JPH0410115Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、荷役車輌の後部に設けられ、荷台へ
の積荷の積卸しの際に使用されるものであつて、
駆動装置に連結されたワイヤの繰り出しまたは引
き寄せにより荷受台（以下テールゲートという）
が昇降動および傾動する荷受台昇降装置に関す
る。

（従来の技術） 従来、この種の荷受台昇降装置は、荷役車輌の
荷箱後端に立設されたポストと、該ポスト内に直
接、またはポスト内に摺動自在に挿入されたサブ
ポストを介して、昇降自在に挿入されたスライダ
と、該スライダに回動自在に支持され、断面くさ
び状に形成されたテールゲートと、一端が油圧シ
リンダ等の駆動装置に止着されるとともに他端が
ポスト上端に枢支されたローラおよびスライダを
経てテールゲートに止着されたワイヤとからな
り、これらポスト、サブポスト、スライダ、ワイ
ヤは荷箱後端の両側部に左右対称に設けられてい
る。そして、前記駆動装置によつてワイヤを駆動
装置側からポスト内へ繰り出しあるいは駆動装置
側に引き寄せることで、水平に支持されたテール
ゲートは昇降動するとともに、地上面に達すると
傾動し、該テールゲートの先端部が地上面と当接
することにより積荷の積卸しが容易に行えるよう
に図られている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上記従来の荷受台昇降装置では
テールゲートの昇降時において、水平に保持され
たテールゲートが積載した積荷の重量等により不
用意に傾動してしまうこともあり、安全性に問題
があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案の荷受台昇降装置は、荷役車輌の荷箱後
端にポストが立設され、該ポスト内に直接、また
はポスト内に摺動自在に挿入されたサブポストを
介して、上部に第１昇降ローラを下部に第２昇降
ローラをそれぞれ枢支したスライダが昇降自在に
挿入され、該スライダに荷受台が回動自在に支持
された荷受台昇降装置において、前記ポストまた
はサブポストに、第１昇降ローラを後方にあるい
は第２昇降ローラを前方に導き、前記スライダを
後方に傾斜させる傾斜部を形成し、前記第１昇降
ローラあるいは第２昇降ローラに傾斜部に沿つて
前方あるいは後方に移動し、荷受台が傾動可能に
なされたものである。

（作用） ワイヤをポスト側に繰り出すと、テールゲート
を水平に支持したスライダは降下する。そして、
スライダが地上面直前に達すると、スライダは後
方に傾斜するように該スライダに枢支された第１
昇降ローラあるいは第２昇降ローラがポストある
いはサブポストに形成された傾斜部に沿つて前方
あるいは後方に移動する。よつて、このスライダ
に水平に支持されたテールゲートも同様に傾動
し、テールゲートの先端部が地上面と当接する。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

この種の荷受台昇降装置には、一般にポスト内
にテールゲートを支持するスライダが直接挿入さ
れたものと、ポスト内に摺動自在に挿入されたサ
ブポストを介してスライダが挿入されたものがあ
り、まず、後者であるサブポストを備えた荷受台
昇降装置を例にとつて説明する。

第１図は荷箱の後端に設けられた荷受台昇降装
置を示し、第２図はテールゲートの昇降状態を示
し、第３図はテールゲートの傾動状態を示してい
る。

この荷受台昇降装置は、荷役車輌の荷箱８の後
端に固着されたポスト１と、該ポスト１内に摺動
自在に挿入されたサブポスト２を介して昇降自在
に挿入されたスライダ３と、該スライダ３に回動
自在に支持されたテールゲート５と、一端が駆動
装置に、他端がスライダ３に止着されたワイヤ７
とから構成されており、駆動装置によるワイヤ７
の繰り出しあるいは引き寄せによつて、テールゲ
ート５が昇降動されるとともに、テールゲート５
が地上面に達した時に傾動するようになされたも
のである。また、上記したポスト１、サブポスト
２、スライダ３、ワイヤ７は、荷箱８の後端両側
部に左右対称に設けられている。

ポスト１は中空の柱状体であり、後壁１１の略
中央には上下方向に切欠溝１３が形成されてい
る。ポスト１の内部は中仕切板１２によつて前部
室と後部室とが形成され、前部室と後部室とは上
部で連通されている。この連通された上部にはガ
イドローラ１５が枢支され、駆動装置から前部室
に導かれたワイヤ７を後部室側の下方に折り返す
ようになされている。駆動装置としては、例え
ば、油圧シリンダ６が用いられ、この油圧シリン
ダ６は荷台の後端に設けられたクロスメンバー９
内に配置されている。

サブポスト２は、前記ポスト１の後部室内に上
下方向に摺動自在に挿入されたもので、サブポス
ト２の後壁２１には前記ポスト１の切欠溝１３と
対応するように切欠溝２２が上下方向に形成され
ている。また、サブポスト２の前壁２３の後端は
外方へ湾曲して形成されており、この湾曲面がス
ライダ３を後方へ傾斜させる傾斜部２４になされ
ている。サブポスト２の上部にはローラ２５が枢
支され、このローラ２５はポスト１の後壁１１内
側面と当接するようになされている。また、ポス
ト１の前部室の後端部にはローラ２６が枢支さ
れ、このローラ２６はサブポスト２の前壁２３の
外側面と当接するようになされている。これらロ
ーラ２５，２６によつてサブポスト２が後部室内
を円滑に移動することができる。

スライダ３は、ポスト１の後壁１１の外側面と
略平行に配置されたベース板３１と、該ベース板
３１の内側面に略垂直に固着され、前記切欠溝１
３，２２を通つてサブポスト２内に配置されるウ
エブ３２と、該ウエブ３２の上部に枢支された第
１昇降ローラ３３および下部に枢支された第２昇
降ローラ３５とから構成されている。第１昇降ロ
ーラ３３は、サブポスト２の後壁２１の内側面と
当接し、第２昇降ローラ３５はサブポスト２の前
壁２３の内側面と当接し、これら第１、第２昇降
ローラ３３，３５によつてスライダ３はサブポス
ト２内を円滑に移動することができる。３６はス
ライダ３に固着された止着部材で、この止着部材
３６に一端が油圧シリンダ６等の駆動装置に連結
されたワイヤ７の他端が止着される。

テールゲート５の基端両側部５１は左右に設け
られた前記スライダ３，３のベース板３１，３１
の下部にブラケツト３７，３７を介して回動自在
に支持されている。３８はスライダ３のウエブ３
２の下端に固着されたストツパで、テールゲート
５の基端と当接し、テールゲート５を水平に保持
している。

次に、荷受台昇降装置の動作について説明す
る。

まず、テールゲート５の昇降動作は、油圧シリ
ンダ６によりワイヤ７をクロスメンバー９内から
ポスト１側に繰り出しあるいはクロスメンバー９
内に引き寄せることによりワイヤ７の他端に連結
されたスライダ３を上下動させることで行われて
いる。つまり、該スライダ３に支持されたテール
ゲート５は、ストツパ３８により水平状態を保つ
て昇降動される。

次に、テールゲート５の傾動動作について説明
する。油圧シリンダ６によつてワイヤ７をクロス
メンバー９内からポスト１側へ繰り出すと、スラ
イダ３は、該スライダ３およびテールゲート５の
自重により降下し、これにともないスライダ３の
支持されたテールゲート５は水平状態を保持して
降下する。スライダ３の第１昇降ローラ３３は、
サブポスト２の後壁２１の内側面に沿つて移動す
るとともに、第２昇降ローラ３５はサブポスト２
の前壁２３の内側面に沿つて移動している。さら
に、スライダ３が降下し地上面直前に達すると、
第２昇降ローラ３５はサブポスト２の前壁２３の
後端が外方に湾曲して形成された傾斜部２４に沿
つて移動し、第２昇降ローラ３５が前方に導か
れ、これにともなつてスライダ３は後方に傾く。
よつて、スライダ３に水平に保持されているテー
ルゲート５も傾動し、テールゲート５の先端は地
上面と当接して、積荷の積卸しが容易に行われる
ようになる（第３図参照）。

次に、ポスト１内にスライダ３が直接挿入され
た荷受台昇降装置、つまりサブポスト２を用いな
い荷受台昇降装置に本考案を適用したものを第４
図および第５図を参照して説明する。

第４図はポスト１内にスライダ３が直接挿入さ
れた荷受台昇降装置を示し、第５図はテールゲー
トの傾動状態を示している。なお、前記実施例と
同部材には同符号を付す。

ポスト１の後壁１１にはテールゲート５が地上
面に達する直前でスライダ３に枢支された第１昇
降ローラ３３を後方に導き、該スライダ３を後方
に傾斜させるように膨出した傾斜部６０が形成さ
れ、この傾斜部６０に第１昇降ローラ３３が導か
れ、該第１昇降ローラ３３が後方に移動すること
によりスライダ３が後方に傾斜し、テールゲート
５は傾動される。他の動作については前記実施例
と同様であり、説明を省略する。なお、ポスト１
内にスライダ３が直接挿入された荷受台昇降装置
において、ポスト１の中仕切板１２の後端に前記
実施例と同様に外方に湾曲させた傾斜部２４を形
成することによりテールゲート５の傾動を行つて
もよい。また、前記実施例において、サブポスト
２の前壁２３にこの傾斜部６０を形成してもよ
い。

さらに、これら傾斜部２５，６０の形状、大き
さ等は本例に限定されるものでなく、第１昇降ロ
ーラを後方へあるいは第２昇降ローラを後方へ導
き、スライダが後方へ傾斜するように形成されて
いればよい。

（考案の効果） 以上述べたように、本考案は、地上面でのテー
ルゲートの傾動を簡単な構造で確実に行うことが
でき、非常に有用なものである。また、昇降時に
は不用意に傾動することなく、安定した積荷の積
卸しが行え安全性に優れたものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図はサブポストを備えた荷受台
昇降装置を示し、第１図は荷箱の後端に設けられ
た荷受台昇降装置を示す斜視図、第２図はテール
ゲートの昇降状態を示す一部省略の縦断側面図、
第３図はテールゲートの傾動状態を示す一部省略
の縦断側面図、第４図および第５図はポスト内に
直接スライダが挿入されたサブポストがない荷受
台昇降装置を示し、第４図はこの荷受台昇降装置
を示す傾斜図、第５図はテールゲートの傾動状態
を示す一部省略の縦断側面図である。 １……ポスト、２……サブポスト、３……スラ
イダ、５……テールゲート（荷受台）、８……荷
箱、２５，６０……傾斜部、３３……第１昇降ロ
ーラ、３５……第２昇降ローラ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 荷役車輌の荷箱後端にポストが立設され、該ポ
   スト内に直接、またはポスト内に摺動自在に挿入
   されたサブポストを介して、上部に第１昇降ロー
   ラを下部に第２昇降ローラをそれぞれ枢支したス
   ライダが昇降自在に挿入され、該スライダに荷受
   台が回動自在に支持された荷受台昇降装置におい
   て、 前記ポストまたはサブポストに、第１昇降ロー
   ラを後方にあるいは第２昇降ローラを前方に導
   き、前記スライダを後方に傾斜させる傾斜部を形
   成し、前記第１昇降ローラあるいは第２昇降ロー
   ラが傾斜部に沿つて前方あるいは後方に移動し、
   荷受台が傾動可能になされたことを特徴とする荷
   受台昇降装置。