JPH0378332B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、積上げ台から１枚づつワークを送り
出しうるワーク送出し装置に関する。

〔背景技術〕

例えば、壁体、床体などを建築用パネルを用い
て形成する乾式工法の建築物においては、家屋の
剛性を向上するために、強度、剛性を増大したい
わゆる耐力壁パネルが、適宜の位置に取付けられ
る。

このような耐力壁パネルは、第２図に略示する
ごとく、枠材を矩形に接合した基部Ａの上両端
に、梁への固定用の長片状の取付片Ｂ，Ｂを、又
下両端部には、基礎に取付けるためのＬ字の脚片
Ｃ，Ｃを溶着している。

又この取付片Ｂ、脚片Ｃは、基部Ａの表裏から
いずれも等しい長さをはみだして取付けられる。

又このようなワークＷは、その生産工程におい
て、積上げたうえ、該積上げ体からワークＷを１
つづつ取出すことが必要となる場合が多い。なお
積上げに際しては、前記取付片Ｂが互い違いとな
るごとく重置される。

このとき、最上段のワークＷを取出すべく、単
にワークＷを押し出すときには、前記取付片Ｂの
はみ出し部分Ｂ１が下のワークＷと干渉し、２枚
送りとなり、その押し出し作業を阻害し、円滑な
取出しを困難とする。

〔発明の目的〕

本発明は、スライドアームに、ワークを磁気吸
着できかつ引き上げるマグネツトを用いることを
基本として、前記したはみ出し部分が端部に存在
するワークをも効率よく送り出しでき作業能率を
向上し、前記問題点を解決しうるとともに、信頼
性に優れかつ操作の確実なワーク送出し装置の提
供を目的としている。

〔発明の開示〕

以下本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。

図において、ワーク送出し装置１は、ワークＷ
を積上げる積上げ台２の後端に受取り台３を設け
るとともに、積上げ台２の前端に、スライドアー
ム４に上下動自在なマグネツト５を配した持上げ
具６と、ワークＷを押進する押進具７とからなる
送出し機９を配している。

ワークＷは、乾式工法の建築物において、耐力
壁パネルとして用いる枠体であり、溝形鋼等の磁
性材からなる縦の枠材２１，２１、横の枠材２
２，２２を溝部を内向きに矩形に配した外枠内
に、斜材２３を菱形に配した基部Ａを具え、又基
部Ａの上両端には、取付片Ｂ，Ｂを、又下両端に
は脚片Ｃ，Ｃを溶着している。

取付片Ｂは、長片体であり、基部Ａの表裏から
夫々はみ出したはみ出し部分Ｂ１を具える。又脚
片Ｃは、垂直片２６の下端に外向きの水平片２７
を設けたＬ字をなし、基部Ａの表裏からはみ出す
とともに、継ぎ片２９が、横の枠材２２との間に
架設される。又ワークＷは、前記取付片Ｂが互い
違いとなるごとく積上げられ、又積上げにより、
前記垂直片２６が重なり合う。

なおワークＷは、取付片Ｂにより梁材に、又脚
片Ｃによつて基礎に固定されるとともに、前記脚
片Ｃの水平片２７の外縁は、基部Ａの側面から、
縦の枠材２１の巾寸度よりも広い間隔を隔てる。

前記積上げ台２は、下枠３０と上枠３１との間
に交叉リンク３２を配し、その開閉により上枠３
１を昇降する周知構成の昇降テーブルからなる。
又積上げ台２には、該積上げ台２に側設する搬入
コンベヤ３４から、パレツト３５上に積上げた前
記ワークＷが、前記取付片Ｂを、送出し機９に向
けて搬入される。

なお積上げ台２は、ワークＷの厚さ寸度ごと、
上枠３１を上昇させうるとともに、上枠３１に
は、送込み用のローラコンベヤが付設される。

前記受取り台３は本例ではベルトコンベヤから
なり、最上段のワークＷ下面と、搬送面が斉一
し、又受取り台３には、ワークＷに加工を施す加
工機８を連設する。

前記送出し機９は、前記のごとく、持上げ具６
と押進具７とからなる。

持上げ具６は、前記積上げ台２の前方近傍に立
設する支台４０の上面に、基部１１を介して、前
記スライドアーム４を前後動自在に支持する。な
お本例では、支台４０には、一対のスライドアー
ム４，４が配される。

前記基部１１は、前記支台４０の上面に固定し
た減速電動機Ｍの上向きの出力軸に、該出力軸に
嵌り合うボス４１にガイド４２を一体に形成する
揺動腕４４を取付ける。

前記ガイド４２には、その上面にアリ溝からな
る摺動溝４６をその全長さに渡つて形成し、該摺
動溝４６によつて、前記スライドアーム４を前後
動自在に支持している。

スライドアーム４には、その先端下面に設ける
箱体４７内部に昇降シリンダ４９を納設するとと
もに、該昇降シリンダ４９の下向きロツドに、前
記マグネツト５を取付け、従つて該マグネツト５
は昇降シリンダ４９の伸縮によつて上下動でき
る。

又前記スライドアーム４は、減速電動機Ｍの駆
動により、第１図に一点鎖線で示すごとく、夫々
外向きに約70〜90度の範囲で回動しうる。

又前記箱体４７と、ガイド４２との間には、ダ
ンパシリンダ１２が配される。

ダンパシリンダ１２は、その一端を前記ガイド
４２に取付けかつ先端のロツドを箱体４７に支持
している。又ダンパシリンダ１２には、第６図に
示すごとく、空気源が、減圧弁５１、絞り、逆止
弁を具える調整弁５３を介してロツド側のポート
に接続されている。従つて、ダンパシリンダ１２
は、ロツドが引き込む側に微圧力が作用するとと
もに、シリンダ側のポートには、図示しないスピ
ードコントロール等を取付けた上、開放してい
る。

なお前記ダンパシリンダ１２は、伸長に際して
ロツド側のポートの圧力により調整される、いわ
ゆるメータイン回路を構成する。

なお前記マグネツト５は、前記昇降シリンダ４
９の伸長により、溝形鋼などの磁性材からなるワ
ークＷの前端部である取付片Ｂ側端部を磁気吸着
でき、かつ縮小により持上げるとともに、通電を
遮断することによつて、開放する。

前記押進具７は、本実施例では、長尺のシリン
ダ５５からなり、該シリンダ５５は、角軸からな
るロツドを積上げ台２に向けかつその先端の横長
の押片５６が、前記マグネツト５によつて持上げ
られるワークＷを、受取り台３に向けて押進で
き、その伸長によつて端部を該受取り台３上に載
置させうる。

なお昇降シリンダ４９、シリンダ５５は、第６
図に示すごとく切換弁５７，５９、調整弁５３…
を介して、ロツド側のポート、シリンダ側のポー
トに接続される。

〔作用〕

然して、スライドアーム４が積上げ台２に向く
状態において、第３図に示すごとく、昇降シリン
ダ４９を下降しかつマグネツト５に通電すること
によつて、該マグネツト５により最上段のワーク
Ｗの前端部を磁気吸着する。又昇降シリンダ４９
を縮小し、前記最上段のワークＷを、前記はみ出
し部分Ｂ１をこえて下のワークと衝合しない高さ
に持上げる。

又前記切換弁５９を切り換えシリンダ５５を速
度調整しつつ伸長する。伸長とともに、押片５６
は、前記はみ出し部分Ｂ１をこえて持上げたワー
クＷを、受取り台３に向けて押進する。なおスラ
イドアーム４は、マグネツト５がワークＷを磁気
吸着していることによりダンパシリンダ１２を伸
長しつつ後進する。

又取付片Ｂが、第４図に示すように、下段の取
付片Ｂをこえた状態にて、マグネツト５の通電を
切り、ワークＷを開放する。そのとき、取付片Ｂ
は、縦の枠材２１上に載置され、該縦の枠材２１
上を滑りつつ、前記押進具７により押進する。な
お昇降シリンダ４９を縮小するとともに、マグネ
ツト５の開放によつて、前記ダンパシリンダ１２
は、前記微圧力によつて縮小し、スライドアーム
４を元の位置に戻す。

又シリンダ５５は、ワークＷを、第５図に示す
ごとく受取り台３に移載したのち復帰することに
より、ワークＷの送り出しを終了する。

また積上げ台２は上昇し、前記操作を繰り返す
ことによつて全てのワークＷの取出しを終える。

取出し完了の信号によつて、前記減速電動機Ｍ
を駆動し、スライドアーム４を夫々約直角方向に
左右に開放し、あらたな次のワークＷを、前記搬
入コンベヤ３４から供給する。しかる後スライド
アーム４が復帰し次の取出し作業を開始する。

なお本発明のワーク送出し装置において、受取
り台３としてベルトコンベヤにかえて、スラツト
コンベヤ、チエンコンベヤを用いることができ、
又スライドアーム４を昇降可能とし、その引き上
げ時にワークを積上げ台２に供給するごとく形成
するなど、本発明の装置は種々変形しうる。

〔発明の効果〕

このように本発明のワーク送出し装置は、積上
げ台の後端に受取り台を設けかつ前記にワークを
吸着する昇降自在なマグネツトを有するスライド
アームを具える持上げ具と、持上げられたワーク
を押進する押進具とを有する送出し機を配してい
るため、はみ出し部分を有して互いに引掛かるワ
ークの積重ね体から、ワークを１枚づつ能率よく
取出しでき、ワークの取出し作業の能率化を図る
とともに、取出し作業が迅速化できる。又スライ
ドアームは回動可能であり、従つて外方への回動
によつて、上方からのワークの搬入をなしうるよ
うに構成しうる他、スライドアームは前後動で
き、従つて押進具が後退したのちもスライドアー
ムによつてワークを前位置で保持しうるとともに
該スライドアームがダンパシリンダにより後動す
ることと相まつて、作動の多様化も可能とする。
又構成簡易であるため、設備の信頼性を向上する
とともに作業の確実性を増すなど多くの効果を奏
しうる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す平面図、第２
図はその斜視図、第３〜５図はその作用を示す正
面図、第６図は油圧回路を例示する回路図であ
る。 ２……積上げ台、３……受取り台、４……スラ
イドアーム、５……マグネツト、６……持上げ
具、７……押進具、９……送出し機、１１……基
部、１２……ダンパシリンダ、Ｗ……ワーク。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 磁性材からなるワークを積上げる昇降自在な
   積上げ台の後端に該積上げ台上の最上段のワーク
   の下面と略同高かつ前記ワークを受取りうる受取
   り台を設けかつ積上げ台の前端に、基部に回動可
   能かつ前後動自在に支持されるスライドアームに
   最上段のワークの前端部を磁気吸着できかつ上昇
   により該最上段のワークを下のワークと衝合しな
   い高さに持上げうる上下動自在なマグネツトを具
   えるとともにスライドアームと基部との間に該ス
   ライドアームを自由に前動できかつ前動したスラ
   イドアームを作動により後動させるダンパシリン
   ダを配した持上げ具と、前記持上げ具により持上
   げられたワークを受取り台に向け押進することに
   よりスライドアームを後動させかつ受取り台上に
   ワークを受取らせる押進具とからなる送出し機を
   配してなるワーク送出し装置。