JPH03233Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野と考案の目的） この考案は車体と該車台内に収納される車台と
に分割されているとともに、一方に前輪を、他方
に後輪を設け、車台を車体に左右に揺動自在に枢
着した走行玩具に関するもので、特に障害物に衝
突しても横転することなく、方向を転換して走行
を維持することができる、安定性の高い走行玩具
を提案することを目的とする。

（目的を達成するための手段） 前記目的を達成するため、本考案に係る走行玩
具は、前輪と後輪とを備える走行玩具であつて、
下記要件を備えることを特徴とする。

(イ) 上記走行玩具は車体と車台とに分割されてい
ること。

(ロ) 車体は前輪を有し、且つ内部に下方に開口す
る空間部を形成していること。

(ハ) 上記前輪は車体の前方に突出して設けられて
いること (ニ) 車台は駆動装置とこれに連動する後輪とを有
するとともに、上記車体の空間部内に収納さ
れ、且つ該空間部の前後内面を結ぶ軸の回りに
揺動自在に枢着されていること。

(ホ) 前後の枢着部を結ぶ軸の軸心は、走行面に対
して鋭角をなしていること。

（実施例） 以下、図面によつてこの考案の実施態様につい
て説明する。

図において符号１は走行玩具を示す。この走行
玩具１は車体１ａと車台１ｂとから分割構成され
ている。

車体１ａは車体外匣として形成され、内部に下
方に開口する空間部が設けられ、この空間部内面
の前端には後向きの軸１０が突設され、上記内面
後端には軸孔１１が同一軸上に設けられている。
また、車体１ａの前部には前輪２，２が装着され
ている。

これに対し、車台１ｂには駆動装置（図示せ
ず）が装設されているとともに、後輪３，３が装
着されている。駆動装置はゼンマイ、フリクシヨ
ン、モータ等の駆動源を利用し、この駆動源の駆
動力を後輪３，３に伝達するものとして構成され
ている、また、車台１ｂの前端部には軸孔１２が
設けられ、後端部には軸１３が突設されている。
車体１ａの前後部の軸１０と軸孔１１とは車台の
前後部の軸孔１２と軸１３とにそれぞれ対応して
いる。後輪３，３の直径は前輪２，２の直径に対
して大きく構成されている。

走行玩具１は車台１ｂの前後部の軸孔１２及び
軸１３にそれぞれ車体１ａの前後部の軸１０及び
軸孔１１を挿入して左右に揺動自在に枢着された
ものである。

上記走行玩具１は後輪３，３の直径が前輪２，
２の直径よりも大きく、且つ車体及び車台１ａ，
１ｂの軸孔と軸との位置は同じ高さに配置されて
いる。このため、車体１ａと車台１ｂとにておい
て前後の枢着部を結ぶ軸心Ｐは、走行面に対して
鋭角αをなしている。この角度は15〜45度が好ま
しい。また、車体１ａは第３図に前輪２，２の車
軸４の揺動具合で示すように、車体１ａは車台１
ｂに対して上記軸軸心Ｐのまわりに角度βの範囲
で揺動自在となる。この揺動角を確実にするた
め、車体１ａに車台１ｂを受けるストツパを形成
してもよい。

走行玩具１は上述のように構成されているの
で、第４図に示すように、走行面上を走行中に壁
等の障害物Ｂに対して斜めに衝突すると、走行玩
具１は急減速させられるが、走行玩具１の前部は
可能な方向に逃げようとする（逃げ場がなければ
停止）。

ところで、走行玩具１の前後の枢着部を結ぶ軸
の軸心Ｐは、走行面に対して鋭角αをなし、走行
玩具１全体が走行面に対して突き刺さる方向、つ
まり走行玩具１の斜め下向きに力が作用するの
で、壁等の障害物Ｂに当たつた走行玩具１の前部
は上方に逃げ易くなつている。

また、車体の前方には前輪２が突出して設けら
れているので、まず障害物Ｂに近い側の前輪２が
障害物Ｂに当たる。この前輪２は障害物Ｂに当た
つた後も駆動装置の駆動力と慣性力により障害物
Ｂ面に沿つて回転し続けようとする。

しかも、車体１ａは駆動装置が設けられた重い
車台１ｂよりも軽く、しかも車体１ａの空間部の
前後内面を結ぶ軸の回りに揺動自在に枢着されて
いるので、車体１ａの側部は上方に逃げやすい構
造となつている。

したがつて、これらの総合作用により障害物Ｂ
に当たつた方の前輪２と車体１ａの側部とは上向
きに傾斜し、該前輪２は障害物Ｂに当たつた後も
障害物Ｂ面に沿つて回転し続ける。

ところで、前輪２が障害物Ｂに衝突したときに
は、走行玩具１にはその反力が作用する。前輪２
は弾性を有するから衝突後の跳ね返りが大きく、
このため走行玩具１全体は向きを変え、障害物Ｂ
から離れる。後輪３は車台１ｂの駆動装置により
駆動され、且つ車台１ｂの姿勢は衝突の前後も変
わらず、安定状態が確保されているから、向きを
変えた走行玩具１はそのまま走行を継続する。

（考案の効果） 上述のように、本考案に係る走行玩具は、障害
物に衝突しても転倒したり、停止したりすること
なしに走行方向を変えて走行を持続するので、走
行安定性が高く、走行玩具の遊びを一層楽しいも
のにすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る走行玩具の斜視図、第
２図は上記走行玩具の要部の分解斜視図、第３図
は分割車体の揺動角を車輪とその車軸で表わした
説明図であり、第４図は走行玩具の走行状態説明
図である。 符号Ｐ……軸心、１……走行玩具、１ａ……車
体、１ｂ……車台、２，３……車輪、１０，１３
……軸、１１，１２……軸孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 前輪と後輪とを備える走行玩具であつて、下
   記要件を備えることを特徴とする走行玩具。 (イ) 上記走行玩具は車体と車台とに分割されて
   いること。 (ロ) 車体は前輪を有し、且つ内部に下方に開口
   する空間部を形成していること。 (ハ) 上記前輪は車体の前方に突出して設けられ
   ていること。 (ニ) 車台は駆動装置とこれに連動する後輪とを
   有するとともに、上記車体の空間部内に収納
   され、且つ該空間部の前後内面を結ぶ軸の回
   りに揺動自在に枢着されていること。 (ホ) 前後の枢着部を結ぶ軸の軸心は、走行面に
   対して鋭角をなしていること。 (2) 前記前後の枢着部を結ぶ軸の軸心は走行面に
   対して15〜45度の角度をなしていることを特徴
   とする前記実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の走行玩具。