JPH04119653U - チエーン等のテンシヨナ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 循環移動するチェーン、ベルト等に緊張力を
与えるためのテンショナ装置において、その構造、組立
作業を簡素化するとともに、押圧軸に横方向の力が加わ
らないようにすること。 【構成】 テンショナ装置は、テンショナの押圧軸によ
ってテンショナレバーをチェーン、ベルト等に押圧し、
前記チェーン、ベルト等に緊張力を与えるテンショナ装
置において、前記押圧軸の先端を軸の長手方向に対し略
々直角な平面にするとともに、その平面に接触する面を
円弧状に形成したパッドを前記テンショナレバーに設け
た構成になっている。押圧軸の平面とテンショナレバー
に取付けたパッドの円弧部とが接触するため、チェーン
の振動によって押圧軸がテンショナレバーから受ける力
の方向は軸と平行な方向になる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、循環移動中のチェーン、ベルト等に常時適正な緊張力を与えるため のテンショナ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、テンショナ装置は、例えば、自動車のクランクシャフト２１（図７参照 ）とエンジンバルブ（図示省略）の開閉を行なうカム軸２２との間で回転を伝達 するチェーン２３に常時適正な緊張力を与え、チェーン２３の振動を少なくして いる。 このテンショナ装置２０は、テンショナ２４の押圧軸２５の押圧力でテンショ ナレバー２６をチェーン２３に押し付けている。

【０００３】 押圧軸２５は、スプリング２７によって常時突出方向に付勢され、ラック２８ とカム２９との関係で没入方向への移動が阻止されているが、ラック２８の歯の １つがカム２９を通過しない程度の距離だけ往復微動するだけの「がた」を有し ている。 又、押圧軸２５はテンショナレバー２６に直接接触せず、押圧軸２５の先端に 設けられた樹脂製のパッド３０を介して接触している。このパッド３０は図８に 示すように、押圧軸２５の先端に圧入された平板３１に組込まれている。

【０００４】 さらに、押圧軸２５は、図７に示すように、テンショナレバー２６の遊端側を 押圧しており、チェーンの振動によって力Ｆを受けている。この力Ｆは押圧軸２ ５の軸方向に対して交差する方向に加わるため、軸方向の分力Ｆ１と軸方向に対 して直角方向の分力Ｆ２とに分けることができる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

このようなテンショナ装置２０は次の問題点を有している。 パッド３０を押圧軸２５に取付けるための平板３１を押圧軸２５の先端に圧 入しなければならず、製作に手間を要する。 平板３１は一般に薄いため、使用中に加わる力や振動によって圧入部分から 外れることがある。 押圧軸２５は、チェーン２３が循環移動している間、チェーン２３の振動に よって絶えず細かく振動しているテンショナレバー２６から横方向の分力Ｆ２を 繰り返し受け、前記「がた」分だけ往復微動している。このため、押圧軸２５と フレーム３２との接触部分（図７中矢印Ａで示す部分）に摩耗が生じ、フレーム ３２に対し押圧軸２５ががたつき、チェーン２３に適正な緊張力を与えることが できなくなることがある。さらに、押圧軸２５のがたつきによって、ラック２８ の歯先とカム２９の先端とが互いに接触すると、押圧軸２５がフレーム３２に押 し付けられた状態になり、スプリング２７の押圧によって突出しなくなり、テン ショナ２４の機能が損なわれることがある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、テンショナの押圧軸によってテンショナレバーをチェーン、ベルト 等に押圧し、前記チェーン、ベルト等に緊張力を与えるテンショナ装置において 、前記押圧軸の先端を軸の長手方向に対し略々直角な平面にするとともに、前記 平面に接触する面を円弧状に形成したパッドを前記テンショナレバーに設けたテ ンショナ装置により、前記の課題を解決したものである。

【０００７】

【作用】

押圧軸の平面とテンショナレバーに取付けたパッドの円弧部とが接触するため 、チェーンの振動によって押圧軸がテンショナレバーから受ける力の方向は軸と 略々平行な方向になる。このため、押圧軸はテンショナのフレームに押圧される ことが少なくなる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 テンショナ装置４０は、図１に示すように、自動車のクランクシャフト２１と エンジンバルブ（図示省略）の開閉を行なうカム軸２２との間で回転を伝達する チェーン２３に常時適正な緊張力を与え、チェーン２３の振動を少なくする装置 である。

【０００９】 テンショナ４１はスプリング４２によってフレーム４３から突出方向に常時付 勢された押圧軸４４を有している。この押圧軸４４は、従来のテンショナの押圧 軸と同様にラック４５とカム４６との関係で没入方向への移動が阻止されている が、ラック４５の歯の１つがカム４６を通過しない程度の距離だけ往復微動する だけの「がた」を有している。 押圧軸４４の先端は長手方向に対して略々直角な平面になっている。 テンショナレバー４７は、アルミ製のアーム５８と樹脂製のシュー５９とを有 しており、前記平面４８と接触する面５０を円弧状に形成したパッド４９が具え られている。

【００１０】 パッド４９は、樹脂製であり、図３、図４に示すように、円弧面５０の両側に は一対の外れ防止壁５１，５１が、円弧面５０の背面には一対のスナップ片５２ ，５２がそれぞれ形成されている。外れ防止壁５１，５１は、円弧面５０に接触 する押圧軸４４の先端と円弧面５０とが円弧面５０の幅方向に相対移動し、押圧 軸４４が円弧面５０から外れないように押圧軸４４の先端を規制する壁である。

【００１１】 パッド４９は、一対のスナップ片５２，５２をアーム５８の孔５３に挿入し、 スナップ片５２，５２の先端に形成された鍔５４，５４を孔５３の背面壁５５に 係合させることによってアーム５８に取付けられるようになっている。 さらに、パッド４９は、アーム５８に形成された一対の平行突条５６，５６に よって回転止めされている。

【００１２】 以上のパッド４９の取付け構造５７は一対のスナップ片５２，５２と孔５３と で構成されているが、図５、図６に示す取付構造７７のように、円弧面７０の両 側から突出した一対の弾性爪８０，８０をアーム７８の断面Ｉ字状の部分の両側 ８１，８１にフィットさせて取付けるような構造であってもよい。このパッド６ ９にも一対の外れ防止壁７１，７１が円弧面７０の両側に形成されている。さら に、アーム７８には樹脂製のシュー７９が具えられている。 この取付構造７７は、テンショナレバー６７のアーム７８の厚み（Ｔ）が薄い 場合でも用いることができる。

【００１３】 従って、押圧軸とテンショナレバーとは平面と円弧部とで接触しているため、 チェーンの振動によってテンショナレバーが振動し押圧軸に力Ｆ３（図２参照） が作用しても、その力の方向は軸と平行な方向であり、押圧軸と交差する方向に は殆ど加わらない。このため、押圧軸とフレームとの間に摩耗が生じることがな く、チェーンに常時適正な緊張力を与えることができる。 さらに、ラックとカムの噛合が不確実になるようなことがなく、押圧軸の突出 動作の円滑性が損なわれるようなことはない。 なお、以上のテンショナ装置はチェーンに適正な緊張力を与えるためのもので あるが、ベルトについても同様に適正な緊張力を与えることができる。

【００１４】

【考案の効果】

本考案のテンショナ装置は次の効果を奏する。 押圧軸とテンショナレバーとの間に介在するパッドをテンショナレバーに設 けたので、パッドの取付け構造が簡素化されるとともに、パッドの組込み作業を 容易に行なうことできるようになる。 押圧軸に軸と交差する方向の力が殆ど加わらなくなり、押圧軸とフレームと の間の摩耗が減少する。これによって、押圧軸はフレームに対してがたつくよう なことがなくなり、適正な緊張力を与えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一部断面で表わした本考案のテンショナ装置で
ある。

【図２】テンショナの押圧軸にテンショナレバーの力が
加わっている状態の説明図である。

【図３】パッドの取付け構造の斜視図である。

【図４】テンショナにパッドが取付けられた状態におい
て、テンショナの長手方向の部分断面図である。

【図５】パッドの他の取付け構造の斜視図である。

【図６】テンショナにパッドが取付けられた状態におい
て、テンショナの長手方向と直角な方向の部分断面図で
ある。

【図７】一部断面で表わした従来のテンショナ装置であ
る。

【図８】従来のパッドの取付け構造において、組立順序
を示す斜視図である。

【符号の説明】

２３ チェーン ４０ テンショナ装置 ４１ テンショナ ４４ 押圧軸 ４７，６７ テンショナレバー ４８ 平面 ４９，６９ パッド ５０，７０ 円弧面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 テンショナの押圧軸によってテンショナ
   レバーをチェーン、ベルト等に押圧し、前記チェーン、
   ベルト等に緊張力を与えるテンショナ装置において、前
   記押圧軸の先端を軸の長手方向に対し略々直角な平面に
   するとともに、前記平面に接触する面を円弧状に形成し
   たパッドを前記テンショナレバーに設けたことを特徴と
   する、チェーン等のテンショナ装置。