JP2001149166A - 車両用シート - Google Patents

車両用シート

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JP2001149166A
JP2001149166A JP33636699A JP33636699A JP2001149166A JP 2001149166 A JP2001149166 A JP 2001149166A JP 33636699 A JP33636699 A JP 33636699A JP 33636699 A JP33636699 A JP 33636699A JP 2001149166 A JP2001149166 A JP 2001149166A
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智之 北崎
Kenji Ono
健二 小野
Kazuto Kato
和人 加藤
Shunsuke Hijikata
俊介 土方
Shinko Egami
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乗降性を向上できるサイドサポート機能を備
えた車両用シートの提供を図る。 【解決手段】 後車時にはドア側のサイドサポートS・
Sを構成するドア側の上側クッション支持フレーム6の
前端部を、フレーム支持機構15によりシート中央側
へ、かつ、下方へ移動することにより膜状の弾性クッシ
ョン11の着座面を降車時に着座者が足を踏み出す方向
に向けて傾斜させることがきるため、着座者の大腿部が
サイドサポートS・Sに引掛かることがなくスムーズに
降車できて、乗降性を向上することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用シート、とり
わけシートクッションの両側部にサイドサポートを備え
た車両用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】サイドサポートを備えた従来の車両用シ
ートの中には、例えば特開平7−322933号公報に
示すように、サイドサポートの前端部に回動支点を設定
して、該サイドサポートの後端部を下方へ回動変位可能
としたものや、実開平5−29451号公報に示されて
いるように、サイドサポートを駆動機構によって車幅方
向に揺動変位可能としたもの等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記何れの構造のもの
も、サイドサポートがシートクッション側部でその着座
面よりも上方に突出して存在するため、乗員が降車する
際に乗員の大腿部がサイドサポートに引掛かる傾向とな
り易く、乗降性が悪くなってしまうことは否めない。
【0004】また、シートクッションおよびサイドサポ
ートは使用パッド材にある程度大きな厚みを持たせてい
ることから、所要の着座面積を確保しようとするとシー
トクッションが大型化して、車室内におけるシートクッ
ション占有面積が大きくなってしまうばかりでなく、重
量的にも不利となってしまう。
【0005】そこで、本発明は乗降性を向上できると共
に、シートクッションの小型化を実現することができ
て、車室内の居住空間の拡大と車両の軽量化を図ること
ができるサイドサポート機能を備えた車両用シートを提
供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にあって
は、シートクッションフレーム本体のドア側の側部と車
室中央側の側部とに、それぞれ上,下一対のクッション
支持フレームを設けると共に、これらドア側の上,下一
対のクッション支持フレームと車室中央側の上,下一対
のクッション支持フレームとに亘って膜状の弾性クッシ
ョンを掛架・張設して、これらドア側の上側クッション
支持フレームと車室中央側の上側クッション支持フレー
ムによりサイドサポートを構成し、かつ、ドア側の上側
クッション支持フレームをその前端部がフレーム支持機
構によりシート中央側へ、かつ、下方へ移動可能に構成
したことを特徴としている。
【0007】請求項2の発明にあっては、請求項1に記
載のフレーム支持機構が、ドア側の上側クッション支持
フレームの前端部を支持するフロント支持機構と、該上
側クッション支持フレームの後端部を回動自在に支持す
るリヤ支持機構とを備え、フロント支持機構は上下方向
に短縮可能に長さ可変に構成してあると共に、シート中
央側へ倒れ回動可能に構成してあることを特徴としてい
る。
【0008】請求項3の発明にあっては、請求項2に記
載のフレーム支持機構のフロント支持機構は、一定の伸
長位置で長さを固定するロック機構を備えていることを
特徴としている。
【0009】請求項4の発明にあっては、請求項3に記
載の膜状の弾性クッションの一端を、車室中央側の下側
クッション支持フレームの下側を回り込んで配置してシ
ートクッションフレーム本体に固定してある一方、該弾
性クッションの他端をドア側の下側クッション支持フレ
ームの下側を回り込んで配置して後端部をシートクッシ
ョンフレーム本体に回転自在に軸支すると共に、前端部
を牽引機構によりシート中央側へ牽引可能に構成したこ
とを特徴としている。
【0010】請求項5の発明にあっては、請求項4に記
載のドア側の上,下一対のクッション支持フレーム、お
よび車室中央側の上,下一対のクッション支持フレーム
を何れもローラー構造としたことを特徴としている。
【0011】請求項6の発明にあっては、請求項4,5
に記載の牽引機構が、膜状の弾性クッションの牽引され
る前端部をシート中央側へ移動ガイドするガイド手段
と、該前端部を牽引する牽引ワイヤと、該牽引ワイヤを
所要ストローク牽引した位置でロックするワイヤロック
機構と、を備えていることを特徴としている。
【0012】請求項7の発明にあっては、請求項6に記
載の牽引機構の牽引ワイヤが、シートクッションフレー
ム本体の側部に設けたレバーの操作により牽引されるよ
うに構成してあると共に、該レバーはフロント支持機構
のロック機構および牽引機構のワイヤロック機構をロッ
ク解除するロック解除手段を備えていることを特徴とし
ている。
【0013】請求項8の発明にあっては、請求項6に記
載の牽引機構の牽引ワイヤをドアの開扉に連動して牽引
されるように構成してあると共に、フロント支持機構の
ロック機構および該牽引機構のワイヤロック機構を、ド
アに設けたロック解除レバーの操作によりロック解除す
るように構成したことを特徴としている。
【0014】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、乗員の
通常の着座状態では膜状の弾性クッションを掛架したド
ア側および車室中央側の各上側クッション支持フレーム
で着座者の左右側部を支持してサイドサポート機能を発
揮できる。
【0015】また、降車の際にはドア側の上側クッショ
ン支持フレームの前端部をシート中央側へ、かつ、下方
へ移動することによって、該ドア側の上側クッション支
持フレームの前端部を着座者の大腿部の下側へ近付けて
ドア側サイドサポートを降下させると共に、膜状の弾性
クッションの着座面を降車時に着座者が足を踏み出す方
向、つまりドア側かつ前方に向けて傾斜させるため、着
座者の大腿部のサイドサポートへの引掛かりを生じるこ
とがなくスムーズに降車することができて乗降性を向上
することができる。
【0016】更に、前述のように膜状の弾性クッション
を用いているため、従来のパッド材を用いたものと異な
りクッションが嵩張ることがなく、クッションを薄型に
してシートクッションの小型化を実現できて車室内にお
けるシートクッション占有面積を小さくして、車室内の
居住空間を拡大できると共に、車両の軽量化に寄与する
ことができる。
【0017】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
の発明の効果に加えて、フレーム支持機構のフロント支
持機構の短縮作動とシート中央側への倒れ回動とによっ
て、リヤ支持機構を中心としてドア側の上側クッション
支持フレームの前端部をシート中央側へ、かつ、下方へ
スムーズに作動させることができる。
【0018】請求項3に記載の発明によれば、請求項2
の発明の効果に加えて、フレーム支持機構のフロント支
持機構はロック機構によって一定の伸長長さに固定され
るため、ドア側の上側クッション支持フレームのサイド
サポート機能に些かも支障を来すことはない。
【0019】請求項4に記載の発明によれば、請求項3
の発明の効果に加えて、ドア側の上側クッション支持フ
レームの前端部をシート中央側へ、かつ、下方へ移動し
た際に、膜状の弾性クッションのドア側他端の前端部を
牽引機構によりシート中央側へ牽引することによって、
該膜状の弾性クッションのたるみやしわの発生をなくし
て、該弾性クッションの着座面をドア側かつ前方へ向け
て傾斜させることができて、着座者の降車をよりスムー
ズに行わせることができる。
【0020】請求項5に記載の発明によれば、請求項4
の発明の効果に加えて、ドア側の上,下一対のクッショ
ン支持フレーム、および車室中央側の上,下一対のクッ
ション支持フレームを何れもローラー構造としてあるた
め、牽引機構による膜状の弾性クッションの牽引時に、
該弾性クッション材を損傷することなくスムーズに牽引
することができる。
【0021】請求項6に記載の発明によれば、請求項
4,5の発明の効果に加えて、ガイド手段によって膜状
の弾性クッションの前端部を常に適正位置へ牽引移動で
きるため、該弾性クッションの引きつれによるしわの発
生や裂損を回避することができる。
【0022】また、牽引ワイヤの所要ストローク牽引位
置ではワイヤロック機構によって牽引ワイヤをロックす
るため、膜状の弾性クッションの張力保持を容易に行う
ことができる。
【0023】請求項7に記載の発明によれば、請求項6
の発明の効果に加えて、シートクッションフレーム本体
の側部に設けたレバーの操作により牽引ワイヤの牽引操
作を容易に行うことができる。
【0024】また、該レバーに付設したロック解除手段
の操作によって、フロント支持機構のロック機構および
牽引機構のワイヤロック機構を容易にロック解除でき、
従って、片手でこれらのロック解除操作と牽引ワイヤの
牽引操作とを連続してスムーズに行うことができる。
【0025】更に、前記レバーの手動操作でドア側サイ
ドサポートの降下作動を行えて、電気・機械的な駆動手
段を不要とすることができるため、コスト的におよび重
量的により一層有利に得ることができる。
【0026】請求項8に記載の発明によれば、請求項6
の発明の効果に加えて、降車時にドアを開扉するのに先
立って該ドアに設けたロック解除レバーの操作によって
フロント支持機構のロック機構をロック解除すれば、ド
アの開扉に連動して牽引ワイヤが牽引作動されるため、
該牽引ワイヤの牽引操作を不要として操作性を向上する
ことができる。
【0027】また、ドアに設けたロック解除レバーの手
動操作と、ドアの開扉操作によってドア側サイドサポー
トの降下作動を行えて、電気・機械的な駆動手段を不要
とすることができるため、コスト的におよび重量的によ
り一層有利に得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面と
共に詳述する。
【0029】図1〜5において、1はシートクッション
2とシートバック3とからなる車両用シートを示し、シ
ートクッション2の平面略方形のシートクッションフレ
ーム本体4のドア側および車室中央側の各側部下縁には
シートスライド機構5を設けてあって、前後方向にシー
ト位置を移動調整できるようにしてある。
【0030】シートクッションフレーム本体4のドア側
の側部には上,下一対のクッション支持フレーム6,7
を設けてあると共に、車室中央側の側部にも上,下一対
のクッション支持フレーム8,9を設けてあり、これら
ドア側の上,下一対のクッション支持フレーム6,7
と、車室中央側の上,下一対のクッション支持フレーム
8,9とに亘って膜状の弾性クッション11を掛架・張
設して、これらドア側の上側クッション支持フレーム6
と車室中央側の上側クッション支持フレーム8により左
右のサイドサポートS・Sを構成している。
【0031】膜状の弾性クッション11としては、例え
ばキャンバスやゴムシートあるいはそれらの組合せ等を
用いることができる。
【0032】本実施形態では前記クッション支持フレー
ム6,7,8,9は何れもローラーを用いて、膜状の弾
性クッション11がその張設方向に摺動した場合に、そ
の摺動を円滑に行わせると共に弾性クッション11が損
傷することのないようにしている。
【0033】車室中央側の上側クッション支持フレーム
を構成するローラー(以下、上側ローラーと称する)8
は、その前後端部をシートクッションフレーム本体4の
側壁4aの上縁に立設した軸受ブラケット12により回
転自在に軸支してある。
【0034】また、車室中央側の下側クッション支持フ
レームを構成するローラー(以下、下側ローラーと称す
る)9と、ドア側の下側クッション支持フレームを構成
するローラー(以下、下側ローラーと称する)7は、何
れもその前後端部をシートクッションフレーム本体4の
側壁4a,4bに側方へ向けて突設した軸受ブラケット
13により回転自在に軸支してある。
【0035】一方、ドア側の上側クッション支持フレー
ムを構成するローラー(以下、上側ローラーと称する)
6は、フレーム支持機構15により、該上側ローラー6
の前端部がシート中央側へ、かつ、下方へ移動可能に支
持してある。
【0036】このフレーム支持機構15は、前記上側ロ
ーラー6の前端部を支持するフロント支持機構15F
と、該上側ローラー6の後端部を支持するリヤ支持機構
15Rとで構成してある。
【0037】リヤ支持機構15Rは図8,9に示すよう
に、上側ローラー6の後端部を回転自在に軸支した軸受
ブラケット16を、シートクッションフレーム本体3の
上縁で上下方向に回動自在に支持するボールジョイント
17と、軸受ブラケット16を上方へ付勢するスプリン
グ18とを備えている。
【0038】フロント支持機構15Fは図6,7に示す
ように、シリンダ20aとピストン20bとからなるシ
リンダ機構20を備えている。
【0039】シリンダ20aの下端は、シートクッショ
ンフレーム本体3にボルト・ナット22固定したブラケ
ット21にピボット軸23により左右方向に回動自在に
連結してある。
【0040】ブラケット21にはシリンダ20aのドア
側への回動を規制してほぼ直立位置に保持するストッパ
24を設けてある。
【0041】シリンダ20a内にはピストン20bを伸
長方向に付勢するスプリング25を弾装してある。
【0042】また、シリンダ機構20はピストン20b
の一定の伸長位置で該ピストン20bをロックして、シ
リンダ機構20の長さを固定するロック機構26を備え
ている。
【0043】ロック機構26はシリンダ20aに設けた
ブラケット27に保持されて該シリンダ20aを貫通す
るロックピン26aと、ピストン20bに設けられて該
ロックピン26aが係脱するロック溝26bと、ブラケ
ット27に軸支されてロックピン26aを係脱作動する
リンク26cと、該リンク26cをロックピン26aが
ロック溝26bに係合する方向へ回動力を付勢するシリ
ンダ26dとを備えている。
【0044】リンク26cにはロック機構26を牽引操
作によりロック解除させるロック解除ワイヤ28を連結
してある。
【0045】また、フロント支持機構15Fは前記シリ
ンダ機構20のピストン20bの上端部で、上側ローラ
ー6の前端部を回転自在に軸支した軸受ブラケット30
を上下方向に回動自在に支持するボールジョイント31
と、軸受ブラケット30を上方へ付勢するスプリング3
2とを備えている。
【0046】従って、シリンダ機構20のロック機構2
6により長さを固定される伸長位置は、上側ローラー6
の前端が、車室中央側の上側ローラー8の前端と同一の
高さとなる位置に設定される。
【0047】また、シリンダ機構20には起立方向の回
動復帰力を付勢するスプリング29を設けてある。
【0048】膜状の弾性クッション11の車室中央側の
端部およびドア側の端部には、図2に示すようにそれぞ
れ前後2つのリテーナ33,34を固設してある。
【0049】この膜状の弾性クッション11の車室中央
側の端部は、前記下側ローラー9の下側を回り込んでシ
ートクッションフレーム本体4の側壁4aに設けたスリ
ット35Aを通して配置し、該側壁4aの近傍に設けた
前後方向フレーム4Sにリテーナ33を介してボルト・
ナット36により固定してある。
【0050】膜状の弾性クッション11のドア側の端部
は、前記下側ローラー7の下側を回り込んでシートクッ
ションフレーム本体4の側壁4bに設けたスリット35
Bを通して配置し、その後端部をリテーナ34を介して
シートクッションフレーム本体4の後壁4dに近接した
車幅方向フレーム4Rにピボット軸37により水平方向
に回動自在に軸支してあると共に、前端部をリテーナ3
4を介して牽引機構38に連結して該前端部をこの牽引
機構38によりシート中央側へ牽引可能としてある。
【0051】シートクッションフレーム本体4のドア側
の側壁4bと前壁4cは、乗降時および着座時に乗員の
大腿部が干渉しないように高さを低くしてある。
【0052】牽引機構38は、前記膜状の弾性クッショ
ン11の前端部をシート中央側へ移動ガイドするガイド
手段40と、該前端部を牽引する牽引ワイヤ41と、該
牽引ワイヤ41を所要ストローク牽引した位置でロック
するワイヤロック機構42とを備えている。
【0053】ガイド手段40は、シートクッションフレ
ーム本体4の前壁4cに近接した車幅方向フレーム4F
と側壁4bに近接した前後方向フレーム4Sとに跨って
固設したガイドレール40aと、前記膜状の弾性クッシ
ョン11の前端部のリテーナ34にピボット軸43によ
り軸支されてガイドレール40aに沿って摺動するガイ
ドローラー40bとで構成されていて、前記ガイドレー
ル40aは後端部リテーナ34のピボット軸37を中心
とする円弧状に形成してある。
【0054】ガイドレール40aのシート中央側の止端
部には固定ガイドプーリー44を軸支してあると共に、
ガイドローラー40bを軸支した前端部のリテーナ34
に移動ガイドプーリー45を該ガイドローラー40bと
同軸上に軸支してある。
【0055】牽引ワイヤ41は、その一端を膜状の弾性
クッション11の車室中央側の端部に設けた前端部のリ
テーナ33に固定し、その中間部分を前記移動ガイドプ
ーリー45に掛架すると共に、固定ガイドプーリー44
に掛架して、他端をシート後方に引き出してある。
【0056】ガイドローラー40bのピボット軸43と
側壁4bとのには、該ガイドローラ40bの復帰用のス
プリング39を張設してある。
【0057】シートクッションフレーム本体4の略中央
部に設けた車幅方向フレーム4Cおよび後部の車幅方向
フレーム4Rには、牽引ワイヤ41を直線状に後方へ引
き出すためのワイヤガイド46を設けてある。
【0058】ワイヤロック機構42は、ワイヤガイド4
6,46間で牽引ワイヤ41に固設したラチェット42
aと、後部の車幅方向フレーム4Rに軸支されて該ラチ
ェット42aと係脱するロックパウル42bと、該ロッ
クパウル42bをラチェット42aと噛合する方向に回
動付勢するスプリング42cとを備えている。
【0059】ロックパウル42aには牽引操作によりロ
ック解除させるロック解除ワイヤ47を連結してある。
【0060】シートクッションフレーム本体4の側部、
例えば車室中央側の側壁4a又は、該側壁4a側のシー
トスライド機構5のアッパレール5aには、図10に示
すようにレバー50をピボット軸51により上下方向に
回動自在に軸支してあり、該レバー50の下端に前記牽
引ワイヤ41の他端を連結して、レバー50の上方への
回動操作によって牽引ワイヤ41を牽引できるようにし
てある。
【0061】このレバー50には、前記フロント支持機
構15Fにおけるシリンダ機構20のロック機構26、
および牽引機構38のワイヤロック機構42をロック解
除するロック解除手段52を付設してある。
【0062】この実施形態ではロック解除手段52とし
て、レバー50内に軸方向に摺動自在に設けたノブロッ
ド53と、ノブロッド53の下端に連結されてピボット
軸55を中心に回動するノブレバー54と、ノブロッド
53を突出方向に付勢するスプリング56とを備えたノ
ブ機構を用いている。
【0063】前記ロック機構26のロック解除ワイヤ2
8、およびワイヤロック機構42のロック解除ワイヤ4
7の各他端は、このノブ機構52のノブレバー54に連
結してあり、レバー50の端部から突出したノブロッド
53をプッシュ操作することにより、ノブレバー54を
介してこれらロック解除ワイヤ28,47を牽引してロ
ック解除作動できるようにしてある。
【0064】図10中、57はレバー50の復帰用のス
プリングを示す。
【0065】次に以上の実施形態構造の作用について説
明する。
【0066】乗員の通常の着座状態では図11に示すよ
うに着座者の体重によって、膜状の弾性クッション11
がドア側の上側ローラー6と車室中央側の上側ローラー
8との間で下方へ撓んでこれら上側ローラー6,8間で
沈み込むため、該上側ローラー6,8がサイドサポート
として機能して、着座者の大腿部Fおよび図外の臀部の
左右方向(車幅方向)へのずれ動きを拘束し、適正な着
座姿勢を保持させることができる。
【0067】着座者が降車する場合は、先ずレバー50
のノブロッド53をプッシュ操作して、フロント支持機
構15Fのロック機構26のロック解除ワイヤ28を牽
引してロック解除させる。
【0068】そして、レバー50を上方へ引き上げると
牽引ワイヤ41が牽引されて、ガイド手段40のガイド
ローラー40bがガイドレール40aによって図13,
14に示すようにシート中央側へ移動ガイドされ、これ
により膜状の弾性クッション11のドア側の端部は、後
端部のリテーナ34の支持点を中心として前端側がシー
ト中央側へ牽引され、フロント支持機構15Fのシリン
ダ機構20が図12に示すように短縮する。
【0069】前記ガイド手段40のガイドローラー40
bがガイドレール40aのシート中央側の移動限界位置
まで移動すると、牽引ワイヤ41に固定したワイヤロッ
ク機構42のラチェット42aがロックパウル42b位
置に至って該ロックパウル42bと噛合してワイヤロッ
クが行われるから、レバー50から手を離しても前記膜
状の弾性クッション11の牽引状態は保持される。
【0070】前述のレバー50の牽引操作力は、牽引ワ
イヤ41を移動ガイドプーリー45,固定ガイドプーリ
ー44に掛架してあることにより、牽引ワイヤ41で直
接膜状の弾性クッション11を牽引することに較べれば
遥かに操作力が軽減される。
【0071】降車のため着座者が着座状態でドア側大腿
部FD および車室中央側大腿部FCをドア側へ移動さ
せ、ドア側大腿部FD がシリンダ機構20に近接する
と、該シリンダ機構20は図15,16,17に示す如
くシート中央側へ向けて倒れ回動する。
【0072】これにより、ドア側の上側ローラー6の前
端部がドア側大腿部FD の下側に位置するようになると
共に、膜状の弾性クッション11の着座面を降車時に着
座者が足を踏み出す方向、つまり、ドア側かつ前方に向
けて傾斜させる。
【0073】従って、着座者の大腿部Fのサイドサポー
トS・Sへの引掛かりを生じることがなくスムーズに降
車することができる。
【0074】図18,19,20は図17のA線,B
線,C線位置における着座者の身体と膜状の弾性クッシ
ョン11の撓み形状との関係を示しており、図20中、
Hは着座者の臀部を示している。
【0075】降車後は、シリンダ機構20への体重負荷
が無くなるため、該シリンダ機構20はスプリング29
のばね力によって図21に示す如く直立位置に復帰す
る。
【0076】この状態にあっても、膜状の弾性クッショ
ン11が牽引保持されているため該シリンダ機構20は
短縮状態が維持されて、膜状の弾性クッション11の着
座面の前記傾斜状態が保たれており、従って、次に乗車
する際にも大腿部Fがドア側のサイドサポートS・Sに
引掛かることがなく、スムーズに着座することができ
る。
【0077】そして、着座後はレバー50のノブロッド
53のプッシュ操作によりワイヤロック機構42をロッ
ク解除すれば、ガイド手段40のガイドローラー40b
のスプリング39によるイニシャル位置への復帰が可能
となる。
【0078】従って、着座者が若干腰を浮かすようにす
れば、該ガイドローラー40bがイニシャル位置へ速か
に復帰すると共に、シリンダ機構20のピストン20b
がスプリング25により上動されて膜状の弾性クッショ
ン11が引き戻されると共に、シリンダ機構20の所定
の伸張位置でロック機構26のロックピン26aがロッ
ク溝26bに落ち込み係合して自動的にシリンダ機構2
0がロックされるから、ドア側の上側ローラー6は元の
高さ位置に復帰されてサイドサポートS・Sとして機能
することができる。
【0079】以上のようにこの実施形態の構造によれ
ば、通常の着座状態ではドア側の上側ローラー6,車室
中央側の上側ローラー8によってサイドサポート機能が
得られると共に、降車時にはドア側の上側ローラー6の
前端部をシート中央側へ、かつ、下方へ移動させて膜状
の弾性クッション11の着座面を、降車時に着座者が足
を踏み出す方向に傾斜させることができるため、サイド
サポートが乗降の邪魔になることがなく乗降性を向上す
ることができる。
【0080】しかも、前述のように膜状の弾性クッショ
ン11を用いているため、従来のパッド材を用いたもの
と異なりクッションが嵩張ることがなく、クッションを
薄型にしてシートクッション2の小型化を実現でき、従
って、車室内におけるシートクッション占有面積を小さ
くして、車室内の居住空間を拡大できると共に、車両の
軽量化に大きく寄与することができる。
【0081】図22は本発明の第2実施形態を示すもの
で、この第2実施形態にあっては前記第1実施形態にお
ける牽引ワイヤ41の他端部を、ドア60のドアヒンジ
61側の端部に繋留し、ドア60の開扉動作に連動して
該牽引ワイヤ41が牽引されるようにしてある。
【0082】また、ドア60のインナ側面にはロック解
除レバー62,63を設けて、これらロック解除レバー
62,63のそれぞれの操作により、シリンダ機構20
のロック解除ワイヤ28,ワイヤロック機構42のロッ
ク解除ワイヤ47を独立して牽引して、それぞれをロッ
ク解除できるようにしてある。
【0083】これらロック解除ワイヤ28,47は、場
合によって前記ロック解除レバー62,63の何れか1
つによって同時に牽引作動されるようにしてもよい。
【0084】従って、この第2実施形態の構造によれば
前記第1実施形態の効果に加えて、降車時にドア60を
開扉するのに先立って該ドア60に設けたロック解除レ
バー62又は63によってフロント支持機構15Fにお
けるシリンダ機構20のロック機構26をロック解除す
れば、ドア60の開扉に連動して牽引ワイヤ41が牽引
作動されるため、該牽引ワイヤ41の牽引操作が不要と
なって操作性を向上することができる。
【0085】また、ドア60に設けたロック解除レバー
62又は63の手動操作と、ドア60の開扉操作によっ
てドア側サイドサポートの降下作動を行えて、前記第1
実施形態と同様に電気・機械的な駆動手段を不要とする
ことができるため、コスト的におよび重量的により一層
有利に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す略示的斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態における膜状の弾性クッ
ションの斜視図。
【図3】本発明の第1実施形態におけるシートクッショ
ンフレーム本体周りの構造を示す斜視図。
【図4】本発明の第1実施形態におけるシートクッショ
ン下部構造と牽引機構との関係を示す略示的平面説明
図。
【図5】本発明の第1実施形態のシートクッションの略
示的断面説明図。
【図6】本発明の第1実施形態におけるフロント支持機
構の略示的断面説明図。
【図7】図6のA方向から見た略示的断面説明図。
【図8】本発明の実施形態におけるリヤ支持機構の略示
的断面説明図。
【図9】図8のB方向から見た略示的断面説明図。
【図10】本発明の第1実施形態におけるレバーの構造
を模式的に示す説明図。
【図11】本発明の第1実施形態における通常の着座状
態時におけるシートクッション前端部分の構造を模式的
に示す説明図。
【図12】本発明の第1実施形態における降車開始時に
おけるシートクッション前端部分の構造を模式的に示す
説明図。
【図13】図12の状態時におけるシートクッション下
部構造を略示的に示す平面図。
【図14】図12の状態時におけるシートクッションの
略示的断面説明図。
【図15】本発明の第1実施形態におけるフロント支持
機構が倒れ回動した状態を示す図3と同様の斜視図。
【図16】図15に示す状態時におけるシートクッショ
ン前端部分の構造を模式的に示す説明図。
【図17】図15に示す状態時における車両用シートを
全体的に示す略示的斜視図。
【図18】図17のA線位置におけるシートクッション
の構造を模式的に示す説明図。
【図19】図17のB線位置におけるシートクッション
の構造を模式的に示す説明図。
【図20】図17のC線位置におけるシートクッション
の構造を模式的に示す説明図。
【図21】本発明の第1実施形態における降車後のシー
トクッション前端部分の構造を模式的に示す説明図。
【図22】本発明の第2実施形態を示す略示的斜視図。
【符号の説明】
1 車両用シート 2 シートクッション 4 シートクッションフレーム本体 6 ドア側の上側クッション支持フレーム 7 ドア側の下側クッション支持フレーム 8 車室中央側の上側クッション支持フレーム 9 車室中央側の下側クッション支持フレーム 11 膜状の弾性クッション S・S サイドサポート 15 フレーム支持機構 15F フロント支持機構 15R リヤ支持機構 26 フロント支持機構のロック機構 38 牽引機構 40 ガイド手段 41 牽引ワイヤ 42 ワイヤロック機構 50 レバー 52 ロック解除手段 60 ドア 62,63 ロック解除レバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野 健二 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 加藤 和人 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 土方 俊介 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 江上 真弘 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3B084 BA00 3B087 BD00 BD15 DB00 DB03 DE00 DE10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートクッションフレーム本体のドア側
    の側部と車室中央側の側部とに、それぞれ上,下一対の
    クッション支持フレームを設けると共に、これらドア側
    の上,下一対のクッション支持フレームと車室中央側の
    上,下一対のクッション支持フレームとに亘って膜状の
    弾性クッションを掛架・張設して、これらドア側の上側
    クッション支持フレームと車室中央側の上側クッション
    支持フレームによりサイドサポートを構成し、かつ、ド
    ア側の上側クッション支持フレームをその前端部がフレ
    ーム支持機構によりシート中央側へ、かつ、下方へ移動
    可能に構成したことを特徴とする車両用シート。
  2. 【請求項2】 フレーム支持機構が、ドア側の上側クッ
    ション支持フレームの前端部を支持するフロント支持機
    構と、該上側クッション支持フレームの後端部を回動自
    在に支持するリヤ支持機構とを備え、フロント支持機構
    は上下方向に短縮可能に長さ可変に構成してあると共
    に、シート中央側へ倒れ回動可能に構成してあることを
    特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
  3. 【請求項3】 フレーム支持機構のフロント支持機構
    は、一定の伸長位置で長さを固定するロック機構を備え
    ていることを特徴とする請求項2に記載の車両用シー
    ト。
  4. 【請求項4】 膜状の弾性クッションの一端を、車室中
    央側の下側クッション支持フレームの下側を回り込んで
    配置してシートクッションフレーム本体に固定してある
    一方、該弾性クッションの他端をドア側の下側クッショ
    ン支持フレームの下側を回り込んで配置して後端部をシ
    ートクッションフレーム本体に回転自在に軸支すると共
    に、前端部を牽引機構によりシート中央側へ牽引可能に
    構成したことを特徴とする請求項3に記載の車両用シー
    ト。
  5. 【請求項5】 ドア側の上,下一対のクッション支持フ
    レーム、および車室中央側の上,下一対のクッション支
    持フレームを何れもローラー構造としたことを特徴とす
    る請求項4に記載の車両用シート。
  6. 【請求項6】 牽引機構が、膜状の弾性クッションの牽
    引される前端部をシート中央側へ移動ガイドするガイド
    手段と、該前端部を牽引する牽引ワイヤと、該牽引ワイ
    ヤを所要ストローク牽引した位置でロックするワイヤロ
    ック機構と、を備えていることを特徴とする請求項4,
    5に記載の車両用シート。
  7. 【請求項7】 牽引機構の牽引ワイヤが、シートクッシ
    ョンフレーム本体の側部に設けたレバーの操作により牽
    引されるように構成してあると共に、該レバーはフロン
    ト支持機構のロック機構および牽引機構のワイヤロック
    機構をロック解除するロック解除手段を備えていること
    を特徴とする請求項6に記載の車両用シート。
  8. 【請求項8】 牽引機構の牽引ワイヤをドアの開扉に連
    動して牽引されるように構成してあると共に、フロント
    支持機構のロック機構および該牽引機構のワイヤロック
    機構を、ドアに設けたロック解除レバーの操作によりロ
    ック解除するように構成したことを特徴とする請求項6
    に記載の車両用シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003070592A (ja) * 2001-09-07 2003-03-11 Araco Corp ネットシート
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