JPH0134581Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はシートバツクを傾斜調節可能とした自
動車等のリアーシートに関する。

車両等の座席、特に自動車のフロントシートに
おいては、着座者が所望の着座姿勢を得られるよ
うにシートバツクを傾斜調節可能とした、リクラ
イニングシートが数多く採用されているが、最近
リアーシートにおいてもシートバツクを傾斜調節
可能としたものが提案され、実用化されている。

このようなシートバツクを傾斜調節可能とした
リアーシートは、シートバツクの後面が車壁面に
より空間的に制約されているため、第１図に示す
ようにシートクツシヨン１を前方に移動し、シー
トバツク２をボデー３の後壁面３ａに沿つてずら
せて傾斜させていたが、この状態においてシート
バツク２の後面とボデー３との間に隙間が生じ、
特にシートバツク２の両側下半部とタイヤハウス
３ｂとの間の隙間は大きく、美観が著しく損なわ
れていた。

このため、シートバツクとボデーの間に、隙間
を隠蔽するサイドカバーを装着したリアーシート
が提案されている。

即ち、第２図に示すようにボデー１１側に前後
方向に移動可能に配設されるシートクツシヨン１
２にヒンジを介して連結されるシートバツク１３
の側部１３ａの後面に、サイドカバー１４の一側
辺部１４ａが接合され、また他側辺部１４ｂはボ
デー１１の側部に膨出して形成されているタイヤ
ハウス１５に板金部材１６及びビス１７にて止着
されており、このサイドカバー１４によつてシー
トバツク１３が傾斜した際に側部１３ａの後面と
ボデー１１のタイヤハウス１５との間に生じる隙
間を隠蔽するようになされている。

しかし、このような構成によると、シートバツ
ク１３の側部１３ａの後面とボデー１１のタイヤ
ハウス１５との間の隙間は隠蔽できるものの、シ
ートバツク１３が傾斜した際に、タイヤハウス１
５の膨出形状に倣つて膨出した膨出部１３ａの下
端が大きく浮き上がり、シートクツシヨン１２の
後端部との間に隙間１８が生じ、この隙間１８か
らシートの裏のボデー１１が見えてしまい、外観
が好ましくないという不都合があつた。

本考案は斯る点に鑑み、サイドカバー及びサイ
ドカバーの装着に改良を施し、上記の問題点を改
善せんとするものである。

以下、図面によつて本考案の一実施例を説明す
る。

第３図において、２１はリアーシート全体で、
２２はシートクツシヨン、２３はシートバツク、
２４はボデーを示し、シートクツシヨン２２とシ
ートバツク２３はヒンジ２５を介して連結されて
おり、またシートクツシヨン２２は、その下面側
に配されるスライドレール２６によつてボデー２
４の床面２４ａに対して前後方向の移動が可能
で、このシートクツシヨン２２の前後移動に伴な
つてシートバツク２３がボデー２４の後壁面２４
ｂに沿つて摺動し傾斜してリクライニング動作が
行なえるようになされている。また、ボデー２４
の後壁面２４ｂの側部にはタイヤハウス２７が膨
出して形成されており、これに倣つてシートバツ
ク２３の側端部も膨出し、膨出部２３ａが形成さ
れている。

このように構成されるリアーシート２１におけ
る、シートバツク２３の膨出部２３ａの後面とボ
デー２４のタイヤハウス２７との間にサイドカバ
ー２８を装着する。即ち、シートバツク２３の膨
出部２３ａの後面にサイドカバー２８の一側片部
２８ａを縫着して接合し、またこのサイドカバー
２８の他側辺部２８ｂの裏面には、二枚片を相互
に押圧して係着させる面フアスナー等の押圧係止
部材２９の一方片２９ａを縫着して接合すると共
に、ボデー２４のタイヤハウス２７側に押圧係止
部材２９の他方片２９ｂを接合して、両片２９
ａ，２９ｂを押圧して係着し、サイドカバー２８
をボデー２４のタイヤハウス２７に止着する。サ
イドカバー２８は第４図に示す如く側面部２８ｃ
を折りたたみ式とし、伸張時にはシートバツク２
３が傾斜した際に生じるボデー２４のタイヤハウ
ス２７との間の隙間を隠蔽するに充分な大きさに
規定する。

また、サイドカバー２８の下部は、シートバツ
ク２３の膨出部２３ａの下方からシートクツシヨ
ン２２の後面まで延長され延長面部２８ｄが形成
されており、この延長面部２８ｄの下端には第５
図に示すようにゴム等の伸縮材３０の先端にフツ
ク３１を取り付けた係着部材３２を設け、この係
着部材３２をシートクツシヨン２２のフレーム２
２ａに係着し、連繋する。尚、サイドカバー２８
の延長面部２８ｄは、シートバツク２３が傾斜し
た際に生じる膨出部２３ａの下端とシートクツシ
ヨン２２の後端部との間の隙間を隠蔽するに充分
な大きさに規定されている。

以上のように構成される本考案のリアーシート
においては、通常時、即ちシートクツシヨン２２
が後方に位置している状態ではサイドカバー２８
の側面部２８ｃは折りたたまれて、シートバツク
２３の膨出部２３ａ後面とボデー２４のタイヤハ
ウス２７との間に収納されており、シートクツシ
ヨン２２の前方移動に伴つてシートバツク２３が
傾斜しボデー２４の後壁面２４ｂとの隙間が大に
なるにつれてサイドカバー２８の一側辺部２８ａ
が引張られて側面部２８ｃが広がる。そのため、
シートバツク２３の膨出部２３ａの後面とボデー
２４の各タイヤハウス２７との間に生じる隙間を
隠蔽し、またシートクツシヨン２２の前方移動に
よつて、シートクツシヨン２２のフレーム２２ａ
に係着されている係着部材３２を介してサイドカ
バー２８の延長面部２８ｄが架張される状態とな
り、この延長面部２８ｄによりシートバツク２３
の膨出部２３ａの下端とシートクツシヨン２２の
後端部との間に生じる隙間を裏側から隠蔽し、こ
のためシート２１の裏のボデー２４が見えること
はない。

以上のような本例のリアーシートによれば、シ
ートクツシヨン２２の前方移動に伴なうシートバ
ツク２３の傾斜によつて生じるシートバツク２３
とボデー２４との間の隙間を隠蔽するばかりでな
く、シートバツク２３の膨出部２３ａの下端とシ
ートクツシヨン２２の後端部との間の隙間も隠蔽
することができ、さらに本例においては、サイド
カバー２８はシートクツシヨン２２の後面まで延
長して形成してあるので、シートクツシヨン２２
の前方移動によつてシートクツシヨン２２の後面
とボデー２４との間に生じる隙間も隠蔽される。
また隙間を隠蔽するサイドカバー２８の側面部２
８ｃは折りたたみ式であるため、収納時に皺等が
生じ醜くなつてしまうこともなく、さらにサイド
カバー２８のボデー２４側の装着に際してはビス
止め等の作業を必要とせず、押圧係止部材２９に
より係着するだけなので取付作業が簡略化し、ま
た部品点数を少なく抑えることができる。

尚、本実施例においてはリアーシートの片側部
分のみ図示して説明したが、他側部分も同様の構
成であることは勿論である。

以上の如く本考案によれば、シートクツシヨン
の前方移動に伴なうシートバツクの傾斜によつて
生じるシートバツクの膨出部後面とボデーの後壁
面特にタイヤハウスとの間の隙間はサイドカバー
の側面部により隠蔽されると共に、シートバツク
の膨出部の下端とシートクツシヨンの後端部との
間の隙間もサイドカバーの下部延長部により隠蔽
されるので、より外観性の優れた自動車等のリア
ーシートを実現することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のシートバツクを傾斜可能とした
自動車等のリアーシートを示す側面図、第２図は
同、片側部分の斜視図、第３図は本考案による自
動車等のリアーシートを示す片側部分の一部切断
した斜視図、第４図は第３図におけるＡ−A′線
の断面図、第５図は要部の拡大図である。 図中、２１はリアーシート、２２はシートクツ
シヨン、２３はシートバツク、２３ａは膨出部、
２４はボデー、２８はサイドカバー、２８ａは一
側辺部、２８ｂは他側辺部、２８ｄは延長面部、
２９は押圧係止部材、３２は係着部材である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ボデー側に前後方向に移動可能に配されるシー
   トクツシヨンにヒンジを介してシートバツクが連
   結され、上記シートクツシヨンの前方移動に伴つ
   て上記シートバツクが傾斜しリクライニング動作
   が行なわれるように構成されると共に、上記シー
   トバツクの両端に形成された膨出部の後面と上記
   ボデーとの間にサイドカバーが装着されて成る自
   動車等のリアーシートにおいて、 上記サイドカバーの下部を上記シートバツクの
   膨出部の下方から上記シートクツシヨンの後面ま
   で延長し、その下端を上記シートクツシヨン側に
   連繋して成り、 このサイドカバーの下部延長部によつて上記シ
   ートバツクの膨出部と上記シートクツシヨンとの
   間に生じる隙間を隠すようにしたことを特徴とす
   る自動車等のリアーシート。