JPH0425189Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、後部シヤーシを前部シヤーシに対し
て上下回動自在に連結するとともに、強い衝撃が
加わつた場合には、両シヤーシが分離して破損を
防止することができる走行玩具に関する。

（従来の技術とその問題点） 従来の走行玩具として、例えばシヤーシを前後
二つに分割し、後部シヤーシを前部シヤーシに対
して二つ折れするように連結して成るものがあ
る。後部シヤーシにはゼンマイユニツトボツクス
等の動力源が搭載されるとともに、後部シヤーシ
の前面によつて上下動自在に支持された案内棒の
先端部を前部シヤーシに形成された案内孔内にス
ライド自在に支持させ且つバネ等によつて案内棒
が案内孔から抜け落ちることを防止している。

しかしながら、上記のような従来の走行玩具に
あつては、後部シヤーシの案内棒がバネ等によつ
て前部シヤーシの案内孔にスライド自在且つ抜け
落ち不能に装着されているため、車体が早い速度
で走行中に障害物等に衝突した場合には、固定用
のバネが破損して案内棒が脱落したり、案内棒と
後部シヤーシとの回動連結部が破損したりするこ
とがあつた。

（考案の技術的課題） この考案は上記事情に鑑みて成立したものであ
つて、後部シヤーシを前部シヤーシに対して上下
動自在に連結して、常時においては連結状態を保
持させるとともに、衝突等によつて連結部が破損
する程度の大きな外力が加わつた場合には、前後
のシヤーシが無理なく分解することができるよう
に構成した走行玩具を提供することを目的とす
る。

（課題を解決するための手段） 上記の技術的課題を解決するために、この考案
に係る走行玩具は、ゼンマイとゼンマイに連結さ
れた減速歯車と減速歯車に連結した出力軸とユニ
ツト化してボツクス内に収納したゼンマイユニツ
トボツクスを備えた走行玩具において、次の各要
件を備えたことを特徴とする。

(イ) 車台が互いに連結分離可能な前部シヤーシ
と、後部シヤーシとから成り、後部シヤーシに
はゼンマイユニツトボツクスが一体化されてい
ること (ロ) 前部シヤーシの後部両側に形成された側壁に
は下向きに開口する軸受溝が形成され、この軸
受溝には後部シヤーシの前部両側に突設された
一対の突軸が抜け出し可能に軸支されること (ハ) 後部シヤーシの前面には上下動自在に案内棒
が前方に突出されているとともに、前部シヤシ
には該案内棒が挿入支持される案内孔が設けら
れ、前後部シヤーシが連結したときに案内棒は
上記案内孔によつて支持されていること （考案の作用、効果） 上述のように、この考案に係る走行玩具によれ
ば、前部シヤーシと後部シヤーシを上下動自在に
連結すると同時に、所定の強さの衝撃が加わつた
場合には、前部シヤーシに対し後部シヤーシが回
動して衝撃を吸収し、衝撃が大きいときはその突
軸が軸受溝から抜け出し、案内棒が案内孔から抜
け出して後部シヤーシが前部シヤーシから分離す
る。このように衝撃の度合いに応じてこれを吸収
することができるので、シヤーシが衝撃によつて
破損するのを防止することができるほか、衝撃に
応じてシヤーシの離脱動作が起るので、衝撃を目
で確かめられる面白さがある。また、後部シヤー
シはゼンマイユニツトボツクスが一体化されてい
るため、部品数が少なく構成が簡潔である。この
ため、製造コストを低減することができる。

（実施例） 以下、図面によつてこの考案の実施態様につい
て説明する。

第１図ａ，ｂ，ｃは本考案の走行玩具の要部で
ある前部及び後部シヤーシの連結状態、分解状態
の構成説明図及び連結状態の斜視図であり、この
走行玩具は前部シヤーシ１と、ゼンマイユニツト
ボツクス３から成る後部シヤーシ２と、前部シヤ
ーシ１の両側壁４に形成された切欠き状の軸受凹
所５によつて回転自在に支持される前輪車軸６及
び前輪７と、ユニツトボツクス３の出力軸に取り
付けられた後輪８から成る。前部シヤーシ１の中
央部に突設された支持部９には案内孔１０が形成
されるとともに、側壁４が後方へ延長形成された
延長部１１には下向きに開口した軸受溝１２が形
成されている。後部シヤーシ２の前面には案内棒
１３が上下回動自在に支持されるとともに、両側
面には軸受溝１２に脱抜可能に嵌合する一対の突
軸１４が突設されている。

第２図ａ，ｂは案内棒１３及び突軸１４が、案
内孔１０及び軸受溝１２に対してそれぞれ係合さ
せられる手順を示し、ａの状態では案内棒１３の
先端部が案内孔１０内に差し込まれ、突軸１４は
軸受溝１２の直下に位置している。この状態か
ら、突軸１４が軸受溝１２の下方の開口部から軸
受溝１２内に嵌着されるように、後部シヤーシの
前部を上方へ押上げる。軸受溝の形状は突軸が所
定の力で嵌着できると同時に、嵌着後は所定の方
向及び大きさを有した外力が案内棒１３に加わら
ない限り脱落することがないように設定される。
符号１６はボデイであり、このボデイ１６は両シ
ヤーシ１，２を連結後、前部シヤーシ１の軸受凹
所５に前輪車軸６を載置してから、これらシヤー
シ１，２の上にかぶせられる。さらにボデイ１６
は前部シヤーシ１に対してだけネジを用いて固定
される。第３図は組立てを完了した走行玩具の全
体斜視図である。

符号２０はバンパーであり、このバンパー２０
は第４図ａ，ｂに示すように、基部２１と、基部
２１の先端に約45度の角度を有して屈曲して一体
化された先端部２２とから成る。基部２１にはい
くつかの孔２１ａが形成されており、この孔２１
ａをボデイ１６の前部下面から突設された係止突
軸２３に着脱自在に嵌着させることによつて所望
の突出量でバンパー２０を設置することができる
（第４図ｃ）。

以上の構成において、第１図ａの組付け状態に
おいて、後部シヤーシ２は前部シヤーシ１に対し
て上下動自在であり、しかも車体が所定の速度で
障害物等に衝突した場合等においては、まず第１
図ａに点線で示すように前後部シヤーシ１，２が
折曲げ状に回動して衝撃を吸収することができ、
衝撃がより大きいときは、さらに突軸１４が軸受
溝１２から脱抜し、案内棒１３が案内孔１０から
脱けて第２図ａに示すように、後部シヤーシ２自
体を前部シヤーシ１から分離させることができ
る。したがつて衝撃の度合いに応じてこれを吸収
することができるので、シヤーシの破損を防止す
ることができる。これに関連し、衝撃に応じてシ
ヤーシの離脱動作が起こるので、衝撃を目で確か
められる面白さがある。

また、後部シヤーシ２はユニツトボツクス３と
一体化しているので、構成が極めて簡潔である。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂ，ｃは本考案の要部である前部及
び後部シヤーシの連結状態、分解状態の構成説明
図及び連結状態の斜視図、第２図ａ，ｂは組付け
手順の説明図、第３図は組立てを完了した走行玩
具の全体斜視図、第４図ａ，ｂ，ｃはバンパーの
構成を示す斜視図、正面図及び取付状態の説明図
である。 符号１……前部シヤーシ、２……後部シヤー
シ、３……ゼンマイユニツトボツクス、９……支
持部、１０……案内孔、１２……軸受溝、１３…
…案内棒、１４……突軸、１６……ボデイ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ゼンマイとゼンマイに連結された減速歯車と減
   速歯車に連結した出力軸とをユニツト化してボツ
   クス内に収納したゼンマイユニツトボツクスを備
   えた走行玩具において、次の各要件を備えたこと
   を特徴とする走行玩具。 (イ) 車台が互いに連結分離可能な前部シヤーシ
   と、後部シヤーシとから成り、後部シヤーシに
   はゼンマイユニツトボツクスが一体化されてい
   ること (ロ) 前部シヤーシの後部両側に形成された側壁に
   は下向きに開口する軸受溝が形成され、この軸
   受溝には後部シヤーシの前部両側に突設された
   一対の突軸が抜け出し可能に軸支されること (ハ) 後部シヤーシの前面には上下動自在に案内棒
   が前方に突出されているとともに、前部シヤー
   シには該案内棒が挿入支持される案内孔が設け
   られ、前後部シヤーシが連結したときに案内棒
   は上記案内孔によつて支持されていること