JPH0317760Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、オートバイ、自動車、航空機、車
両の座席ないしは家具としての椅子類などに使用
されるルーズクツシヨンシートに関するものであ
る。

［従来の技術及びその課題］ 従来、高品質、高級感を示すために、表皮の張
りを弱くして装飾的なしわを表面に発生せしめ、
高級家具調のイメージを与えるルーズクツシヨン
のキルデイング構造においては、表皮と軟質フオ
ーム、裏布、力布とをクツシヨンの前面につい
て、その所望の形状に縫合、接着、接合等がなさ
れており、かかる場合においては、座者の前後方
向と左右方向は同じように縫合等がなされている
ため、ルーズクツシヨン本来のしわ、ボリユーム
感の不足や左右方向のクツシヨン性能およびソフ
ト感が劣る欠点があつた。

この考案は上記の欠点を除去するためになされ
たもので、キルデイング構造効果を充分に出すこ
とが可能で、しかも座り心地のよいルーズクツシ
ヨンシートを得ようとするものである。そして、
特にオートバイのシートにおいて、内腿でクツシ
ヨンを挾持する際のやわらかな感触を良好ならし
めるルーズクツシヨンシートを提供するものであ
る。

［課題を解決するための手段］ 本考案に係るルーズクツシヨンシートは、軟質
フオーム材を表皮材と裏布で挾持したワデイング
をモールドフオーム上に力布を介して載置してな
るルーズクツシヨンシートにおいて、前記ワデイ
ングと前記力布とは、座者に対して上面中央部を
縫合すると共に上面側部を縫合しない構造とした
ことを特徴とするものである。

［実施例］ この考案の一実施例を図面にもとづいて説明す
ると、第１図は本考案の実施例の一部破断した斜
視図であり、第２図は第１図の−線による断
面図、第３図は第１図の−線による断面図、
第４図は第１図の−線による断面図、５図は
クーツシヨンの縁の縫合等を説明する部分断面図
である。

第２図において、１はルーズクツシヨンであ
り、ルーズクツシヨン１はワデイング２、モール
ドフオーム３およびフレーム４からなる。ワデイ
ング２は表皮材５、軟質フオーム材６、裏布７か
ら構成されている。

本実施例においては、ワデイング２は、前記三
者をミシン縫い（即ち縫合）によりキルデイング
加工している。そして、任意の形状に成形（本実
施例では、キルデイング形状は三つの山状になつ
ている）したものが用いられる。なお表皮材５は
布、合成皮革、生地等から成る。

このワデイング２は力布８と縫合等１２がされ
ている。縫合等１２は糸による縫製であり、力布
８はメリヤス、ナイロン等の引つぱり力の強いも
のが用いられる。ルーズクツシヨン１の縁は第５
図に示すように、マチ部１０を覆う表皮材１１、
表皮材５、裏布７、力布８とを縫合等１２し、モ
ールドフオーム３を間において矢印ａ方向に折ま
げフレーム４にタツカー、釘等の固定具１３を打
込んで張設される。モールドフオーム３として
は、半硬質のウレタンフオーム等が用いられる。
そして、モールドフオーム３力布８とのすべりを
良好ならしめるためのポリエチレンなどから成る
被覆フイルム９により覆われている。

本考案においては、第３図で示すように、座者
に対してルーズクツシヨンシート１の上面中央部
を表皮材５と裏布７と力布８とを縫合し、両側部
１５，１５は表皮材５と裏布７の縫合等のみが行
なわれ、力布８とは縫合等がなされていない。本
考案によればクツシヨン１の両側部１５，１５が
第３図のようにワデイング２が力布８と密着して
おらず、力布８を強く張つた状態で固定してもル
ーズクツシヨン本来のルーズ感が衰えることがな
く、しかもクツシヨン効果も充分発揮できる。

また、第４図で示すように、ルーズクツシヨン
シート１の座者の縦方向（前後方向あるいは上下
方向）については、それぞれ、キルデイング構造
れの縫合等１２により、表皮材５、裏布７、力布
８が一体となるように構成されている。これによ
り、座者の縦方向（前後方向或は上下方向）は従
来どおり充分安定して身体が保持されることにな
る。

［考案の効果］ 以上、説明したように、軟質フオーム材を表皮
材と裏布で挾持したワデイングをモールドフオー
ム上に力布を介して載置してなるルーズクツシヨ
ンシートにおいて、前記ワデイングと前記力布と
は、座者に対して上面中央部を縫合すると共に上
面側部を縫合しない構造としたので、クツシヨン
性を良くし、充分なたわみ量を確保でき周囲に美
麗なしわを有するルーズクツシヨンシートを提供
することができる。特に、実施例で示すようなオ
ードバイシートの場合においては、内腿でクツシ
ヨンを挾持する際の感触を良好にし及びボリユー
ム感を有するルーズクツシヨンシートを提供でき
る。

しかも座者の縦方向（前後方向あるいは上下方
向）は安定した従来どおりの尻部、背部の保持が
確保でき、横方向にキルデイング効果およびソフ
ト感を充分現出できるルーズクツシヨンシートが
得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の一部破断した斜視
図、第２図は第１図の−線による断面図、第
３図は第１図の−線による断面図、第４図は
第１図の−線による断面図、５図はクツシヨ
ンの縁の縫合等を説明する部分断面図である。 １……ルーズクツシヨン、２……ワデイング、
３……モールドフオーム、５，１１……表皮材、
６……軟質フオーム材、７……裏布、８……力
布、１２……縫合等、１５……側部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軟質フオーム材を表皮材と裏布で挾持したワデ
   イングをモールドフオーム上に力布を介して載置
   してなるルーズクツシヨンシートにおいて、前記
   ワデイングと前記力布とは、座者に対して上面中
   央部を縫合すると共に上面側部を縫合しない構造
   としたことを特徴とするルーズクツシヨンシー
   ト。