JPH0375448B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、自動倉庫に於いて棚に対する入出庫
作業用に使用される走行クレーンの昇降キヤレツ
ジ駆動装置に関するものである。

（従来の技術及びその問題点） この種の走行クレーンに於ける軽荷重用キヤレ
ツジ駆動装置として、両端を昇降キヤレツジに係
止されたチエンをキヤレツジ昇降経路にそつてル
ープ状に張設し、当該チエンの中間部を駆動ユニ
ツトに於ける駆動歯輪に係合させ、前記チエンの
正逆回動により前記キヤレツジを昇降させるよう
にしたキヤレツジ駆動装置が知られている。

従来のこの種のキヤレツジ駆動装置では、キヤ
レツジ吊り下げチエンの殆ど全長が露出していた
ので当該チエンに異物が付着することによる故障
が生じ易く、又、当該チエンの経路脇に設置され
る機器は当該チエンから十分に離したり、間に保
護カバーを設ける必要が生じるので、クレーンを
コンパクトに構成することが困難であつた。

（問題点を解決するための手段） 本発明は上記のような従来の問題点を解決し得
るキヤレツジ駆動装置を提案するものであつて、
その特徴は、後述する実施例の参照符号を括弧付
きで付して示すと、一端が昇降キヤレツジ９に係
止されたキヤレツジ吊り下げチエン１１，１２
を、前記昇降キヤレツジ９を案内する支柱８ａ内
を通して当該支柱下端の方に導き、当該支柱８ａ
の側面に設けた開口部１７より支柱内案内歯輪１
８，１９を介して支柱８ａ外に導出させた前記チ
エン１１，１２を、前記支柱８ａの外側に隣接設
置した駆動ユニツト２０内の駆動歯輪２２，２３
に係合させ、更に前記支柱８ａを支持する下部フ
レーム１内に軸支した案内歯輪２５，２６を経由
させて上方に導いた前記チエン１１，１２の他端
を前記昇降キヤレツジ９に係止し、前記支柱内案
内歯輪１８，１９は、前記駆動ユニツト２０から
突設され且つ前記開口部１７内に嵌合する軸受部
材２９に軸支した点にある。

（実施例） 以下に本発明の一実施例を添付の例示図に基づ
いて説明すると、第１図に於いて、１は下部フレ
ームであつて、床面上に敷設された下部ガイドレ
ール２上を転動する駆動車輪３と従動車輪４とを
備えている。５は天井側に架設された上部ガイド
レール６を挟む振れ止め用垂直軸ローラー７を備
えた上部フレームであつて、前記下部フレーム１
に前後一対の垂直な支柱８ａ，８ｂを介して連結
されている。９は支柱８ａ，８ｂ間で昇降可能に
支持された昇降キヤレツジであつて、ランニング
フオーク等の荷移載手段１０が搭載されている。

第２図乃至第５図に示すように、前記昇降キヤ
レツジ９の前後両端にはキヤレツジ吊り下げチエ
ン（２連チエン）１１，１２の一端１１ａ，１２
ａが係止されている。一方のチエン１１は、上部
フレーム５の一端内部に軸支された案内歯輪１３
によつて下向きに転向された後、支柱８ａの上端
開口部１４から当該支柱８ａ内に導入されてお
り、他方のチエン１２は、上部フレーム５の他端
内部に軸支された案内歯輪１５及び前記案内歯輪
１３と同軸上で支承された案内歯輪１６を経由し
て前記支柱８ａの上端開口部１４から当該支柱８
ａ内に導入されている。

支柱８ａ内に導入されたチエン１１，１２は、
当該支柱８ａの下端近傍側面に形成された縦長開
口部１７内に位置する同軸上の案内歯輪１８，１
９によつて支柱外に導かれ、下部フレーム１上に
設置された駆動ユニツト２０に於ける歯輪ボツク
ス２１内の同軸上の駆動歯輪２２，２３に係合し
た後、再び前記縦長開口部１７、支柱８ａ内、及
び支柱８ａの下端開口部２４を経由して下部フレ
ーム１内に軸支された同軸上の案内歯輪２５，２
６に係合し、上向きに転向されて下部フレーム１
の上側開口部２７からフレーム外に導かれ、支柱
８ａに沿う状態で遊端部１１ｂ，１２ｂが前記昇
降キヤレツジ９の支柱８ａに隣接する箇所に係止
されている。

前記支柱８ａの下端近傍側面の開口部１７は、
角パイプ利用の支柱８ａの歯輪ボツクス２１に隣
接する側板を切除して形成したものであつて、こ
の開口部１７を挟むように支柱８ａの左右両側に
補強板２８が固着されている。前記開口部１７内
に位置する案内歯輪１８，１９は、歯輪ボツクス
２１の側面に取り付けられ且つ前記開口部１７内
に遊嵌する箱形軸受部材２９内に支軸３０を介し
て支承されている。前記駆動ユニツト２０は、前
記歯輪ボツクス２１とこの側面に取り付けられた
減速機３１、及び当該減速機３１に縦向きに直結
されたモーター３２から構成され、前記歯輪ボツ
クス２１内の駆動歯輪２２，２３を支承する駆動
軸３３は、前記減速機３１を介してモーター３２
に連動連結されている。

尚、第２図に於いて３４は駆動車輪３を駆動す
る走行用駆動ユニツトである。

以上のように構成された倉庫用クレーンは、走
行用駆動ユニツト３４によつて駆動車輪３を回転
させることにより下部ガイドレール２にそつて走
行させることが出来る。そして昇降キヤレツジ９
を目的の入出庫作業レベルまで昇降させるとき
は、駆動ユニツト２０に於けるモーター３２を稼
動させ、減速機３１を介して駆動歯輪２２，２３
を回転させる。この結果、両端１１ａ，１１ｂ及
び１２ａ，１２ｂが昇降キヤレツジ９に係止され
たループ状のキヤレツジ吊り下げチエン１１，１
２が回動し、昇降キヤレツジ９が支柱８ａ，８ｂ
にそつて昇降移動することになる。

尚、駆動ユニツト２０に於ける減速機３１及び
モーター３２は前後方向向き又は左右横方向向き
に倒しても良い。

（発明の作用及び効果） 以上のように実施し得る本発明による倉庫用ク
レーンの昇降キヤレツジ駆動装置によれば、両端
が昇降キヤレツジに係止された状態でループ状に
張設されるキヤレツジ吊り下げチエンは、その略
半分が支柱内に通されて保護されているので、当
該チエンに異物が付着することに起因する故障が
極減する。又、他の機器を当該支柱に接近又は当
接するように設置することも出来、クレーン全体
をコンパクトに構成することが容易となる。

更に本発明の構成によれば、支柱内からチエン
を導出させるために必要な案内歯輪を、当該支柱
に隣接設置される駆動ユニツトから突設され且つ
前記支柱の開口部内に遊嵌する軸受部材に軸支し
たので、開口部の形成により強度的に弱くなつた
支柱を案内歯輪の軸支により更に強度低下させる
恐れがなくなり、しかも案内歯輪を直接支柱内に
軸支する場合と比較して当該案内歯輪の組みつけ
が容易に行える。

【図面の簡単な説明】

第１図はクレーン全体の側面図、第２図は昇降
キヤレツジの駆動ユニツトを示す正面図、第３図
は昇降キヤレツジ駆動装置を示す縦断側面図、第
４図はキヤレツジ吊り下げチエンの張設状態を示
す斜視図、第５図は第３図の要部を示す横断平面
図である。 １……下部フレーム、２……下部ガイドレー
ル、３……駆動車輪、８ａ，８ｂ……支柱、９…
…昇降キヤレツジ、１１，１２……キヤレツジ吊
り下げチエン、１３，１５，１６，１８，１９，
２５，２６……案内歯輪、１４……支柱上端開口
部、１７……支柱下端近傍側面の縦長開口部、２
０……駆動ユニツト、２１……歯輪ボツクス、２
２，２３……駆動歯輪、２４……支柱下端開口
部、２７……フレーム上側開口部、２９……箱形
軸受部材、３１……減速機、３２……モーター。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一端が昇降キヤレツジに係止されたキヤレツ
   ジ吊り下げチエンを、前記昇降キヤレツジを案内
   する支柱内を通して当該支柱下端の方に導き、当
   該支柱の側面に設けた開口部より支柱内案内歯輪
   を介して支柱外に導出させた前記チエンを、前記
   支柱の外側に隣接配置した駆動ユニツト内の駆動
   歯輪に係合させ、更に前記支柱を支持する下部フ
   レーム内に軸支した案内歯輪を経由させて上方に
   導いた前記チエンの他端を前記昇降キヤレツジに
   係止し、前記支柱内案内歯輪は、前記駆動ユニツ
   トから突設され且つ前記開口部内に嵌合する軸受
   部材に軸支して成る倉庫用クレーンの昇降キヤレ
   ツジ駆動装置。