JP4507477B2 - ネットシート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ネットシートに関する。特に、自動車等車両に用いるのに好適なネットシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等車両に用いられるシートは、シートクッションとシートバックとから成っている。シートクッションは人が座る座面に位置するシート部分である。シートバックは人の背当てに位置するシート部分である。いずれのシートにおいても、シートに着座した人の幅方向のホールド性を良くする為に、一般には、幅方向の中央位置より両側位置を前方へ膨出させた構成をとっている。すなわち、シートの幅方向の両側位置に着座者のサイドサポート部を設けて、着座安定感を良好ならしめている。
【0003】
一方、最近ではシートの軽量化を図るために、着座した人が接するシート面を、ネット体で構成するシートが考えられている。シート面がネット体で構成されるシートは、普通には、シートの略外形形状に形成されたシートフレームにネット体のシート面を張った状態、すなわち張設した状態で設けられる。したがって、シート面はおおむね平らな状態となる。このため、前述の着座者のホールド性を良くするためのサイドサポート部の形成は、おおむね平らなシート面の両側部にサポート部となる大きさの別部材としてのパッド部材を後付けして形成している。これにより、後付けした両側のパット部材箇所がネット体のシート面より前方に膨出した形状となり、サイドサポート部として機能して着座安定性を確保している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来のネット体のシート面を用いたシートにおいては、サイドサポート部を形成するためには、ネット体のシート面とは別部材のパッド部材を取付けなければならないという問題がある。
【0005】
而して、この発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであって、この発明が解決しようとする課題は、ネット体のシート面を用いる場合であっても、サイドサポート部の形成を別部材を用いることなく、シート面の形状を変化させることで形成することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を達成するためにこの発明は次の手段をとる。
先ず、この発明の第1の発明に係るネットシートの手段は、シートの幅方向の側面形状骨格を形成するシートフレームに、少なくとも一部がネット体で構成されるシート面が取付けられてなるネットシートにおいて、着座者が接するシート面の裏面であってシート面の幅方向側面の近傍位置と、このシート面の後方に位置するシート構成部材としての固定部位との間に、シート面を該固定部位方向の後方に引張る吊り部材を取付けて、シート面の側部に着座者のサイドサポート部を形成したことを特徴とする。
この発明のネットシートによれば、吊り部材によりシート面の幅方向側面の近傍位置をシート構成部材としての固定部位と連結することにより、シートフレームにおおむね平面状態に張設されたネット体のシート面の中央箇所が後方に引張られて張設した状態となる。これにより着座者が接するシート面の幅方向形状は相対的に中央位置より両側位置が前方へ膨出した構成となり、サイドサポート部が形成される。この形成されたサイドサポート部によって着座者はホールドされる。
【0007】
次に、この発明の第2の発明に係るネットシートの手段は、前述の第1の発明において、吊り部材は可撓性材料で構成されていると共に、固定部位はシートフレームであって、吊り部材と固定部位との取付けは、固定部位には後方に向けた係止片が設けられており、吊り部材には断面略U字形のフック片が取付けられており、フック片が係止片に係合して行われていることを特徴とする。
この発明のネットシートによれば、吊り部材の固定部位への取付けは、係止片へフック片を係合することにより行われる。このようにフック片による係合の取付けは、その取付け作業を比較的容易に行うことができるものである。
【0008】
さらに、この発明の第3の発明に係るネットシートの手段は、前述の第2の発明において、フック片は係止片を挟圧状態で係合していると共に、係合状態で係止片に対する回転を阻止する回転阻止部位が設けられて係合していることを特徴とする。
この発明のネットシートによれば、先ず、フック片は係止片を挟圧状態で係合している。このため挟圧の摩擦力によりフック片は係止片から外れにくくなっている。さらに、フック片には係合状態で係止片に対する回転を阻止する回転阻止部位が設けられている。これによりフック片に回転の外力がかかり係止片から外れる恐れがある場合であっても、回転阻止部位によって回転が阻止され、外れることが確実に阻止される。
【0009】
さらに、この発明の第4の発明に係るネットシートの手段は、前述の第2又は第3の発明において、フック片には可撓性材料の吊り部材の張力を維持するための張力維持部位が一体的に設けられていることを特徴とする。
この発明のネットシートによれば、フック片に可撓性材料の吊り部材の張力を維持する張力維持部位が設けられる。これにより、シートに人が着座してネット体のシート面が多少後方位置に移動し吊り部材の張力が緩む場合であっても、張力維持部位によって吊り部材の張力が維持される。この結果、係止片に係合するフック片にも常時吊り部材の張力状態が付与された状態が維持されるため、フック片への張力が緩むことによって係止片から外れようとする作用力が働くことを未然に防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るネットシートが適用される自動車用のシート10の全体外観斜視図を示す。シート10は、自動車に乗員した人が座る座面16を構成するシートクッション12と、背当て面18を構成するシートバック14とを有している。シートバック14は、シートクッション12に対してリクライニング可能に連結されている。この実施の形態においては、この発明が対象とするネット体で形成したネットシートはシートバック14に適用されている。すなわち、ネット体はシートバック14の背当て面18に採用されて構成されている。したがって、以下、シートバック14の構成を中心に説明する。
なお、シートバック14の背当て面18の両側に、この発明が特徴とするサイドサポート部50が形成されており、着座した人の着座安定性を確保している。
【0011】
シートバック14は主要構成としてシートフレーム20とシート面体22から成っている。シートフレーム20の全体形状が図2に示され、シート面体22の全体形状が図3に示されている。
先ず、図2に基づいてシートフレーム20について説明する。シートフレーム20は、シートバック14の骨格を成す部材で、シートバック14の略外形形状に形成されている。この実施の形態のシートフレーム20は軽量化の観点からマグネシューム材料が用いられて成形されている。シートフレーム20の枠体24は、図2で見て縦方向の2本の部位がシートバック14の両側面部の側面形状骨格を構成している。枠体24は、その側面部の中央部分から下方がシートバック14の前後方向に幅広に形成されており、中央から下部に向かって徐々に前方に膨出する形状に形成されている。枠体24の両下端は、シートバック14の後方側で長尺状の連結補強部26によって連結されている。また、枠体24の上方位置には、矩形状に形成されて上方に突出するヘッドレスト骨格28が形成されている。シートフレーム20は、図1に示すシートクッション12のシートフレームに、図示しないリクライニング機構を介して連結されている。なお、符号54は後で詳述する係止片を示す。
なお、この実施の形態では、シートフレーム20の材料としてマグネシュームを用いたが、アルミなどの軽金属、鉄、合成樹脂でもよい。
【0012】
次に、図3に基づいてシート面体22について説明する。シート面体22は、全体形状が筒状に形成されており、上端及び下端が開放状態に形成されている。この実施の形態では、前述もしたように、ネット体はシートバック14の背当て面18の上方箇所18a及び後面部32等に採用されている。その他の箇所も下地は上述箇所と連続したネット体とされているが、ネット体の表面に別の表皮部材が貼着されて構成されている。
ネット体は、網状部材や、織布状部材など、繊維又は長尺状物を編んだり織ったりすることによって形成されたシート状のネット材で構成されている。ネット材が、前面部34、側面部36,38及び後面部32の所定の形状に裁断され、各面部の隣接部分が縫合されることによって筒状に形成される。なお、前面部34は、シートバック14の背当て面18となっている。この背当て面18の裏面には後で詳述するフック片60を取付けた吊り部材52が取付けられている。
なお、この発明で言う「シート面」は、着座した人が接する側のシート面体22の箇所を指すものであるため、この実施の形態では、背当て面18を形成する「前面部34」がこの発明で言う「シート面」に相当する。
【0013】
シート面体22の開放状態の上端及び下端には、前面部34と後面部32とを接合する接合部材として、ファスナー40及びフック42,42が対としてその端縁に沿って設けられている。
シート面体22の上端は、中央部分のみに接合部材としてのファスナー40が設けられている。ファスナー40の両端から側方にかけては開放状態とされ、対を成す開孔44,44が形成されている。開孔44、44はシートフレーム20のヘッドレスト骨格28を構成する部材を挿通可能とする大きさに形成されている。
【0014】
ネット体の表面に貼着される表皮部材は、この実施の形態では、側面部36,38と前面部34及び後面部32の両側部に、下端から着座した人の脇に対応する高さまでの位置に設けられている。また、背当て面18を構成する前面部34の下部全体に亘っても設けられている。この表皮部材が設けられた箇所を符号36a,38a,34a,32aとして示した。各表皮部材36a,38a,34a,32aはパッド材とそれを覆う表皮材とで構成することができる。パッド材は極薄い薄板状ものであり、従来のサイドサポート部を形成するような大きな塊状の構成のものではない。
表皮材は、種々の織布、不織布、皮革等のシート状部材で形成される。なお、各表皮部材36a,38a,34a,32aのネット体への取付けは、貼着のほか、溶着、接着、縫着など種々の方法で取付けることができる。
【0015】
これらの表皮部材は、着座者と接触する部分に設けられると、表皮部材によってネット体とは異なる接触感を得ることができる。例えば、着席者と接触する部分に、剛性の大きな表皮材を備える表皮部材を設けることによって、ネット体による柔軟な変形能を保持させながら固い感触を得ることができる。また、着座者と接触する部分に、パッド材を備える表皮部材を設けることにより、ネット体の変形を抑制しつつ、パッド材によって柔軟な接触感を付与し、当接部位と着座面との接触面積を増大させることができる。また、パット材により着座者とシートフレームとの接触を避けることができ、座り心地が良い。
【0016】
上述したシートフレーム20と袋状のシート面体22とでシートバック14を組み立てるのは次のようにして行う。ネット体を有する袋状のシート面体22をシートフレーム20の上端、すなわちヘッドレスト骨格28の上側から下方へ向かって通して、シートフレーム20全体を被覆する。被覆した状態でシート面体22の上端のファスナー40及び下端のフック42.42を止めることにより、ネット体を有するシート面体22は張設されて取付けられる。この後、図1で示すヘッドレスト本体46をシートフレーム20のヘッドレスト骨格28に取付けることによりヘッドレスト部が形成され、シートバック14の組み立てが完成する。
【0017】
この実施の形態のネット体を有するシート面体22の袋形状は、自由状態形状において完成体形状より小さく形成されているため、シートフレーム20に通されて被覆された状態では、張設された状態で取付けられる。なお、シート面体22の袋形状は自由状態形状において完成体形状と略同一ないしは多少のゆとりを持って形成することもでき、この場合には後述するサイドサポート部50の形成時に張設された状態となる。そして、この様にすると、袋状のシート面体22のシートフレーム20への被覆の取付けが比較的容易に行うことができると言う利点がある。
【0018】
次に、この発明が特徴とするサイドサポート部50を形成する実施の形態について、図4及び図5に基づいて説明する。図4は図1に示すシートバック14部分のIV―IV線断面図を示す。図5は図4に示す一側部のサイドサポート部50の拡大図を示す。
図4に示すように、シートバック14は図4で見て右側が着座した人の背当て面18となる前面部34、左側が後面部32、上下側が側面部36,38となっている。この発明で言うシート面に相当する前面部34は、その中央部分に対して両側部分(図4では上下部分)が相対的に前方に傾斜して突出した構成となっている。この傾斜して突出形成された両側部分がサイドサポート部50となる。そして、中央部分の背当て面18aがネット体Aで構成されており、サイドサポート部50となる両側部分はネット体Aの表面に表皮部材34a,34aが貼設されて構成されている。なお、図において前方とは図で見て右方向を指す。
なお、図4及び図5に図示されている各構成部分において、ネット体の構成部位箇所を符号Aで示し、表皮部材を構成するパット材の構成部位箇所を符号B、表皮材の構成部位箇所を符号Cで示した。
【0019】
前面部34の中央部分のネット体Aと両側部分のサイドサポート部50となる表皮部材34a,34aを貼設したネット体Aは、その隣接部が縫着により結合されて一体とされている。同様にしてサイドサポート部50と側面部36,38の隣接部の結合、及び側面部36,38と後面部32との隣接部の結合も縫着により一体とされている。この様にして、シート面体22は袋状として構成される。なお、後面部32の両側部の一部は前述もしたようにネット体Aの表面に表皮部材32a,32aが貼着されて構成されている。後面部32の中央部分はネット体Aとして構成されている。
【0020】
シートフレーム20の側部を形成する2本の枠体24は細長い断面S字形状に形成されており、この枠体24,24間に袋状に形成されたシート面体22が被覆される。被覆された状態では、シート面体22の側面部36,38が枠体24の外側に位置した状態となっている。サイドサポート部50は背当て面の前面部34の側部近傍位置(Y位置)裏面が吊り部材52により後方に引張られることにより形成される。吊り部材52の後方端にはフック片60が取付けられており、枠体24の後方部に形成された係止片54に係合して止められている。いわゆる、シート業界で通常言われる「吊り構造」として構成されている。
シート面体22の前面部34はシートフレーム20の枠体24に被覆された状態にあっては、S字形状の前方部位24a間に張られた略平面状とされている。これを吊り部材52を用いた吊り構造で後方に引張ることにより、前面部34の中央位置部分が後方に後退した位置となる。これにより、相対的に枠体24が位置する両側部が傾斜して突出した位置状態となって、サイドサポート部50が形成される。
【0021】
吊り部材52は綿布などの可撓性材料で構成されている。前面部34のY位置におけるネット体Aとの結合は、前面部34の中央位置部分とサイドサポート部50とが縫着される際、綿布の吊り部材52も重ね合わされて一緒に縫着されて結合されている。後方端のフック片60との結合も、フック片60と一体的に形成された弾発片66に縫着により取付けられて行われている。なお、図1でXで示す箇所がいわゆる吊り構造で構成されている箇所である。したがって、吊り部材52、フック片60は一定の幅を以って形成されている(図3参照)。
【0022】
図5に基づいて、吊り部材52の後方端に取付けられたフック片60と、シートフレーム20の枠体24の後端に設けられた係止片54との結合関係の詳細を説明する。係止片54はS字形状の枠体24の延長線上に、枠体24の後方を略U字状に折返し、その先端部分をシートの内方向に折返し、後方に向けて突出した形状として一体的に設けられている。したがって、係止片54となるシートの内方向に折返した部分は一定幅の溝56が形成される。シートフレーム20はマグネシューム材料で形成されているため、係止片54も同じマグネシューム材料で形成されており、剛体形状となっている。
【0023】
フック片60は、ポリプロピレン(PP)、サーモプラスチックオレフイン(TPO)などの樹脂で形成されている。フック片60は断面が略U字形に形成されておって、係止片54を挟む両側片62、64を有する。両側片62、64は自由状態での間隔幅が係止片54の幅より小さく形成されておって、フック片60は係止片54に対して挟圧状態で嵌合している。したがって、挟圧により摩擦力が付与されて嵌合されているため、フック片60に係止片54から外れようとする外力がかかった場合でも、摩擦力により容易に外れることが阻止される。
また、U字形のフック片60の開口部となる両側片62、64の先端部は外方向に開拡したガイド形状62a、64aに形成されている。ガイド形状62a、64aが設けられていることにより、フック片60を係止片54に嵌め込む際、ガイド形状62a、64aに案内されて嵌め込むことができるため、容易に係合させることができる。
【0024】
なお、吊り部材52は袋状のシート面体22の内部にあるが、吊り構造とするためのフック片60の係止片54への係合は次の様にして行う。前述した袋状のシート面体22のシートフレーム20への被覆による取付けにおいて、図3に示すシート面体22を裏返した状態でファスナ40側をシートフレーム20の上部に押し当ててシート面体22の表面が外側になるように被覆していき、図1で示すX位置のわずか下の位置まで被覆した中途状態で、作業者が袋状の中に手を入れて感覚によりフック片60を係止片54に嵌め込んで係合させる。この様に吊り構造とするための取付けは感覚により行うものであるため、フック片60の開口部がガイド形状62a、64aに形成されていることは、作業者の取付け作業を容易とする。
更に、溝56に挿入される側のフック片60の側片64は、そのガイド形状64aの先端部が、係止片54に係合した状態で、枠体24の後方部の内向きの側面24bと当接した状態にある。これにより、フック片60に係止片54に対して回転させようとする外力が加わった場合でも、その回転が阻止されて、フック片60が係止片54から外れるのを阻止する。この意味で、この実施の形態における側片64の先端部のガイド形状64aは、この発明で言う「回転阻止部位」としても機能している。
【0025】
フック片60と一体に形成される弾発片66は、フック片60と二層成形により一体的に構成されている。弾発片66もフック片60と同質系の材料で形成されているが、弾性変形しやすいようにフック片60よりも多少柔らかい材質で形成されている。なお、弾発片66は吊り部材52と接して配置されており、前述もしたように吊り部材52は弾発片66に縫着により取付けられて、結果的にフック片60とも結合された状態にある。
弾発片66は自由状態では図5に二点鎖線で示す位置状態にあるが、吊り構造状態では実線状態にあり、吊り部材52により撓まされた状態となっている。これにより弾発片66には、二点鎖線状態に復元しようとする弾発力が常時作用しており、その弾発力が吊り部材52に付与されている。したがって、吊り部材52が何らかの事情により緩むことがあっても、弾発片66が復元しようとする弾発力により常時張力状態に維持される。これにより、フック片60と係止片54との係合に緩みを与えることもなく、確実に係合状態を維持させることができる。
なお、吊り部材が緩む状態となることが想定されるのは、着座した人が背当て面18としての前面部34に接して、前面部34が図示状態より更に後退したときである。なお、この実施の形態における「弾発片66」は、この発明で言う「張力維持部位」に相当する。
【0026】
この実施の形態では、フック片60と係止片54との係合状態を確実に維持させるための手段として、フック片60の両側片62,64による挟圧による係合手段、側片64の先端ガイド形状64aを回転阻止部位として機能させた回転阻止手段、及び弾発片66による吊り部材52への弾発力付与手段の、3つの手段を用いている。しかし、必ずしも、3つのすべての手段を用いる必要はなく、1つ又は2つの手段を適宜選択して採用しても良い。
この実施の形態では、前述したように、サイドサポート部50を形成するのに、背当て面18としての前面部34の形状を吊り部材52によるいわゆる吊り構造で形成するものであるため、従来のように大掛かりなパット部材を用いることなく、比較的容易に形成することができる。
【0027】
なお、いわゆる吊り構造とすることにより、シート面体22の袋状を形成するのに、前面部34、後面部32、側面部36,38の各隣接部を縫着で結合した場合の、縫着位置のバラツキを吸収することもできる。すなわち、袋状とするのに縫着箇所が多いと、袋状の周囲寸法にどうしてもバラツキが出てくる。しかし、多少のバラツキがあったとしても、吊り部材52の後方への引張りによりサイドサポート部50を形成する際に、そのバラツキを吸収することができる。したがって、袋状の寸法精度もあまり要求されない。
【0028】
以上、この発明の一実施の形態を説明したが、この発明は、その他各種の実施の形態が考えられるものである。
例えば、上述の実施の形態では、シートバック14の背当て面18にネット体を適用したネットシートについて説明したが、シートクッション12の座面16にネット体を適用したネットシートとすることもできる。当然のことであるが、シートクッション12とシートバック14の両者をネットシートとすることもできる。
また、上述の実施の形態では、ネット体はシート面としての前面部34の一部に有する例について説明したが、シート面としての前面部34の全面をネット体として構成しても良い。また、袋状のシート面体22の全体をネット体として構成しても良い。
【0029】
また、上述の実施の形態では、シート面を形成するのに袋状のシート面体22を用いて構成した例について説明したが、いわゆる前面部のみをシートフレーム20に取付ける従来タイプのネットシートであっても、この発明を適用することができる。すなわち、前面部のみで構成されたシート面の側部近傍位置を後方に吊り部材で引張ることによりサイドサポート部を形成することができる。
また、上述の実施の形態では、フック片60を係合させる係止片54がシートフレーム20の枠体24に設けられた例について説明したが、係止片54はシート構成部材を構成する固定部位であれば良い。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、シートの幅方向の側部に設ける着座者のためのサイドサポート部を、シート面の形状を変化させることで形成することができるため、従来のように別部材を用いることなく形成できるという効果がある。
さらに、この発明の第2の発明以下の手段をとることにより、そのサイドサポート部の形成を確実かつ容易に行うことができると共に、形成されたサイドサポート部を確実に維持できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るネットシートが適用されるシートの一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示すシートバックのシートフレームの斜視図である。
【図3】図1に示すシートバックのシート面体の斜視図である。
【図4】図1に示すシートバック部分のIV−IV線矢視断面図である。
【図5】図4の一側部を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
10 シート
12 シートクッション
14 シートバック
18 背当て面
20 シートフレーム
22 シート面体
32 後面部
34 前面部(シート面)
36,38 側面部
50 サイドサポート部
52 吊り部材
54 係止片
60 フック片
62 側片
62a ガイド形状
64 側片
64a ガイド形状(回転阻止部位)
66 弾発片(張力維持部位)

Claims (2)

  1. シートの幅方向の側面形状骨格を形成するシートフレームに、少なくとも一部がネット体で構成されるシート面が取付けられてなるネットシートにおいて、
    着座者が接する前記シート面の裏面であって前記シート面の幅方向側面の近傍位置と、このシート面の後方に位置する前記シート構成部材としての固定部位との間に、前記シート面を該固定部位方向の後方に引張る吊り部材を取付けて、前記シート面の側部に着座者のサイドサポート部を形成する構成であり、
    前記吊り部材は可撓性材料で構成されていると共に、前記固定部位はシートフレームであって、該吊り部材と前記固定部位との取付けは、前記固定部位には後方に向けた係止片が設けられており、前記吊り部材には断面略U字形のフック片が取付けられており、該フック片が前記係止片に係合して行われる構成であり、
    前記フック片は前記係止片を挟圧状態で係合していると共に、U字形の両側片の開口先端部が外方向に開拡したガイド形状に形成されており、該両側片の開口先端部に形成されたガイド形状の一方は係止片への係合状態で前記係止片に対する回転を阻止する回転阻止部位として前記シートフレームの側面に当接した係合状態となって回転を阻止する構成部位ともなっていることを特徴とするネットシート。
  2. 前記フック片には可撓性材料の吊り部材の張力を維持するための張力維持部位が一体的に設けられていることを特徴とする請求項に記載のネットシート。
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