JPH04107744U - 原紙供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 原紙交換時において、旧原紙を切断した後同
原紙前端に引き出された状態となって残る原紙を、自動
的に元のロール側へ収納できるようにする。 【構成】 巻取紙繰出し速度をフィードロール１６に設
けたエンコーダ１４で検出すると共に、ロール状原紙の
回転数をローリングセンタ３の軸端に取付けたエンコー
ダ１０で検出する。エンコーダ１０，１４から得られた
速度と回転数から紙継ぎ時点での原紙直径を制御装置１
５で演算し、切断位置までの巻取紙の繰り出し長さと前
記原紙直径から、ロール状原紙の巻戻し回転数を演算す
る。得られた回転数だけロール状原紙を巻戻すことによ
り、紙先端切断部をロール状原紙の所定位置へ巻戻す。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、コルゲートマシン，輪転印刷機等に設備するロール状原紙供給装置 に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図３により従来例を説明すると、図３はオーダーチェンジに伴う原紙交換方法 の説明図であり、図４は従来型原紙供給装置の不具合点説明図である。

【０００３】 図３において、段ボールシート製造用原紙（ライナ，芯紙）１ａ，１ｂは、ロ ール状に形成されたもので、初期設定としては中心部両端を原紙供給装置Ｐａ， Ｐｂのローリングセンタ３に支承された状態で製造ライン内の所定位置に搬入設 置される。そしてこの製造に供する原紙１ａ，１ｂは、フィードロール１６ａ， １６ｂの挟持回転により順次巻戻されて次工程に搬送されるが、過剰な供給を制 動しバックテンションを付加する事によってシワ，タルミを防止すべく、原紙供 給装置Ｐａ，Ｐｂのローリングセンタ３部には図示省略のブレーキが設けられて いる。

【０００４】 さてオーダーチェンジに伴う原紙の交換は、図３に示す如く待機させてある新 オーダー原紙１ｂの先端を、走行中の旧オーダー原紙１ａに対し両面粘着テープ １７を介して接合させると共に、この接合点に近接して配置されたカッタ１８に よって図中Ｚ位置で旧原紙１ａを切断し、連続して次の新原紙１ｂが供給できる ようにする。

【０００５】 なお、紙継ぎに際して切断された旧原紙１ａ前端には図中Ｘ〜Ｙ〜Ｚ、つまり ロール状原紙１ａから切断位置Ｚ迄の長さに相当する紙前端が引出された状態で 残る事になる。

【０００６】 従って旧残原紙１ａの処理としては、前記巻取紙繰出し部を元のロール側へ巻 取り、かつ図６，図７に示す如くユルミ防止用テープ１９の貼付け作業が必要に なる。また繰出した巻取紙前端部の巻取収納に係る作業は、これ迄手作業でロー ルを回転させる、或いはローリングセンタ３後端に付属させた回転駆動手段を介 して回転させる等の方法が採られていた。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかし前記従来の紙端巻取り装置には紙端位置の自動設定機能がなく、ロール 側巻取り後の停止位置によっては、図３に例示した如く紙端がほぐれて垂れ下が ったり、また作業性の悪い場所に停止してユルミ防止用テープ１９の貼付作業に 支障をきたす等の不具合があった。そこでこれらの状況から紙先端位置合せに際 し、こまかい手作業（ロール側への巻取）、またモータ駆動型においては寸動等 の操作が必要であった。従って作業時間に長い時間を要する、作業が困難である 等から作業能率が向上せず、頻繁なオーダーチェンジと相俟って大きな問題とな っていた。

【０００８】 前記従来技術の項にて説明したように、従来の原紙供給装置では、原紙交換に おいて旧原紙を切断した後、原紙前端に引き出された状態となって残る原紙を元 のロール側へ収納する際、人手、若しくはローリングセンタ部に具備した回転駆 動装置を介して、引き出された原紙を巻取る方法がとられていた。

【０００９】 しかし前記人手に頼る方法は原紙重量によっては作業が難しく、また回転駆動 手段による方法はロール周上の原紙切断端の位置が不確実で、作業位置迄の移動 設定には手作業による補正、或いは回転駆動装置の寸動補正を必要とし、また巻 取紙前端の固定用（緩み防止用）テープも手作業で施行する方法がとられる等自 動化されたものではなく、原紙交換及び再設定に時間がかかる等の不具合が残さ れていた。

【００１０】 本考案は旧原紙の先端切断部を元のロール状原紙周上の所定位置において停止 させ、固定用テープを自動的に貼付できるようにすることにより、前記従来の課 題に対処せんとするものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

このため本考案は、原紙を回動可能に支承するローリングセンタに回転駆動手 段及び回転数検知手段を具備させると共に、原紙の走行速度検知手段を設け、同 両検知手段からのデータを制御装置を介して前記ローリングセンタの回転駆動手 段にフィードバックする事により、原紙交換によって切断され旧原紙前端の引き 出された状態で残った紙前端部をロール側へ巻取り、かつ紙前端切断部をロール 状原紙周上の所定位置にて停止するようにしてなるもので、これを課題解決のた めの手段とするものである。

【００１２】

【作用】

本考案によれば、紙継ぎ時における原紙走行速度ｖと旧原紙の直径Ｄ，回転数 ＮからＤ＝ｖ／π・Ｎを求め、旧原紙切断時の原紙繰り出し長さ（つまりロール 周上の原紙先端停止位置から切断位置迄の長さ）Ｌと、前記旧原紙直径Ｄの関係 Ｌ＝π・Ｄ・ＮからＮ＝Ｌ／π・Ｄを算出し、回転数Ｎをローリングセンタ（旧 原紙巻取紙）の回転駆動装置にフィードバックし、この回転数だけ原紙ロールを 逆転させ、原紙交換によって切断された旧原紙前端を巻取る。このような制御を 行なうことにより、本考案は旧原紙先端切断部をロール状原紙周上の所定位置に 設定（停止）させた後、緩み防止用テープを自動的に貼付することが可能となり 、原紙交換は旧原紙の取外しと新原紙装着の作業のみで良い。

【００１３】

【実施例】

以下図面の実施例について本考案を説明すると、図１は本考案に係る原紙供給 装置の概略構成説明図である。本考案はオーダーチェンジ等の伴う原紙交換に際 して旧原紙から巻戻され（引き出され）残っている前端部を元のロール側に巻取 り、かつ最先端切断部をロール周上の所定位置にて停止するように制御し、緩み 防止等事後処理、つまり固定用テープ貼付の自動化を図ったものであり、以下そ の構成，機能について説明する。

【００１４】 図１に１例を示す如く本考案は、公知巻取紙１を支承すべく原紙供給装置部の 移動架台２に軸支された一対のローリングセンタ３ａ，３ｂ後端において、ブレ ーキ４を具備させている。ブレーキ４はローリングセンタ３ａ，３ｂの軸にキー ５を介して固着した回転子４ｂと回転子４ａから構成されており、固定子４ａの 片側端に固着したギヤ６は、同架台２に取付けたモータ７の軸端に固着したギヤ ８と噛合せてある。また片側ローリングセンタ３ａの軸後端には、カップリング ９を介してエンコーダ１０が取付けられている。

【００１５】 一方フレーム１１に軸支され原紙１を搬送するフィードロール１６ａ軸の片側 端には、ローリングセンタ３と同様にカップリング１３を介してエンコーダ１４ が取付けられている。なお、図中１５は制御装置で、エンコーダ１０及び１４か らのデータを入力して演算した後、モータ７にフィードバックする事によってロ ーリングセンタ３（巻取紙１）の回転数（角度）が設定できるようになっている 。

【００１６】 次に以上の如く構成された実施例について説明する。図２において巻取紙１の 走行速度ｖは、フィードロール１６ａの直径ｄ，回転数ｎからｖ＝π・ｄ・ｎと なり、この値はロール状原紙１の直径Ｄ，回転数Ｎから得たｖ＝π・Ｄ・Ｎと等 しくなる。従ってｖ＝π・ｄ・ｎ＝π・Ｄ・Ｎの関係から紙継ぎ時の巻取紙１直 径ＤはＤ＝π・ｄ・ｎ／π・Ｎによって計算できる（ｄは一定値、ｎ，Ｎはエン コーダ１０，１４にて検知できる）。

【００１７】 また一方紙継ぎ時巻取紙前端に引き出されている巻取紙長さＬ、つまり図２に おける巻取紙周上の基準点Ｘ、ガイドロール１２を捲回する点Ｙ、更に原紙切断 点Ｚまでの長さは略一定値となっている。従って旧原紙切断後巻取網１の直径Ｄ と、前記引き出されている長さＬの関係において、Ｌ＝πＤＮｏ、つまりＮｏ＝ Ｌ／πＤの回転数（角度）のみ巻取紙１を逆に回転させて紙前端を巻き取らせれ ば、巻取紙先端の切断点を巻取紙周上の基準点Ｘに合致させる事が可能となる。

【００１８】 なお、図５に示す作業場所（緩み防止テープの貼付位置）は、基準点Ｘからの 補正によって任意に設定する事ができ、また切断後慣性に伴う巻取紙の過回転等 についても、回転角度をエンコーダ１０を介してカウントしておき、逆転させれ ば簡単に補正する事ができる。

【００１９】 本考案は以上の如く構成，機能するもので、原紙交換により切断された旧原紙 切断点（最先端部）Ｚ位置を元のロール側へ巻取り、周上指定した場所に位置さ せる事ができる。

【００２０】 また図２中の２０は、巻取紙外周面に対して接離可能に構成した１組、或いは 巻取紙ロール軸方向に並設した複数組のテープ貼付装置で、巻取紙をロール側へ 巻取り先端を所定位置、例えばＸにて停止させた後、図５に示す指定位置（図は ３カ所）に緩み防止用テープ１９を自動的に貼付できるようになっている。なお 、前記したテープ自動貼付装置としては公知種々形式のものがある。

【００２１】 以上説明したように本考案によれば、旧原紙先端の処理を自動化させているた め、原紙交換は進級原紙を差替えするだけで良くなった。なお、本考案は前記実 施例にのみ限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において 、種々変更を加え得るものである。

【００２２】

【考案の効果】

本考案によれば、巻取紙繰出し速度（走行速度）とロール状原紙の回転数から 紙継ぎ時点での原紙直径を算出し、切断位置迄の巻取紙繰り出し長さと前記原紙 直径から、ロール状原紙の巻き戻した回転数を演算し、得られた所定の回転数だ けロール状原紙を巻取り側（方向）へ回転させる事によって、紙先端切断部をロ ール状原紙外周上の所定位置へ停止させるように制御したものであるから、巻取 紙前端収納に当たって行なうテープ貼り等の取りまとめの作業を、具備したテー プ貼付装置を介して自動的に行なわせる事ができ、原紙交換作業としては新旧原 紙の差替交換のみで良くなる。従って省力化，安全性の向上及び作業時間の大幅 な短縮を図る事ができる。

【提出日】平成３年４月２４日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１８

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１８】 なお、図５に示す作業場所（緩み防止テープの貼付位置）Ｙは、基準点Ｘから の補正によって任意に設定することができ、また切断後慣性に伴う巻取紙の過回 転等についても、回転角度をエンコーダ１０を介してカウントしておき、逆転さ せれば簡単に補正する事ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る原紙供給装置の概略構成平面図で
ある。

【図２】図１の側面図である。

【図３】オーダーチェンジに伴う原紙交換方法の説明図
である。

【図４】従来型原紙供給装置の不具合点説明図である。

【図５】本考案に係る原紙供給装置の機能説明図であ
る。

【図６】交換後旧原紙の収納方法の説明用側面図であ
る。

【図７】交換後旧原紙の収納方法の説明用正面図であ
る。

【符号の説明】

１ 巻取紙（原紙） ２ 移動架台 ３ ローリングセンタ ４ ブレーキ ５ キー ６，８ ギヤ ７ モータ ９，１３ カップリング １０，１４ エンコーダ １１ フレーム １２ ガイドロール １５ 制御装置 １６ フィードロール １７ 両面粘着テープ １８ カッタ １９ ユルミ防止用テープ ２０ テープ自動貼付装置 Ｐ 原紙供給装置

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【手続補正書】

【提出日】平成３年４月２４日

【手続補正２】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図５

【補正方法】変更

【補正内容】

【図５】

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 原紙を回動可能に支承するローリングセ
   ンタに回転駆動手段及び回転数検知手段を具備させると
   共に、原紙の走行速度検知手段を設け、同両検知手段か
   らのデータを制御装置を介して前記ローリングセンタの
   回転駆動手段にフィードバックする事により、原紙交換
   によって切断され旧原紙前端の引き出された状態で残っ
   た紙前端部をロール側へ巻取り、かつ紙前端切断部をロ
   ール状原紙周上の所定位置にて停止するようにしたこと
   を特徴とする原紙供給装置。