JPS6140709B2 - - Google Patents

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JPS6140709B2
JPS6140709B2 JP59083629A JP8362984A JPS6140709B2 JP S6140709 B2 JPS6140709 B2 JP S6140709B2 JP 59083629 A JP59083629 A JP 59083629A JP 8362984 A JP8362984 A JP 8362984A JP S6140709 B2 JPS6140709 B2 JP S6140709B2
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JP
Japan
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formula
group
water
polymer
composition
Prior art date
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Application number
JP59083629A
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English (en)
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JPS60228564A (ja
Inventor
Toyoki Kunitake
Akihiko Tsuge
Yukio Mizutani
Hikari Horimoto
Takayuki Ogata
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP59083629A priority Critical patent/JPS60228564A/ja
Publication of JPS60228564A publication Critical patent/JPS60228564A/ja
Publication of JPS6140709B2 publication Critical patent/JPS6140709B2/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は特定の重合体及び特定の有機化合物か
らなる液晶性組成物に関する。 生体のエネルギー摂取や代謝物処理は、生体膜
を介して行なわれている。近年、生体膜に類似す
る合成有機化合物の研究が進められており、直鎖
疎水基とイオン性基を有する合成有機化合物のう
ち一部のものが、水中で生体膜と類似の構造をと
ることが報告されている。これらの合成有機化合
物は、生体膜と類似した機能、例えば、液晶性や
色素吸着性等の機能を有しており、合成生体膜と
しての可能性を示している。 しかし、前記の合成有機化合物によつて形成さ
れる生体膜と類似の構造は、前記の合成有機化合
物が水中に分散して、あたかも濃厚な石けん水の
如き状態で存在することによつて得られるため、
そのままの形で実用的に使用することは極めて困
難である。 そこで、生体膜と類似の構造が崩れないような
方法で、前記の合成有機化合物を固定化し、その
取扱いを容易にしようとする方法が試みられてい
る。その方法の一つとして、前記の有機化合物を
ポリ塩化ビニルと混合して膜状物に成形すること
が行なわれている。しかしながら、前記の合成有
機化合物とポリ塩化ビニルとの混合は常温では困
難であり、また、温度を50℃以上に上げると混合
可能であるがポリ塩化ビニルの分解が生じ紫色に
変色するという欠点を有している。さらに、合成
有機化合物の含量が少量の混合物しか得られず、
生体膜としての機能が十分に発揮されないばかり
か、水中に於いて合成有機化合物が溶出するとい
う欠点を有している。 本発明者らは、上記の欠点を解決すべく研究を
重ねた結果、特定の重合体と特定の直鎖疎水基及
びイオン性基を有する有機化合物とより、生体膜
としての機能が十分に発揮され、しかも、水中で
の有機化合物の溶出が少ない安定な組成物が得ら
れることを見い出し、本発明を完成させるに至つ
た。 即ち、本発明は、 (i) スルホン基、カルボキシル基、リン酸基又は
これらが塩となつた基を有する重合体 及び (ii) 下記(A)〜(D) 〔但し、R1,R2は同種又は異種の炭素数6〜30
の直鎖アルキル基又はそのハロゲン置換体であ
り、Aは、―(B)―j(―CH2)―k(但し、Bは
【式】
【式】
【式】又は
【式】で あり、jは0又は1であり、kは正の整数であ
る。)であり、h,iは正の整数であり、R3,R4
及びR5は同種又は異種の炭素数1〜4のアルキ
ル基、又はそのハロゲン原子及び/又は水酸基に
よる置換体である。〕 〔但し、R1,R2,R3,R4,R5及びAは上記式(A)
と同じであり、lは1又は2、mは0又は1で
ある。〕 〔但し、R1,R2,R3,R4及びR5は上記式(A)と同
じであり、nは正の整数である。〕 〔但し、R3,R4及びR5は上記式(A)と同じであ
り、R6は炭素数4〜30のアルキル基、アルキ
ルオキシ基、若しくはアルキルオキシカルボニ
ル基又はこれらのハロゲン置換体であり、Dは
【式】
【式】
【式】
【式】 (但し、Fは―N=CH―、―N=N―、―CH=
CH―、
【式】 【式】
【式】―O ―、
【式】
【式】―NHCH2―、
【式】
【式】
【式】又は
【式】 pは0又は1である。)であり、Eは(―CH2)―q
は―O―(CH2)―rである。(但し、q,rは正の
整数である。〕 で示される有機化合物からなる群から選ばれた少
くとも1種からなる液晶性組成物である。 本発明の液晶性組成物の主成分の1つはスルホ
ン基、カルボキシル基、リン酸基又はこれらが塩
となつた基を有する重合体である。該重合体にこ
れらのイオン性基を有している必要性は、一般に
液晶性組成物を安定なもの、例えば水中で使用す
る場合もにも十分実用に耐えうるもの、とするた
めである。一般に該重合体はイオン性基を有する
ため、水溶性のものが多い。 前記イオン性基を有する重合体は特に限定され
ず公知のものを用いうるが、液晶性組成物の強度
及び安定性を勘案すれば一般には分子量が5000以
上のものを用いることが望ましい。また、該重合
体に含まれるイオン性基の量はその種類、後述す
る直鎖有機化合物等によつて異なり一概に限定出
来ないが一般には0.1meq/g以上、好ましくは
1.0meq/g以上のものが望ましい。 イオン性基を有する重合体を得るために使用さ
れるモノマーとしては、イオン性基を有するモノ
マーが何ら制限なく使用される。一般に好適に使
用されるモノマーを例示すれば次の通りである。
即ち、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、ケイ皮酸、
グルタミン酸、アスパラギン酸等のカルボキシル
基を有するモノマー;スチレンスルホン酸、ビニ
ルスルホン酸、アルケンスルホン酸、t―ブチル
アクリルアミドスルホン酸等のスルホン酸基を有
するモノマー;ビニルホスホン酸、アクリロイル
オキシアルキルホスホン酸、メタクリロイルオキ
シアルキルホスホン酸等のリン酸基を有するモノ
マー;あるいはこれらモノマーに置換基を置換し
た置換誘導体等が好適に使用される。 また、前記イオン性基を有するモノマーと共重
合可能なビニルモノマーも特に限定されず公知の
ものが使用できる。一般に好適に使用される代表
的なものを具体的に示せば、例えば、エチレン、
プロピレン、ブテン等のオレフイン化合物;塩化
ビニル、ヘキサフルオロプロピレン等のオレフイ
ン化合物のハロゲン誘導体;ブタジエン、ペンタ
ジエン等のジオレフイン化合物およびそのハロゲ
ン誘導体;スチレン、ジビニルベンゼン、ビニル
ナフタレン等の芳香族ビニル化合物;酢酸ビニル
等のビニルエステル化合物;アクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、2―ヒドロキシエチルメタ
クリレート、ジエチレングリコールジメタクリレ
ート、アクリルアミド、メタクリルアミド等のア
クリル酸およびメタクリル酸誘導体;アクリロニ
トリル等の不飽和ニトリル化合物;メチルビニル
エーテル等のビニルエーテル化合物等が挙げられ
る。 本発明に於いて一般に好適に使用されるイオン
性基を有する重合体を一般式で示せば次のとおり
である。 カルボキシル基を有する重合体 但し、Rは水素原子、アルキル基又はカルボ
キシメチル基であり、Xは―CH2―基、
【式】基又は
【式】基(但し、R′はア ルキル基又はアリール基)であり、Mは水素原
子、金属原子又は低級アンモニウムである。cは
0〜2の整数であり、a,bは0又は1である。
ここで、aが0のときはb=1,c=0,Rは水
素原子であり、aが1のときはb=0,c=0〜
2,Rは水素原子,アルキル基又はカルボキシメ
チル基である。 スルホン酸基を有する重合体 但し、R″は水素原子又はアルキル基であ
り、Yは
【式】
【式】 ―O―又は(―CH2)―e (但し、eは正の整数)
であり、Mは水素原子、金属原子又は低級アンモ
ニウムであり、dは0又は1である。 リン酸基を有する重合体 但し、Rはアルキル基であり、Zは
【式】(但し、gは正の整数) であり、Mは水素原子、金属原子又は低級アンモ
ニウムであり、fは0又は1である。 上記一般式〔〕,〔〕及び〔〕中、R,
R′,R″及びRで示されるアルキル基として
は、その炭素数に限定されず、いかなるものでも
使用できるが、一般には炭素数が1〜4のものが
好適である。また、上記一般式〔〕及び〔〕
中、e及びgは正の整数であれば良いが、就中、
原料の入手の容易さから1〜4の整数であること
が好ましい。 以上に説明したイオン性基を有する重合体の製
造方法としては、前記したイオン性基を有するモ
ノマーを単独重合させるは又は二種以上を共重合
させる方法が採用される。また、前記したイオン
性基を有するモノマーと共重合可能なビニルモノ
マーとを共重合させることにより、イオン性基を
有する重合体を得ることもできる。また、イオン
性基を導入することのできる重合体に、化学反応
させることによつて、イオン性基を導入させる方
法もしばしば好適に採用される。例えば、無水マ
レイン酸、無水イタコン酸等の無水カルボン酸の
単独或いは共重合体を加水分解することにより、
カルボキシル基を有する重合体を得る方法、又
は、ポリビニルアルコールを硫酸エステル化反応
させることにより、スルホン酸基を有する重合体
を得る方法等が挙げられる。 本発明に於けるイオン性基を有する重合体とし
ては、前記した重合体の他に、イオ性基を有する
天然高分子も好適に使用される。一般に本発明に
於いて好適に使用されるイオン性基を有する天然
高分子を例示すると、アルギン酸、アルギン酸ナ
トリウム、カルボキシメチルセルロース、ヘパリ
ン、コンドロイチン硫酸及びこれらの誘導体等が
挙げられる。 本発明の液晶性組成物の主成分の他の1つは、
下記(A)〜(D)で示される有機化合物(以下、直鎖有
機化合物ともいう。)からなる群から選ばれた少
くとも1種である。 但し、R1,R2は同種又は異種の炭素数6〜
30の直鎖アルキル基又はそのハロゲン置換体で
あり、Aは、(―B)―j(―CH2)―k (但し、Bは
【式】
【式】
【式】 又は
【式】であり、jは0又は1 であり、kは正の整数である。) であり、h,iは正の整数である。R3,R4,R5
は、同種又は異種の炭素数1〜4のアルキル基、
又はそのハロゲン原子及び/又は水酸基による置
換体である。 但し、R1,R2,R3,R4,R5及びAは上記と
同じであり、lは1又は2、mは0又は1であ
る。 但し、R1,R2,R3,R4及びR5は上記と同じ
であり、nは正の整数である。 但し、R3,R4及びR5は上記と同じであり、
R6は炭素数4〜30のアルキル基、アルキルオ
キシ基、若しくはアルキルオキシカルボニル基
又はこれらのハロゲン置換体であり、 Dは
【式】
【式】
【式】
【式】(但し、Fは―N= CH―、―N=N―、―CH=CH―、
【式】 【式】
【式】―O ―、
【式】
【式】―NHCH2―、
【式】
【式】
【式】又は
【式】 pは0又は1である。)Eは(―CH2)―q又は―O―
(CH2)―rである。(但し、q、rは正の整数であ
る。))尚、本発明でいう直鎖アルキル基とは、完
全に直鎖状のものの他に、炭素数2個迄の分枝を
する分枝状のものをも含んだ意味で使用される。 上記一般式〔A〕,〔C〕,及び〔D〕中、k、
n、q及びrは正の整数であれば良いが、一般に
は原料の入手の容易さから1〜16であることが好
ましい。また、上記一般式〔A〕中、h及びi
は、正の整数を何ら制限なく取り得るが、一般に
は原料の入手の容易さから1〜4であることが好
ましい。さらに、上記一般式〔A〕,〔B〕,〔C〕
及び〔D〕中、R1,R2,R3,R4,R5及びR6で示
されるハロゲン置換アルキル基のハロゲン原子と
しては、フツ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子が
挙げられる。 本発明の液晶性組成物の成分である重合体と直
鎖有機化合物との混合比は、得られる組成物の液
晶性及び水中での安定性を勘案して一般には重合
体のイオン性基に対して0.2〜5より好ましくは
0.5〜3倍当量の直鎖有機化合物が好適に用いら
れる。 本発明の液晶性組成物の製造方法は特に限定さ
れず、どのような方法であつてもよい。一般に好
適な製造方法を例示すると以下のとおりである。 即ち (i) 本発明で用いる重合体と直鎖有機化合物とを
所定量それぞれ同一または異なる溶媒に溶解、
あるいは懸濁せしめ、これらを混合し生じた沈
澱物を集める方法。ここで使用される溶媒は同
一の溶媒の場合、水、或いは水と相溶性のある
有機溶媒との混合溶媒例えば水/メタノール混
合溶媒、水/エタノール混合溶媒、水/アセト
ン混合溶媒等が一般に好適である。重合体と直
鎖有機化合物とで異なる溶媒を使用する場合、
重合体の溶媒には一般に水が好適である。直鎖
有機化合物の溶媒としては水、メタノール、エ
タノール、2―プロパノール、アセトン、酢酸
エチル、エチルエーテル、ベンゼン、クロロホ
ルム、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
アセトニトリル等が好適に用いられる。この時
互いに混和しない溶媒の場合には、一般に混合
の際に激しく撹拌する等の方法でエマルジヨン
にする操作が沈澱物を得るのに有効である。一
般に上記の操作により得られる組成物の耐溶媒
性が向上する。 (ii) 本発明で用いる重合体と直鎖有機化合物とを
所定量、固体状態において混合する方法。 本発明の液晶性組成物の製造に於いて、重合体
のイオン性基及び直鎖有機化合物のイオン性基の
極性は、どのような組合せであつても良い。しか
し、一般に、得られる液晶性組成物の水中での安
定性を良好にするためには、重合体のイオン性基
及び直鎖有機化合物のイオン性基の極性が相異な
ることが好ましい。特に、重合体が陰イオン性基
を、直鎖有機化合物が陽イオン性基を有している
場合に、得られる液晶性組成物の水中での安定性
が良好であり、且つ液晶性の優れたものが得られ
るためには好ましい。重合体のイオン性基及び直
鎖有機化合物のイオン性基の極性が相異なる場
合、重合体及び直鎖有機化合物は、一部イオン交
換を起こしていると考えられる。このことは、両
者の対イオンが、生成する液晶性組成物中に残存
しない場合があることから推測される。 このようにして製造された本発明の液晶性組成
物は、一般に無色、白色或いは淡黄色の粉末であ
る。また、水には難溶であるが、有機溶媒、例え
ば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、クロロホルム、塩化メチレン、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、クロ
ルベンゼン等には、室温〜100℃で溶解する。 また、本発明の組成物は、液晶性を示す。液晶
性を示す温度範囲は、通常−20〜200℃の範囲内
にある。 前記液晶性は一般に光学的およびまたは熱的な
測定によつて確認される。光学的な測定とは一般
に偏光顕微鏡を用いて液晶形成による異方性相に
よつて確認される。また熱的な測定とは例えば示
差走査熱量計による測定が挙げられる。これによ
り、もし液晶ならば固体から液晶への転移に伴な
う熱量、液晶から等方的液体への転移に伴なう熱
量が観測され、液晶性が確認される。本発明の液
晶性組成物のこの性質の応用としては、例えばデ
イスプレイ装置、各種センサー、異方性の反応場
などが可能である。 次に、本発明の液晶性組成物の性質の一つとし
て色素の吸着能を有することが挙げられる。本発
明の液晶性組成物中に色素を保持させることが可
能な場合があり、この時に色素の吸収波長を温度
によつて変化させることが可能である。このこと
により光透過フイルムの色調を温度によつて制御
するという応用が可能となる。 さらに本発明の液晶性組成物の性質の一つとし
て、特異な物質透過能を有することが挙げられ
る。一般には分離困難な物質を特異的かつ選択的
に透過ならしめる膜を作ることが可能である。例
えば、ある特定のアルキル鎖長を持つ界面活性剤
のみ選択的に透過する膜状物を作ることが可能で
ある。このことは廃液処理、有用物の回収などに
本発明の液晶性組成物が有用であることを意味し
ている。 さらに、本発明の液晶性組成物は、種々の任意
の形状、例えば、膜状物、繊維状物、ペレツト、
板状物等に成形することが可能である。 以下にその成形物について説明する。 本発明の液晶性組成物を膜状物に成形する方法
としては、例えば、次の方法が挙げられる。 本発明の液晶性組成物を可溶性溶媒に溶か
し、適当な基板上に流延させた後、溶媒を除去
せしめる等の方法で膜状物を得る方法。ここで
使用される溶媒は該液晶性組成物を溶解するも
のであれば特に限定されないが、一般には、エ
タノール、2―プロパノール、酢酸エチル、ア
セトン、ベンゼン、クロロホルム、塩化メチレ
ン、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ア
セトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド等が用いられる。一般に該液晶
性組成物の有機溶媒に対する溶解性はその成分
である重合体および直鎖有機化合物の種類およ
び組み合せによつて大きく異なるので実施の際
には予め試験することが望ましい。上記溶媒の
除去には一般に風乾、加熱乾燥、減圧乾燥等が
特に制限されず用いられ、また液晶性組成物に
対しての貧溶媒に置換した後にその溶媒を除く
方法を採用することも可能である。 本発明の液晶性組成物を加熱成形及び延伸す
ることによつて膜状物とする方法。加熱成形時
の温度は、液晶性組成物の融点付近が採用さ
れ、液晶性組成物の種類によつて異なるが、一
般には、50〜200℃の範囲で選択される。 本発明で用いる重合体と直鎖有機化合物とが
それぞれ実質的に混和しない溶媒に溶解した
後、両者の溶液を接触せしめ、両溶液間に形成
される界面において自発的に形成した膜状物を
得る方法。上記の溶媒としては水―ベンゼン、
水―クロロホルム、水―エチルエーテル、水―
n―ヘキサン等が好適に用いられる。 以上に例示したような方法で、一般に厚さ0.1
μ〜5mmの膜状物が得られる。この膜状物は実用
に十分な膜強度を備え、水中で安定であり、また
生体膜としての機能を保持しているという点に工
業的利点がある。 膜強度は一般には引張り強度の大きさで評価さ
れ、本発明の膜状物は一般には5Kg/cm2以上の値
を有し、多くの場合20Kg/cm2以上である。本発明
の有機化合物単独で膜状物を得た場合では、通常
の引張試験機による測定では試料装着時に破壊さ
れ強度測定は不可能であるくらいに強度に乏し
い。 本発明の膜状物は安定性の面においては、一般
に耐水性に優れている。本発明の重合体および有
機化合物はそれぞれ単独では一般に水に対する溶
解度が大きい。特に重合体は単独で膜状物を得る
ことが可能であるが、一般に水溶性のため水中で
は膜としての形状を維持できない。前記の事実に
もかかわらず本発明の膜状物は耐水性に優れてお
り、水中で膜の形態を維持し、十分に実用に供す
ることが可能となる。一般に膜状物の工業的利用
においては水中で使用される場合が多く、耐水性
の向上は実用上の大きな利点である。 本発明の液晶性組成物を成形して得られた膜状
物は、物質特に界面活性剤の選択透過性膜として
使用し得る他、温度による色素の吸収波長の変化
を利用して温度計にも利用し得る。また、液晶の
性質を利用して表示材料にも利用可能性を示して
いる。 次に、本発明の液晶性組成物を繊維状物に成形
した場合について述べる。繊維状物への成形方法
としては、例えば次の方法が挙げられる。本発明
の液晶性組成物を加熱溶解し、所定の大きさの孔
を有する金型から水中或いは有機溶媒中に押し出
す方法が挙げられる。加熱温度は、液晶性組成物
の融点以上の温度が採用され、液晶性組成物の種
類によつて異なるが、一般に50〜200℃の温度が
採用される。有機溶媒としては、押出された繊維
状物を溶解しない溶媒、例えば、直鎖有機化合物
の種類にもよるが、一般にn―ヘキサン、四塩化
炭素、エタノール等が用いられる。 このような方法により、直径が0.1〜4mm、好
ましくは0.5〜2mmの繊維状物を得ることができ
る。 こうして得た繊維状物は、分析用クロマト材
料、また、中空繊維とした場合には、人工透析モ
ジユール等の医療材料にも使用し得る。 次に、本発明の液晶性組成物をペレツトに成形
する場合について説明する。上記の方法で繊維状
物を得た後、適当な長さに切断することによりペ
レツトを得ることができる。ペレツトの用途とし
ては、繊維状物と同様に分析用クロマト材料の他
物質を吸着する性質を利用し、薬剤を吸着させて
錠剤として利用することができる。 さらに、本発明の液晶性組成物を板状物に成形
した場合について述べる。板状物への成形方法と
しては、本発明の液晶性組成物をホツトプレスに
より板状物とする方法が挙げられる。ホツトプレ
スの温度は、液晶性組成物の融点付近の温度が採
用される。こうして得られた板状物は、その液晶
性を利用して表示材料として使用できる他、吸着
した色素の温度による吸収波長の変化を利用して
温度計に使用し得る。 以上述べてきたように、本発明の液晶性組成物
は、生体膜としての機能を有する直鎖有機化合物
を固定化させ、極めて容易に取扱うことのできる
ものである。また、加熱溶融しても変色が起こる
ことはなく、しかも、水中で使用しても直鎖有機
化合物の溶出が極めて少なく、長期にわたつて直
鎖有機化合物の機能が発揮される。また、本発明
の液晶性組成物は、成形加工性に優れているた
め、その用途に応じて任意の形状に成形すること
ができるという利点も併せ有している。 以下に、本発明をさらに具体的に説明するため
に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例に限
定されるものではない。 実施例 1 50mmoleを水500mlに超音波分散させ石鹸状の
溶液を得た。ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
(粘度平均分子量:106万)50mmole(モノマー単
位)を水500mlに溶解した。両者を混合して生成
した沈澱をろ過によつて集め、メタノール500ml
中で1時間かくはんした。再びろ過によつて沈澱
を集め、減圧乾燥により白色の固形物18gを得
た。元素分析により、組成比(有機化合物/重合
体 当量比)として1.02の値を得た。 この固形物を偏光顕微鏡で観察したところ、異
方性および流動性が観測された。また、235℃に
て異方性相が消失した。また、この固形物2g
を、25℃の水に24時間浸漬した後に重量変化を測
定したところ、重量減は1.0%であつた。有機溶
媒に対しては、ベンゼン、クロロホルム、2―プ
ロパノールに溶解した。 実施例 2 50mmoleをメタノール200mlに溶解させた。ポ
リアクリル酸ナトリウム(粘度平均分子量:17
万)50mmole(モノマー単位)を水500mlに溶解
した。両者を混合して生成した沈澱をろ過によつ
て集め、メタノール500ml中で1時間かくはんし
た。再びろ過によつて沈澱を集め、減圧乾燥によ
り白色の固形物21gを得た。元素分析により組成
比(有機化合物/重合体 当量比)として0.82の
値を得た。 この固形物を偏光顕微鏡で室温から観察したと
ころ異方性および流動性が観測され、120℃にて
異方性相が消失した。また、この固形物2gを、
25℃の水に24時間浸漬した後に重量変化を測定し
たところ、重量減は0.9%であつた。有機溶媒に
対しては、エタノール、2―プロパノール、ベン
ゼン、クロロホルムに溶解した。 実施例 3 実施例1と同様の方法で、表1に示す直鎖有機
化合物成分50mmoleとイオン性基として当量の重
合体50mmoleとから組成物を得た。結果を表1に
示す。これらの組成物について、実施例1と同様
の方法により液晶性を確認した。また、実施例1
と同様の方法で水に浸漬したところ、重量減はす
べて1.5%以内であつた。
【表】
【表】
【表】 実施例 4 実施例1で得た組成物400mgをクロロホルム20
mlに溶解し、直径5cmのテフロン製シヤーレに流
延した後に溶媒を蒸発せしめ、厚さ約50μmの膜
状物を得た。この膜状物は実施例1と同様の液晶
性を示した。 実施例 5 実施例3で得た組成物を実施例4で示した方法
で膜状物に成形した。この膜状物は実施例3と同
様の液晶性を示した。 実施例 6 実施例2で得た組成物4.0gを150℃でメルトイ
ンデクサー(東洋精機製作所)を用いて水浴中に
押し出し、径時1.5mmの繊維状物を得た。この繊
維状物は実施例2と同様の液晶性を示した。 実施例 7 実施例3で得た組成物を実施例6で示した方法
で繊維状物に成形した。この繊維状物は実施例3
と同様の液晶性を示した。 実施例 8 実施例1で得た組成物4.0gを2枚のテフロン
板にはさみ、ホツトプレスを用いて100℃で加圧
成形し、水浴中に急冷して厚さ約6mmの板状物を
得た。この板状物は実施例1と同様の液晶性を示
した。また、ホツトプレスの前後における変色は
認められなかつた。 実施例 9 実施例6で得た繊維状物を約2mmの長さに切断
し、ペレツト状物に成形した。このペレツト状物
は実施例6と同様の液晶性を示した。 実施例 10 実施例3の表1―No.7で得た組成物を、実施例
4と同様の方法で、石英基板上に厚さ約50μmの
膜状物に成形した。シアニン色素(日本感光色素
NK2012)の10-6M水溶液中にこの基板を約10
分間浸漬して色素を吸着させた。紫外可視分光光
度計(日立 220A型)を用いて5℃で吸収極大
波長を測定したところ、508nmであつた。また、
これを50℃に加熱して吸収極大波長を測定したと
ころ568nmに変化した。 実施例 11 先の実施例3で得た組成物を、実施例4と同様
の方法で、厚さ約50μmの膜状物に成形した。こ
の膜を有効膜面積5.3cm2のジヤケツト付ガラス製
セル(高分子学会予稿集 32巻10号、2840頁
(1983年)に記載されたものと同型のセル)に装
着し、片側に蒸留水、片側に透過物質の10-2Mの
水溶液を入れ、蒸留水側の濃度の経時変化を電導
度計を用いて測定した。この結果より膜透過係数
を計算した。結果を表2に示す。
【表】 実施例 12 50mmoleを水500mlに超音波分散させ石鹸状の
溶液を得た。ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
ム(粘度平均分子量:106万)50mmole(モノマ
ー単位)を水500mlに溶解した。両者を混合して
生成した沈澱をろ過によつて集め、メタノール
500ml中で1時間かくはんした。再びろ過によつ
て沈澱を集め、減圧乾燥により白色の固形物32g
を得た。元素分析により、組成比(有機化合物/
重合体 当量比)として1.13の値を得た。 この固形物を偏光顕微鏡で観察したところ異方
性相が観測され、36℃で固形物の流動性が観測さ
れた。また、250℃にて異方性相が消失した。さ
らに、示差走査熱量計によつて昇温時に31℃に結
晶―液晶転移の吸熱が観測された。 また、この固形物2gを、25℃の水に24時間浸
漬した後に重量変化を測定したところ、重量減は
0.5%であつた。有機溶媒に対しては、ベンゼ
ン、クロロホルムに溶解した。 実施例 13 50mmoleをメタノール200mlに溶解させた。ポ
リアクリル酸ナトリウム(粘度平均分子量:17
万)50mmole(モノマー単位)を水500mlに溶解
した。両者を混合して生成した沈澱をろ過によつ
て集め、メタノール500ml中で1時間かくはんし
た。再びろ過によつて沈澱を集め、減圧乾燥によ
り白色の固形物15gを得た。元素分析により組成
比(有機化合物/重合体 当量比)として0.95の
値を得た。 この固形物を偏光顕微鏡で室温から観察したと
ころ異方性相が観測され、115℃にて異方性相が
消失した。また、この固形物2gを、25℃の水に
24時間浸漬した後に重量変化を測定したところ、
重量減は0.9%であつた。有機溶媒に対しては、
ベンゼン、クロロホルムに溶解した。 実施例 14 実施例12と同様の方法で、表3に示す直鎖有機
化合物50mmoleとイオン性基として当量の重合体
500mmoleとから組成物を得た。結果を表3に示
す。これらの組成物について、実施例12と同様の
方法により液晶性を確認した。また、実施例12と
同様の方法で水に浸漬したところ、重量減はすべ
て1.5%以内であつた。
【表】
【表】
【表】
【表】 実施例 15 実施例12で得た組成物40mgをクロロホルム20ml
に溶解し、直径5cmのテフロン製シヤーレに流延
した後に溶媒を蒸発せしめ、厚さ約50μmの膜状
物を得た。この膜状物は実施例12と同様の液晶性
を示した。 実施例 16 実施例14で得た組成物を実施例15で示した方法
で膜状物に成形した。この膜状物は実施例14と同
様の液晶性を示した。 実施例 17 実施例13で得た組成物4.0gを150℃でメルトイ
ンデクサー(東洋精機製作所)を用いて水浴中に
押し出し、径約1.5mmの繊維状物を得た。この繊
維状物は実施例13と同様の液晶性を示した。 実施例 18 実施例14で得た組成物を実施例17で示した方法
で繊維状物に成形した。この繊維状物は実施例14
と同様の液晶性を示した。 実施例 19 実施例12で得た組成物4.0gを2枚のテフロン
板にはさみ、ホツトプレスを用いて100℃で加圧
成形し、水浴中に急冷して厚さ約6mmの板状物を
得た。この板状物は実施例12と同様の液晶性を示
した。また、ホツトプレスの前後における変色は
認められなかつた。 実施例 20 実施例17で得た繊維状物を約2mmの長さに切断
し、ペレツト状物に成形した。このペレツト状物
は実施例17と同様の液晶性を示した。 実施例 21 実施例14の表3―No.4で得た組成物を、実施例
15と同様の方法で、石英基板上に厚さ約50μmの
膜状物に成形した。シアニン色素(日本感光色素
NK2012)の10-6M水溶液中にこの基板を約10
分間浸漬して色素を吸着させた。紫外可視分光光
度計(日立 220A型)を用いて15℃で吸収極大
波長を測定したところ、502nmであつた。また、
これを35℃に加熱して吸収極大波長を測定したと
ころ565nmに変化した。 実施例 22 先の実施例14で得た組成物を、実施例15と同様
の方法で、厚さ約50μmの膜状物に成形した。こ
の膜を有効膜面積5.3cm2のジヤケツト付ガラス製
セル(高分子学会予稿集 32巻10号、2840頁
(1983年)に記載されたものと同型のセル)に装
着し、片側に蒸留水、片側に透過物質の10-2Mの
水溶液を入れ、蒸留水側の濃度の経時変化を電導
度計を用いて測定した。この結果より膜透過係数
を計算した。結果を表4に示す。
【表】 実施例 23 50mmoleを水500mlに超音波分散させ石鹸状の
溶液を得た。ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
(粘度平均分子量:106万)50mmole(モノマー単
位)を水500mlに溶解した。両者を混合して生成
した沈澱をろ過によつて集め、メタノール500ml
中で1時間かくはんした。再びろ過によつて沈澱
を集め、減圧乾燥により白色の固形物29gを得
た。元素分析により、組成比(有機化合物/重合
体 当量比)として1.08の値を得た。 この固形物を偏光顕微鏡で観察したところ異方
性相が観測され、49℃で固形物の流動性が観測さ
れた。また、215℃にて異方性相が消失した。さ
らに、示差走査熱量計によつて昇温時に48℃に結
晶―液晶転移の吸熱が観測された。 また、この固形物2gを、25℃の水に24時間浸
漬した後に重量変化を測定したところ、重量減は
0.7%であつた。有機溶媒に対しては、ベンゼ
ン、クロロホルムに溶解した。 実施例 24 50mmoleをテトラヒドロフラン200mlに溶解さ
せた。ポリアクリル酸ナトリウム(粘度平均分
子:17万)50mmole(モノマー単位)を水500ml
に溶解し。両者を混合して生成した沈澱をろ過に
よつて集め、メタノール500ml中で1時間かくは
んした。再びろ過によつて沈澱を集め、減圧乾燥
により白色の固形物27gを得た。元素分析により
組成比(有機化合物/重合体 当量比)として
0.83の値を得た。 この固形物を偏光顕微鏡で室温から観察したと
ころ異方性相が観測され、51℃より流動性が生じ
た。また、115℃にて異方性相が消失した。 また、この固形物2gを、25℃の水に24時間浸
漬した後に重量変化を測定したところ、重量減は
0.7%であつた。有機溶媒に対しては、クロロホ
ルマに溶解した。 実施例 25 実施例23と同様の方法で、表5に示す直鎖有機
化合物50mmoleとイオン性基として当量の重合体
50mmoleとから組成物を得た。結果を表5に示
す。これらの組成物について、実施例23と同様の
方法により液晶性を確認した。また、実施例23と
同様の方法で水に浸漬したところ、重量減はすべ
て1.5%であつた。
【表】 実施例 26 実施例23で得た組成物400mgをクロロホルム20
mlに溶解し、直径5cmのテフロン製シヤーレに流
延した後に溶媒を蒸発せしめ、厚さ約50μmの膜
状物を得た。この膜状物は実施例23と同様の液晶
性を示した。 実施例 27 実施例25で得た組成物を実施例26で示した方法
で膜状物に成形した。この膜状物は実施例25と同
様の液晶性を示した。 実施例 28 実施例24で得た組成物4.0gを150℃でメルトイ
ンデクサー(東洋精機製作所)を用いて水浴中に
押し出し、径約1.5mmの繊維状物を得た。この繊
維状物は実施例24と同様の液晶性を示した。 実施例 29 実施例25で得た組成物を実施例28で示した方法
で繊維状物に成形した。この繊維状物は実施例25
と同様の液晶性を示した。 実施例 30 実施例23で得た組成物4.0gを2枚のテフロン
板にはさみ、ホツトプレスを用いて100℃で加圧
成形し、水浴中に急冷して厚さ約6mmの板状物を
得た。この板状物は実施例23と同様の液晶性を示
した。また、ホツトプレスの前後における変色は
認められなかつた。 実施例 31 実施例28で得た繊維状物を約2mmの長さに切断
し、ペレツト状物に成形した。このペレツト状物
は実施例28と同様の液晶性を示した。 実施例 32 実施例25の1―No.3で得た組成物を、実施例26
と同様の方法で、石英基板上に厚さ約50μmの膜
状物に成形した。シアニン色素(日本感光色素
NK2012)の10-6M水溶液中にこの基板を約10分
間浸漬して色素を吸着させた。紫外可視分光光度
計(日立 220A型)を用いて5℃で吸収極大波
長を測定したところ、506nmであつた。また、こ
れを45℃に加熱して吸収極大波長を測定したとこ
ろ563nmに変化した。 実施例 33 先の実施例25で得た組成物を、実施例26と同様
の方法で、厚さ約50μmの膜状物に成形した。こ
の膜を有効膜面積5.3cm2のジヤケツト付ガラス製
セル(高分子学会予稿集 32巻10号、2840頁
(1983年)に記載されたものと同型のセル)に装
着し、片側に蒸留水、片側に透過物質の10-2Mの
水溶液を入れ、蒸留水側の濃度の経時変化を電導
度計を用いて測定した。この結果より膜透過係数
を計算した。結果を表6に示す。
【表】 実施例 34 50mmoleを水500mlに超音波分散させ石鹸状の
溶液を得た。ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
(粘度平均分子量:106万)50mmole(モノマー単
位)を水500mlに溶解した。両者を混合して生成
した沈澱をろ過によつて集め、メタノール500ml
中で1時間かくはんした。再びろ過によつて沈澱
を集め、減圧乾燥により黄色の固形物17gを得
た。元素分析により、組成比(有機化合物/重合
体 当量比)として0.88の値を得た。 この固形物を偏光顕微鏡で観察したところ、異
方性相および流動性が観測された。また、205℃
にて異方性相が消失した。また、この固形物2g
を、25℃の水に24時間浸漬した後に重量変化を測
定したところ、重量減は0.7%であつた。有機溶
媒に対しては、ベンゼン、クロロホルム、2―プ
ロパノールに溶解した。 実施例 35 50mmoleをテトラヒドロフラン200mlに溶解さ
せた。ポリアクリル酸ナトリウム(粘度平均分子
量:17万)50mmole(モノマー単位)を水500ml
に溶解した。両者を混合して生成した沈澱をろ過
によつて集め、メタノール500ml中で1時間かく
はんした。再びろ過によつて沈澱を集め、減圧乾
燥により黄色の固形物18gを得た。元素分析によ
り組成比(有機化合物/重合体 当量比)として
1.07の値を得た。 この固形物を偏光顕微鏡で室温から観察したと
ころ異方性相および流動性が観測され、130℃に
て異方性相が消失した。また、この固形物2g
を、25℃の水に24時間浸漬した後に重量変化を測
定したところ、重量減は0.9%であつた。有機溶
媒に対しては、2―プロパノール、ベンゼン、ク
ロロホルムに溶解した。 実施例 36 実施例34と同様の方法で、表7に示す直鎖有機
化合物50mmoleとイオン性基として当量の重合体
50mmoleとから組成物を得た。結果を表7に示
す。これらの組成物について、実施例34と同様の
方法により液晶性を確認した。また、実施例34と
同様の方法で水に浸漬したところ、重量減はすべ
て1.5%以内であつた。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 実施例 37 実施例34で得た組成物400mgをクロロホルム20
mlに溶解し、直径5cmのテフロン製シヤーレに流
延した後に溶媒を蒸発せしめ、厚さ約50μmの膜
状物を得た。この膜状物は実施例34と同様の液晶
性を示した。 実施例 38 実施例36で得た組成物を実施例37で示した方法
で膜状物に成形した。この膜状物は実施例36と同
様の液晶性を示した。 実施例 39 実施例35で得た組成物4.0gを150℃でメルトイ
ンデクサー(東洋精機製作所)を用いて水浴中に
押し出し、径約1.5mmの繊維状物を得た。この繊
維状物は実施例35と同様の液晶性を示した。 実施例 40 実施例36で得た組成物を実施例39で示した方法
で繊維状物に成形した。この繊維状物は実施例36
と同様の液晶性を示した。 実施例 41 実施例34で得た組成物4.0gを2枚のテフロン
板にはさみ、ホツトプレスを用いて100℃で加圧
成形し、水浴中に急冷して厚さ約6mmの板状物を
得た。この板状物は実施例34と同様の液晶性を示
した。また、ホツトプレスの前後における変色は
認められなかつた。 実施例 42 実施例39で得た繊維状物を約2mmの長さに切断
し、ペレツト状物に成形した。このペレツト状物
は実施例39と同様の液晶性を示した。 実施例 43 実施例36の表7―No.19で得た組成物を、実施例
37と同様の方法で、石英基板に厚さ約50μmの膜
状物に成形した。シアニン色素(日本感光色素
NK2012)の10-6M水溶液中にこの基板を約10分
間浸漬して色素を吸着させた。紫外可視分光光度
計(日立 220A型)を用いて10℃で吸収極大波
長を測定したところ、520nmであつた。また、こ
れを40℃に加熱して吸収極大波長を測定したとこ
ろ555nmに変化した。 実施例 44 先の実施例36で得た組成物を、実施例37と同様
の方法で、厚さ約50μmの膜状物に成形した。こ
の膜を有効膜面積5.3cm2のジヤケツト付ガラス製
セル(高分子学会予稿集 32巻10号、2840頁
(1983年)に記載されたものと同型のセル)に装
着し、片側に蒸留水、片側に透過物質の10-2Mの
水溶液を入れ、蒸留水側の濃度の経時変化を電導
度計を用いて測定した。この結果より膜透過係数
を計算した。結果を表8に示す。
【表】 比較例 マクロモレキユラーレ・ヘミー(Die
Makromolekulare Chemie)183巻2311〜2321頁
(1982年)に記載された方法によつて、下記のイ
オン性基を有しない液晶性重合体2種を得た。 具体的には、上記(1)の液晶性重合体は、次のと
おり合成した。 こうして得られたモノマー10重量%を含むテト
ラヒドロフラン溶液に、モノマーに対して1モル
%のアゾビスイソブチロニトリルを加え、窒素雰
囲気下55℃で8時間重合した。反応物を3℃の冷
エーテルに注ぎ、沈澱したポリマーを回収乾燥し
た。 また、上記(2)の液晶性重合体は、具体的には次
の方法に従つて合成した。 こうして得られたモノマーを上記(1)の液晶性重
合体の場合と全く同様の方法で重合させた。 これら2種の液晶性重合体をそれぞれクロロホ
ルム溶液から溶媒蒸発法によつて製膜し、約50μ
m厚の膜状物を得た。得られた2種の膜状物につ
いて実施例11と同様な方法で臭化カリウム、臭化
テトラメチルアンモニウム及び臭化トリメチル―
n―ドデシルアンモニウムの透過性を測定した。
その結果、これらの物質の透過性は全く認められ
なかつた。 この結果より、重合体及び直鎖有機化合物のい
ずれもがイオン性基を有していることが、物質の
透過性を示す上で重要であることがわかる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (i) スルホン基、カルボキシル基、リン酸基
    又はこれらが塩となつた基を有する重合体 及び (ii) 下記(A)〜(D) 〔但し、R1,R2は同種又は異種の炭素数6〜30
    の直鎖アルキル基又はそのハロゲン置換体であ
    り、Aは、(―B)―j(―CH2)―k(但し、Bは
    【式】【式】 【式】又は 【式】であり、jは0又は1であ り、kは正の整数である。)であり、h,iは正
    の整数であり、R3,R4及びR5は同種又は異種の
    炭素数1〜4のアルキル基、又はそのハロゲン原
    子及び/又は水基による置換体である。〕 〔但し、R1,R2,R3,R4,R5及びAは上記式(A)
    と同じであり、lはi又は2、mは0又は1で
    ある。〕 〔但し、R1,R2,R3,R4及びR5は上記式(A)と同
    じであり、nは正の整数である。〕 〔但し、R3,R4及びR5は上記式(A)と同じであ
    り、R6は炭素数4〜30のアルキル基、アルキ
    ルオキシ基、若しくはアルキルオキシカルボニ
    ル基又はこれらのハロゲン置換体であり、Dは 【式】【式】 【式】 【式】 (但し、Fは―N=CH―、―N=N―、―CH
    =CH―、 【式】【式】【式】―O ―、【式】 【式】―NHCH2―、【式】 【式】 【式】又は【式】 pは0又は1である。)Eは(―CH2)―q又は―O―
    (CH2)―rである。(但し、q、rは正の整数であ
    る。)〕 で示される有機化合物からなる群から選ばれた少
    くとも1種からなる液晶性組成物。
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