JPH04211265A - 光導電材料及びそれを含有してなる電子写真感光体 - Google Patents

光導電材料及びそれを含有してなる電子写真感光体

Info

Publication number
JPH04211265A
JPH04211265A JP3062417A JP6241791A JPH04211265A JP H04211265 A JPH04211265 A JP H04211265A JP 3062417 A JP3062417 A JP 3062417A JP 6241791 A JP6241791 A JP 6241791A JP H04211265 A JPH04211265 A JP H04211265A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
mixed crystal
formula
quinacridone
photoconductive material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3062417A
Other languages
English (en)
Inventor
Toyoji Ohashi
豊史 大橋
Toshiaki Ishibashi
石橋 敏明
Akira Itsubo
明 伊坪
Shinichi Suzuki
慎一 鈴木
Junko Goda
郷田 純子
Tomoko Jinbo
神保 智子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Petrochemical Co Ltd filed Critical Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Priority to JP3062417A priority Critical patent/JPH04211265A/ja
Publication of JPH04211265A publication Critical patent/JPH04211265A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Fax Reproducing Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機光導電材料及びそれ
を含有してなる電子写真感光体に関し、特にキナクリド
ン化合物を光導電性化合物として用いる、有機光導電材
料及びそれを含有してなる電子写真感光体に関するもの
である。
【0002】本発明の光導電材料は 350〜650 
nmの波長域に感度を有する光センサーや太陽電池、電
子写真感光体の電荷発生物質としての応用が可能であり
、特に電子写真感光体のキャリア発生物質に用いること
により、熱及び光に対して安定で、かつ、高感度を有す
る感光体を提供することが可能となり、複写機、プリン
ターなどの電子写真の応用分野に広く用いることができ
る。
【0003】
【従来の技術】光導電性を有する材料は、電子写真感光
体材料、各種センサー、撮像管として、種々検討され、
また実用にも供されている。
【0004】これら光伝導性材料の例として、無機材料
では、非晶質セレン、非晶質シリコン、塩化カドミウム
、酸化亜鉛、セレン・砒素合金などが知られている。 また、有機材料では、カルバゾール、アトランセン、ピ
ラゾリン類、オキサジアゾール類、ヒドラゾン類などの
低分子の有機材料や、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、
シアニン染料、多環キノン顔料、ベリレン系顔料、イン
ジゴ染料などの有機顔料や染料が知られている。
【0005】また、電子写真感光体においては、無機光
導電体を主成分とする感光層を有するものが広範囲に用
いられてきたが、感度、耐熱性において必ずしも充分満
足するものではなかった。
【0006】有機光導電性化合物を主成分とする感光層
を有する電子写真感光体は、その製造が比較的容易であ
ること、安価であること、無公害で取扱いが容易である
など多くの利点を有し、特にキャリアの発生機能と輸送
機能とを異なる物質に分担させ、高性能の有機感光体を
開発する試みがなされ、近年多くの注目を集めている(
特開昭60−67949号公報等)。
【0007】それらの中で、キナクリドン顔料を電荷発
生物質として用いたものとして、これに電荷移送物質と
してヒドラゾン化合物を組合せて用いることにより優れ
た特性の感光体が得られるとの提案がある(特開昭61
−151543号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
有機光導電性化合物は、例えば電子写真感光体として、
一部実用化に至ってはいるが、感度、残留電位、繰り返
し安定性等の感光体としての特性において、必ずしも満
足し得るものではないのが実情である。
【0009】本発明の目的は、熱及び光に対して安定で
、かつ、キャリア発生能に優れた感度の有機光導電材料
及びそれを用いた電子写真感光体を提供することにある
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、下式(I)で
示されるキナクドリン化合物の 2種以上からなる混晶
体よりなる光導電材料及び、それを含有してなる電子写
真感光体を提供するものである。
【0011】
【式1】
【0012】上記式中、R1〜R10 は水素原子、ハ
ロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基
、アルコキシ基、アミノ基、スルホン酸基、カルボン酸
基、アルキルアミン基、ハロゲン化アルキル基を表し、
ここで、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミン基
、ハロゲン化アルキル基等の炭素原子数は、一般に 1
〜10、好ましくは 1〜5である。
【0013】前記一般式(I)で表わされるキナクリド
ン化合物の具体例としては、キナクドリン、2−クロロ
キナクリドン、4−クロロキナクリドン、2,9−ジメ
チルキナクリドン、2,9−ジメトキシキナクリドン、
2,9−ジクロロキナクリドン、3,10− ジメチル
キナクリドン、4,11− ジメチルキナクリドン、3
,10− ジクロロキナクリドン、2,3−ジクロロキ
ナクリドン、4,11− ジクロロキナクリドン、2,
9−ジフルオロキナクリドン、2,8−ジクロロキナク
リドン、6.13− ジクロロキナクリドン、3.10
− ジメトキシキナクリドン、4,11− ジメトキシ
キナクリドン、2−クロロ− 4−メチルキナクリドン
、2,9−ジクロロ− 4−ジメチルキナクリドン、2
,10− ジメチル− 6,3−ジクロロキナクリドン
、2.10− ジクロロ−6,13−ジヒドロキナクリ
ドン、2,9−ジメトキシ−6,13−ジヒドロキナク
リドン、2,9−ジメチル−6,13−ジヒドロキナク
リドン、4,11− ジメチル−6,13−ジヒドロキ
ナクリドン、3,4,10,11−テトラクロロキナク
リドン、1,4,8,11− テトラフルオロキナクリ
ドン、2,4,9,11− テトラメチルキナクリドン
、1,2,4,8,9,11− ヘキサクロロキナクリ
ドン、2,4,9,11− テトラメトキシキナクリド
ン等が例示される。
【0014】本発明の光導電材料は 2種以上のキナク
リドン化合物の混晶よりなる。キナクリドン化合物の組
合せは、特に制限はないが、置換基の分子容が小さいも
のが望ましく、無置換のもの及び置換基がハロゲン原子
、水酸基、シアノ基、ニトロ基、炭素数 1〜2 のア
ルキル基並びに、アルコキシ基、及びアミノ基であるも
のを組合せるのが好ましい。その例としては、例えば、
 2種のキナクリドンの場合、無置換キナクリドンと2
,9−ジメチルキナクリドン又は2.9−ジクロロキナ
クリドン、2.9−ジメチルキナクリドンと2,9−ジ
クロロキナクリドン、3,10− ジクロロキナクリド
ンと2,9−ジクロロキナクリドンの組合せなどを挙げ
ることができる。
【0015】この場合 2種のキナクリドン化合物の混
合割合は任意であるが、0.1:99.9 〜99.9
:0.1、好ましくは10:90 〜 90:10、さ
らに好ましくは25:75 〜 75:25である。
【0016】本発明に用いられる混晶体を製造する方法
には特に制限はないが、例えば以下のような方法を採用
することができる。
【0017】(a) 2種以上のキナクリドンを1 T
orr以下の、好ましくは0.1 Torr以下の、さ
らに好ましくは 1×10−4Torr以下の真空中で
、同時に又はそれぞれ別の加熱装置により、キナクリド
ンの昇華温度以上に加熱して気化させたものを、昇華温
度以下の基板上に再凝集させる方法。
【0018】上記のような真空中で加熱昇華を行う装置
として真空蒸着装置、昇華炉などが用いられる。
【0019】(b)上記のように加熱によりキナクリド
ンの気化を行うものの外に、キナクリドンに加速された
粒子を衝突させることにより気化を行うことができる。 このためにはスパッタリング装置が用いられる。
【0020】(c) 2種以上のキナクリドンを硫酸等
の無機酸可溶化剤に溶解させたものを、水等の貧溶媒中
で再析出させる方法。
【0021】(d)上記(c)の析出物を更に前記(a
)又は(b)の方法で基板上に再凝集させる方法。
【0022】本発明による混晶は、2 種以上のキナク
リドンが分子状レベルで混合したものであって、X線回
折においては次の2種に分類される。
【0023】(1) 類似した結晶構造をもつ 2種の
キナクリドンの混晶のケース: キナクリドン混晶体のX線回折の主要なピークの回折角
は、原料に用いた 2種のキナクリドン担体の主要なピ
ークが 1つになり、元のピークの間に位置する。
【0024】(2) 結晶構造が大きく異なる 2種の
キナクリドンの混晶のケース: キナクリドン混晶体のX線回折の回折角は、■  原料
に用いた 2種のキナクリドン単体のピークの外に新し
いピークの出現 ■  原料に用いた 2種のキナクリドン単体のピーク
のわずかなシフトが認められる。
【0025】以上のX線回折結果は、これらの混晶が原
料に用いた 2種のキナクリドンの単なる物理的混合物
とは異なることを示す。
【0026】このようにして得られる混晶体を、更にア
ルキル硫酸又は有機溶媒で処理することにより、新たな
結晶形を有する、光導電材料としてよりすぐれた特性を
示す混晶体を得ることができる。
【0027】混晶体を処理するアルキル硫酸の具体例と
しては、メチル硫酸、エチル硫酸、プロピル硫酸等のア
ルキル硫酸の他に、トリフルオロメチル硫酸、トリクロ
ロメチル硫酸等のハロゲン化アルキル硫酸などが挙げら
れるが、好ましくはメチル硫酸又はエチル硫酸が用いら
れる。
【0028】混晶体を処理する有機溶剤の具体例として
は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N
−メチルピロリドン、ピロールピリジン、ニトロベンゼ
ン、キノリン、ジメチルスホキシド等で、沸点が 10
0℃以上、好ましくは 120℃以上のものが用いられ
る。
【0029】処理方法としてはアルキル硫酸処理の場合
、混晶体をアルキル硫酸に溶解し、水等の貧溶媒中で再
沈させる方法が挙げられる。
【0030】アルキル硫酸の使用量は、混晶体 1重量
部に対してアルキル硫酸が 3〜50重量部、好ましく
は 5〜20重量部である。溶解する温度は 0〜10
0 ℃、好ましくは20〜50℃で、溶解する時間は 
0.5〜10時間、好ましくは 1〜5 時間である。
【0031】再沈に用いられる貧溶媒としては、水のほ
か、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコ
ール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類が
挙げられるが、好ましくは水又はエタノールである。
【0032】貧溶媒の量は、アルキル硫酸 1重量部に
対して 2〜5 重量部、好ましくは 5〜20重量部
である。
【0033】混合時間は、通常10分〜 3時間で、好
ましくは 0.5〜1 時間である。
【0034】このようにして再沈させた混晶は、濾別し
、水で洗滌液が中性になるまで洗浄した後、乾燥させる
【0035】有機溶剤処理の場合、混晶体を前記有機溶
媒に分散させ、加熱する方法が挙げられる。混晶体と有
機溶剤の割合は、混晶体 1重量部に対して10〜10
0 重量部、好ましくは20〜50重量部である。加熱
の温度は 100〜200 ℃が好ましく、さらに12
0 〜160 ℃が好ましい。 加熱温度は 1〜50時間、好ましくは 5〜24時間
である。
【0036】加熱後、分散液を濾別し、乾燥させる。
【0037】この様にして得られた新規混晶体は、X線
回折において処理前混晶体と較べて、ピークがブロード
になるか、又はピークがシャープになり、新しいピーク
も出現するという変化が認められる。
【0038】なお、アルキル硫酸処理と有機溶媒処理の
いずれの処理によっても、得られた新規混晶体は光導電
材料としての特性が向上するが、メチル硫酸処理による
方が、より優れた特性が得られる。
【0039】この混晶体は、上記の処理の有無にかかわ
らず、それ自体のみでも光導電体として機能するが、原
料となるキナクリドンと共に用いることもできる。
【0040】このようにして得られたキナクドリン混晶
体は、加圧成形したり、又はボールミルなどの手段によ
り微粒子とし、これを適当な溶剤中に分散した液若しく
は必要に応じてこれに結合剤樹脂を溶解した分散液を基
板上に塗布し、乾燥して光導電体として用いることがで
きる。
【0041】結合剤樹脂としては任意の樹脂を用いるこ
とができるが、特に誘電率が高い電気絶縁性のフィルム
形成性高分子が好ましい。
【0042】そのような重合体としては、例えば、ポリ
カーボネート、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリス
チレン、ポリビニルアセテート、スチレン・ブタジエン
共重合体、塩化ビニリデン・アクリロニトリル共重合体
、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・酢酸
ビニル・無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリ
コン・アルキッド樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド
樹脂、スチレン・アルキッド樹脂、ポリ− N−ビニル
カルバゾール、ポリビニルブチラールなどを挙げること
ができる。
【0043】本発明の電子写真感光体は、導電性支持体
上の感光層に、上記キナクリドン化合物の混晶体を、キ
ャリア発生物質として、少なくとも一種を含有するもの
である。
【0044】電子写真感光体の物理的構成は既知の形態
のいずれによってもよい。すなわち、導電性支持体上に
、キャリア発生物であるキナクリドン化合物の混晶を主
成分とするキャリア発生層とキャリア輸送物質を主成分
とするキャリア輸送層とを積層してもよいし、また、キ
ャリア発生物質をキャリア輸送物質中に分散させた感光
層を設けてもよい。
【0045】これらは中間層を介して設けることができ
、特開昭60−67949号公報等に開示されている各
種の構成が可能である。
【0046】本発明で用いられる導電性支持体としては
、金属板、金属ドラム又は導電性ポリマー、酸化インジ
ウム等の導電性化合物若しくはアルムニウム、パラジウ
ム、金等の金属よりなる導電性薄膜層を、塗布、蒸着、
ラミネート等の手段により、紙、プラスッチク、フィル
ム等の基板に設けてなるものが用いられる。
【0047】キャリア発生層はキナクリドン化合物の混
晶をボールミルなどの手段により微粒子とし、適当な溶
剤中に分散した液又は必要に応じてこれに結合剤樹脂を
溶解した分散液を、導電性支持体上に直接又は中間層を
介して塗布するか、あるいはすでに形成されたキャリア
輸送層の上に塗布し乾燥する。キナクリドン化合物の混
晶の微細粒子は径 5μm 以下、好ましくは 1μm
 以下の粒径の粉粒体とされるのが好ましい。
【0048】キャリア発生層の膜厚は0.01〜20μ
m であり、好ましくは0.05〜5 μm である。 キャリア発生層中のキナクリドン化合物の混晶の割合は
10〜100 重量%、好ましくは30〜95重量%で
ある。
【0049】キャリア輸送層は、キャリア輸送物質を適
当な溶体に溶解して塗布し、乾燥することにより形成で
きる。
【0050】キャリア輸送物質としては、例えばトリニ
トロフルオレノン、テトラニトロフルオレノンなどの電
子受容性物質、或いは、例えばポリ− N−ビニルカル
バゾールに代表されるような複素環化合物を側鎖に有す
る重合体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導
体、イミダゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、ポリアリ
ールアルカン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、ヒド
ラゾン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、トリアリー
ルアミン誘導体、カルバゾール誘導体、スチルベン誘導
体などの正孔輸送性の電子共与性物質が挙げられるが、
本発明において用いられるキャリア輸送物がこれらに限
定されるものではない。
【0051】キャリア輸送層の膜厚は 1〜100 μ
m の範囲とするが、好ましくは 5〜50μm であ
る。
【0052】キャリア発生層若しくはキャリア輸送層の
形成に結着剤を用いる場合には、その接着剤としては光
導電体に用いられる結合剤と同様のものを用いることが
できる。
【0053】一方、分散型のキャリア発生・キャリア輸
送層を形成するには、上記のキャリア発生層形成用の分
散液にキャリア輸送物質を溶解又は分散させ、導電性支
持体上又は中間層を設けた導電性支持体上に塗布すれば
よい。
【0054】本発明の電子写真感光体は、上記に述べた
以外に、既知の技術を適用することができる。たとえば
、感光層は増感剤などの第 3成分を含んでもよい。好
適な増感剤は、有機光導電性物質と電荷移動錯体を形成
するルイス酸や染料色素などが挙げられる。また感光層
の成膜性、可とう性及び機械的強度を向上させるために
可塑剤を加えてもよい。
【0055】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、これにより本発明の態様が限定されるものではない
【0056】実施例1
【0057】(i) キナクリドン混晶体の調製無置換
キナクリドンと2,9−ジメチルキナクリドンのそれぞ
れ1.8 ミリモルを50mlの硫酸中に溶解し、不溶
物を濾別した後、 600mlの水で再沈させた。
【0058】得られたパウダーを大量の水及びエタノー
ルを用いて充分に洗浄した後、真空中、70℃で乾燥し
て分子状混合物を得た。
【0059】この混合物が分子状混合物であることは、
図1のX線回折図によって示される。図1には比較とし
て無置換キナクリドン及び2,9−ジメチルキナクリド
ンのパウダーを単にメノウ乳鉢で混合したものの回折図
も示した。図1より、本方法で作製したパウダーは 2
種のキナクリドンが分子状に混合して 1つの結晶とな
っていることがわかる。
【0060】(ii)電子写真感光体の作成前記で得ら
れたキナクリドン混晶50mgとポリカーボネート樹脂
「ユーピロンE−2000」(三菱ガス化学社製)50
mgとをテトラヒドロフラン 2.5mlに加え、ボー
ルミルで12時間分散させた。
【0061】この分散液をアルミ板上に乾燥時の膜厚が
 1μm となるように塗布し、キャリア発生層とし、
更にその上に、p−ジエチルアミノベンズアルデヒドジ
フェニルヒドラゾン 200mgとポリカーボネート樹
脂「ユーピロンE−2000」(三菱ガス化学社製) 
200mgとをテトラヒドロフラン 2.5ml中に溶
解した溶液を塗布し、乾燥時の膜厚15μm のキャリ
ア輸送層を得ることにより、電子写真感光体を作製した
【0062】実施例2 実施例1の(i) において2,9−ジメチルキナクリ
ドンを2,9−ジクロロキナクリドンに変更した他は同
様な方法で混晶体を得た。この後に実施例1の(ii)
と同様の方法を用いて電子写真感光体を得た。
【0063】実施例3
【0064】(i) キナクリドン混晶体の調製タング
ステンボード 2個を有するベルジャー型蒸着装置の、
タングステンボードのそれぞれに無置換キナクリドンと
2,9−ジメチルキナクリドンを各々 100mg入れ
、ベルジャー内を 2×10−5Torrに排気した。 それぞれの蒸着源を加熱し、蒸着速度(膜厚モニターに
より測定)が 20nm/分となる様に温度コントロー
ルした後にシャターを開き、室温のアルミニウム基板上
にキナクリドン混晶体の膜厚が200 nmとなる様に
堆積して製膜した。
【0065】(ii)電子写真感光体の作成前記で得ら
れたアルミニウム基板上のキナクリドン混晶体の上に、
キャリアー輸送物質として、p−ジエチルアミノベンズ
アルデヒドジフェニルヒドラゾン 200mgとポリカ
ーボネート樹脂「ユーピロンE−2000」(三菱ガス
化学社製) 200mgとをテトラヒドロフラン 2.
5ml中に溶解した溶液を塗布し、乾燥時の膜厚15μ
m とすることにより、電子写真感光体を得た。
【0066】比較例1〜3 実施例1〜3で混晶体の調製に用いたキナクリドン単体
を用い、乳鉢で粉体混合して、キナクリドンと2.9 
ジメチルキナクリドン(比較例1)、キナクリドンと2
,9 ジクロロキナクリドン(比較例2)及び2,9−
ジメチルキナクリドンと2,9−ジクロロキナクリドン
(比較例3)の単純混合物を調製し、これを用いて実施
例1の(ii)と同様にして電子写真感光体を得た。
【0067】実施例4
【0068】(i) キナリドン混晶体の調製実施例1
の(i) で得られた混晶体5.0gを 50gのメチ
ル硫酸中に溶解した後、 375mlの水で再沈させ、
得られたパウダーを大量の水を用いて充分に洗浄した後
、真空中、70℃で乾燥することにより新規混晶体を得
た。この新規混晶体のX線回折図を図2に示す。
【0069】(ii)電子写真感光体の作成上記の混晶
体を用いて実施例1の(ii)と同様にして電子写真感
光体を得た。
【0070】実施例5 実施例2の(i) で得られた混晶体を用いて実施例4
の(i) と同様に処理して新規混晶体を得、この混晶
体を用いて実施例1の(ii)と同様にして電子写真感
光体を得た。
【0071】実施例6 実施例1の(i) において、無置換キナクリドンを2
,9−ジクロロキナクリドンに代えて、同様な方法で混
晶体を得た。この混晶体を実施例4(i) と同様に処
理して新規混晶体を得、この混晶体を用いて実施例1の
(ii)と同様にして電子写真感光体を得た。
【0072】実施例7
【0073】(i) キナクリドンの混晶体の調製実施
例1の(i) で得られた混晶体5.0gを 200m
lのジメチルホルムアミドに分散させ、 140℃で 
5時間加熱した。 その後濾別し、エタノールで充分洗浄し、真空中、70
℃で乾燥することにより新規混晶体を得た。この新規混
晶体のX線回折図を図3に示す。
【0074】(ii)電子写真感光体の作成上記の混晶
体を用いて実施例1の(ii)と同様にして電子写真感
光体を得た。
【0075】感光体の評価 これらの感光体について、以下の方法で電子写真特性の
評価を行った。
【0076】感光体ドラム評価装置(シンシア−55 
、ジェンテック社製)を用い、 6kVの電圧でコロナ
帯電させ、暗所に10秒間保持して初期表面電位を測定
し、次いで感光体を暗所でコロナ帯電させて10秒間保
持した後にタングステン光を干渉フィルターを用いて 
580nmに分光した単色光を感光体に照射した。そし
てその表面電位が1/2に減衰するまでの時間(秒)を
求め、露光量(cm2/μJ )を算出した。これらの
結果を表1に示す。
【0077】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた混晶体及び比較用の混合物
のX線回折を示す図である。
【図2】実施例1の混晶体をメチル硫酸で処理して得ら
れた新規混晶体のX線回折を示す図である。
【図3】実施例1の混晶体をジメチルホルムアミドで処
理して得られた新規混晶体のX線回折を示す図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  下記一般式(I)で表わされるキナク
    リドン化合物の 2種類以上からなる混晶体よりなる光
    導電材料。 【式1】 (式中R1〜R10 は水素原子、ハロゲン原子、水酸
    基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基、
    アミノ基、スルホン酸基、カルボン酸基、アルキルアミ
    ン基、ハロゲン化アルキル基を表わす。)
  2. 【請求項2】  混晶体が式(I)で表わされるキナク
    リドン化合物の 2種以上を、真空中で昇華温度以上に
    気化させた後、基板上に再凝集させることにより得られ
    たものである、請求項1に記載の光導電材料。
  3. 【請求項3】  混晶体が式(I)で表わされるキナク
    リドン化合物の 2種以上を可溶化剤に溶解させた後、
    貧溶媒中で再沈させることにより得られたものである、
    請求項1に記載の光導電材料。
  4. 【請求項4】  混晶体が請求項2又は3で得られた混
    晶体をさらにアルキル硫酸又は有機溶剤で処理して得ら
    れたものである、請求項1に記載の光導電材料。
  5. 【請求項5】  導電性支持体上の感光層に、下記一般
    式(I)で表わされるキナクリドン化合物の 2種類以
    上からなる混晶体を含有することを特徴とする光導電子
    写真感光体。 【式1】                     
                             
                      (式中R1〜R
    10 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、
    ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、スル
    ホン酸基、カルボン酸基、アルキルアミン基、ハロゲン
    化アルキル基を表わす。)
  6. 【請求項6】  混晶体が式(I)で表わされるキナク
    リドン化合物の 2種以上を、真空中で昇華温度以上に
    気化させた後、基板上に再凝集させることにより得られ
    たものである、請求項5に記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】  混晶体が式(I)で表わされるキナク
    リドン化合物の 2種以上を可溶化剤に溶解させた後、
    貧溶媒中で再沈させることにより得られたものである、
    請求項5に記載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】  混晶体が請求項6又は7で得られた混
    晶を、更にアルキル硫酸又は有機溶剤で処理して得られ
    たものである、請求項5に記載の電子写真感光体。
JP3062417A 1990-03-06 1991-03-05 光導電材料及びそれを含有してなる電子写真感光体 Pending JPH04211265A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3062417A JPH04211265A (ja) 1990-03-06 1991-03-05 光導電材料及びそれを含有してなる電子写真感光体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2-54379 1990-03-06
JP5437990 1990-03-06
JP3062417A JPH04211265A (ja) 1990-03-06 1991-03-05 光導電材料及びそれを含有してなる電子写真感光体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04211265A true JPH04211265A (ja) 1992-08-03

Family

ID=26395139

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3062417A Pending JPH04211265A (ja) 1990-03-06 1991-03-05 光導電材料及びそれを含有してなる電子写真感光体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04211265A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11100521A (ja) * 1997-08-04 1999-04-13 Clariant Gmbh キナクリドン系の混晶顔料
JP2000169745A (ja) * 1998-11-26 2000-06-20 Clariant Gmbh 電子写真用トナ―及び現像剤、粉末塗料並びにインクジェットインクにおけるキナクリドン系混晶顔料の使用

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11100521A (ja) * 1997-08-04 1999-04-13 Clariant Gmbh キナクリドン系の混晶顔料
JP2000169745A (ja) * 1998-11-26 2000-06-20 Clariant Gmbh 電子写真用トナ―及び現像剤、粉末塗料並びにインクジェットインクにおけるキナクリドン系混晶顔料の使用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0348889B1 (en) Photoconductive material and process for producing the same
JPS59155851A (ja) 赤外スペクトル領域輻射に敏感な多層式活性光導電要素
JP3463032B2 (ja) チタニルフタロシアニン結晶とその製造方法、および電子写真感光体とその製造方法
JP2780295B2 (ja) 電子写真感光体
US5626999A (en) Phthalocyanine composition, process for preparing the same and electrophotographic photoreceptor using the same
JPH0560863B2 (ja)
JP3343275B2 (ja) フタロシアニン組成物、その製造法、これを用いた電子写真感光体および電荷発生層用塗液
JPH04348350A (ja) 電子写真感光体及び混晶の製造方法
JPH04211265A (ja) 光導電材料及びそれを含有してなる電子写真感光体
EP0445768B1 (en) Photoconductive material and electrophotographic photoreceptor using the same
JP2819580B2 (ja) 光導電体及びその製造方法
JPH06145550A (ja) フタロシアニン組成物、その製造法およびそれを用いた電子写真感光体ならびに電荷発生層用塗液
JP3343277B2 (ja) フタロシアニン組成物中間体の製造法
JPH07104490A (ja) 感光層用塗液及び電荷輸送層用塗液並びにこれらを用いた電子写真感光体
JPH01263657A (ja) 電子写真感光体
JPH06175382A (ja) フタロシアニン組成物、その製造法およびそれを用いた電子写真感光体ならびに電荷発生層用塗工液
JPH0841373A (ja) フタロシアニン組成物、その製造法及びそれを用いた電子写真感光体
JP3284637B2 (ja) フタロシアニン組成物の製造法およびそれを用いた電子写真感光体
JPH10142818A (ja) 電子写真感光体
JP2002251027A (ja) フタロシアニン組成物、これを含む塗液、電子写真感光体及び電子写真感光体の製造法
JPH07271067A (ja) 積層型電子写真感光体
JP2002012790A (ja) フタロシアニン混晶及び電子写真感光体
JPH05297617A (ja) 電子写真感光体
JPS62103651A (ja) 電子写真感光体
JPS61259258A (ja) 感光体