JPH0420808B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、乗用車、例えば、セダンタイプの自
動車におけるトランクルームへの荷物の出し入れ
を行なうためのバツクドアに関するものである。

［従来の技術］ 乗用車、例えばセダンタイプの自動車の車体
は、第５図に示すように、エンジンを収容する前
部のエンジンルーム１と、乗員の乗り込む中央部
の車室２と、荷物を収容する後部のトランクルー
ム３の３つに区画されている。

上記型式の自動車において、トランクルーム３
への荷物の出し入れは、ボデイ後部の張出し部上
面に上方に向かつて開くラツゲージドア部４から
行なつている。

［発明が解決しようとする課題］ 近年の乗用車は、居住性、荷物の収容能力拡大
等の要望に対応し、上記車室２とトランクルーム
３との区画をリアシート５の背もたれ部６によつ
て行なつており、従つて、上記トランクルーム３
は、リアウインドウ７の下方基端部よりも奥側ま
で拡張されているのが現状である。

そのため、ラツゲージドア４の開口部８は、ト
ランクルーム３に対して小さいものとなつてお
り、トランク、バツク等の小荷物の出し入れに際
しては十分であるが、更に大形の荷物の出し入れ
に際しては不十分であり、トランクルームの有効
な利用ができないでいた。

更に、上記ラツゲージドア４は、乗用車の車体
の構造並びにデザイン面からその寸法、形状に制
約を受け、また開閉操作上支障を来すため、不用
意に大きくすることができなかつた。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、上記問題点に鑑み、トランクルーム
への荷物の出し入れをその荷物の寸法、形状、あ
るいは重量に依らず容易ならしめたもので、具体
的には、車体後部に車室と独立してトランクルー
ムを有する乗用車において、上端部がボデイ１０
後部背面のルーフエンド１７に枢着され、上部に
リアウインドウ部１３を囲繞して固設し、上部に
トランクルーム１２開口の内縁に嵌入し、略矩形
状の開口部１８が形成されたボデイ１０後部に対
して開閉自在なフレーム部材２３より成り、前記
フレーム部材２３の略矩形状の開口部１８を覆い
トランクルーム１２開口を閉塞するラツゲージド
ア部１５の前縁部を上記フレーム部材２３のリア
ウインドウ部１３下端に枢支したことを特徴とす
る自動車のバツクドアである。

［作用］ 本発明に係る自動車のバツクドアと、車体後部
背面の上部を覆うリアウインドウ部と、下方、ト
ランクルーム上面の開口部を蓋する寸法形状のラ
ツゲージドア部とを連設し荷物の大小ならびに量
に応じてそれぞれ独立して開閉して、上記荷物を
トランクルーム内に収容あるいはトランクルーム
から取出すことができる。

［実施例］ 第１図乃至第４図は、本発明に係る自動車のバ
ツクドアの一実施例を示すものである。

図面において、１０はセダンタイプの自動車の
ボデイ、１１はボデイ１０の後部に形成され、内
部をトランクルーム１２としたトランク部、１４
はボデイ１０の後部に形成したバツクドアでその
上部のリアウインドウ部１３と、下部のラツゲー
ジドア部１５とにより構成されている。

上記バツクドア１４は、ボデイ１０のリアウイ
ンドウ部１３を含む後部傾斜面並びに、トランク
部１１のトランクルーム１２上面に対応する部分
に亘つて形成されており、このバツクドア１４の
上端部は、ヒンジ１６，１６によつて、ボデイ１
０のルーフエンド１７に枢着されている。

上記バツクドア１４は、第４図に示すように、
所定形状にプレス形状された外側と内側の２枚の
パネルを溶接接合した一体形の部材であつて、ト
ランクルーム１２の上面に位置する部分には、略
矩形状の開口部１８が形成されており、上記ラツ
ゲージドア部１５は、この開口部１８を蓋すよう
にバツクドア１４を構成している。

上記ラツゲージドア部１５は、上記バツクドア
１４のトランクルーム１２の上面に対応する部分
を覆う寸法形状を有しており、このラツゲージド
ア部１５の前縁部は、ヒンジ１９，１９によつて
フレーム部材２３のリアウインドウ部１３下端に
枢着されている。

即ち、バツクドア１４はボデイ１０に対して開
閉自在に取付けられ、ラツゲージドア部１５は、
上記バツクドア１４に対して開閉自在に取付けら
れており、上記バツクドア１４並びにラツゲージ
ドア１５を閉じた状態では、バツクドア１４のリ
アウインドウ部１３及びその周縁部と、ラツゲー
ジドア部１５が露呈するようになつている。

尚、図中の参照番号２０，２０、２１，２１
は、夫々、ボデイ１０とバツクドア１４との間、
及びバツクドア１４とラツゲージドア部１５との
間に配設されたダンパーステーで、上記バツクド
ア１４及びラツゲージドア部１５の開放動作を補
助すると共に、開放位置を維持するための装置で
ある。

上記構成において、トランク、バツク等の小荷
物をトランクルーム１２に収容、あるいはトラン
クルーム１２から取出す場合は、第２ずに示すよ
うに、バツクドア１４を閉じた状態のままラツゲ
ージドア部１５のみを開ける。この状態でトラン
クルーム１２上面の開口部１８から上記トラン
ク、バツク等の小荷物をトランクルーム１２に収
容あるいはトランクルーム１２から取出せばよ
い。

一方、上記トランク、バツク等の小荷物よりも
更に大きな荷物、例えばゴルフバツク等をトラン
クルーム１２に収容あるいはトランクルーム１２
から取出す場合は、第３図に示すように、ラツゲ
ージドア部１５とリアウインドウ部１３とを共
に、即ちバツクドア１４全体を開き、このボデイ
１０後部の開口部２２から上記ゴルフバツク等の
大荷物をトランクルーム１２に収納あるいはトラ
ンクルーム１２から取出せばよい。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明に係る自動車のバ
ツクドアは、車体後部外観上リアウインドウ部と
ラツゲージドア部とに上下２分割させるように構
成し、夫々独立して開閉できるので、荷物の大小
並びに量に応じてバツクドア、あるいはラツゲー
ジドアを適宜に選択して開けて、トランクルーム
に対する荷物の出し入れを行なう事が出来、セダ
ン型車の外観を損なうことなく適応しうるもので
あり、特にバツクドアとして開閉するときラツゲ
ージドア部のヒンジ部を補強することなく、フレ
ーム部材がラツゲージドア部を支持する構造であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本発明に係る自動車のバツ
クドアの一実施例を示すもので第１図はバツクド
アを含む自動車の後方斜視図、第２図はラツゲー
ジドアぶを開いた状態を示す斜視図、第３図はバ
ツクドアを開けた状態を示す斜視図、第４図はバ
ツクドアの要部拡大斜視図である。第５図は、従
来の自動車における問題点を説明するための概略
側断面図である。 １０……ボデイ、１２……トランクルーム、１
３……リアウインドウ部、１４……バツクドア、
１５……ラツゲージドア部、１８……トランクル
ームの開口部、２２……バツクドアの開口部、２
３……フレーム部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 車体後部に車室と独立してトランクルームを
   有する乗用車に於て、 上端部がボデイ後部背面のルーフエンドに枢着
   され、上部にリアウインドウ部を囲繞して固設
   し、下部にトランクルーム開口の内縁に嵌入し、
   略矩形状の開口部が形成されたボデイ後部に対し
   て開閉自在なフレーム部材より成り、前記フレー
   ム部材の略矩形状の開口部を覆いトランクリーム
   開口を閉塞するラツゲージドア部の前縁部を上記
   フレーム部材のリアウインドウ部下端に枢支した
   ことを特徴とする自動車のバツクドア。