JPH056923Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は小麦粉及びベーキングパウダなどパン
材料を投入するパン焼成ケースを備え、パン焼成
ケース内でパン材料を混練して発酵及び焼成を行
う製パン機の温度検出装置に関する。

「従来の技術」 従来、パンを焼成するとき、パン焼成ケース内
部のパン材料の温度を検出し、パン焼上り時期を
判断する技術があつた。

「考案が解決しようとする問題点」 前記従来技術は、パン焼成ケースの底面に下方
から温度センサを突入させ、パン材料の内部に温
度センサを突入させていたので、パン材料の温度
を正確に検出できたが、着脱自在なパン焼成ケー
スでは温度センサが着脱操作の障害となるため、
パン焼成ケースの着脱と温度センサの設定の両方
を同時に実施し得ない問題があつた。

「問題点を解決するための手段」 然るに本考案は、回転させることによつて本体
ケースとの係合及びその解除を行う着脱自在なパ
ン焼成ケース底面に断熱性樹脂体を介して伝熱性
検出窓を突出固定させると共に、温度センサを前
記パン焼成ケース底面側から押し当てる前記検出
窓は前記パン焼成ケースの本体ケースへの回転係
脱方向に沿つて長い長溝状に形成してあることを
特徴とするものである。

「作用」 従つて、パン焼成ケース底面に突出固定した伝
熱性検出窓に前記ケース底面側から温度センサを
押し当てることで、従来と同様にパン材料の温度
を正確に検出し得、しかも温度センサはパン焼成
ケースの着脱方向ではケース側の前記検出窓と干
渉しないから、温度センサが障害となることなく
パン焼成ケースを着脱し得るものである。

「実施例」 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。第１図は要部の説明図、第２図は全体図であ
り、支脚１……で支える箱形の本体ケース２を備
え、本体ケース２上側に上部ケース３を嵌着固定
させ、開閉自在な蓋４を上部ケース３に取付け
る。

前記本体ケース２底部に台フレーム５を内設固
定させ、台フレーム５上に軸受板６を介して内ケ
ース７を固設すると共に、内ケース７内周に環状
の熱線放射ヒータ８を取付ける。

また小麦粉及びベーキングパウダなどのパン材
料を投入して混練及び発酵及び焼成を行う上部開
口形のパン焼成ケース９を備えると共に、パン焼
成ケース９の回転によつて係脱させる一対の係止
片１０，１１により、軸受板６を介してパン焼成
ケース９底部を内ケース７底部に着脱自在に固定
させる。

前記軸受板６中央に軸受部１２を形成し、軸受
部１２にメタル１３を介して回転軸１４を軸受す
ると共に、台フレーム６上に攪拌モータ１５を固
設し、ベルト１６及びプーリ１７，１８を介して
攪拌モータ１５の出力軸１９を回転軸１４に連動
連結させる。

前記回転軸１４上端に軸カバー２０を固定し、
略垂直に設ける攪拌羽根２１の軸部２２を軸カバ
ー２０に上方から嵌着させ、パン焼成ケース９底
部に攪拌羽根２１を内設すると共に、一方の係止
片１０を一体形成する台板２３をパン焼成ケース
９底部外側にパツキン２４を介して固定させる。
前記台板２３にフツ素樹脂系のリング状シール部
材２５を設け、攪拌羽根２１の軸部２２外周にシ
ール部材２５を圧着させるもので、パン焼成ケー
ス９と攪拌羽根２１の軸部２２間の隙間を塞ぐシ
ール部材２５をパン焼成ケース９に台板２３を介
して設けている。

さらに攪拌羽根２１を配設するパン焼成ケース
９底面で、攪拌羽根２１の回転中心に対し偏心さ
せて温度センサ２６を設けるもので、断熱性樹脂
体２７を介して伝熱性検出窓２８をパン焼成ケー
ス９底部に固定し、パン焼成ケース９内部に突出
させる検出窓２８に対し、外部下方から温度セン
サ２６を昇降自在に弾圧支持させるように構成し
ている。

また本体ケース２及び上部ケース３に吸気スリ
ツト２９，３０を形成し、上部ケース３及び蓋４
に排気スリツト３１，３２を形成すると共に、蓋
４の内側に送風ガイド３３を固定させ、送風モー
タ３４及び送風フアン３５を上部ケース３に内設
させ、送風フアン３５からの風を送風ガイド３３
によりパン焼成ケース９上面開口に向けて送出す
るように構成している。

また第１図、第３図、第４図に示す如く、前記
温度センサ２６は、軸受板６の軸受部３６に昇降
自在に設けるセンサ本体３７と、センサ本体３７
上端に固定する伝熱キヤツプ３８と、センサ本体
３７上端に軸孔３９を介して固定する熱電対４０
とを備える。そしてバネ４１によりセンサ本体３
７を下降自在に上昇支持させ、パン焼成ケース９
を取付けたとき、パン焼成ケース９の検出窓２８
に下方側からキヤツプ３８上端を圧着させると共
に、回転軸１４軸芯を中心とした円周方向に検出
窓２８を長く形成し、パン焼成ケース９を回転さ
せて係止片１０，１１を係脱するとき、検出窓２
８にキヤツプ３８が当接した状態で、検出窓２８
内をキヤツプ３８が移動するもので、パン焼成ケ
ース９内部の温度が検出窓２８及びキヤツプ３８
を介して熱電対４０に伝わつて検出されるように
構成している。

本実施例は上記の如く構成しており、第２図の
状態で、小麦粉、ベーキングパウダ、調味料、バ
ター及び水などのパン材料を投入するもので、小
麦粉の上側にベーキングパウダを、また下側に水
を入れてベーキングパウダが濡れないようにする
と共に、図示しないスイツチ操作によりパン焼上
り時間などを設定する。そしてモータ１５により
羽根２１を回転させて焼成ケース９内の小麦粉な
どを混練すると共に、ヒータ８を作動させ、又は
送風フアン３５により冷風を焼成ケース９内に送
り、該ケース９内の温度を約30度に維持して一次
発酵及び二次発酵を夫々行わせ、然る後にヒータ
８を連続作動させてパンを焼上げるもので、パン
を焼成時にこの内部温度を温度センサ２６により
検出し、その内部温度が設定以上に上昇してパン
が焼上つたとき、センサ２６出力に基づいてヒー
タ８をオフに切換え、送風フアン３５により冷風
を送つて焼上つたパンを外気温と同程度に冷し、
パンの製作を完了するものである。

「考案の効果」 以上実施例から明らかなように本考案は、回転
させることによつて本体ケース１との係合及びそ
の解除を行う着脱自在なパン焼成ケース９底面に
断熱性樹脂体２７を介して伝熱性検出窓２８を突
出固定させると共に、温度センサ２６を前記パン
焼成ケース９底面側から押し当てる前記検出窓２
８は前記パン焼成ケース９の本体ケース１への回
転係脱方向に沿つて長い長溝状に形成したもの
で、パン焼成ケース９底面に突出固定した伝熱性
検出窓２８に前記ケース９底面側から温度センサ
２６を押し当てることで、従来と同様にパン材料
の温度を正確に検出でき、しかも温度センサ２６
はパン焼成ケース９の着脱方向ではケース９側の
前記検出窓２８と干渉しないから、温度センサ２
６が障害となることなくパン焼成ケース９を着脱
でき、実際の製パン機構造に対応した温度検出が
行える効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す要部の説明
図、第２図は全体図、第３図は分解説明図、第４
図は部分説明図である。 ９……パン焼成ケース、２１……攪拌羽根、２
６……温度センサ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転させることによつて本体ケース１との係合
   及びその解除を行う着脱自在なパン焼成ケース９
   底面に断熱性樹脂体２７を介して伝熱性検出窓２
   ８を突出固定させると共に、温度センサ２６を前
   記パン焼成ケース９底面側から押し当てる前記検
   出窓２８は前記パン焼成ケース９の本体ケース１
   への回転係脱方向に沿つて長い長溝状に形成して
   あることを特徴とする製パン機の温度検出装置。