JPH0411757Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は玩具本体に設けた係止手段を作動させ
て解除することにより、自動的に形態が変化する
形態変化走行玩具に関する。

（従来技術） 従来、この種の形態変化走行玩具は手で別の一
つの構成部材を動かしてその形態を変化させるも
のであつた。ところが、最近このような形態変化
走行玩具において、自動的に形態が変化する玩具
が望まれるようになつてきた。

（考案の目的） 本考案は上記の事情に鑑みてなされたものであ
つて、とくに、係止手段を解除するだけでなくそ
の形態を自動的に変化させることができる形態変
化走行玩具を提案することをその目的とする。

（目的を達成するための技術的手段） 上記目的を達成するための技術的手段として、
本考案に係る形態変化走行玩具は、自動車等の走
行玩具の形態からロボツト形態に可逆的に変化可
能に形成されるとともに、下記要件を備えたこと
を特徴とする。

(イ) 玩具本体は前輪を有する一つの構成部材に対
し後輪を有する別の一つの構成部材が折曲げ可
能に設けられているとともに、上記一つの構成
部材は上記別の構成部材に対して弾性部材によ
り常時起立方向に付勢されて設けられているこ
と (ロ) 上記一つの構成部材と別の一つの構成部材と
は係止手段によつて係止解除可能に係止されて
いること (ハ) 上記一つの構成部材は折曲げ可能な前後の二
部材によつて形成されるとともに、前部材と後
部材との折曲げ部にはロボツト頭部が設けられ
ていること (ニ) 上記後部材の両側には腕状部材が内外側方に
摺動自在に装着されるとともに、この腕状部材
は弾性部材によつて常時外側方に付勢されてい
ること (ホ) 前記後輪を有する一つの構成部材に対し前輪
を有する別の一つの構成部材が折曲げられてい
るときに、上記腕状部材は上記後輪を有する一
つの構成部材に係合していること （考案の作用、効果） 上記構成のように、一つの構成部材に対し別の
一つの構成部材が弾性部材を介して常時起立可能
に設けられている。そして、この一つの構成部材
と別の一つの構成部材は係止手段を介して係止さ
れているので、この係止手段による係止が解除さ
れると上記別の一つの構成部材は弾性部材の弾発
力によつて起立する。このときのシヨツクによ
り、前部材は後部材の前面に折畳まれ、折畳み部
からロボツト頭部が露出する。同時に、後部材の
両側に設けた腕状部材の係合が外れ、腕状部材は
弾性部材によつて外方に押出される。これによつ
て、上記前部材と後部材とが重なり合つて上記一
つの構成部材上に立上がつて胴体部を構成し、そ
の上にロボツト頭部が、さらに胴体部の両側から
は腕状部材が突出して腕部を構成する。したがつ
て、玩具本体の形態は自動的にロボツト状に変化
する。

（実施例） 以下、図面によつて本考案の実施態様の一例に
ついて説明する。

第１図及び第２図において、符号Ａは本考案に
係る形態変化走行玩具を示す。この形態変化走行
玩具１は自動車形態からロボツト形態に可逆的に
変化するように形成されている。そして、自動車
形態においてボンネツトまわり及びフロント・サ
イドウインドウまわりを構成する前部材２と後部
材３とからなる一つの構成部材と、底部の一部と
リアまわりを構成するリア部兼底部材４からなる
別の一つの構成部材とから形成されている。

第１図において、前部材２の後部には後部材３
が連結されている。前部材２はその両側に支軸５
ａを介して前輪５，５が取着されるとともに、下
部には後部材３の上部前面に突設した軸受部７に
嵌合される軸受片６，６が形成されている。ま
た、この軸受部７の一側面には係合凹部７ａが形
成されている。上記軸受片６，６を軸受部７に嵌
合し支軸８を介して連結することによつて、後部
材３に対し前部材２を前方に180°折曲げることが
できる。９は前部材２の裏面中央下部に設けた収
納凹部を示す。

上記支軸８の両端には腕状部材１０，１０が回
動自在で、且つ横方向にスライド可能に取着され
るとともに、腕状部材１０，１０は上腕部１０
ａ，１０ａと下腕部１０ｂ，１０ｂとが支軸１
１，１１を介して可動自在に連結されて形成され
ている。そして、上記腕状部材１０，１０は支軸
８に巻装された発条１２，１２等の弾性部材によ
つて常に外方に付勢されている。１３，１３は上
記上腕部１０ａ，１０ａの前面長手方向にわたつ
て形成された係止凸部を示す。

上記後部材３の下部には一体に連結部材３ａ，
３ａが形成されるとともに、この連結部材３ａ，
３ａの下部はリア部兼底部材４の上部に形成され
た嵌合凹部１５に嵌合され、且つ、支軸１６を介
して折曲げ可能に取着されている。そして、この
後部材３は支軸１６に巻装された発条１７等の弾
性部材によつて、常時リア部兼底部材４に対して
起立するように付勢されている。また、後部材３
の上端中央部にはロボツト頭部１８が設けられる
とともに、このロボツト頭部１８は自動車形態に
おいて前部材２に設けた収納凹部９内に収納され
ている。

上記リア部兼底部材４の下部両側には支軸２０
を介して後輪２１，２１が取着されるとともに、
裏面中央前部寄りには補助車輪２２が設けられて
いる。また、このリア部兼底部材４の両側寄りの
表面平坦部には、自動車形態時に上記上腕部１０
ａ，１０ａに設けた係止凸部１３，１３に対応し
てその係止を受ける凹部２３，２３が形成されて
いる。２４はリア部兼底部材４の裏面上部一側寄
りに支軸２４ｂを介して可動自在に取着された係
止手段を示し、この係止手段２４は第１図ａ及び
第３図ａに示すように略Ｌ字形状に有するととも
に、その一端は上記後部材３に形成された軸受部
７の一側面に形成した係合凹部７ａに係止され、
他端は上記リア部兼底部材４の側面より突出され
ている。そして、この係止手段２４は発条２５を
介してその一端が上記軸受部７の係合凹部７ａに
常時係止するように維持されている。２４ａは係
止手段２４のストツパー部材を示す。２６，２６
はリア部兼底部材４の裏面後部寄りに突設した係
止爪片を示す。

形態変化走行玩具Ａは上述のように構成されて
いるので、その使用にあたつては、まず、第１図
及び第２図に示すように自動車形態において走行
させて遊びを楽しむ。この駆動源としてリア部兼
底部材４内のフライホイール（図示せず）を搭載
し、その回転力を歯車等の伝達手段を介して後輪
２１，２１に伝達するように形成したものである
が、必ずしもこれに限定されるものではなく、例
えばゼンマイ、モータ等であつてもよい。

次に、係止手段２４を回してその係止状態を解
除することによつて、リア部兼底部材４に対し後
部材３が発条１７の弾発力によつて90°起立する
のと相俟つて、この後部材３の前面に前部材２が
折畳まれロボツト頭部１８が露出されるととも
に、後部材３が起立する際にそれに連動して腕状
部材１０も上がるから、その係止凸部１３とリア
部兼底部材４の係止凹部２３との係止が外れるか
ら、この後部材３の両側には発条１２，１２の弾
発力によつて腕状部材１０，１０が外側方に突出
する。これによつて、上記前部材２と後部材３と
が重なり合つて上記リア部兼底部材４上に立上つ
て胴体部を構成し、その上にロボツト頭部が、さ
らに胴体部の両側からは腕状部材１０が突出して
腕部を構成する。したがつて、玩具本体Ａの形態
は自動的にロボツト状に変化する。

なお、このロボツト形態から自動車形態に変化
させる場合は上記と反対に各部材を折畳み、係止
手段２４によつて係止すればよい。

上述のように形態変化走行玩具Ａは自動車形態
において、リア部兼底部材４と後部材３とを係止
している係止手段２４の係止状態を解除するだけ
で、自動的にロボツト形態を変化させることがで
きるので、これにより従来に見られない変化過程
の意外性が期待できるとともに、構造も簡単であ
るから小さな玩具にも適用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る形態変化走行玩具の実施
態様の一例を示し、同図ａ乃至ｃはその変化過程
を示す正面図、第２図ａ乃至ｃは同じく変化過程
を示す側面図、第３図ａは係止手段による係止状
態を示す要部拡大図、同図ｂはリア部兼底部材と
腕状部材の関係を示す説明図であり、第４図は係
止部材による係止態様説明図である。 符号、１……形態変化走行玩具、２……前部
材、３……後部材、４……リア部兼底部材、６…
…軸受片、７……軸受部、１０……腕状部材、１
２，１７……発条、１８……ロボツト頭部、２４
……係止手段。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 自動車等の走行玩具の形態からロボツト形態に
   可逆的に変化する変化機構を有するととに、下記
   要件を備えることを特徴とする形態変化走行玩
   具。 (イ) 玩具本体は前輪を有する一つの構成部材に対
   し後輪を有する別の一つの構成部材が折曲げ可
   能に設けられているとともに、上記一つの構成
   部材は上記別の構成部材に対して弾性部材によ
   り常時起立方向に付勢されて設けられているこ
   と (ロ) 上記一つの構成部材と別の一つの構成部材と
   は係止手段によつて係止解除可能に係止されて
   いること (ハ) 上記一つの構成部材は折曲げ可能な前後の二
   部材によつて形成されるとともに、前部材と後
   部材との折曲げ部にはロボツト頭部が設けられ
   ていること (ニ) 上記後部材の両側には腕状部材が内外側方に
   摺動自在に装着されるとともに、この腕状部材
   は弾性部材によつて常時外側方に付勢されてい
   ること (ホ) 前記後輪を有する一つの構成部材に対し前輪
   を有する別の一つの構成部材が折曲げられてい
   るときに、上記腕状部材は上記後輪を有する一
   つの構成部材に係合していること。