JPH0380187B2 - - Google Patents

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JPH0380187B2
JPH0380187B2 JP15899284A JP15899284A JPH0380187B2 JP H0380187 B2 JPH0380187 B2 JP H0380187B2 JP 15899284 A JP15899284 A JP 15899284A JP 15899284 A JP15899284 A JP 15899284A JP H0380187 B2 JPH0380187 B2 JP H0380187B2
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JP
Japan
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formula
water
film
liquid crystal
hydroxyl group
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JP15899284A
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JPS6137892A (ja
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Takayuki Ogata
Toyoki Kunitake
Hiroyuki Yanagi
Hikari Horimoto
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
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Publication of JPS6137892A publication Critical patent/JPS6137892A/ja
Publication of JPH0380187B2 publication Critical patent/JPH0380187B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、特定の重合体、特定の有機化合物及
び特定の無機塩よりなる水に対して安定化された
液晶組成物に関する。 生体のエネルギー摂取や代謝物処理は生体膜を
介して行なわれている。近年、生体膜に類似した
合成有機化合物の研究が進められており、直鎖疎
水基とイオン性基を有する化合物のうち一部のも
のが、水中で安定な液晶構造をとることが報告さ
れている。これらの液晶性を有する合成有機化合
物は、生体膜と類似した機能、例えば相転移や相
分離、有機分子吸着等の機能を有しており、合成
生体膜としての可能性を示している。しかし前記
の合成有機化合物によつて形成される液晶構造は
前記の合成有機化合物が水中に分散してあたかも
濃厚な石けん水の如き状態で存在することによつ
て得られるためそのままの形で実用的に使用する
ことは極めて困難である。そこで、生体膜と類似
の機能を維持しつつ、前記の合成有機化合物を固
定化し、その取扱いを容易にしようとする方法が
試みられている。その方法の1つとして、前記の
合成有機化合物をポリビニルアルコールと混合し
て膜状物に成形することが行なわれている。 (Chemistry Letters、625−626(1983);
Chemisry Letters、717−720(1984)) これらの膜状物中では前記合成有機化合物の液
晶構造が保持されており、該合膜状物は液晶性を
示す。しかし、これらアルキル基の構成成分は水
溶性であり、該膜状物を水中にて使用する場合構
成成分の再溶解が起こるという欠点を有してい
る。これら膜状物を不溶化する方法として放射線
を照射することが行なわれている。(第49回日本
化学会春季年回予稿集、660(1984))。しかし特殊
な装置を必要とするため汎用性に欠ける。また前
記膜状物を酢酸セルロースで被覆する方法も行な
われているが、(高分子学会予稿集、32(10)、2845
−2848(1983))十分な耐水性は得られていない。 本発明者らは、上記欠点を解決し実用的に供し
得る耐水性を有する液晶性組成物を得るべく研究
を重ねた結果、
【式】単位を有する重 合体と合成有機化合物よりなる組成物にホウ酸塩
を用いることにより水中での構成物質の溶出が極
めて少なく、しかも液晶としての機能が十分に発
揮される液晶組成物となることを見出し本発明を
完成させるに至つた。 即ち本発明は、 () ビニルエステル類の単独重合体又はビニル
エステル類間の或いはビニルエステル類と他の
エチレン性単量体との共重合体のケン化物又は
そのアセタール化物 () 下記一般式〜より選ばれた1種の有機
化合物 及び () ホウ酸塩 からなる液晶組成物 (但し、R1及びR2は同種又は異種の炭素数
6〜30の直鎖アルキル基又はそのハロゲン置換
体であり、R3及びR4は同種又は異種の炭素数
1〜4のアルキル基、又はその水酸基による置
換体である。) (但し、R1及びR2は前記と同じであり、Aは、 (―B)―j(―CH2)―k (但し、Bは
【式】
【式】
【式】又は
【式】 であり、 jは0又は1であり、kは正の整数である。)
であり、h、iは正の整数であり、R3及びR4
は前記のR3及びR4と同じである。R5は炭素数
1〜4のアルキル基又はその水酸基による置換
体である。) (但し、R1、R2、R3、R4、R5及びAは前記
と同じであり、1は1又は2、mは0又は1で
ある。) 〔但し、R3、R4及びR5は前記と同じであり、
R6は炭素数4〜30のアルキル基、アルキルオ
キシ基、若しくはアルキルオキシカルボニル基
又はこれらのハロゲン置換体であり、Dは (但し、Fは−N=CH−、−N=N−、−CH
=CH−、
【式】
【式】
【式】−O−、
【式】
【式】 −NHCH2−、
【式】
【式】
【式】 又は
【式】で、 pは0又は1である。)であり、Eは(―CH2
)―q又は−O(―CH2)―r(但し、q、rは正の整
数である。)である〕 ホウ酸塩はポリビニルアルコールのゲル化剤と
して使用され得ることは公知であるが、ポリビニ
ルアルコールのみをホウ酸塩にてゲル化させた場
合、長期にわたる耐水性に欠け、繰り返し使用中
に溶解するものであつた。しかし、本発明の如
く、特定の有機化合物が存在する場合、その理由
は明確でないが、得られる組成物が水中で安定化
され、長期にわたる繰り返し使用にも十分耐え得
るという従来の知見からは予見されない優れた性
質が発現された。 本発明の液晶組成物の成分の1つは前記()
で特定した重合体であり、該重合体は
【式】で示される繰返し単位を有する 重合体 (以下、含ヒドロキシル基重合体と略称する。) である。 本発明で使用される含ヒドロキシル基重合体
は、
【式】で示される繰返し単位を有して おればいかなるものでも良いが、該含ヒドロキシ
ル基重合体と本発明の液晶組成物の他の成分との
相溶性を勘案すると、該含ヒドロキシル基重合体
は、
【式】で示される繰返し単位を50重量 %以上含むことが好ましい。より好ましくは、
【式】で示される繰返し単位を70重量 %以上、更に好ましくは80重量%以上含む重合体
であることが望ましい。 本発明で用いられる該含ヒドロキシル基重合体
の分子量は、液晶組成物の機械的強度を考慮すれ
ば、5000〜500万のもの、さらに好ましくは、
10000〜100万のものが好適に用いられる。 本発明で用いる重合体は上記含ヒドロキシル基
重合体であるが、より具体的に示せばビニルエス
テル類の単独重合体又はビニルエステル類間の或
いはビニルエステル類と他のエチレン性単量体と
の共重合体のケン化物又はそのアセタール化物で
ある。該重合体のケン化物は必らずしも完全ケン
化物である必要はなく部分ケン化物が特に限定さ
れず使用され、またアセタール化物はホルマール
化物、ブチラール化物等が特に限定されず使用出
来る。上記ビニルエステル類として具体的に例示
すると、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、酪酸ビニル、クロトン酸ビニ
ル、カプリル酸ビニル等が挙げられる。また、ビ
ニルエステル類と共重合するエチレン性単量体と
しては特に限定されず公知のものが使用できる。
一般に好適に使用される代表的なエチレン性単量
体を具体的に示せば、エチレン、プロピレン等の
α−オレフイン類;塩化ビニル、臭化ビニル等の
ハロゲン化ビニル類;アクリロニトリル等のニト
リル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等
のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル
類;アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニル
ピロリドン等のアミド基含有ビニル単量体;アク
リル酸、メタクリル酸等のビニルカルボン酸類及
びその塩;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等
のビニルジカルボン酸類、そのエステル及びその
塩;無水イタコン酸、無水マレイン酸等の酸無水
物;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸、エチレンスルホン酸、アリルスルホン
酸、メタアリルスルホン酸、スチレンスルホン酸
等のスルホン酸類及びそれらの塩等が挙げられ
る。 上記のエチレン性単量体は、得られる液晶組成
物の各成分の相溶性を考慮すると、含ヒドロキシ
ル基重合体中に占める割合で50重量%以下である
ことが好ましい。 本発明で用いられる含ヒドロキシル基重合体
は、ヒドロキシル基に変換し得る基を有するモノ
マーを重合した後、該ヒドロキシル基に変換し得
る基をヒドロキシル基に変換することにより
【式】 で示される繰返し単位を有する重合体としたもの
であつても良い。 本発明の液晶組成物の成分の他の1つは、2本
又は3本の直鎖疎水基、または剛直性部分を連鎖
中に含む少くとも1本の直鎖疎水基を有し、かつ
第4級アンモニウム基を有する有機化合物(以
下、直鎖有機化合物と略称する)である。 本発明において直鎖疎水基は、得られる組成物
の液晶性及び原料の入手の容易さから炭素数4〜
30の直鎖アルキル基またはハロゲン置換体である
ことが好ましい。尚、本発明でいう直鎖疎水基と
は、完全に直鎖状のものの他に、炭素数2個迄の
分枝を有する分枝状のものをも含んだ意味で使用
される。 本発明の直鎖有機化合物の一つは、2本又は3
本の直鎖疎水基を有するものである。該直鎖疎水
基が1本であると疎水基が十分でなく、得られる
組成物が液晶性とはなり難く、また4本以上にな
ると液晶組成物の製造上原料入手に難がある。 また、本発明の直鎖有機化合物の他の一つは、
剛直性部分を連鎖中に含む少くとも1本の直鎖疎
水基を有するものである。 本発明において剛直性部分とは、次の、及
びに示す基をいう。 直結あるいは、炭素−炭素多重結合、炭素−
窒素多重結合、窒素−窒素多重結合、エステル
結合、アミド結合等を介して連結された少なく
とも2個の芳香環で構成される2価の基 このような基を具体的に示せば、例えば、 等の2価の基が挙げられる。 2個の芳香環の結合が複数であるか、複数原
子間の単結合であつて、その回転がエネルギー
的に束縛を受けている2価の基 このような基を具体的に示せば、例えば、 等の2価の基が挙げられる。 芳香環が縮合環を形成しているもので、この
縮合環が多分子間で積層した場合に、その回転
が互いに立体的に束縛を受けている2価の基 このような基を具体的に例示すると、
【式】
【式】
【式】 等の2価の基が挙げられる。 剛直性部分を連鎖中に含む少くとも1本の直鎖
疎水基を有する直鎖有機化合物の直鎖疎水基の炭
素数は、剛直性部分及び、剛直性部分と該直鎖疎
水基との結合部分を除いた部分の炭素数を意味す
る。上記、剛直性部分と直鎖疎水基との結合部分
は、一般に炭素−炭素単結合、エステル結合、エ
ーテル結合が好適である。 剛直性部分を連鎖中に含む直鎖疎水基は、含ヒ
ドロキシル基重合体との混合およびその後の成形
加工の面から、また液晶性組成物の安定性の面か
ら該直鎖有機化合物中に1本含まれている場合が
最も好ましい。 本発明の直鎖有機化合物中に含まれる第4級ア
ンモニウム基の数は得られる液晶性組成物の成形
加工性の点から、1つであることが好ましい。 本発明で用いる有機化合物を具体的に示すと下
記〜で示される有機化合物である。 但し、R1、R2は同種又は異種の炭素数6〜30
の直鎖アルキル基又はハロゲン置換体であり、
R3、R4は同種又は異種の炭素数1〜4のアルキ
ル基、又はそのハロゲン原子及び/又は水酸基に
よる置換体である。 但し、R1、R2は上記と同じであり、Aは、(―
B)―j(―CH2)―k (但しBは
【式】
【式】
【式】又は
【式】であり、jは0又は1であ り、kは正の整数である。) であり、h、iは正の整数である。R3、R4、R5
は上記のR3及びR4の説明と同じである。 但し、R1、R2、R3、R4、R5及びAは上記と同
じであり、lは1又は2、mは0又は1である。 但し、R3、R4及びR5は上記と同じであり、R6
は炭素数4〜30のアルキル基、アルキルオキシ
基、若しくはアルキルオキシカルボニル基又はこ
れらのハロゲン置換体であり、 Dは
【式】
【式】
【式】
【式】(但し、Fは−N= CH−、−N=N−、 −CH=CH−、
【式】
【式】
【式】−O−、
【式】
【式】−NHCH2−、
【式】
【式】
【式】又は
【式】 pは0又は1である。)Eは(―CH2)―q又は−O−
(CH2)―rである。(但し、q、rは正の整数であ
る。)) 上記一般式〔B〕、及び〔E〕中、k、n、q
及びrは正の整数であれば良いが、一般には原料
の入手の容易さから1〜16であることが好まし
い。また、上記一般式〔B〕中、h及びiは、正
の整数を何ら制限なく取り得るが、一般には原料
の入手の容易さから1〜4であることが好まし
い。さらに、上記一般式〔A〕、〔B〕、〔C〕、及
び〔E〕中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6で示さ
れるハロゲン置換アルキル基のハロゲン原子とし
ては、フツ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子が挙
げられる。 本発明の他の成分の1つはホウ酸塩である。こ
こでいうホウ酸塩は特に限定されず公知のものが
使用される。一般に含ヒドロキシル基重合体との
架橋反応性、ホウ酸塩の水溶性を考慮すれば、オ
ルトホウ酸カリウム、オルトホウ酸ナトリウム等
のオルトホウ酸塩類;二ホウ酸ナトリウム、二ホ
ウ酸カリウム等の二ホウ酸塩類;メタホウ酸ナト
リウム、メタホウ酸カリウム等のメタホウ酸塩
類;四ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸カリウム等の
四ホウ酸塩類;五ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸カ
リウム等の五ホウ酸塩類等が好適に採用される。
特に四ホウ酸リチウム、四ホウ酸ナトリウム、四
ホウ酸カリウム等のアルカリ金属の四ホウ酸塩を
用いると得られる組成物の耐水性が最も良好であ
る。 本発明の液晶組成物の成分である含ヒドロキシ
ル基重合体と直鎖有機化合物の組成は、得られる
組成物の液晶性及び強度を考慮して一般には含ヒ
ドロキシル基重合体/直鎖有機化合物の重量比が
0.1〜0.9より好ましくは0.4〜0.8の範囲が好適に
採用される。 本発明の液晶組成物の成分である含ヒドロキシ
ル基重合体とホウ酸塩の組成は、得られる組成物
の耐水性を考慮して、一般には含ヒドロキシル基
重合体の
【式】で示される繰返し単位 に対して0.005〜0.1倍当量、好ましくは0.01〜
0.05倍当量のホウ酸塩が用いられる。 本発明の液晶組成物の製造方法は特に限定され
ず、どのような方法であつてもよい。一般に好適
な製造方法を例示すると以下のとおりである。 即ち (i) 予じめ含ヒドロキシル基重合体と直鎖有機化
合物を、これらを溶解する溶媒中で混合し、そ
れを溶媒蒸発法により凝固させ組成物を得た
後、ホウ酸塩水溶液に浸漬する方法、含ヒドロ
キシル基重合体と直鎖有機化合物の混合方法は
特に限定されずどのような方法であつてもよ
い。一般に含ヒドロキシル基重合体と直鎖有機
化合物とを所定量溶媒に溶解せしめる方法が好
適である。用いられる溶媒としては、水が最も
好適であるが、水と混和可能な有機溶媒、例え
ばメタノール、エタノール、アセトン、ジメチ
ルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等を、含ヒドロキシル基重合体及び直鎖有
機化合物が溶解する範囲で含むことができる。
ここで用いるホウ酸塩水溶液は、用いるホウ酸
塩の溶解度にもよるが、得られる液晶組成物の
耐水性を勘案してホウ酸塩濃度が0.1重量%以
上、好ましくは1重量%以上のものが好適に採
用される。またこの時、浸漬初期の含ヒドロキ
シル基重合体及び直鎖有機化合物の溶解を防ぐ
ため、ホウ酸塩水溶液中に、他の電解質、例え
ば臭化ナトリウム、臭化カリウム、塩化ナトリ
ウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カ
リウム等のアルカリ金属塩を通常1〜20重量%
の濃度で溶解しておくことが好ましい。これら
のアルカリ金属塩は、浸漬後水洗することによ
り、容易に除去され得る。浸漬の条件は、特に
限定されないが、浸漬後の耐水性を考慮する
と、温度0〜60℃で10分間間以上浸漬すること
が望ましい。この方法により、一般に液晶組成
物中の含ヒドロキシル基重合体の
【式】単位に対して0.005〜0.1倍当 量のホウ酸塩が導入される。 (ii) 含ヒドロキシル基重合体と直鎖有機化合物を
これらを溶解する溶媒に所定量溶解せしめ、こ
れをホウ酸塩水溶液と混合することにより組成
物を沈殿せしめる方法。 この方法で用いる溶媒及びホウ酸塩水溶液は、
前記(i)の方法と同様のものを使用し得る。 生成した沈殿はろ過することにより本発明の液
晶組成物を得ることができる。 本発明の液晶組成物中の直鎖有機化合物の定量
法は、組成物を、直鎖有機化合物が可溶な溶媒に
て抽出し溶媒を留去した後の残渣の重量を測定す
る方法により決定される。またホウ酸塩の定量
は、ホウ素原素の定量が一般的に困難であるた
め、ホウ酸の対イオン例えばナトリウムイオン、
カリウムイオン等の濃度を、ケイ光X線分析法或
いは原子光分析法等により定量することにより決
定される。 このようにして製造された本発明の液晶組成物
は一般に無色、白色或いは淡黄色の固体である。
また、0〜70℃の水に不溶であり液晶性を示す。
液晶性を示す温度範囲は、直鎖有機化合物の種
類、及び組成比にもよるが−20〜200℃の範囲内
である。 前記液晶性は一般に、光学的及びまたは熱的な
測定によつて確認される。光学的な測定とは一般
に偏光顕微鏡を用いて液晶形成による異方性相に
よつて確認される。また熱的な測定とは、例えば
示査走査熱量計による測定が挙げられる。これに
より、もし液晶ならば固体から液晶への転移に伴
なう熱量及び液晶から等方的液体への転移に伴な
う熱量が観測され、液晶性が確認される。本発明
の液晶組成物は、液晶性を示すことを応用して、
例えばデイスプレイ装置、各種センサー、生体膜
研究における実験材料などへの利用が可能とな
る。 さらに本発明の液晶組成物の性質の1つとし
て、特異な物質透過能を有することが挙げられ
る。例えば、水の透過において、ある温度を境に
して透過能が急激に変化する。このことは、本発
明の液晶組成物が温度によつて開閉する弁として
有用であることを示している。この性質は、本発
明の液晶組成物にしてはじめて発現される性質で
ある。 以上述べてきたように、本発明の液晶組成物
は、生体膜に類似した機能を有する直鎖有機化合
物を固定させ、極めて容易に取り扱うことができ
るものである。しかも、水中で使用しても直鎖有
機化合物の溶出が極めて少なく、長期にわたつて
液晶性が発揮されるという特徴を有する。 以下に本発明をさらに具体的に説明するために
実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例に限定
されるものではない。 実施例 1 化合物 120mgを水6mlに超音波分散させ石けん状の溶液
を得た。ポリビニルアルコール(粘度平均分子
量:15万4千、
【式】単位:99.9重量 %)80mgを水4mlに溶解した。両者を混合した
後、直径6cmのガラス製シヤレーに流延した。水
を20℃、大気圧の条件下で蒸発させ厚さ50μmの
均一で透明な膜状物を得た。この膜状物を四ホウ
酸ナトリウム2g、臭化カリウム10gを含む水溶
液100mlに25℃で12時間浸漬した。これを引き上
げて、水で十分洗浄し臭化カリウムを完全に除去
した後、減圧乾燥により透明な膜状物を得た。元
素分析により組成比(直鎖有機化合物/含ヒドロ
キシル基重合体、重量比)として、1.5の値を得
た。また、カリウム原子のケイ光X線分析によ
り、組成比(ホウ酸塩/
【式】単位、 当量比)として0.022の値を得た。 この膜状物を偏光顕微鏡で観察したところ異方
性相が観察された。また、示差走査熱量計によつ
て昇温時に、空気中及び水中でそれぞれ53℃、47
℃に結晶−液晶転移の吸熱が観測された。この膜
状物を25℃の水に24時間浸漬した後重量変化を測
定したところ重量減は0.1%であつた。また、こ
の膜状物を60℃の水に1時間浸漬した後、面積変
化より膨潤度を求めたところ1.4倍であつた。ま
たその時の重量変化を測定したところ重量減は
0.3%であつた。比較のため、ホウ酸水溶液に浸
漬していない膜状物を、60℃の水に1時間浸漬し
たところ、完全に水に溶解した。また、ポリビニ
ルアルコールのみからなる膜状物を同様にしてホ
ウ酸塩水溶液で処理し、得られた膜状物を60℃の
水に1時間浸漬したところ完全に水に溶解した。
以上のことより本発明の液晶組成物は、構成成分
が60℃の水にも溶出しない安定化されたものであ
ることが明らかとなつた。 実施例 2 化合物 を表1に示す量水10mlに超音波分散させ石けん状
の溶液を得た。ポリビニルアルコール(粘度平均
分子量:15万4千、
【式】単位;99.9 重量%)を表1に示す量水10c.c.に溶解した。両者
を混合した後表1に示す条件で水を蒸発させ、透
明な膜状物を得た。この膜状物を四ホウ酸カリウ
ム2g、臭化カリウム10gを含む水溶液100mlに
25℃で12時間浸漬した。これを引き上げて、水で
十分洗浄した臭化カリウムを完全に除いた後、減
圧乾燥により透明な膜状物を得た。結果を表1に
示す。これらの膜状物について、実施例1と同様
な方法により液晶性を示すことを確認した。また
実施例1と同様な方法cm2250℃の水に浸漬したと
ころ、その重量減はすべて0.5%以内であつた。
【表】 実施例 3 化合物 120gを水6mlに超音波分散させ石けん状の溶液
を得た。ポリビニルアルコール(粘度平均分子
量:15万4千、
【式】単位:99.9重量 %)80mgを水4mlに溶解した。両者を混合した
後、直径6cmのガラス製シヤレーに流延した。水
を20℃、大気圧の条件下で蒸発させ膜状物を得
た。この膜状物を表2に示すホウ酸塩及び電解質
を含む水溶液100mlに、表2に示す条件で浸漬し
た。これを引き上げて十分水で洗浄し電解質を完
全に除いた後、減圧乾燥により透明な膜状物を得
た。元素分析によりいずれも組成比(直鎖有機化
合物/含ヒドロキシル基重合体、重量比)とし
て、1.5の値を得た。結果を表2に示す。これら
の膜状物について実施例1と同様な方法により液
晶性を示すことを確認した。また、25℃の水に浸
漬したところ重量減はすべて1.0%以内であつた。
【表】
【表】 実施例 4 表3に示す直鎖有機化合物120mgと、表3に示
す含ヒドロキシル基重合体80mgを用いた以外は実
施例1と同様の方法で膜状物を得た。結果を表3
に示す。これらの膜状物について実施例1と同様
な方法により液晶性を示すことを確認した。また
実施例1と同様な方法で25℃の水に浸漬したとこ
ろ重量減はすべて1%以内であつた。
【表】 実施例 5 化合物 120mgを水6mlに超音波分散し、石けん状の溶液
を得た。ポリビニルアルコール(粘度平均分子
量:15万4千、
【式】単位:99.9重量 %)80mgを水4mlに溶解した。両者を混合した
後、直径6cmのガラス製シヤレーに流延した。水
を10℃、大気圧の条件下で蒸発させ、厚さ51μm
の透明な膜状物を得た。この膜状物を四ホウ酸カ
リウム2g、臭化カリウム10gを含む水100mlに
26℃で10時間浸漬した。これを引き上げ、水で十
分洗浄し臭化カリウムを完全に除去した後、減圧
乾燥により透明な膜状物を得た。元素分析により
組成比(直鎖有機化合物/含ヒドロキシル基重合
体、重量比)として、1.5の値を得た。またカリ
ウム原子のケイ光X線分析により、組成比(ホウ
酸塩/
【式】単位、当量比)0.023を得 た。この膜状物を偏光顕微鏡で観察したところ異
方性相が観察された。また、示差走査熱量計によ
つて、昇温時に空気中及び水中でそれぞれ27℃、
21℃に、結晶一溶晶転移の吸熱が観測された。こ
の膜状物を25℃の水に24時間浸漬した後重量変化
を測定したところ、重量減は0.2%であつた。 実施例 6 実施例5と同様な方法で表4に示す直鎖有機化
合物120mgと表4に示す含ヒドロキシル基重合体
80mgとから膜状物を得た。この膜状物を実施例5
と同様にしてホウ酸塩溶液に浸漬し、透明な膜状
物を得た。結果を表4に示す。これらの膜状物に
ついて実施例5と同様な方法により液晶性を確認
した。また実施例5と同様な方法で25℃の水に浸
漬したところ重量減はすべて0.4%以内であつた。
【表】 実施例 7 化合物 240mgを水10mlに超音波分散させ石けん状の溶液
を得た。ポリビニルアルコール(粘度平均分子
量:15万4千、
【式】単位:99.9重量 %)80mgを水4mlに溶解した。両者を混合した後
直径12cmのテフロン製シヤレーに流延した。水を
10℃、大気圧の条件下で蒸発させ、厚さ45μmの
透明な膜状物を得た。この膜状物を四ホウ酸ナト
リウム2g、臭化カリウム10gを含む水溶液100
mlに25℃で12時間浸漬した。これを引き上げて水
で十分洗浄し臭化カリウムを除去した後減圧乾燥
により透明な膜状物を得た。元素分析により、組
成比(直鎖有機化合物/含ヒドロキシル基重合
体、重量比)として1.5の値を得た。またナトリ
ウム原子の原子吸光分析により、組成比(ホウ酸
塩/
【式】単位、当量比)として0.015 の値を得た。 この膜状物を偏光顕微鏡で観察したところ、異
方性相が観察された。また示差走査熱量計によつ
て昇温時に、空気中及び水中でそれぞれ57℃、47
℃に結晶−液晶転移の吸熱が観測された。この膜
状物を25℃の水に24時間浸漬した後、重量変化を
測定したところ重量減は0.1%であつた。 実施例 8 表5に示す直鎖有機化合物240mgと表5に示す
含ヒドロキシル基重合体160mgを用いた以外は実
施例7と同様の方法で膜状物を得た。結果を表5
に示す。これらの膜状物について実施例7と同様
な方法により液晶性を示すこと確認した。また実
施例7と同様な方法で25℃の水に浸漬したところ
重量減はすべて0.5%以内であつた。
【表】 実施例 9 化合物 360mgを水15mlに超音波分散させ石けん状の溶液
を得た。ポリビニルアルコール(粘度平均分子
量:15万4千、
【式】単位:99.9重量 %)240mgを水12mlに溶解した。両者を混合した
後直径10cmのガラス製シヤレーに流延した。水を
25℃、大気圧の条件下で蒸発させ膜状物を得た。
この膜状物を四ホウ酸ナトリウム2g硫酸ナトリ
ウム10gを含む水溶液100mlに20℃で18時間浸漬
した。これを引き上げて水で十分洗浄し硫酸ナト
リウムを完全に除去した後減圧乾燥により、透明
な膜状物を得た。元素分析により組成比(直鎖有
機化合物/含ヒドロキシル基重合体、重量比)と
して1.5の値を得た。また、ナトリウム原子の原
子吸光分析により、組成比(ホウ酸塩/
【式】単位、当量比)として0.020の値 を得た。この膜状物を偏光顕微鏡で観察したとこ
ろ、異方性相が観察された。また示差走査熱量計
によつて昇温時に空気中及び水中でそれぞれ55
℃、48℃に結晶−液晶転移の吸熱が観測された。
この膜状物を25℃の水に24時間浸漬した後重量変
化を測定したところ重量減は0.09%であつた。 実施例 10 表6に示す直鎖有機化合物360mgと表6に示す
含ヒドロキシル基重合体240mgを用いた以外は実
施例9と同様の方法で膜状物を得た。結果を表6
に示す。これらの膜状物について実施例9と同様
な方法により液晶性を示すことを確認した。また
実施例9と同様な方法で25℃の水に浸漬したとこ
ろ重量減はすべて0.8%以内であつた。
【表】 実施例 11 化合物 1gを50c.c.の水に超音波分散させ石けん状の溶液
を得た。ポリビニルアルコール(粘度平均分子
量:15万4千、
【式】単位:99.9重量 %)0.67gを水50c.c.に溶解した。両者を混合し、
四ホウ酸ナトリウム2g、臭化ナトリウム10gを
含む水溶液100ml中に、細管より放出し25℃で12
時間放置した。析出した沈殿を過により集め、
水で十分洗浄した後、減圧乾燥により透明な繊維
状組成物を得た。元素分析により組成比(直鎖有
機化合物/含ヒドロキシル基重合体、重量比)と
して1.5の値を得た。またナトリウム原子の原子
吸光分析により組成比(ホウ酸塩/
【式】単位、当量比)として、0.035の 値を得た。この組成物を偏光顕微鏡で観察したと
ころ、異方性相が観察された。また示差走査熱量
計によつて昇温時に空気中及び水中でそれぞれ54
℃、47℃に結晶−液晶転移の吸熱が観測された。
この組成物を25℃の水に24時間浸漬した後、重量
変化を測定したところ、重量減は0.1%であつた。 実施例 12 実施例11と同様な操作で表7に示す直鎖有機化
合物1gと表7に示す含ヒドロキシル基重合体
0.67gとより混合溶液を得た。これらの混合溶液
を実施例11と同様にしてホウ酸塩水溶液と混合
し、繊維状組成物を得た。結果を表7に示す。こ
れらの組成物について、実施例11と同様な方法で
液晶性を確認した。また、実施例11と同様にして
25℃の水に浸漬したところ、重量減はすべて1.5
%以内であつた。
【表】 実施例 13 先の実施例1で得た膜状物を、有効面積12.6cm2
のステンレス製セル(東洋科学製KST−47)に
装着し、セル内に蒸留水を入れた。これを通常の
パーベーパレーシヨン装置(「膜」、(3)、178
(1983)に記載されたものと同様な装置)に取り
付け、パーベーパレーシヨン法、による透過量を
減圧側の気圧を0.5mmHgに保ち表8に示す各温度
で測定し、その透過係数を求めた。結果を表8に
示す。
【表】
【表】 表8に示したように、本発明の膜状物は44℃を
境にして、その透過係数を可逆的に大きく変化で
きることが明らかとなつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 () ビニルエステル類の単独重合体又はビ
    ニルエステル類間の或いはビニルエステル類と
    他のエチレン性単量体との共重合体のケン化物
    又はそのアセタール化物 () 下記一般式〜より選ばれた1種の有機
    化合物 及び () ホウ酸塩 からなる液晶組成物。 (但し、R1及びR2は同種又は異種の炭素数
    6〜30の直鎖アルキル基又はそのハロゲン置換
    体であり、R3及びR4は同種又は異種の炭素数
    1〜4のアルキル基、又はその水酸基による置
    換体である。) (但し、R1及びR2は前記と同じであり、Aは、 (―B)―j(―CH2)―k (但し、Bは 【式】【式】 【式】又は【式】 であり、 jは0又は1であり、kは正の整数である。)
    であり、h、iは正の整数であり、R3及びR4
    は前記のR3及びR4と同じである。R5は炭素数
    1〜4のアルキル基又はその水酸基による置換
    体である。) (但し、R1、R2、R3、R4、R5及びAは前記
    と同じであり、1は1又は2、mは0又は1で
    ある。) 〔但し、R3、R4及びR5は前記と同じであり、
    R6は炭素数4〜30のアルキル基、アルキルオ
    キシ基、若しくはアルキルオキシカルボニル基
    又はこれらのハロゲン置換体であり、Dは (但し、Fは−N=CH−、−N=N−、−
    CH=CH−、 【式】【式】 【式】−O−、【式】【式】 −NHCH2−、【式】 【式】 【式】 又は【式】で、 pは0又は1である。)であり、Eは(―CH2
    )―q又は−O(―CH2)―r(但し、q、rは正の整
    数である。)である〕
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