JPH0346686Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は小麦粉及び水及びベーキングパウダな
どをパン焼成ケースに投入し、パン焼成ケース内
で小麦粉などを混練させ、一次発酵及び二次発酵
させた後に焼成させる製パン器の上蓋構造に関す
る。

「従来の技術」 従来、焼がま本体に開放自在に装設する上蓋に
よつてオーブン室を密閉する手段があつた。

「考案が解決しようとする問題点」 前記従来技術はオーブン室の加熱によつて上蓋
開閉操作用握り手が高温になるため、上蓋を開放
して焼き上つたパンを取出す場合、タオルや手袋
を介して握り手を持つなど煩わし開閉操作を行わ
しめていた。

「問題点を解決するための手段」 然るに本考案は、パン材料を投入し混練及び発
酵及び焼成しを行うパン焼成ケースを装着するオ
ーブン室を焼がま本体に形成すると共に、前記焼
がま本体に上蓋を開閉自在に装設する装置におい
て、上蓋端縁内側に嵌込む端面Ｌ形の内輪下面を
焼がま本体上周縁に支持させてオーブン室を密閉
させると共に、前記上蓋端縁外側に嵌込む額フレ
ームに開閉操作用握り手を設け、また内輪と額フ
レームとを上蓋端縁に挾着固定させる一方の締付
け部材を焼がま本体後側上部に回動自在に連結す
る一方、もう一方の締付け部材を焼がま本体側に
係脱自在に挿入支持したものである。

「作用」 従つて本考案によれば、オーブン室から額フレ
ームへの放射熱を内輪によつて遮断し得ると共
に、内輪から額フレームへの放射熱もこの間の空
間により防止し得、額フレームを常に外気温と略
同温に維持することが可能となり、また内輪と額
フレームと上蓋の連結も特別な部品を用いること
なく、上蓋を焼がま本体に開閉自在に装設させる
締付け部材及び上蓋を焼がま本体にロツクする締
付け部材を兼用して行い得簡単な構造で安全に上
蓋開閉動作を行うようにしたものである。

「実施例」 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。第１図は上蓋後部の拡大説明図、第２図は上
蓋前部の拡大説明図、第３図は全体の正面図、第
４図は同断面側面図であり、支脚１…で支える円
筒形の焼がま本体２を備え、時間設定及び焼上り
選択用の操作盤３を焼がま体２の正面中央に、ま
た焼がま本体２の左右に持運び用の取手４を夫々
配設すると共に、透明なガラス製で集熱形状のド
ーム形上蓋５を焼がま本体２上部に開閉自在に装
設させ、前記蓋５後側をプラスチツク製の額フレ
ーム６を介して焼がま本体２の支点ブラケツト７
に連結支持させ、前記上蓋５前側の額フレーム６
に握り手８を一体形成している。

また円筒状の外ケース９と、外ケース９下端側
に嵌合固定させる底ケース１０と、外ケース９の
上半分に内設させ、オーブン室Ａを形成する上面
開口円筒容器内ケース１１とを備え、各ケース
９，１０，１１により焼がま本体２を構成すると
共に、外ケース９の前面内側にデイスプレ及びス
イツチ取付基板１２と演算回路基板１３とを配設
している。

また底ケース１０に立設固定する基台１４上面
に内ケース１１底部を上載固定し、内ケース１１
内周に環状の熱線放射ヒータ１５を固設すると共
に、小麦粉及びベーキングパウダなどのパン材料
を投入して混練及び発酵及び焼成を行う上部開口
円筒容器形パン焼成ケース１６を前記内ケース１
１の略中央に備え、焼成ケース１６の回転によつ
て係脱させる係止舌片１７，１８により外ケース
１６底部を内ケース１１底部略中央に着脱自在に
支持させるもので、小麦粉などのパンの材料を混
練する攪拌羽根１９を焼成ケース１６底部に設け
ると共に、粘土状のパン材料（ドウ）が羽根１９
と連れ回るのを防ぐ突条体２０を焼成ケース１６
内部側面に固定している。

さらに前記内ケース１１と基台１４の間に係止
舌片１８を介して軸受板２１を挾持固定し、その
軸受板２１に軸支させる回転軸２２上端に前記羽
根１９を着脱自在に嵌着させると共に、前記基台
１４にブラケツト２３を介して攪拌モータ２４を
取付け、タイミングプーリ２５，２６及びタイミ
ングベルト２７を介して前記回転軸２２とモータ
２４とを連動連結するもので、前記回転軸２２上
端に熱センサであるサーミスタ２８を設けてい
る。

さらに前記底ケース１０に外気吸入風路２９を
形成し、くま取り形モータ３０により駆動する送
風フアン３１を前記風路２９に内設させると共
に、前記フアン３１の排風側に加温ヒータ３２を
取付けるもので、内ケース１１の外側面に送風ダ
クト３３を固設し、前記風路２９の排風口に前記
ダクト３３下端側を連通させると共に、前記フア
ン３１からの送風を焼成ケース１６内部に送込む
案内ダクト３４を前記送風ダクト３３上端に首振
り自在に連結し、またバネ３４ａを介して前記案
内ダクト３４を起立保持している。

第１図及び第２図に示す如く、前記オーブン室
Ａから額フレーム６への放射熱を遮断する端面Ｌ
形の内輪３５を上蓋５下縁内側に備え、この内輪
３５と額フレーム６とで上蓋５下縁を挾むもの
で、前記支点ブラケツト７に支点ピン３６を介し
て回動自在に連設する上蓋５側の支点ブラケツト
７に締付け部材である形金具３７を一体形成
し、この金具３７に前記内輪３５及び額フレーム
６を嵌込みこれらをボルト要素３８を介して一体
的に締付け固定し、上蓋５の下縁後側を前記支点
ブラケツト７に開閉自在に連設させると共に、前
記受部７ａに当接させて上蓋５を開放位置に保持
するストツパー３９を前記支点ブラケツト７上縁
に一体形成させ、また前記の締付け部の上蓋５と
額フレーム６間に上蓋回り止め用シリコンゴム４
０を介装している。一方前記握り手８と額フレー
ム６との隙間に一端を嵌込む締付け部材である上
蓋５のロツク片４１を備え、該ロツク片４１及び
額フレーム６並びに内輪３５をボルト要素４２を
介して一体的に締付け固定させると共に、上蓋５
閉鎖時に前記ロツク片４１先端を焼がま本体２上
周縁に嵌合支持する枠フレーム４２に開口４３を
介して貫通させ、前記基台１４から内ケース１１
の前面に立設して基板１２に取付ける電気部品を
放射熱から保護する熱遮板４４先端に板バネ４５
を設け、該板バネ４５先端のく字形部４５ａを前
記ロツク片４１先端の係止孔４１ａに弾圧的に係
合させ、また額フレーム６との間に空間４２を設
けて対向した内輪３５下面を前記枠フレーム４２
に前記ロツク片４１を貫通させる緩衝パツド４３
を介して当設支持させるもので、焼がま本体２上
周縁に上蓋５端縁を接合したとき、該上蓋５と内
輪３５によつてオーブン室Ａを密閉している。

本実施例は上記の如く構成しており、第３図の
状態で、小麦粉、ベーキングパウダ、調味料、バ
ター及び水などのパン材料を投入するもので、小
麦粉の上側にベーキングパウダを、また下側に水
を入れてベーキングパウダが濡れないようにする
と共に、操作盤３のスイツチ操作によりパン焼上
り時間などを設定する。そしてモータ２４により
羽根１９を回転させて焼成ケース１６内の小麦粉
などを混練すると共に、送風フアン３１により温
風又は冷風を焼成ケース１６内に送り、該ケース
１６内の温度を約30度に維持して一次発酵及び二
次発酵を夫々行わせ、然る後にヒータ１５を作動
させてオーブン室Ａでパンを焼上げるもので、パ
ンを焼成時にこの内部温度を前記サーミスタ２８
により検出し、その内部温度が設定以上に上昇し
てパンが焼上つたとき、サーミスタ２８出力に基
づいてヒータ１５をオフに切換え、送風フアン３
１により冷風を送つて焼上つたパンを外気温と同
程度に冷やし、パンＢの製作を完了する。

この後、握り手８を支点ピン３６を中心に上方
に持上げることにより、板バネ４５からロツク片
４１が引抜かれると共に、垂直状態より若干後方
に傾斜した開放状態でストツパー３９により上蓋
５を位置保持させてオーブン室Ａを開放し、焼成
ケース１６を取出してこのケース１６からパンＢ
を抜出して食するものである。

上記のようなパン焼成時にはオーブン室Ａは高
温になるが、内輪３５と上蓋５とで密閉されたオ
ーブン室Ａの外側に額フレーム６が配設されるた
め、内輪３５が加熱するだけで額フレーム６並び
に握り手８が高温になるのを阻止でき、しかも内
輪３５からの放射熱も空間４２を介しての伝播で
あり、極めて微少なものなり、パンＢの取出し或
いは焼成時に素手で握り手８を持つても火傷等の
事故を発生させることがなく、安全に上蓋５を取
扱える。

「考案の効果」 以上実施例から明らかなように本考案は、パン
材料を投入し混練及び発酵及び焼成しを行うパン
焼成ケース１６を装着するオーブン室Ａを焼がま
本体２に形成すると共に、前記焼がま本体２に上
蓋５を開閉自在に装設する装置において、上蓋５
端縁内側に嵌込む端面Ｌ形の内輪３５下面を焼が
ま本体２上周縁に支持させてオーブン室Ａを密閉
させると共に、前記上蓋５端縁外側に嵌込む額フ
レーム６に開閉操作用握り手８を設け、また内輪
３５と額フレーム６とを上蓋５端縁に挾着固定さ
せる一方の締付け部材である受金具３７を焼がま
本体２後側上部に回動自在に連結する一方、もう
一方の締付け部材であるロツク片４１を焼がま本
体２側に係脱自在に挿入支持したもので、オーブ
ン室Ａから額フレーム６への放射熱を内輪３５に
よつて遮断できると共に、内輪３５から額フレー
ム６への放射熱もこの間の空間４２により防止で
き、額フレーム６を常に外気温と略同温に維持す
ることが可能となり、また内輪３５と額フレーム
６と上蓋５の連結も特別な部品を用いることな
く、上蓋５を焼がま本体２に開閉自在に装設させ
る受金具３７及び上蓋５を焼がま本体２にロツク
するロツク片４１を兼用して行うことができ、簡
単な構造で安全に上蓋５の開閉動作を行うことが
でき、コスト面及び取扱い面で顕著な効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は上蓋後部の拡大説明図、第２図は上蓋
前部の拡大説明図、第３図は全体の正面図、第４
図は同断面側面図である。 Ａ……オーブン室、Ｂ……パン、２……焼がま
本体、５……上蓋、６……額フレーム、８……握
り手、１６……パン焼成ケース、３５……内輪、
３７……受金具（締付け部材）、４１……ロツク
片（締付け部材）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パン材料を投入し混練及び発酵及び焼成しを行
   うパン焼成ケースを装着するオーブン室を焼がま
   本体に形成すると共に、前記焼がま本体に上蓋を
   開閉自在に装設する装置において、上蓋端縁内側
   に嵌込む端面Ｌ形の内輪下面を焼がま本体上周縁
   に支持させてオーブン室を密閉させると共に、前
   記上蓋端縁外側に嵌込む額フレームに開閉操作用
   握り手を設け、また内輪と額フレームとを上蓋端
   縁に挾着固定させる一方の締付け部材を焼がま本
   体後側上部に回動自在に連結する一方、もう一方
   の締付け部材を焼がま本体側に係脱自在に挿入支
   持したことを特徴とする製パン器の上蓋構造。