JPS6112838Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、シートに取り付けられる回動型のア
ームレストに関するものである。

例えば、車両用のベンチ型のシートにはセンタ
部分に回動型のアームレストを取り付け、安息用
として必要時にアームレストをシートクツシヨン
の上方に回動させて使用し、不要時にはアームレ
ストをシートバツクに形成された収納部に、シー
トバツクの前面と同一面に収納し、シートバツク
の一部として使用するものがある。

しかし、従来のこの種アームレストは、アーム
レストフレームと緩衝材とが製造時に不離一体に
形成されているため、アームレストフレームの表
面側と裏面側とをアームレストに適する硬度とシ
ートバツクに適する硬度との相異なる硬度に形成
することは非常にむずかしい欠点があり、また表
皮の端末部処理、例えば縫製等に多くの手数を要
する等の欠点があつた。

本考案の目的は、前記従来のアームレストの欠
点をなくし、アームレストとしての使用時および
シートバツクの一部としての使用時とも良好な使
用感を有し、しかも各部材の製造、組み付けが簡
単なシートのアームレストを提供することを目的
とするもので、以下図面を参照して詳述するとこ
ろより明らかとなるであろう。

第１図ないし第３図は、本考案に係るアームレ
ストの第１実施例を示すもので、シートクツシヨ
ン１とシートバツク２とを備えるシートの前記シ
ートバツク２のセンタ部分に、アームレスト用の
収納部３が形成され、該収納部３にアームレスト
４が設けられている。

前記アームレスト４は、シートバツクフレーム
（図示せず）にヒンジ（図示せず）を介して回動
自在に取り付けられており、このアームレスト４
は必要時には第１図、第２図に示されるごとく、
シートクツシヨン１の上方に回動され、不要時に
は前記収納部３内にシートバツク２の前面と同一
面に収納され、シートバツクの一部として使用さ
れるようになつている。

そして、前記アームレスト４はアームレストフ
レーム５と表面側の緩衝材７と裏面側の緩衝材８
とで構成されている。

前記アームレストフレーム５には、本実施例に
おいては係合凸部用の挿通孔６が長さ方向に複数
個、図面では２個形成されている。このアームレ
ストフレーム５の後端がシートバツクフレームに
ヒンジ結合されている。

表面側の緩衝材７は、パツド９を表皮１１で被
覆して形成され、アームレストフレーム５への当
接面にはプレート１３′に設けられかつ前記挿通
孔６を通過しうる大きさの係合凸部１３を有して
いる。この表面側の緩衝材７のパツド９は、アー
ムレストに適する硬度の材料で成形されている。

一方、裏面側の緩衝材８は、パツド１０を表皮
１２で被覆して形成され、アームレストフレーム
５への当接面には前記係合凸部１３を係合状態を
保持しうる係合凸部１４が形成されている。この
裏面側の緩衝材８のパツド１０は、シートクツシ
ヨンに適する硬度の材料で成形されている。

前記各表皮１１，１２の端末部は、当該緩衝材
７，８の当接面において、溶着または接着等の手
段で簡易処理され、かつこの簡易処理で十分であ
る。尚前記係合凸部１３と係合凹部１４とは金属
材或は硬質プラスチツク等により形成される。

前記緩衝材７はアームレストフレーム５の表面
側に配設され、また緩衝材７に設けられた係合凸
部１３はアームレストフレーム５に形成された挿
通孔６に通して裏面側に突出され、前記緩衝材８
はアームレストフレーム５の裏面側に配設され、
緩衝材８に形成された係合凹部１４はアームレス
トフレーム５の裏面側に突出された前記係合凸部
１３に係合され、両緩衝材７，８は前記係合凸部
１３と係合凹部１４との係合を介して互いに結合
され、アームレストフレーム５に固着されてい
る。

前記実施例のアームレストは、第１図および第
２図に示されるように、シートクツシヨン１の上
方に回動させて配置させた使用状態では、アーム
レストに適する硬度に形成された緩衝材７が表面
になるので、アームレストとしての使用感が良好
であり、またアームレストを回動させてシートバ
ツク２に形成された収納部３内に収納させたとき
は、シートバツクに適する硬度に形成された緩衝
材８がシートバツク２の一部を構成するようにな
るので、シートバツクとしての使用感をも満足さ
せうる。

なお、本考案では裏面側の緩衝材８に係合凸部
１３を設け、表面側の緩衝材７に係合凹部１４を
形成してもよい。さらに、本考案は車両用シート
に適用されるものに限らないこと勿論である。

以上が本考案にかかるアームレストの第１実施
例の構成であるが、かかる構成によればアームレ
ストフレームの表面側にはアームレストに適する
硬度の緩衝材を、裏面側にはシートバツクに適す
る硬度の緩衝材をそれぞれ配置し、互いに結合し
ているので、アームレストとしての使用時および
シートクツシヨンの一部としての使用時とも良好
な使用感を付与しうる効果がある。

さらに、緩衝材を表面側と裏面側とに分割して
形成し、結合するようにしているので、表、裏面
を互いに異なる硬度に、容易に成形でき、かつ
表、裏面側の緩衝材とも表皮の端末部はアームレ
ストフレームとの当接面において簡易処理するだ
けで十分なるため、端末部処理も容易にでき、し
たがつて簡単に製造できる効果を有するほか、
表、裏面側の緩衝材をアームレストフレームに形
成された挿通孔に挿通された係合凸部とこれに対
向する係合凸部との係合を介して簡単に結合でき
るので、アームレストフレームへの表、裏面側の
緩衝材の組み付けも容易に行いうる効果がある。

第４図及び第５図には本考案に係るアームレス
トの第２及び第３実施例の概略が夫々示されてお
り、第４図に示す第２実施例においては、アーム
レストフレーム５の両面に係合凸部１３が形成さ
れ、この係合凸部１３と夫々対向する表面側緩衝
材７及び裏面側緩衝材８の位置に夫々係合凹部１
４が形成され、前記係合凸部１３と係合凹部１４
が夫々嵌合する事によりアームレスト４が構成さ
れるようになされている事を除いては第１実施例
と同様に構成を有する。

また第５図に示す第３実施例においては、前記
アームレストフレーム５に複数の係合凸部１３と
係合し得る係合孔２１が形成され、表面側緩衝材
７の前記係合孔２１と対向する位置には凹部２２
及び係合凸部１３が形成され、前記裏面側緩衝材
８の前記係合孔２１と対向し、且つ表面側緩衝材
７の凹部２２と対向する位置には係合凸部１３が
形成され、また係合凸部１３と対向する位置には
凹部２２が夫々形成され、前記表面側緩衝材７及
び裏面側緩衝材８の係合凸部１３が夫々アームレ
ストフレーム５の係合孔２１に係止されることに
より、前記表、裏面側緩衝材７及び８がアームレ
ストフレーム５を介して一体的に接合されるよう
になされている事を除いては第１実施例と同様の
構成を有するものである。

第２及び第３実施例においても第１実施例と同
様の種々の効果を有する事明らかであろう。

なお、上述においては本考案の一実施例を示し
たに留まり、本考案の精神を脱することなしに
種々の変形、変更をなしうること明らかであろ
う。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案アームレストの第
１実施例の概略を夫々示すもので、第１図はシー
トへの取り付け状態とアームレストとしての使用
状態を示す斜視図、第２図は一部縦断斜視図、第
３図は分解横断面図、第４図及び第５図は本考案
の第２及び第３実施例の概略を夫々示す分解横断
面図である。 図中、１……シートクツシヨン、２……シート
バツク、３……アームレスト用の収納部、４……
アームレスト、５……アームレストフレーム、６
……係合凸部用の挿通孔、７，８……表、裏面側
の緩衝材、９，１０……パツド、１１，１２……
表皮、１３……係合凸部、１４……係合凹部、２
１……係合孔、２２……凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートバツクに形成された収納部に収納されて
   シートバツクの一部を構成し、必要に応じて前記
   収納部より引出し使用されるシートのアームレス
   トにおいて、一端がシートバツク側に回動自在に
   枢支されたアームレストフレームと、該アームレ
   ストフレームに固着されたアームレスト緩衝材と
   から成り、前記アームレスト緩衝材は表面側緩衝
   材と裏面側緩衝材とが夫々別体に形成され、前記
   表面側緩衝材はアームレストに適する硬度のパツ
   ドが、前記裏面側緩衝材はシートバツクに適する
   硬度のパツドが夫々配設され、前記表面側緩衝材
   と裏面側緩衝材とが前記アームレストフレームを
   介して結合されている事を特徴とするシートのア
   ームレスト。