JPH0412731Y2 - - Google Patents

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JPH0412731Y2
JPH0412731Y2 JP19637186U JP19637186U JPH0412731Y2 JP H0412731 Y2 JPH0412731 Y2 JP H0412731Y2 JP 19637186 U JP19637186 U JP 19637186U JP 19637186 U JP19637186 U JP 19637186U JP H0412731 Y2 JPH0412731 Y2 JP H0412731Y2
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  • Installation Of Indoor Wiring (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、発電所、プラント設備などの集中制
御室の床等に形成される耐火気密床貫通部への電
線挿通治具に関する。
〔従来の技術とその問題点〕
発電所、プラント設備などの集中制御室に電
線・ケーブルを引き入れる際、電線・ケーブル
は、ケーブル集中室に集中されたのち、制御室と
集中室を隔てる床に形成した所定の電線・ケーブ
ル床貫通孔を経て制御室に引き入れられる。
ここで、前記ケーブル集中室で何らかの原因で
火災が発生した場合、ケーブル集中室に不活性ガ
スを注入して窒息消化させるのが一般的である
が、前記ケーブル集中室と制御室との間に通じる
前記床貫通孔が耐火気密性を有していない場合、
前記不活性ガス(フロンガス、炭酸ガス)あるい
は火災によつて発生する有害ガスが制御室に流入
し、窒息等の二次災害が発生する恐れがある。
この問題を解決するものとして、本出願人は実
願昭57−183810号(実開昭59−149417号)で「耐
火気密ユニツト」を提案し、耐火・気密性作業の
簡便性の点で良好との確認をしたが、このもの
は、壁貫通部を対象として考案されたものである
ため、床下からケーブルを貫通させる「床貫通
部」に適用した場合、以下に述べるような新たな
問題が発生して来た。
すなわち、床貫通孔の構造を見ると、多くの制
御機器が据付けられるため、集中制御室のスラブ
は普通のものよりはるかに厚くされており、ビー
ムも多くして強度を高くしている。
更に、制御盤を据付ける部分にはH形鋼が並行
に敷設してあるため、電線・ケーブルの床貫通孔
は極めて深く狭いものとなつている。
この床貫通孔に電線・ケーブルを挿通するに
は、上から下に行うとやり易いが、その際、床貫
通部の部品、挿通した電線・ケーブルの端末部材
が落下して労働災害が発生する恐れがるので、下
から上に挿通するようにしている。
さらに、電線・ケーブルの床貫通孔の大きさ
は、通常、縦150〜450(mm)、横300〜900(mm)位
で、H形鋼の上面からの深さは、800(mm)以上も
あり、この寸法では、その殆どが中に入つて作業
が出来ないから、床貫通孔の下部から電線・ケー
ブルを押し上げてH形鋼の上面に至らしている。
ところが、挿通する電線の多くは、可撓性がある
ため、押し上げられた電線端はその自重で下向き
になつてしまい、形鋼の上面に至らず、手かぎの
ようなもので引き上げるようにしている。
さらに、電線・ケーブルを床貫通孔に挿通した
後、該電線・ケーブルを引続いて延線する場合が
しばしば発生する。この場合、耐火性を付与する
ために設ける石綿発泡体層は、脆いものであるた
め、この延線する電線・ケーブルとの摩擦によつ
て電線挿通孔の縁が欠けはじめ、遂には孔が大き
くなつて、後に注入する気密性を付与するための
シール材の洩れ量が多くなる問題がある。
〔考案の目的〕 本考案は、以上の点に鑑み成されたもので、耐
火気密床貫通部にその下方から電線・ケーブルを
円滑に挿通し得るとともに、延線時の石綿発泡体
層の欠損をなくし得る電線挿通治具を提供するこ
とを目的とする。
〔目的を達成するための手段〕
上記目的を達成するため、本考案にあつては、
パイプの先端に電線・ケーブルのコレツト状掴持
部を設けるとともに、前記パイプ先端に前記掴持
部に被さる円錐の冠状鏃を螺着し、この鏃の内面
は、前記掴持部の外面に摺接して狭窄するテーパ
面となつている電線挿通治具としたのである。
〔作用〕
上記の如く構成される本考案の電線挿通治具に
あつては、パイプ後端から電線・ケーブル端を挿
通し、該電線・ケーブルの端末をパイプ上部に設
けた掴持部に嵌め、該パイプの先端に鏃を螺着し
掴持部を狭窄して電線・ケーブル端末を掴持す
る。
この状態で、パイプを鏃側から石綿発泡体を嵌
着した床貫通孔に着き通す。ここで、パイプの長
さは床貫通孔の深さに相当するようにして、パイ
プの先端、即ち電線・ケーブル端を床貫通孔の上
面に至るようにする。
鏃が床貫通孔の上面に到達すると、パイプを引
き上げ、パイプから鏃を取り除くと共に電線掴持
部を緩めて電線・ケーブル端からパイプを抜き取
り、この後必要ならば該電線・ケーブルを延線す
る。
なお、パイプの後端にスリーブを予め嵌めてお
き、パイプ抜き取り時にこのスリーブを石綿発泡
体層の下面に嵌入状態で残すようにすれば、前記
延線時、このスリーブによつて電線・ケーブルと
石綿発泡体層の摩擦が防止される。
〔実施例〕
以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて説
明する。
第1図に示す実施例は、床貫通孔の深さの長さ
を有するパイプ1の先端に、円錐筒状の掴持部2
を設けるとともに、この掴持部2に被さる円錐の
冠状鏃3を螺着したものである。
掴持部2は、先端から軸方向のスリツト4が周
方向等間隔に複数個形成されてコレツトチヤツク
となつており、パイプ1先端に嵌入されてパイプ
内面の突子2′によつて支持される。一方、前記
鏃3の内面は、掴持部2の外面に摺接して狭窄す
るテーパ面となつており、同図に示すように、電
線・ケーブルaをパイプ1後端から挿入して、そ
の導体を掴持部2に挿入し、鏃3をねじ込むと、
掴持部2が狭窄されて電線・ケーブルaの導体が
チヤツキングされる。
パイプ1の後端には、鍔5付のスリーブ6が着
脱可能に嵌入され、このスリーブ6の、長さは
100mm前後とする。
第2図に示す実施例は、先の実施例において、
パイプ1の先端周方向等間隔に複数のスリツト7
を形成し、その部分の先を内方に曲げて爪8とす
るとともにその後部にねじ8′を形成して掴持部
2としたものであり、同様に、電線・ケーブルa
の導体を爪8内に挿入し、鏃3をねじ込むと、掴
持部2(爪8)が狭窄されて電線・ケーブルaの
導体がチヤツキングされる。
この実施例のパイプ1の後部に嵌入されたスリ
ーブ6は、両端をプラスチツクリング6a,6b
とし、両者間をエクスパンシヨンチユーブネツト
6cとポリチユーブ6dの積層体から成るチユー
ブで連結したものから成る。
次に、前記実施例の電線挿通治具Aを用いての
耐火気密床貫通部の工事について説明する。
まず、第3図に示すように、縦300(mm)×200
(mm)×深さ1(m)の模擬床貫通孔10を準備し、
この床貫通孔10の下端に、一方の開口周縁にフ
ランジ11を有し縦290(mm)×横190(mm)×深さ
200(mm)の1.6(mm)厚の鉄板で作られた枠体12
のフランジ側内部に2枚の厚さ50(mm)の石綿発
泡体を伸縮粘着層14を介在させて重ね合せた耐
火断熱部材13を嵌着し、更に該耐火断熱熱部材
13の上下を挾むようにして4φ(mm)の丸鋼によ
つて作られた保護格子15を枠体12に溶着した
ユニツトBを嵌装し、セツトボルド16又は溶接
でフランジ11を介し固定する。
次いで、本考案に係る電線挿通治具Aのパイプ
1(外径20φ(mm))の後端に設けたスリーブ装着
部にスリーブ6を嵌装し、該パイプ1に(外径
15φ(mm))の模擬電線・ケーブル端を通し、該パ
イプ1の先端の掴持部2に導体端を挾挿し、この
状態でパイプ1先端に鏃3を螺合する。このとき
同時に鏃内面のテーパ部で掴持部2は締られて電
線・ケーブル端はチヤツキングされる。
次いで、電線・ケーブル端を掴持した電線挿通
治具Aを前記ユニツトBの耐火断熱層(耐火断熱
部材)13に突き通す。このとき、パイプ1の後
端に嵌装したスリーブ6は耐火断熱層13の電線
挿通孔の内面に残り、鏃3は、床貫通孔10の上
面に達し、これを作業者が引き上げ、その後、パ
イプ1から鏃3を取り除き、引き続き該電線・ケ
ーブルaを延線する。この延線時、スリーブ6に
よつて電線・ケーブルaとの耐火断熱層13の摩
擦が防止され、耐火断熱層13が欠損することは
ない。
電線・ケーブルaの延線が終了すると、前記ス
リーブ6を耐火断熱層13から取り除く。このス
リーブ6を取り除くと、耐火断熱層13の石綿発
泡体は復元し挿通電線・ケーブルaに密接する。
以上の作業を繰り返して、12本の電線を挿通
し、ユニツトBの枠体12上部に液状クロロプレ
ンを主体とする経時硬化性混和物17を約10cm厚
さに注入し、気密性が付与され、耐火気密貫通部
の工事は完了する。上記硬化性混和物(シール
材)17としてはウレタン系、シリコン系も使用
できる。また、枠体12は鉄板に限らず、不燃材
であれば何れも使用できる。
〔耐火、気密性試験〕
第4図に示すように、以上の如くして完成した
耐火気密床貫通部Pを耐火ボード20を刳り抜い
て作つた模擬貫通孔21に取付け、フランジ側か
ら口幅250mmのガスバーナCで火炎が触れる部分
を1050℃に3時間保つて、耐火断熱層13の反対
面の温度を測定した処、265℃以上にはならなか
つた。
また、第5図に示すように、同貫通部Pを450
mm×450mm×450mm(縦×横×高)のチヤンバーQ
に取付け、内圧を400mmAqにし、60分間放置した
ところ、洩れは認められなかつた。このことから
気密性は十分であることが分る。
また、15mmφの模擬電線・ケーブルaを挿通
後、通常の作業条件で10m延線したが、電線挿通
部の耐火断熱層13に異常は認められなかつた。
さらに、粘着層14の存在により、シール材
(経時硬化性混和物)17の洩れは認められなか
つた。
〔効果〕 以上説明した如く、本考案の電線挿通治具を用
いれば、狭く深い床貫通部においても治具の挿通
と共に可撓性がある電線・ケーブルが挿通でき、
床貫通孔の途中で電線・ケーブルの先端が下向き
になるようなことはない。したがつて、電線・ケ
ーブルを円滑に挿通し得る。
また、治具を構成するパイプの後端にスリーブ
を嵌装し、該スリーブを電線挿通孔に残して治具
を引き抜き、その後、同電線・ケーブルを延線す
るようにすれば、耐火断熱層を形成する石綿発泡
体はスリーブによつて保護され欠損することがな
いので、後に注入する経時硬化性シール材の洩れ
も極めて少ない等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本考案に係る電線挿通治具
の各実施例の断面図、第3図は第1図の実施例に
よる施工説明断面図、第4図は耐火試験説明図、
第5図は気密試験説明図である。 1……パイプ、2……掴持部、3……鏃、4…
…スリツト、6……スリーブ、8……爪、12…
…枠体、13……耐火断熱部材(耐火断熱層)、
A……電線挿通治具。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) パイプ1の先端に電線・ケーブルaのコレツ
    ト状掴持部2を設けるとともに、前記パイプ先
    端に前記掴持部2に被さる円錐の冠状鏃3を螺
    着し、この鏃3の内面は、前記掴持部2の外面
    に摺接して狭窄するテーパ面となつていること
    を特徴とする耐火気密床貫通部への電線挿通治
    具。 (2) 実用新案登録請求の範囲第(1)項において、上
    記掴持部2を、パイプ1と別体のもので形成し
    たことを特徴とする耐火気密床貫通部への電線
    挿通治具。 (3) 実用新案登録請求の範囲第(1)項において、上
    記掴持部2を、パイプ1の先端周方向等間隔に
    複数のスリツト4を形成し、その部分を内方に
    曲げた爪8により形成したことを特徴とする耐
    火気密床貫通部への電線挿通治具。 (4) 実用新案登録請求の範囲第(1)項、第(2)項又は
    第(3)項において、パイプ1の後端に、電線・ケ
    ーブルaを延線する際、石綿発泡体を保護する
    ためのスリーブ装着部を設けてなることを特徴
    とする耐火気密床貫通部への電線挿通治具。
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