2464号公報,特開昭51−6235号公報,特開昭
54−102335号公報,特公昭55−8113号公
報,特公昭59−14508号公報,特開昭59−10
8072号公報,特開昭60−217283号公報,特
開昭61−81467号公報),光で硬化する光硬化型
(特開昭56−120786号公報,特開昭57−15
9864号公報,特開昭60−69178号公報,特開
昭61−162574号公報),空気を遮断することに
よって硬化する嫌気硬化型(特公昭58−12918号
公報,特開昭59−199784号公報,特開昭59−
199785号公報,特開昭60−6773号公報,特
開昭60−11568号公報,特開昭60−13868
号公報)がある。
【0003】しかし,いずれの硬化性粘着テープ(もし
くはシート)もそれぞれ大きな問題を持っている。すな
わち,湿気硬化型は使用時まで乾燥状態で保存する必要
があり,製造にも特別な設備を必要とする。熱硬化型は
熱に弱い材料には適用できないし,光硬化型は光を透過
する透明フィルム使用のテープでしか使用できない。嫌
気硬化型は常に空気に接触するような保存状態を必要と
し,硬化性をよくしようとすれば,保存性が劣るという
ように,硬化性と保存性のバランスをとるのが難しい。
【0004】本来,最も理想的な硬化性粘着テープ(も
しくはシート)は,何のエネルギーも加えることなし
に,貼り付けただけで硬化し接着するものである。前述
の湿気硬化型や嫌気硬化型はこれにあたるが,通常の粘
着テープでこのような機能を発現させることは保存性の
点で非常に難しく,できたとしても硬化性とのバランス
に欠ける中途半端なものしかできない。
【0005】このような問題点を解決するため,二枚の
テープを使用時に貼り合わせ,反応性成分を別々のテー
プに含有させるタイプの硬化性粘着テープ(特開昭58
−67775号公報)が提案されている。しかし,常温
で容易に反応し,強固な接着強度を発揮させるようにす
るためには,樹脂構造の設計が非常に重要であり,従来
の硬化性粘着剤用樹脂では,満足すべき性能を発揮する
ことはできない。従来の樹脂を用いた上記の二枚貼り合
わせ型硬化性粘着テープ(もしくはシート)の問題点
は,接合時の粘着特性と貼り合わせ硬化後の接着特性の
バランスが悪く,ほとんどの場合は,粘着特性が良好で
あれば接着強度が乏しく,接着強度が大きければ初期の
粘着特性が劣っていた。従って,テープの構成を二枚貼
り合わせ型として,保存性と硬化性の両立がはかれたと
しても,適切な樹脂設計なしに粘着特性と接着特性のバ
ランスに優れた硬化性粘着テープは得られなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,樹脂の構造
や分子量を考慮しないで作製した二枚貼り合わせ型硬化
性粘着テープの持つ,粘着特性と硬化後の接着力のバラ
ンスに劣るという従来の欠陥を解消し,この両者のバラ
ンスを十分配慮した樹脂設計にすることによって,保存
性が良く,硬化前の粘着特性および硬化後の接着力に十
分優れた硬化性粘着テープを提供するものである。特に
被着体として,種類,量とも最も多いプラスチック基材
への接着性改善を,本発明は狙いとしたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は,粘着性ゴム系
ポリマー(A)100重量部に対し,環状酸無水物
(a)およびエチレン性不飽和基を有するエポキシド
(b)を反応させて得られる不飽和ポリエステルオリゴ
マー(B)5〜200重量部,ロジン系タッキファイア
ー(C)1〜50重量部より構成される硬化性樹脂組成
物に,重合開始剤(D)を硬化性樹脂組成物100重量
部に対し,0.1〜10重量部を配合してなる硬化性粘
着剤を塗工した硬化性粘着テープ(もしくはシート)
(I)と,粘着性ゴム系ポリマー(A)100重量部に
対し,不飽和ポリエステルオリゴマー(B)5〜200
重量部,ロジン系タッキファイアー(C)1〜50重量
部よりなる硬化性樹脂組成物に,重合促進剤(E)を硬
化性樹脂組成物100重量部に対し0.1〜10重量部
配合してなる硬化性粘着剤を塗工した硬化性粘着テープ
(もしくはシート)(II)を,接合時に貼り合わせて硬
化させることを特徴とする硬化性粘着テープである。ま
た、上記硬化性粘着剤に必要に応じてポリイソシアネー
ト(F)を配合した硬化性粘着テープ(もしくはシー
ト)である。ロジン系タッキファイアー(C)の中で
は、とりわけ重合ロジン系タッキファイアーが優れた特
性を示し,重合開始剤(D)では有機過酸化物,重合促
進剤(E)では三級アミンを用いたときの硬化性粘着テ
ープ(もしくはシート)の特性が優れている。
【0008】本発明において、粘着性ゴム系ポリマー
(A)とは、粘着性アクリルポリマーと粘着剤用ゴム系
樹脂に大別される。粘着性アクリルポリマーとは,水酸
基,三級アミノ基,カルボキシル基,アミド基,N−置
換アミド基,ニトリル基などの官能基を有するものであ
り,一般に粘着剤用アクリル樹脂として用いられている
ものである。また,ポリマー単独では粘着性に劣ってい
ても,ポリエステルオリゴマー(B)やその他の樹脂を
加えることにより,良好な粘着特性を示すようなポリマ
ーは本発明のポリマー(A)として用いることができ
る。これらの官能基を有するアクリルポリマーは,水酸
基,三級アミノ基,カルボキシル基,アミド基,N−置
換アミド基,ニトリル基などを有するモノマーのうちの
一種または数種と,アルキル(メタ)アクリレート,酢
酸ビニル,プロピオン酸ビニル,ビニルエーテル,スチ
レンなどのモノマーとの共重合体などである。
【0009】水酸基を有するモノマーとしては,2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート,2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート,3−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート,4−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート,N−メチロールアクリルアミド,ア
リルアルコールなどがある。三級アミノ基を有するモノ
マーとしては,ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート,ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート,ジ
メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどをあ
げることができる。カルボキシル基を有するモノマーと
しては,アクリル酸,メタクリル酸,クロトン酸,マレ
イン酸,フマル酸,イタコン酸,シトラコン酸などがあ
る。アミド基,N−置換アミド基を有するモノマーとし
ては,アクリルアミド,メタクリルアミド,N−メチル
(メタ)アクリルアミド,N−エチル(メタ)アクリル
アミド,N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド,
N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド,N−プロ
ポキシメチル(メタ)アクリルアミド,N−ブトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド,N−tert−ブチルア
クリルアミド,N−オクチルアクリルアミド,ジアセト
ンアクリルアミドなどがある。ニトリル基を有するモノ
マーとしては,アクリロニトリル,メタクリロニトリ
ル,クロトノニトリル,フマロニトリルなどがある。ま
た,アルキル(メタ)アクリレートとしては,メチル
(メタ)アクリレート,エチル(メタ)アクリレート,
ブチル(メタ)アクリレート,2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート,オクチル(メタ)アクリレートなど
のアルキル(メタ)アクリレートがある。その他,シク
ロヘキシル(メタ)アクリレート,ベンジル(メタ)ア
クリレート,テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレ
ートなどやアルキル基が芳香環基,複素環基,ハロゲン
原子などで置換されているアルキル(メタ)アクリレー
トなど,一般にアクリルポリマーの合成に用いられるモ
ノマーを本発明のポリマーの合成にも用いることができ
る。
【0010】反応は通常のラジカル重合であり,反応方
法に何等制限はなく,溶液重合,塊状重合,乳化重合な
どの公知の重合法で行なうことができるが,反応のコン
トロールが容易であることや直接次の操作に移れること
から溶液重合が好ましい。溶媒としては,メチルエチル
ケトン,メチルイソブチルケトン,トルエン,セロソル
ブ,酢酸エチル,酢酸ブチルなど本発明の樹脂が溶解す
るものであれば何でもよく,単独でも,複数の溶媒を混
合してもよい。また,重合反応の際に使用される重合開
始剤もベンゾイルパーオキサイド,アセチルパーオキサ
イド,メチルエチルケトンパーオキサイド,ラウロイル
パーオキサイドなどの有機過酸化物,アゾビスイソブチ
ロニトリルなどのアゾ系開始剤など公知のものであれば
何でもよく,とくに制限はない。
【0011】粘着剤用ゴム系樹脂とは,天然および合成
のシス−1,4−ポリイソブチレンゴム,再生ゴム,ポ
リイソブチレン,ブチルゴム,ハロゲン化ブチルゴム,
部分加硫ブチルゴム,スチレン−ブタジエン−スチレン
ブロックコポリマー(SBS),スチレン−エチレン−
ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEBS),
シリコンゴム,クロロプレンゴム,ニトリルゴム,ブタ
ジエンゴムなどの,粘着剤に用いるゴム系樹脂であり,
いわゆるエラストマーと称されているポリマーである。
とりわけSBS,SIS,SEBSのようなブロックコ
ポリマーは,非常に高い凝集力を有しており,本発明の
粘着性ゴム系ポリマー(A)には好適である。
【0012】本発明において,ポリエステルオリゴマー
(B)を得る際には,初期反応の円滑な進行と生成する
ポリエステルオリゴマー(B)の分子量の調整のため
に,水酸基または一級,二級,三級アミノ基など,反応
の起点となる官能基を有する化合物を用いる必要があ
る。この中でも,原料および生成物の性状や反応時の管
理のしやすさなどから,一般的には水酸基を有する化合
物を用いるのが好ましく,式1の反応で合成することが
できる。
【0013】
【式1】
【0014】〔式1におけるR1 ,R2 ,R3 は炭素数
1〜10の有機基、nは2以上の整数を示す。〕
【0015】本発明において水酸基を有する化合物とし
てはメタノール,エタノール,1−プロパノール,2−
プロパノール,1−ブタノール,2−ブタノール,ペン
タノール,ヘキサノールなどの脂肪族飽和アルコール,
アリルアルコール,クロチルアルコール,プロパギルア
ルコールなどの脂肪族不飽和アルコール,2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート,2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート,3−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート,4−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート,N−メチロールアクリルアミドなどの水酸基
を有する(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリル
アミドなど,シクロペンタノール,シクロヘキサノール
などの脂環式アルコール,ベンジルアルコール,シンナ
ミルアルコールなどの芳香族アルコール,フルフリルア
ルコール,テトラヒドロフルフリルアルコールなどの複
素環アルコール,エチレングリコール,プロピレングリ
コール,1,4−ブチレングリコール,ブテンジオー
ル,ヘキサンジオール,シクロヘキサンジオール,ビス
フェノールA,ジエチレングリコールなどのジオール,
グリセリン,トリメチロールプロパンなどのトリオー
ル,フェノール,o−クレゾール,m−クレゾール,p
−クレゾールなどのフェノール類などのアルコール性ま
たはフェノール性の水酸基を有する化合物であればよ
い。
【0016】しかしこの中でも,前出のジオールや,2
−ヒドロキシ−n−酪酸,3−ヒドロキシ−n−酪酸,
p−ヒドロキシ安息香酸,ヒドロキシピバリン酸,サリ
チル酸,バニリン酸,12−ヒドロキシステアリン酸な
どのカルボキシル基と水酸基を同時に有する化合物,あ
るいはエタノールアミン,1−アミノ−2−プロパノー
ル,o−アミノフェノール,m−アミノフェノール,p
−アミノフェノールなどのアミノ基と水酸基を同時に有
する化合物など,2つ以上の官能基を有する化合物が好
ましい。
【0017】本発明において環状酸無水物(a)として
は多価カルボン酸の分子内無水物であり,飽和または不
飽和の脂肪族多価カルボン酸無水物,脂環式多価カルボ
ン酸無水物,芳香族多価カルボン酸無水物など,あるい
はこれらの一部が飽和または不飽和の炭化水素基,芳香
環基,ハロゲン原子,複素環基などで置換されたものが
あり,これらの具体例としては,無水こはく酸,無水フ
タル酸,無水マレイン酸,無水イタコン酸,無水グルタ
ル酸,無水ドデセニルこはく酸,無水クロレンデック
酸,無水ピロメリット酸,無水トリメリット酸,シクロ
ペンタンテトラカルボン酸二無水物,ヘキサヒドロ無水
フタル酸,メチルヘキサヒドロ無水フタル酸,テトラメ
チレン無水マレイン酸,テトラヒドロ無水フタル酸,メ
チルテトラヒドロ無水フタル酸,エンドメチレンテトラ
ヒドロ無水フタル酸,メチルエンドメチレンテトラヒド
ロ無水フタル酸,5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ
キシフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,
2−ジカルボン酸無水物,無水メチルナジック酸,無水
ベンゾフェノンテトラカルボン酸,グリセロールトリス
(アンヒドロトリメリテート),エチレングリコールビ
ス(アンヒドロトリメリテート)などがある。これらの
中でも,架橋構造を作らないジカルボン酸またはトリカ
ルボン酸の無水物を用いることが好ましい。
【0018】本発明において,エチレン性不飽和基を有
するエポキシド(b)としては,グリシジル(メタ)ア
クリレート,グリシジルシンナメート,アリルグリシジ
ルエーテル,ビニルシクロヘキセンモノエポキサイド,
1,3−ブタジエンモノエポキサイドなどがあり,これ
らは飽和もしくは不飽和の炭化水素基,芳香環基,ハロ
ゲン原子,複素環基などで置換されていてもよい。
【0019】上記水酸基を有する化合物,環状酸無水物
(a)およびエポキシド(b)を反応させて,エチレン
性不飽和基を有するポリエステルオリゴマー(B)が得
られる。反応は,適当な溶媒の存在下あるいは不存在
下,N,N−ジメチルベンジルアミン,トリエチルアミ
ン,トリブチルアミン,N,N−ジエチルアニリン,
N,N−ジメチルアニリンなどの三級アミンなどを必要
に応じて触媒として用い,エチレン性不飽和基の保護の
ために,ハイドロキノン,ハイドロキノンモノメチルエ
ーテル,tert−ブチルカテコール,p−ベンゾキノ
ンなどのラジカル重合禁止剤を添加した状態で行なうこ
とができる。
【0020】反応は,水酸基を有する化合物の水酸基と
環状酸無水物(a)の酸無水物基とが先ず優先的に反応
し,次いで,この反応により生じたカルボキシル基とエ
ポキシド(b)のエポキシ基とが反応し,二級の水酸基
を生じる。さらに,生じた水酸基と環状酸無水物(a)
の酸無水物基とが反応するというように,以下,順次,
上記と同様の反応を進行させることができる。
【0021】この反応において,水酸基を有する化合物
の量に対して反応させられる環状酸無水物(a)および
エポキシド(b)の量を調整することにより,水酸基を
有する化合物を末端とする,所望する数のエチレン性不
飽和基を有する所望の長さのポリエステルオリゴマー
(B)をつくることができる。それぞれの化合物の割合
は,環状酸無水物(a)がジカルボン酸無水物である場
合には,水酸基を有する化合物1モルに対して環状酸無
水物(a)2〜20モル,およびエポキシド(b)2〜
20モルの割合で,また,環状酸無水物(a)とエポキ
シド(b)とはほぼ等モルの割合で反応させることが好
ましい。環状酸無水物(a)がトリカルボン酸である場
合には,水酸基を有する化合物1モルに対して環状酸無
水物(a)2〜10モルおよびエポキシド(b)2〜2
0モルの割合で,また,環状酸無水物(a)1モルに対
してエポキシド(b)をほぼ1〜2モルの割合で反応さ
せることが好ましい。水酸基を有する化合物1モルに対
して反応させられる環状酸無水物(a)またはエポキシ
ド(b)の量が1モル未満の場合には,得られるポリエ
ステルオリゴマー(B)の分子量が低く,水酸基を有す
る化合物の残留もあって,必要な特性が得られない。逆
に,環状酸無水物(a)またはエポキシド(b)の量が
20モルを超える場合には,反応のコントロールが難し
くなったり,分子量が高くなりすぎて,やはり必要な特
性が得られなくなる傾向がある。
【0022】ここで得られるポリエステルオリゴマー
(B)は,前記のように,水酸基を有する化合物,環状
酸無水物(a),エポキシド(b)についてそれぞれ多
種の化合物を原料として用いることができる上に,その
割合を変えることで比較的分子量の揃った任意の長さの
ものをつくることができる。また,それぞれの化合物に
ついて2種以上のものを混ぜて用いることも可能であ
る。このため,使用する目的に応じて多種多様の特性を
もつオリゴマーをつくることができる。よって,硬化性
粘着剤に添加する場合には,硬化性成分としての作用は
もとより,粘着付与剤として働くものから,充填剤的な
作用をするものまで,用途によってオリゴマーの種類と
その配合比を変えることにより,必要な特性を組成物に
与えることが可能である。ポリエステルオリゴマー
(B)の配合量は,粘着性ゴム系ポリマー(A)100
重量部に対し、5〜200重量部であるが,とりわけ1
0〜100重量部の場合,粘着特性,接着特性のバラン
スが良好な組成物が得られる。
【0023】本発明において,ロジン系タッキファイア
ー(C)とは,ロジンまたはロジンエステルよりなる粘
着付与剤であり,ロジンエステルにはグリセリンエステ
ル,ペンタエリスリトールエステルなどがある。ロジン
には,ウッドロジン,ガムロジンなどの天然ロジン,水
添ロジン,不均化ロジン,重合ロジンなどがある。ロジ
ン系タッキファイアー(C)として市販されているもの
には,ハーキュリーズ社製エステルガム8D,エステル
R−105,ペンタリン4850,ペンタリンA−J
A,荒川化学工業(株)製エステルガムAAG,エステ
ルガム105などがある。水添ロジン系タッキファイア
ーとして市販されているものには,ハーキュリーズ社製
フォーラル85,フォーラル105,ペンタリンHなど
がある。重合ロジン系タッキファイアーは,重合ロジン
または重合ロジンエステルよりなる粘着付与剤である。
ロジンの重合は,完全な重合物を生じるのではなく,ロ
ジンを形成している樹脂酸の2量体を生ずることであ
り,工業的には,重合ロジンは2量体と単量体の混合物
である。重合ロジン系タッキファイアー(C)として市
販されているものには,重合ロジンとしてハーキュリー
ズ社製ダイマレックスレジン,重合ロジンエステルとし
てハーキュリーズ社製ペンタリンC−J,ペンタリン2
590,エステルガム10Dなどがある。
【0024】それぞれの反応によって得られた粘着性ゴ
ム系ポリマー(A),不飽和ポリエステルオリゴマー
(B),およびロジン系タッキファイアー(C)を混合
することにより,硬化性を有する粘着性樹脂を得ること
ができる。混合は室温で見かけ上,均一になる程度まで
撹拌すれば十分であるが,相互の混合の状態をより高め
るために,溶媒の沸点以下の温度での加熱撹拌を行なっ
てもよい。本発明においては,エチレン性不飽和基を有
するエポキシド(b)を用いているので,ポリエステル
オリゴマー(B)が不飽和基を持ち,重合開始剤(D)
や重合促進剤(E)の併用によって,常温で放置するだ
けで重合を開始させ,簡単に固化させることができる。
なお,硬化性を有する樹脂は,粘着性ゴム系ポリマー
(A),不飽和ポリエステルオリゴマー(B)混合する
だけでも得られるが,ロジン系タッキファイアー(C)
を添加することにより,プラスチック基材への接着性が
飛躍的に向上する。とりわけ,重合ロジン系タッキファ
イアーを添加した場合には,粘着特性,接着特性とも優
れた硬化性粘着テープが得られる。ロジン系タッキファ
イアー(C)の配合量は,粘着性ゴム系ポリマー(A)
100重量部に対し,1〜50重量部である。とりわ
け,ロジン系タッキファイアー(C)を10〜40重量
部添加した場合,粘着特性および接着特性に優れた硬化
性粘着テープを得ることができる。
【0025】重合開始剤(D)としては,ジ−tert
−ブチルパーオキサイド,tert−ブチルクミルパー
オキサイド,ジクミルパーオキサイドなどのジアルキル
パーオキサイド類,アセチルパーオキサイド,ラウロイ
ルパーオキサイド,ベンゾイルパーオキサイドなどのジ
アシルパーオキサイド類,メチルエチルケトンパーオキ
サイド,シクロヘキサノンパーオキサイド,3,3,5
−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド,メチル
シクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキ
サイド類,1,1−ビス(tert−ブチルパーオキ
シ)シクロヘキサンなどパーオキシケタール類,ter
t−ブチルヒドロパーオキサイド,クメンヒドロパーオ
キサイド,1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロ
パーオキサイド,p−メンタンヒドロパーオキサイド,
ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド,2,5
−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド
などのヒドロパーオキサイド類,tert−ブチルパー
オキシアセテート,tert−ブチルパーオキシ−2−
エチルヘキサノエート,tert−ブチルパーオキシベ
ンゾエートなどのパーオキシエステル類などの有機過酸
化物,2,2 −アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル),2,2 −アゾビス(2−シ
クロプロピルプロピオニトリル),2,2 −アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル),アゾビスイソブ
チロニトリル,2,2 −アゾビス(2−メチルブチロ
ニトリル),1,1 −アゾビス(シクロヘキサン−1
−カルボニトリル),2−(カルバモイルアゾ)イソブ
チロニトリル,2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,
4−ジメチルバレロニトリルなどのアゾ系化合物など公
知のものであれば特に制限はない。重合開始剤(D)
は,本発明の硬化性樹脂組成物100重量部に対して通
常0.1〜10重量部,好ましくは0.5〜5重量部の
割合で用いられる。
【0026】重合促進剤(E)としては,N,N−ジメ
チルベンジルアミン,トリエチルアミン,トリブチルア
ミン,N,N−ジエチルアニリン,N,N−ジメチルア
ニリン,N−フェニルジエタノールアミン,N−フェニ
ルジイソプロパノールアミン,ジメチル−p−トルイジ
ン,トリエタノールアミン,4−フェニルモルホリンな
どの三級アミンや,リチウム,カルシウム,ストロンチ
ウム,バリウム,セリウム,ジルコニウム,バナジウ
ム,モリブデン,マンガン,鉄,コバルト,ニッケル,
銅,亜鉛,スズ,鉛などの金属のラウリル酸塩,ナフテ
ン酸塩,オクチル酸塩,オレイン酸塩,オクテン酸塩な
どの脂肪酸塩,ロジン塩などの樹脂酸塩,アセチルアセ
トネート錯塩などのキレート化合物などから選ばれる金
属化合物のうちの1種または2種以上を促進剤として用
いることができる。特に,重合開始剤(D)として有機
過酸化物を用いた場合,重合促進剤(E)として三級ア
ミンまたは金属化合物のうちのどちらか,あるいはその
両方を併用するのが好ましい。これらの促進剤のうち,
三級アミンは通常有機過酸化物100重量部に対して,
0.1〜10重量部の割合で,金属化合物は有機過酸化
物100重量に対して,0.01〜10重量部の割合で
用いられる。
【0027】硬化前の粘着特性を改善し,特に凝集力を
高めるために,本発明では,さらにポリイソシアネート
(F)を添加して,粘着性アクリルポリマー(A)を部
分架橋させる。このようなポリイソシアネートとしては
トリレンジイソシアネート,4,4´−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート,ヘキサメチレンジイソシアネー
ト,m−キシレンジイソシアネート,p−キシレンジイ
ソシアネート,1,5−ナフタレンジイソシアネート,
イソホロンジイソシアネート,リジンジイソシアネー
ト,水添4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト,水添トリレンジイソシアネートなどのジイソシアネ
ート類,あるいはこれらとグリコール類またはジアミン
類との両末端イソシアネートアダクト体,あるいはこれ
らの混合物があり,必要に応じてトリフェニルメタント
リイソシアネート,ポリメチレンポリフェニルイソシア
ネートなどの3官能以上のポリイソシアネート類もジイ
ソシアネート類と混合して用いることができる。ポリイ
ソシアネート(F)は,本発明の硬化性樹脂組成物10
0重量部に対して,通常0.05〜5.0重量部の割合
で用いられる。更に,粘着特性,接着特性のバランスを
考慮すると,0.1〜1.0重量部で配合することが好
ましい。
【0028】硬化前の粘着特性や硬化後の接着力を調整
するために,エチレン性不飽和基を持たないエポキシド
を用いて合成したポリエステルオリゴマー,あるいは本
発明で用いたエチレン性不飽和基を有するエポキシド
(b)と不飽和基を持たないエポキシドの両方を用いて
合成したオリゴマーを本発明のポリエステルオリゴマー
(B)として用いることができる。ただしエチレン性不
飽和基を全く持たないオリゴマーを用いる場合には,不
飽和基を有するオリゴマーとの併用が必要である。エチ
レン性不飽和基を持たないエポキシドとしてはエピクロ
ルヒドリン,フェニルグリシジルエーテル,スチレンオ
キサイド,シクロヘキセンオキサイド,ブテンオキサイ
ドなどがある。
【0029】硬化後の接着力をさらに強固なものとする
ために,本発明の硬化性粘着剤組成物にさらに本発明で
用いた不飽和ポリエステルオリゴマー(B)以外の(メ
タ)アクリロイル基などのエチレン性不飽和基を有する
モノマーやオリゴマーを添加することができる。このよ
うなモノマーやオリゴマーとしては,スチレン,アルキ
ル(メタ)アクリレート,(メタ)アクリル酸,多価ア
ルコールポリ(メタ)アクリレート,エポキシポリ(メ
タ)アクリレート,オリゴエステルポリ(メタ)アクリ
レート,ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート,ジア
リルフタレート,ジアリルイソフタレートなどがある。
これらのモノマーやオリゴマーの使用量は,本発明の硬
化性粘着剤組成物の全固形分に対して60重量%以下で
ある。60重量%を超えると,硬化前の粘着特性,とり
わけ凝集力が著しく劣るようになる。
【0030】本発明の硬化性粘着剤組成物には,その性
能を阻害しない範囲で,必要に応じて顔料,染料,無機
充填剤,有機溶剤,銀粉,銅粉,ニッケル粉などの金属
粉,カーボンブラック,グラファイト,キシレン樹脂や
ロジン系樹脂などの粘着付与剤,シランカップリング剤
などを加えることができる。
【0031】(I)(II)に塗工する粘着剤の硬化性樹
脂組成物は,不飽和ポリエステルオリゴマー(B),粘
着性ゴム系ポリマー(A),ロジン系タッキファイアー
(C)より構成されているが,(I)と(II)が必ずし
も全く同一組成である必要はない。使用する目的に応じ
て,不飽和ポリエステルオリゴマー(B),粘着性ゴム
系ポリマー(A),ロジン系タッキファイアー(C)の
混合比が異なっていたり,モノマー組成が異なっていて
も差し支えない。また,ポリイソシアネート(F)を
(I)(II)のうち片方の粘着剤だけに配合しても差し
支えない。
【0032】本発明の硬化性粘着剤組成物は,通常の粘
着テープ,シートなどの製造法と同様,シリコン処理を
施した紙や布,金属箔,プラスチックフィルムなどの剥
離性の高いフィルム,シートあるいはテープなどの上に
塗工し,必要があれば乾燥により有機溶剤を除去し,必
要があれば裁断し,両面の粘着シートあるいはテープの
形にされる。粘着剤層の厚さは,(I)(II)の間で必
ずしも同一である必要はなく,用途に応じて膜厚をかえ
ても差し支えない。また,補強や衝撃緩和のために,レ
ーヨン,ナイロンなどの不織布や寒冷紗などの布類,ウ
レタン,アクリルなどのフォーム類などでライニングし
たり,これらの布類,フォーム類などを芯材としてこれ
に本発明の硬化性粘着剤組成物を塗布または含浸させて
用いることもできる。ここで用いられるテープまたはシ
ートの基材,芯材などが硬化性粘着剤組成物とともに使
用後も接着部に残る場合には,これらが時間の経過にと
もなって著しく変質したり,硬化を著しく妨げることが
無いものである必要がある。
【0033】この硬化性粘着テープ(シート)は,使用
する直前に(I)(II)のテープをあらかじめ貼り合わ
せ,通常の粘着テープと同様に使用するか,(I)(I
I)のテープをそれぞれ被着体に貼り付けておき,のち
に被着体同士を接着させる。剥離紙をはがした直後の粘
着剤面は,粘着剤がガラス転移点の低い樹脂で構成され
ているため容易に接着する。そして粘着剤層に含まれる
低分子の重合開始剤と重合促進剤は,時間の経過ととも
に拡散し,お互いに反応性樹脂に作用して反応が進み,
粘着剤を硬化させる。いずれにしても,(I)(II)の
テープを貼り合わせたときから反応が始まり,徐々に固
化して大きな接着強度に達する。
【0034】
【実施例】以下,実施例により本発明を説明する。例
中,部とは重量部を,%とは重量%を,それぞれ表わ
す。
【0035】粘着性アクリルポリマーの合成 アクリルポリマー1 ブチルアクリレート 93.5部 アクリル酸 1.4部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 5.1部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 上記の組成物125部を80℃に加熱し,攪拌し,上記
組成物125部を滴下し,滴下終了後,12時間加熱還
流させ,冷却し,アクリルポリマー1の溶液(固形分4
0%)を得た。
【0036】ポリマー2 ブチルアクリレート 92.0部 アクリルアミド 2.8部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 5.2部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 上記の組成物125部を80℃に加熱し,攪拌し,上記
組成物125部を滴下し,滴下終了後,12時間加熱還
流させ,冷却し,アクリルポリマー2の溶液(固形分4
0%)を得た。
【0037】粘着剤用ゴム系樹脂溶液の作製 ゴム系樹脂1 カリフレックス TR−1101 40.0部 (SBS シェル化学(株)製ゴム系ポリマー) ペンタリンC−J 60.0部 (ハーキュリーズ社製重合ロジンエステル) トルエン 135.0部 メチルエチルケトン 15.0部 上記組成の混合物を室温で撹拌溶解し,ゴム系樹脂1の
溶液(固形分40%)を得た。
【0038】ゴム系樹脂2 カリフレックス TR−1107 40.0部 (SIS シェル化学(株)製ゴム系ポリマー) ペンタリン2590 60.0部 (ハーキュリーズ社製重合ロジンエステル) トルエン 135.0部 メチルエチルケトン 15.0部 上記組成の混合物を室温で撹拌溶解し,ゴム系樹脂2の
溶液(固形分40%)を得た。
【0039】ポリエステルオリゴマーの合成 オリゴマー1 エチレングリコール 3.4部 ヘキサヒドロ無水フタル酸 50.3部 グリシジルメタクリレート 46.3部 N,N−ジメチルベンジルアミン 0.9部 ハイドロキノン 0.2部 酢酸エチル 25.0部 上記組成物を混合し,空気雰囲気中,80℃で10時間
反応させ,冷却後,酢酸エチル125部を加えて,ポリ
エステルオリゴマー1の溶液(固形分40%)を得た。
【0040】オリゴマー2 エチレングリコール 2.5部 無水こはく酸 40.3部 グリシジルメタクリレート 57.2部 N,N−ジメチルベンジルアミン 1.1部 ハイドロキノン 0.2部 酢酸エチル 25.0部 上記組成物を混合し,空気雰囲気中,80℃で10時間
反応させ,冷却後,酢酸エチル125部を加えて,ポリ
エステルオリゴマー2の溶液(固形分40%)を得た。
【0041】タッキファイアー溶液の作製 タッキファイアー1 エステルR105 60.0部 (ハーキュリーズ社製ロジンエステル) 酢酸エチル 40.0部 上記の組成の混合物を室温で撹拌溶解し,タッキファイ
アー1の溶液(固形分40%)を得た。
【0042】タッキファイアー2 ペンタリン2590 60.0部 (ハーキュリーズ社製重合ロジンエステル) 酢酸エチル 40.0部 上記の組成の混合物を室温で撹拌溶解し,タッキファイ
アー2の溶液(固形分40%)を得た。
【0043】タッキファイアー3 ダイマレックスレジン 60.0部 (ハーキュリーズ社製重合ロジン) 酢酸エチル 40.0部 上記の組成の混合物を室温で撹拌溶解し,タッキファイ
アー3の溶液(固形分40%)を得た。
【0044】
【実施例1】ポリエステルオリゴマー1の溶液30.0
部,アクリルポリマー1の溶液50.0部,タッキファ
イアー1の溶液20.0部を十分に混合し,この樹脂溶
液100部に対してベンゾイルパーオキサイド0.8部
を均一に混合し,シリコーン処理を施したポリエチレン
テレフタレートフィルム上に乾燥後の厚さが30μmと
なるように塗布し,60℃で3分間乾燥して粘着シート
(I)を得た。一方,上記粘着剤のベンゾイルパーオキ
サイド0.8部を,ジエタノールアニリン0.8部に代
える以外は全く同様に操作して粘着シート(II)を得
た。得られた粘着シートについて,硬化前の粘着特性
(剥離接着力,タック,保持力)および硬化後の剪断接
着力の測定結果を表1に示す。硬化は(I)(II)の粘
着シートを貼り合わせ,しばらく放置することにより行
なった。なお,測定は次のようにして行なった。
【0045】(1)硬化前の剥離接着力 得られた粘着シート(I)の粘着面に厚さ50μmのポ
リエチレンテレフタレートシートを貼着し,幅25mm
に切断し,次にポリエチレンテレフタレートフィルムを
剥離させ,生じた粘着面を#280の紙やすりで研磨し
たステンレススチール板(SUS304)に貼着し,3
0分間放置した後,25℃,相対湿度65%の条件下,
剥離速度300mm/分で180度剥離接着力を測定し
た。
【0046】(2)硬化前のタック 傾斜角30度の斜面に,得られた粘着シート(I)をセ
ットして,25℃,相対湿度65%の条件下,助走距離
10cmで,ステンレススチール製ボールを転がし,粘
着面10cm以内のところで停止する最大のボールの番
号を測定した。ボールの番号は1/16から1まで31
種類ある「ボールの呼称」の32倍の数値で表示した。
【0047】(3)硬化前の保持力 得られた粘着シート(I)の粘着面に厚さ50μmのポ
リエチレンテレフタレートシートを貼着し,幅25m
m,長さ100mmの大きさに切断し,次にポリエチレ
ンテレフタレートフィルムを剥離させ,生じた粘着面の
うち,たて25mm,横25mmの部分を紙やすり#2
80で研磨したステンレススチール板(SUS304)
に貼着し,40℃,荷重1Kgで粘着シートがステンレ
ススチール板より落下するまでの時間(秒)を測定し
た。
【0048】(4)硬化後の剪断接着力 縦50mm,横10mm,厚さ0.5mmの2枚のポリ
カーボネート板のそれぞれの一端に,縦10mm,横1
0mmに切断した粘着シート(I)および(II)の粘着
面を貼着し,ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥
離させ,生じた(I)(II)の粘着面同士が重なるよう
に貼着し,24時間経過後,25℃,相対湿度65%の
条件下,引張り速度5mm/分で剪断強度を測定した。
さらに,ポリカーボネート板の代わりにポリプロピレン
板,ABS板を用いて同様の測定を行った。
【0049】
【実施例2】実施例1の粘着テープ(I)(II)に用い
る粘着剤組成物に,さらにトリレンジイソシアネート
0.2部を加え,同様に粘着シート(I)(II)を得,
50℃で3日間熟成させた。得られた粘着シートについ
て,実施例1と同様,硬化前の粘着特性および硬化後の
剪断接着力を測定した。結果は表1に示す。
【0050】
【実施例3】実施例2と同様,粘着剤組成物にトリレン
ジイソシアネートを加えた組成で,ポリエステルオリゴ
マー1の溶液,アクリルポリマー1の溶液,タッキファ
イヤー2溶液を用いて粘着剤組成物を作製し,実施例1
と同様にして粘着テープ(I)(II)を得,50℃で3
日間熟成させた。得られた粘着シートについて,実施例
1と同様,硬化前の粘着特性および硬化後の剪断接着力
を測定した。結果を表1に示す。
【0051】
【実施例4】ポリエステルオリゴマー1の溶液,アクリ
ルポリマー1の溶液,タッキファイヤー3溶液を用いて
粘着剤組成物を作製し,実施例3と同様に操作した。結
果を表1に示す。
【0052】
【実施例5】ポリエステルオリゴマー1の溶液,アクリ
ルポリマー2の溶液,タッキファイヤー2溶液を用いて
粘着剤組成物を作製し,実施例3と同様に操作した。結
果を表1に示す。
【0053】
【実施例6】ポリエステルオリゴマー2の溶液,アクリ
ルポリマー1の溶液,タッキファイヤー2溶液を用いて
粘着剤組成物を作製し,実施例3と同様に操作した。結
果を表1に示す。
【0054】
【実施例7】ポリエステルオリゴマー1の溶液40.0
部,ゴム系樹脂1の溶液60.0部を十分に混合して樹
脂溶液とし,実施例1と同様に操作して粘着シートを作
製し,結果を得た。
【0055】
【実施例8】実施例7で,ゴム系樹脂1の溶液をゴム系
樹脂2の溶液に変える以外は同様に操作して,結果を得
た。
【0056】
【実施例9】実施例1の樹脂溶液100部に対して,ク
メンヒドロパーオキサイド0.8部,さらにトリレンジ
イソシアネート0.2部を均一に混合し,シリコーン処
理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾
燥後の厚さが30μmとなるように塗布し,60℃で3
分間乾燥して粘着シート(I)を得,50℃で3日間熟
成した。一方,上記粘着剤のクメンヒドロパーオキサイ
ド0.8部を,ジエタノールアニリン0.8部さらにナ
フテン酸コバルト0.05部に代える以外は全く同様に
操作して粘着シート(II)を得た。得られた粘着シート
について,実施例1と同様,硬化前の粘着特性および硬
化後の剪断接着力を測定した。結果は表1に示す。
【0057】
【比較例1】タッキファイヤー溶液1を除く以外は,実
施例1と同様にして粘着シート(I)(II)を得た。得
られた粘着シートについて,実施例1と同様,硬化前の
粘着特性および硬化後の剪断接着力を測定した。結果は
表1に示す。
【0058】
【比較例2】比較例1の粘着テープ(I)(II)に用い
る粘着剤組成物に,さらにトリレンジイソシアネート
0.2部を加え,同様に粘着シート(I)(II)を得,
50℃で3日間熟成させた。得られた粘着シートについ
て,実施例1と同様,硬化前の粘着特性および硬化後の
剪断接着力を測定した。結果は表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】本発明の硬化性粘着テープ(もしくはシ
ート)は,表1に示されたように硬化前の剥離接着力が
1500g/25mm以上,保持力はポリイソシアネー
トを添加しなくても1000秒以上である。さらに硬化
後の剪断接着力は,ポリカーボネート板で15kg/c
2 ,ABS板でも12kg/cm2 ,ポリプロピレン
板でも9Kg/cm2 以上であり,硬化前の粘着特性,
硬化後の接着力ともに優れている。特に,重合ロジン系
タッキファイアーを用いた場合には,硬化後の剪断接着
力が大きくなる。また,本発明の硬化性粘着テープ(も
しくはシート)では,使用時まで二枚の粘着テープで保
存され,硬化反応を起こさせる成分が二枚の粘着テープ
を貼り合わせるまで作用しないため,従来の硬化性粘着
テープの課題であった保存安定性は,全く問題ではなく
なった。さらに,ポリイソシアネートを適量添加するこ
とにより,凝集力を向上させ,硬化前の剥離接着力やタ
ック,硬化後の剪断接着力を損なわずに,保持力を24
時間経過後でもずれのない状態にすることができる。こ
のように,本発明により,接合時には,粘着性が高く,
被着体に仮接着でき,機械的な仮止めが不必要であり,
硬化後には強固な接着力を示し,とりわけ,プラスチッ
ク基材への接着に優れた硬化性粘着テープ(もしくはシ
ート)が得られるようになった。また,この硬化性粘着
テープ(もしくはシート)は,硬化前の粘着特性と硬化
後の接着力とのバランスに優れ,かつ保存性の優れてい
た。
【化1】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘着性ゴム系ポリマー(A)100重量
    部に対し,環状酸無水物(a)およびエチレン性不飽和
    基を有するエポキシド(b)を反応させて得られる不飽
    和ポリエステルオリゴマー(B)5〜200重量部,ロ
    ジン系タッキファイアー(C)1〜50重量部より構成
    される硬化性樹脂組成物に,重合開始剤(D)を硬化性
    樹脂組成物100重量部に対し,0.1〜10重量部配
    合してなる粘着剤を塗工した粘着テープもしくはシート
    (I)と,粘着性ゴム系ポリマー(A)100重量部に
    対し,不飽和ポリエステルオリゴマー(B)5〜200
    重量部,ロジン系タッキファイアー(C)1〜50重量
    部よりなる硬化性樹脂組成物に,重合促進剤(E)を硬
    化性樹脂組成物100重量部に対し,0.1〜10重量
    部配合してなる粘着剤を塗工した粘着テープもしくはシ
    ート(II)を,接合時に貼り合わせて硬化させることを
    特徴とする硬化性粘着テープもしくはシート。
  2. 【請求項2】 粘着性ゴム系ポリマー(A),不飽和ポ
    リエステルオリゴマー(B),ロジン系タッキファイア
    ー(C)および重合開始剤(D)または重合促進剤
    (E)の他に,ポリイソシアネート(F)を硬化性樹脂
    組成物100重量部に対し,0.05〜5重量部配合し
    てなることを特徴とする請求項1記載の硬化性粘着テー
    プもしくはシート。
  3. 【請求項3】 ロジン系タッキファイアー(C)が重合
    ロジン系タッキファイアーであることを特徴とする請求
    項1記載の硬化性粘着テープもしくはテープ。
  4. 【請求項4】 重合開始剤(D)が,有機過酸化物であ
    ることを特徴とする請求項1記載の硬化性粘着テープも
    しくはシート。
  5. 【請求項5】 重合促進剤(E)が,三級アミンである
    ことを特徴とする請求項1記載の硬化性粘着テープもし
    くはシート。
JP4296557A 1992-10-09 1992-10-09 硬化性粘着テープもしくはシート Pending JPH06122856A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4296557A JPH06122856A (ja) 1992-10-09 1992-10-09 硬化性粘着テープもしくはシート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4296557A JPH06122856A (ja) 1992-10-09 1992-10-09 硬化性粘着テープもしくはシート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06122856A true JPH06122856A (ja) 1994-05-06

Family

ID=17835086

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4296557A Pending JPH06122856A (ja) 1992-10-09 1992-10-09 硬化性粘着テープもしくはシート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06122856A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007032325A1 (ja) 2005-09-14 2007-03-22 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha ポリエステルおよびポリエステルの製造方法、ならびにポリエステル成形体
US20150000836A1 (en) * 2012-01-25 2015-01-01 Dexerials Corporation Method of manufacturing image display device
JP2015183053A (ja) * 2014-03-24 2015-10-22 リンテック株式会社 油面貼付用粘着シートおよび油面貼付用粘着シートの製造方法
WO2016076553A1 (ko) * 2014-11-11 2016-05-19 (주)엘지하우시스 고무계 점착제 조성물 및 이를 이용한 고무계 점착제
JP2018177963A (ja) * 2017-04-12 2018-11-15 大日本印刷株式会社 物品の製造方法および重ね貼り装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007032325A1 (ja) 2005-09-14 2007-03-22 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha ポリエステルおよびポリエステルの製造方法、ならびにポリエステル成形体
US20150000836A1 (en) * 2012-01-25 2015-01-01 Dexerials Corporation Method of manufacturing image display device
US10759156B2 (en) * 2012-01-25 2020-09-01 Dexerials Corporation Method of manufacturing image display device
JP2015183053A (ja) * 2014-03-24 2015-10-22 リンテック株式会社 油面貼付用粘着シートおよび油面貼付用粘着シートの製造方法
WO2016076553A1 (ko) * 2014-11-11 2016-05-19 (주)엘지하우시스 고무계 점착제 조성물 및 이를 이용한 고무계 점착제
US11261353B2 (en) 2014-11-11 2022-03-01 Lg Chem, Ltd. Rubber-based adhesive composition and rubber-based adhesive using same
JP2018177963A (ja) * 2017-04-12 2018-11-15 大日本印刷株式会社 物品の製造方法および重ね貼り装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5409764A (en) Curable adhesive composition and sheet thereof
JP2500952B2 (ja) 硬化性粘着テ―プもしくはシ―ト
JPH06122856A (ja) 硬化性粘着テープもしくはシート
JPH09111193A (ja) 接着方法
JPH0565467A (ja) 硬化性粘着剤組成物およびこれを用いたシートもしくはテープ
JPH04255782A (ja) 硬化性粘着剤組成物
JP2921182B2 (ja) 硬化性粘着剤組成物およびこれを用いたシート
EP0467641B1 (en) Curable adhesive composition and sheet thereof
JP2870266B2 (ja) 硬化性粘着剤組成物およびこれを用いたシートもしくはテープ
JPH0737600B2 (ja) 硬化性粘着剤組成物およびこれを用いたシートもしくはテープ
JPH09143446A (ja) 接着剤
JPH06293880A (ja) 嫌気硬化性粘着剤及びシートもしくはテープ
JP3525549B2 (ja) 粘着シートの剥離方法およびそれに使用する粘着シート
JP2743656B2 (ja) 硬化性粘着剤組成物およびこれを用いたシートもしくはテープ
JPH08283672A (ja) 接着テープ
JPH06157995A (ja) 熱硬化性粘着シートを用いた接着方法
JPH06192627A (ja) 硬化性複合粘着シート
JPH09143433A (ja) 接着方法
JPH06157994A (ja) 熱硬化性粘着シートを用いた接着方法
JPH05194928A (ja) 光ディスク基板の貼り合わせ方法
JPH07216338A (ja) 硬化性粘着剤組成物およびこれを用いたシートもしくはテープ
JPH06256727A (ja) 光ディスク基板とハブの接着方法
JP2683448B2 (ja) 粘着剤用樹脂組成物およびこれを用いた粘着テープまたはシート
JPH059453A (ja) 硬化性粘着剤組成物およびこれを用いたシートもしくは テープ
JPH07173451A (ja) 硬化性粘着剤組成物およびこれを用いたシートもしくは テープ