JPH0414043Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は電車やバス等の乗客用椅子として設置
利用される車両用シートのシートクツシヨンに関
する。

（従来の技術） 最近の電車等に乗客用椅子として設置される車
両用シートは第４図及び第５図に示す如く意匠性
に優れたものが多くなつて来た。即ち、図示のも
のは２人掛け用の車両用シートの例で、脚１上に
骨組の如き補強フレーム（図示せず）を設け、そ
れを外側から覆い隠すようにFRP等の一体成形
品よりなる背座一体形の化粧用外装フレーム２を
設け、この外装フレーム２の下部座受けフレーム
３上にシートクツシヨン４を取付けると共に、そ
の後部に立上がる背受けフレーム５前面にシート
バツク６を取付け、その他肘掛け７や取手８を取
付けた構成である。前記シートクツシヨン４は第
９図に示す如くポリウレタンホーム等の各種硬さ
が異なる複数種のパツト（詳細は図示省略）を組
合わせてなるクツシヨン体９を表皮（上張り）１
０で覆つた構成で、前記FRP等の下部座受けフ
レーム３上に下半部を嵌込むようにして着脱可能
に設置されている。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、上述した車両用シートのシートクツ
シヨン４では、その上に着座者が腰掛けた場合、
その着座者の荷重により第６図想像線で示す如く
上面中央寄り部が圧縮されて凹むと同時に、その
中央寄りの圧縮変形により側縁部Ａが逆に内側に
引張られて反り返るように浮き上つてしまう。こ
の為にその側縁部Ａが下部座受けフレーム３の立
上がり縁部３ａから離間して、その間に隙間が発
生し、見た目体裁が良くないと共に、その隙間に
ごみ等が溜まつて不快を感じるなどの問題があつ
た。

本考案は上記事情に鑑みなされたもので、着座
者の荷重により上面中央寄り部が圧縮されて凹ん
でも、従来のように側縁部が反り返る如く浮き上
つて座受けフレームとの間に隙間を生じてしまう
ことが無く、常に隙間無く体裁の良い状態が維持
できる車両用シートのシートクツシヨンを提供す
ることを目的とする。

〔考案の構成〕 （問題を解決するための手段） 本考案の車両用シートのシートクツシヨンは、
上記目的を達成すべく、表皮により覆われたポリ
ウレタンホーム製等のクツシヨン体の側面部に該
表皮内側に前後方向に長く亘つて配してゴム等の
弾性材より成形された断面略直角三角形状の中空
状をなすクツシヨン側縁押えを設けて構成したこ
とを特徴とする。

（作用） 上記構成により、腰掛けた着座者の荷重により
上面中央寄りが凹むように圧縮されると、その中
央寄りの圧縮変形により側縁部が逆に内側に引張
られて反り返るように浮き上ろうとするが、その
側縁部の表皮内側にゴム等の弾性材より成形され
た断面略直角三角形状の中空状をなすクツシヨン
側縁押えが前後方向に長く亘つて配設されている
ことで、このクツシヨン側縁押えにより該側縁部
の反り返るような浮き上りが防止されて、下部座
受けフレームから離間して隙間を生じるようなこ
とが無くなる。

（実施例） 以下本考案に一実施例を第１図乃至第３図によ
り説明する。なお車両用シート全体は第４図及び
第５図に示したものと同様であるので図示省略す
る。

まず第１図において１３はFRP等の成形品で
ある下部座受けフレームで、左右側部に立上がり
縁部１３ａを有している。１４はその下部座受け
フレーム１３上に略下半部を嵌込むようにして脱
着可能に設けられたシートクツシヨンを示してい
る。ここで、そのシートクツシヨン１４はクツシ
ヨン体１５を布や合成樹脂製等の表皮（上張り）
１６で覆つた構成で、座り心地を良くするなどの
為に、クツシヨン体１５がポリウレタンホーム等
の各種硬さが異なる複数種のパツト１５ａ，１５
ｂ，１５ｃ，１５ｄ，１５ｅを組合わせることで
構成されている。

こうしたシートクツシヨン１４のクツシヨン体
１５の左右側面部に表皮１６内側に位置して前後
方向に長く亘りクツシヨン側縁押え１７が設けら
れている。つまり、クツシヨン側縁押え１７はク
ロロプレンゴム等の弾性材より一体成形されたも
ので、断面略直角三角形状の中空状をなす長尺の
ものであり、その底板部１７ａに垂直に立上がる
外側板部１７ｂは比較的に肉厚で、傾斜した内側
板部１７ｃは薄肉とされている。またその外側板
部１７ｂと内側板部１７ｃとが結合する上端部か
ら外側方に水平に張出すように天板部１７ｄが一
体に設けられている。そしてこのクツシヨン側縁
押え１７は前記クツシヨン体１５の側面部の略下
半部分に形成した凹部にぴつたり納まるように添
着され、その外側に表皮１６が張られて、下部座
受けフレーム１３の立上がり縁部１３ａの内側に
嵌められている。なおクツシヨン側縁押え１７の
上端天板部１７ｄは下部座受けフレーム１３の立
上がり縁部１３ａの上側に乗る状態となる。

而して、上述したシート側縁押え１７を設けた
シートクツシヨン１４では、その上に着座者が腰
掛けた場合、第３図に示し如く該着座者の荷重に
より上面中央寄りが凹むように表皮１６と共にク
ツシヨン体１５が圧縮される。これと同時にその
クツシヨン体１５の中央寄りの圧縮変形により側
縁部Ａが逆に第６図で示した如く反り返るように
浮き上ろうとするが、その側縁部Ａの表皮内側に
ゴム等の弾性材より成形された断面略直角三角形
状の中空状をなすクツシヨン側縁押え１７が前後
方向に長く亘つて配設されていて、このクツシヨ
ン側縁押え１７の傾斜した薄肉な内側板部１７ｃ
のみが着座者の荷重により弾性変形するだけで、
その他の肉厚な部分１７ａ，１７ｂ，１７ｄが殆
ど変形しないので、該側縁部Ａの反り返るような
浮き上りを防止するようになる。これにてシート
クツシヨン１４の側縁部Ａが下部座受けフレーム
１３の立上がり縁部１３ａから離間して隙間を生
じるようなことが無くなる。

なお、上記実施例ではクツシヨン側縁押え１７
の上端に外側に張出す天板部１７ｄを有したが、
その天板部１７ｄは特に設けなくとも良い。

〔考案の効果〕

本考案の車両用シートのシートクツシヨンは上
述した如くなしたから、着座者の荷重によりクツ
シヨン体上面中央寄り部が圧縮されて凹んでも、
その側面部の表皮内側にゴム等の弾性材より成形
された断面略直角三角形状の中空状をなすクツシ
ヨン側縁押えが前後方向に長く亘つて配設されて
いるので、従来のように側縁部が反り返る如く浮
き上つて座受けフレームとの間に隙間を生じてし
まうとこが無く、常に隙間無く体裁の良い状態が
維持できるものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示すも
ので、第１図は要部断面図、第２図はクツシヨン
側縁押えの斜視図、第３図は着座者の荷重を受け
た時の作用説明図、第４図は車両用シート全体の
側面図、第５図は同正面図、第６図は従来のシー
トクツシヨンの着座者の荷重を受けた時の作用説
明図である。 １３……下部座受けフレーム、１４……シート
クツシヨン、１５……クツシヨン体、１６……表
皮、１７……クツシヨン側縁押え。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両用シートの下部座受けフレーム上に設置さ
   れるシートクツシヨンにおいて、表皮により覆わ
   れたポリウレタンホーム等のクツシヨン体の側面
   部に該表皮内側に前後方向に長く亘つて配してゴ
   ム等の弾性材より成形された断面略直角三角形状
   の中空状をなすクツシヨン側縁押えを設けて構成
   したことを特徴とする車両用シートのシートクツ
   シヨン。