JPH04100925U - 自動車用シートのスライド装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ２枚の板を組合わせてなるアッパーレールを
有するシートスライド装置において、レールの作動負荷
のバラつきとガタつきを少なくする。 【構成】 ロアレールは、底部と、この底部の幅方向の
両側からそれぞれ上方へ立上る側壁部と、この各側壁部
からそれぞれ内方へ下向きに立下る立下り部とで成り、
アッパーレールは、２枚の板が所定の間隔で対向配置さ
れて上記ロアレールの各立下り部の間に挿入される基部
と、この基部の各板の下端から上記ロアレールの各立下
り部と対向するようにそれぞれ外方へ上向きに立上る立
上り部とで成り、上記アッパーレールの基部の２枚に板
の間に、上記ロアレールの底部の内面に接触するローラ
が回転自在に支持されている。そして、アッパーレール
は、このローラにより、ロアレールに沿ってスライドす
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車用シートのスライド装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、図４に示すように、自動車用シート１はシートクッション２とシートバ ック３とで構成されていて、このシート１には、車体フロアに固定されるロアレ ール１０と、シートクッション２に固定されるアッパーレール１１と、この両レ ール１０，１１の間に介設されるローラ（不図示）とでなるスライド装置が設け られている。このスライド装置は、図２及び図３に示すように、ロアレール１０ は、底部１０ａと、この底部１０ａの幅方向の両側からそれぞれ上方へ立上る側 壁部１０ｂ，１０ｂと、この各側壁部１０ｂ，１０ｂからそれぞれ内方へ下向き に立下る立下り部１０ｃ，１０ｃとで成る。またアッパーレール１１は、２枚の 板が重ね合わされて上記ロアレール１０の各立下り部１０ｃ，１０ｃの間に挿入 される重ね合わせ基部１１ａと、この基部１１ａの各板の下端から上記ロアレー ル１０の各立下り部１０ｃ，１０ｃと対向するようにそれぞれ外方へ上向きに立 上る立上り部１１ｂ，１１ｂとで成る。そして、ブッシュ１２，１２が各立下り 部１０ｃ，１０ｃと立上り部１１ｂ，１１ｂの間に介設され、ローラ１３がロア レール１０の底部１０ａとアッパーレール１１の立上り部１１ｂ，１１ｂとの間 に介設されている(実開昭６２−１１１２２９号公報参照)。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このスライド装置では、アッパーレール１１が２枚に板を溶接 等で固定して構成されているので、ローラ１３に接触するアッパーレール１１の 各立上り部１１ｂ，１１ｂの下面を高精度で面一に仕上げることが非常に困難で ある。このため、立上り部１１ｂの一方の下面のみがローラ１３に強く接触した り、逆にローラ１３との間に隙間が生じたりすることにより、スライドレール１ ０，１１の作動負荷のバラつきが大きくなり、また、ローラ１３の前後位置がず れてアッパーレール１１のスライドが不能になったり、ドレールのガタつきも大 きくなるという問題があった。

【０００５】 そこで本考案は、レールの作動負荷のバラつきが小さく、ローラの位置ずれも なく、かつレールのガタつきもない自動車用スライド装置を提供することを目的 とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本考案は、車体フロアに固定されるロアレールと 、シートに固定されるアッパーレールと、この両レールの間に介設されるローラ とでなる自動車用シートのスライド装置において、 上記ロアレールは、底部と、この底部の幅方向の両側からそれぞれ上方へ立上 る側壁部と、この各側壁部からそれぞれ内方へ下向きに立下る立下り部とで成り 、上記アッパーレールは、２枚の板が所定の間隔で対向配置されて上記ロアレー ルの各立下り部の間に挿入される基部と、この基部の各板の下端から上記ロアレ ールの各立下り部と対向するようにそれぞれ外方へ上向きに立上る立上り部とで 成り、上記アッパーレールの基部の２枚に板の間に、上記ロアレールの底部の内 面に接触する上記ローラが回転自在に支持されていることを特徴とする。

【０００７】

【作用】

上記アッパーレールの基部の２枚の板を所定の間隔で配置して、この板の間に 、ロアレールの底部の内面に接触するローラを軸で回転自在に支持する。アッパ ーレールは、このローラにより、ロアレールに沿ってスライドする。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

【０００９】 図１に示すように、ロアレール２０は、フラットな底部２０ａと、この底部２ ０ａの幅方向の両側からそれぞれ上方へ直角に立上る側壁部２０ｂ，２０ｂと、 この各側壁部２０ｂ，２０ｂからそれぞれ内方へ下向きに立下る立下り部２０ｃ ，２０ｃとで成っている。アッパーレール２１は、２枚の板２１ｃ，２１ｃが所 定の間隔で対向配置されて、上記ロアレール２０の各立下り部２０ｃ，２０ｃの 間に挿入される基部２１ａと、この基部２１ｃの各板２１ｃ，２１ｃの下端から 上記ロアレール２０の各立下り部２０ｃ，２０ｃと対向するようにそれぞれ外方 へ上向きに立上る立上り部２１ｂ，２１ｂとで成っている。

【００１０】 上記ロアレール１０の各立下り部２０ｃ，２０ｃの内面と上記アッパーレール ２１の各立上り部２１ｂ，２１ｂの上端との間に合成樹脂製のブッシュ２２が設 けられている。このブッシュ２２は、アッパーレール２１の各立上り部２１ｂ， ２１ｂをスライドガイドするとともに、アッパーレール２１の上向きのガタつき を防止し、かつアッパーレール２１の幅方向を位置決めする。

【００１１】 上記アッパーレール２１の基部２１ａの各板２１ｃ，２１ｃの間には、大径の ローラ２３が介設され、このローラ２３は、各板２１ｃ，２１ｃで両端支持され て軸２４により回転自在に支持されている。このローラ２３は、上記ロアレール ２０の底部２０ａの内面に接触して、アッパーレール２１の下向きの荷重を受け 支える。

【００１２】 上記構成によれば、アッパーレール２１は、ブッシュ２２により、上向きのガ タつきが防止され、かつ幅方向が位置決めされた状態で、各立上り部２１ｂ，２ １ｂがスライドガイドされる。このアッパーレール２１のスライド時に、大径の ローラ２３がロアレール２０の底部２０ａの内面を転動するので、アッパーレー ル２１のスライドがスムースになる。

【００１３】 上記実施例によれば、２枚の板２１ｃ，２１ｃを溶接等で固定したアッパーレ ール２１の各立上り部２１ｂ，２１ｂの下面を、高精度で面一に仕上げる必要が ないので、製造が容易である。また、ロアレール２０の底部２０ａの内面に接触 するのは、アッパーレール２１の基部２１ａに軸２４で支持したローラ２３であ るから、接触隙間の調整が容易にできるので、両レール２０，２１の作動荷重の バラつきが小さくなる。また、ローラ２３の直径を大きくでき、しかも軸２４で 固定しているので、ローラ２３の前動位置がずれることがなく、スライドレール ２０，２１のガタつきがない。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は、アッパーレールの基部の２枚の板の間に、ロアレールの底部の内面 に接触するローラを軸で支持したものであるから、アッパーレールの立上り部の 下面を高精度で仕上げる必要がなくなるので、アッパーレールの製造が容易にな る。また、上記ローラの接触隙間の調整が容易にできるので、スライドレールの 作動荷重のバラつきが小さくなり、ガタつきも小さくなる。さらに、ローラの直 径を大きくでき、しかも軸で固定しているので、ローラの前後位置がずれること がなく、レールのガタつきも少なくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るスライド装置の正面断面図であ
る。

【図２】従来のスライド装置の正面断面図である。

【図３】自動車用シートの斜視図である。

【符号の説明】

２０ ロアレール ２０ａ 底部 ２０ｂ 側壁部 ２０ｃ 立下り部 ２１ アッパーレール ２１ａ 基部 ２１ｂ 立上り部 ２１ｃ 板 ２３ ローラ ２４ 軸

【手続補正書】

【提出日】平成３年１１月２２日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図面の簡単な説明の欄

【補正方法】変更

【補正内容】

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係るスライド装置の正面断面図

【図２】 従来のスライド装置の正面断面図

【図３】 スライド装置の斜視図

【図４】 自動車用シートの斜視図

【符号の説明】 ２０…ロアレール、２０ａ…底部、２０ｂ…側壁部、２
０ｃ…立下り部、 ２１…アッパーレール、２１ａ…基部、２１ｂ…立上り
部、２１ｃ…板、 ２３…ローラ、２４…軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車体フロアに固定されるロアレールと、シ
   ートに固定されるアッパーレールと、この両レールの間
   に介設されるローラとでなる自動車用シートのスライド
   装置において、上記ロアレールは、底部と、この底部の
   幅方向の両側からそれぞれ上方へ立上る側壁部と、この
   各側壁部からそれぞれ内方へ下向きに立下る立下り部と
   で成り、上記アッパーレールは、２枚の板が所定の間隔
   で対向配置されて上記ロアレールの各立下り部の間に挿
   入される基部と、この基部の各板の下端から上記ロアレ
   ールの各立下り部と対向するようにそれぞれ外方へ上向
   きに立上る立上り部とで成り、上記アッパーレールの基
   部の２枚に板の間に、上記ロアレールの底部の内面に接
   触する上記ローラが回転自在に支持されていることを特
   徴とする自動車用シートのスライド装置。