JPH0642514Y2 - ヘッドレスト一体シートバック - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はシートバックの上端にヘッドレストが一体に形
成されたヘッドレスト一体シートバックに関する。

〔従来の技術〕

従来より種々のシートバックが存在し、シートバックと
別体のヘッドレストを形成し、このヘッドレストを上下
動自在にシートバックに取付けたものや、シートバック
と一体にヘッドレストを形成したもの等が存在する。

またシートバックはシートバックフレームと、このシー
トバックフレームに取付けられるパッド材と、このパッ
ド材を被覆する表皮材等とから形成され、サイドサポー
ト部やランバーサポート部等がパッド材に形成され、長
時間の着座状態でも着座者が疲労しないように構成され
ている。

〔考案が解決しようとする課題〕

然し乍ら、従来のヘッドレスト一体シートバックにおい
ては、着座者との密着性が欠け、サイドサポート部やラ
ンバーサポート部等を設けてもサポート不足が発生する
場合が多く、着座者の疲労を十分に軽減することができ
ない状態にあった。また車両等のシートのシートバック
に用いる場合には、運転時と休息時とでサポート感触を
硬質または軟質に変化させることが要望されるが、異な
る硬度のパッド材をインサートしたり、積層しなければ
ならず、製造作業が煩雑でコスト高となり、これらの要
望が十分に満たされていないものであった。

本考案の目的は着座者との密着性が優れ、着座者の疲労
を十分に軽減することができ、また運転時と休息時とで
サポート感触を簡単な構成で変化させることのできるヘ
ッドレスト一体シートバックを提供するものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は上述せる課題に鑑みてなされたもので、シート
バックの上端にヘッドレストが一体に形成されたヘッド
レスト一体シートバックにおいて、前記シートバックの
シートバック部とヘッドレスト部が連続する位置のパッ
ド材の表面側の左右両側部にわん状の一対の突部が形成
され、パッド材の一対の突部間に凹陥部が形成され、前
記パッド材を被覆する表皮材が一対の突部間の凹陥部に
空間を形成するように張設され、且つ前記表皮材が前記
一対の突部の外周部の上，下端側に前記パッド材と空間
を形成するように張設されていることを特徴とする。

〔作用〕

本考案に依れば、シートバック部とヘッドレスト部が連
続する位置のパッド材の表面側の左右両側部にわん状の
一対の突部が形成され、この一対の突部間に凹陥部が形
成され、この凹陥部は着座者の頭部または首部の位置に
対応しており、またパッド材に被覆される表皮材が前記
一対の突部の外周部の上，下端側で前記パッド材と空間
を置いて張設され、一対の突部間に形成される凹陥部で
は表皮材が浮いた状態に張設されているので、着座者の
休息時等には頭部または首部をパッド材より浮かした状
態で且つ軟質の状態でサポートすることができ、運転時
等には前記一対の突部が着座者の背中または肩部を確実
にサポートし、また空間を形成するように張設された表
皮材が着座者の頭部及び首部に接触し、頭部及び首部を
柔軟に支持し、更に衝撃時には着座者の頭部を確実に支
持することができるものである。

〔実施例〕

以下本考案に係るヘッドレスト一体シートバックを図面
を参照して詳述する。

第１図乃至第３図には本考案の一実施例の概略が夫々示
されており、第１図にはヘッドレスト一体シートバック
12を用いたシート11が示されている。このヘッドレスト
一体シート11はシートクッション13とシートクッション
13の後端より上方に突設されたシートバック12とを備え
ている。シートバック12はシートバック部12aとヘッド
レスト部12bが一体に形成されているものである。

前記シートバック12はシートバックフレーム15と、この
シートバックフレーム15に取付けられたパッド材16と、
このパッド材16を被覆する表皮材17とを備えている。前
記表皮材17は表面側の表皮18と、この表皮18の裏面側に
接合されたワディング19とから形成され、または一枚も
のの合成樹脂シートからなる表皮材17であってもよい。

前記パッド材16の表面側の前記シートバック部12aとヘ
ッドレスト部12bとの連続する位置の左右両側部にわん
状の一対の突部21が形成され、第２図に示す如く、パッ
ド材16の中央部に凹陥部23が形成されている。パッド材
16に一対のわん状の突部21が形成されているので、パッ
ド材16に表皮材17を張設した場合に、一対の突部21の外
周部の下端側で前記パッド材16との間に空間25が形成さ
れる。

従って、第４図に示す如く、着座者が休息時等に頭部を
突部21の上端側に位置させ、首部を一対の突部21間の凹
陥部23に位置させることができ、頭部または首部を表皮
材17とパッド材16との間に形成された空間25によりパッ
ド材16より浮かした状態でサポートすることができる。
また第５図に示す如く、着座者が運転時等に一対のわん
状の突部21に背中または肩部を当接させることができ、
突部21のクッション性により着座者の背中または肩部を
確実にサポートすることができ、また凹陥部23に空間を
形成するように張設された表皮材17により着座者の頭部
及び首部が柔軟に支持される。

尚前記突部21にヒーター，磁石，遠赤外線発生装置，ま
たはマッサージ器等を取付け、着座者の疲労回復に用い
ることもできる。

〔考案の効果〕

以上が本考案に係るヘッドレスト一体シートバックの一
実施例の構成であるが、斯る構成に依れば、シートバッ
クのシートバック部とヘッドレスト部が連続する位置の
パッド材の表面側の左右両側部にわん状の一対の突部が
形成され、パッド材の一対の突部間に凹陥部が形成さ
れ、前記パッド材を被覆する表皮材が一対の突部間の凹
陥部に空間を形成するように張設され、且つ前記表皮材
が前記一対の突部の外周部の上，下端側に前記パッド材
と空間を形成するように張設されているので、着座者の
休息時等には頭部または首部をパッド材より浮かした状
態でサポートすることができ、運転時等には前記一対の
突部が着座者の背中または肩部を確実にサポートするこ
とができ、また空間を形成するように張設された表皮材
が着座者の頭部及び首部に接触し、頭部及び首部を柔軟
に支持し、着座者とシートバックとの密着性が優れ、着
座者の疲労を十分に軽減させることができるヘッドレス
ト一体シートバックを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案に係るヘッドレスト一体シー
トバックの一実施例の概略を夫々示すもので、第１図は
シートの斜視図、第２図は第１図のII-II線断面図、第
３図は第１図のIII-III線断面図、第４図及び第５図は
休息時及び運転時の着座状態を夫々示す側面説明図であ
る。 図中、11……シート、12……ヘッドレスト一体シートバ
ック、12a……シートバック部、12b……ヘッドレスト
部、15……シートバックフレーム、16……パッド材、17
表皮材、21……突部、23……凹陥部、25……空間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シートバックの上端にヘッドレストが一体
   に形成されたヘッドレスト一体シートバックにおいて、
   前記シートバックのシートバック部とヘッドレスト部が
   連続する位置のパッド材の表面側の左右両側部にわん状
   の一対の突部が形成され、パッド材の一対の突部間に凹
   陥部が形成され、前記パッド材を被覆する表皮材が一対
   の突部間の凹陥部に空間を形成するように張設され、且
   つ前記表皮材が前記一対の突部の外周部の上，下端側に
   前記パッド材と空間を形成するように張設されているこ
   とを特徴とするヘッドレスト一体シートバック。