JPH0411626Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は小麦粉及び水及びベーキングパウダな
どのパン材料をパン焼成ケースに投入し、パン焼
成ケース内で小麦粉などを混練させてパン生地を
形成し、一次発酵及び二次発酵させた後に焼成さ
せる製パン器の温度検出装置に関する。

「従来の技術」 従来、前記攪拌羽根を内設するケース、又は攪
拌羽根を支持する回転軸内部などに生地センサを
設け、パン生地の温度を検出する技術があつた。

「考案が解決しようとする問題点」 前記従来技術は、生地センサをケースに設けた
場合、ケースを加熱するヒータの発熱によりパン
生地温度を誤検出し易いと共に、生地センサを回
転軸に内設した場合、回転軸の熱伝導によりパン
生地温度を誤検出し易く、パン生地の発酵及び焼
上りなどの温度管理を適正に行い得ず、パンの発
酵及び焼上り性状の均一化を容易に行い得ない等
の機能上の問題があつた。

「問題点を解決するための手段」 然るに、本考案は、パン材料を混練して粘土状
のパン生地を形成する攪拌羽根を備えた製パン器
において、前記パン生地の温度を検出する生地セ
ンサを前記攪拌羽根に設けたことを特徴とするも
のである。

「作用」 従つて、外部からのヒータ熱並びに回転軸の伝
導熱などを前記生地センサが検出するのを簡単に
防止し得、パン生地の発酵及び焼上りなどの温度
管理を適正に行い得、その温度管理機能を容易に
向上させ得、パンの発酵及び焼上りなどを常に均
一に安定して得られるものである。

「実施例」 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。第１図は要部の断面図、第２図は全体の正面
図、第３図は断面側面図であり、支脚１……で支
える円筒形の焼がま本体２を備え、時間設定及び
焼上り選択用の操作盤３を焼がま体２の正面中央
に、また焼がま本体２の左右に持運び用の取手４
を夫々配設すると共に、透明なガラス製のドーム
形蓋５を焼がま本体２上部に開閉自在に装設さ
せ、前記蓋５後側をこの額フレーム６を介して焼
がま本体２の支点ブラケツト７に連結支持させ、
前記蓋５前側の額フレーム６に握り手８を一体形
成している。

また円筒状の外ケース９と、外ケース９下端側
に嵌合固定させる底ケース１０と、外ケース９の
上半分に内設させる上面開口円筒容器形内ケース
１１とを備え、各ケース９，１０，１１により焼
がま本体２を構成すると共に、外ケース９の前面
内側にデイスプレイ及びスイツチ取付基板１２と
演算回路基板１３とを配設している。

また底ケース１０に立設固定する基台１４上面
に内ケース１１底部を上載固定し、内ケース１１
内周に環状の熱線放射ヒータ１５を固設すると共
に、小麦粉及び水及びベーキングパウダなどのパ
ン材料を投入して混練及び発酵及び焼成を行う上
部開口円筒容器形パン焼成ケース１６を備え、焼
成ケース１６の回転によつて係脱させる係止舌片
１７，１８により該ケース１６底部を内ケース１
１底部に着脱自在に支持させるもので、小麦粉な
どパンの材料を混練するアルミダイキヤスト製攪
拌羽根１９を焼成ケース１６底部に設けると共
に、粘土状のパン材料（ドウ）が羽根１９と連れ
回るのを防ぐ突条体２０を焼成ケース１６内部側
面に固設している。

さらに前記内ケース１１と基台１４の間に係止
舌片１８を介して軸受板２１を挾持固定し、その
軸受板２１に軸支させる回転軸２２上端に前記羽
根１９を着脱自在に嵌着させると共に、前記基台
１４にブラケツト２３を介して攪拌モータ２４を
取付け、タイミングプーリ２５，２６及びタイミ
ングベルト２７を介して前記回転軸２２とモータ
２４とを連動連結するもので、前記羽根１９に生
地センサであるサーミスタ２８を設けている。

さらに前記底ケース１０に外気吸入風路２９を
形成し、くま取り形モータ３０により駆動する送
風フアン３１を前記風路２９に内設させると共
に、前記フアン３１の排風側に加温ヒータ３２を
取付けるもので、内ケース１１の外側面に送風ダ
クト３３を固設し、前記風路２９の排風口に前記
ダクト３３下端側を連通させると共に、前記フア
ン３１からの送風を焼成ケース１６内部に送込む
案内ダクト３４を前記送風ダクト３３上端に首振
り自在に連結している。

さらに第１図に示す如く、前記回転軸２２を軸
受板２１にメタル３５を介して軸支し、前記メタ
ル３５上側の回転軸２２にオイルシール３６を嵌
着させると共に、前記オイルシール３６及び軸受
板２１の上面に係止リング３７を介してシールワ
ツシヤ３８を圧着支持し、前記シールワツシヤ３
８及び軸受板２１上面にゴムカバー３９を嵌着さ
せ、前記焼成ケース１６底部開口をそのゴムカバ
ー３９で密閉している。

また前記回転軸２２上端にネジ部４０を介して
合成樹脂製軸カバー４１を螺着固定し、前記軸カ
バー４１に攪拌羽根１９のボス部１９ａを嵌着さ
せると共に、前記回転軸２２上端に熱伝動防止部
材である非熱伝導性樹脂製スリーブ４２を固定す
るもので、回転軸２１と軸カバー４１下端の間に
Ｏリング４４を介装させている。

さらに前記回転軸２１内孔にセンサ軸４６を挿
通させ、そのセンサ軸４６上端側を回転軸２１に
軸受スリーブ４７を介して支持すると共に、前記
スリーブ４２内孔に遊嵌挿入させる入力端子４３
をセンサ軸４６上端に固設させるもので、前記羽
根１９のボス部１９ａの内孔に出力端子４５を埋
込み固定し、前記羽根１９の中央部に埋込んだサ
ーミスタ２８に導電線４５ａを介して前記出力端
子４５を電気接続させると共に、前記軸カバー４
１にボス部１９ａを固定するときに出力端子４５
を入力端子４３に嵌合連結させ、出力端子４５と
入力端子４３を電気的に接続するように構成して
いる。

さらに係止リング４８，４９により上下動を阻
止されているメタル５０を介して前記回転軸２１
の下端にメタルブツシユ５１を取付け、そのメタ
ルブツシユ５１を前記基台１４にブラケツト５２
を介して連結させると共に、検出熱出力用ブラシ
５３，５４を支持するブラシホルダ５５をブラシ
ケース５６に圧入固定し、そのブラシケース５６
を前記メタルブツシユ５１にネジ５７……で固定
する。また前記回転軸２１下端に軸受スリーブ５
８を介してセンサ軸４６を支持し、前記ブラシ５
３，５４を摺接させるスリツプリング５９，６０
を前記センサ軸４６下端に固設させる。そして前
記センサ軸４６内孔に挿通させるリード線（図示
省略）を介して前記入力端子４３と各スリツプリ
ング５９，６０とを電気接続するもので、前記メ
タル５０、メタルブツシユ５１、ブラシホルダ５
５及びホルダケース５６を、回転軸２２に嵌合固
定すると共に、センサ軸４６及びスリツプリング
５９，６０を回転軸２２軸芯上に夫々嵌合固定さ
せることにより、ブラシ５３，５４とスリツプリ
ング５９，６０の偏心量を微少にしてこれらの間
の抵抗値を略一定して得られるように構成してい
る。

本実施例は上記の如く構成しており、第３図の
状態で、小麦粉、ベーキングパウダ、調味料、バ
ター及び水などのパン材料を投入するもので、小
麦粉の上側にベーキングパウダを、また下側に水
を入れてベーキングパウダが濡れないようにする
と共に、操作盤３のスイツチ操作によりパン焼上
り時間などを設定する。そしてモータ２４により
羽根１９を回転させて焼成ケース１６内の小麦粉
などを混練すると共に、送風フアン３１により温
風又は冷風を焼成ケース１６内に送り、該ケース
１６内の温度を発酵温度に維持して一次発酵及び
二次発酵を夫々行わせ、然る後にヒータ１５を作
動させてパンを焼上げるもので、パンを焼成時に
この内部温度を前記サーミスタ２８により検出
し、その内部温度が設定以上に上昇してパンが焼
上つたとき、サーミスタ２８出力に基づいてヒー
タ１５をオフに切換え、送風フアン３１により冷
風を送つて焼上つたパンを外気温と同程度に冷や
し、パンの製作を完了するものである。

さらに第４図は他の実施例を示すもので、攪拌
羽根１９の先端部に生地センサであるサーミスタ
２８ａを設け、前記羽根１９の中間部及び先端部
のパン生地温度を複数のサーミスタ２８，２８ａ
により検出するもので、パン生地中心部の温度と
パン生地内部の外側近くの温度とを対比し、その
温度差などに基づいてパン生地を焼くときの温度
制御並びにパン焼上り時期の確認を行うものであ
る。

「考案の効果」 以上実施例から明らかなように本考案は、パン
材料を混練して粘土状のパン生地を形成する攪拌
羽根１９を備えた製パン器において、前記パン生
地の温度を検出する生地センサ２８を前記攪拌羽
根１９に設け、また前記羽根１９にセンサ２８の
出力端子４５を設けると共に、前記羽根１９を取
付ける回転軸２２に入力端子４３を設け、前記羽
根１９を回転軸２２に挿入固定した際に上記各端
子４３，４５が接続し、センサ２８の電気信号が
本体側に送出されるように構成したもので、外部
からのヒータ１５熱並びに回転軸２２の伝導熱な
どを前記生地センサ２８が検出するのを簡単に防
止でき、パン生地の発酵及び焼上りなどの温度管
理を適正に行うことができ、その温度管理機能を
容易に向上させることができ、パンの発酵及び焼
上りなどを常に均一に安定して得ることができる
と共に、前記各端子４３，４５の接続により、前
記羽根１９の交換によつてセンサ２８を簡単に取
り換えることができ、また各端子４３，４５の接
続状態で羽根１９の取付が適か不適かを判断する
ことも容易に行うことができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す要部の断面
図、第２図は全体の正面図、第３図は断面側面
図、第４図は他の実施例を示す断面図である。 １９……攪拌羽根、２８……サーミスタ（生地
センサ）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パン材料を混練して粘土状のパン生地を形成す
   る攪拌羽根１９を備えた製パン器において、前記
   パン生地の温度を検出する生地センサ２８を前記
   攪拌羽根１９に設け、また前記羽根１９にセンサ
   ２８の出力端子４５を設けると共に、前記羽根１
   ９を取付ける回転軸２２に入力端子４３を設け、
   前記羽根１９を回転軸２２に挿入固定した際に上
   記各端子４３，４５が接続し、センサ２８の電気
   信号が本体側に送出されるように構成したことを
   特徴とする製パン器の温度検出装置。