JPH0359839B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

（産業上の利用分野） 本発明は感熱記録材料に関するものであり、さ
らに詳細には電子供与性無色染料及び、電子受容
性化合物を含む感熱記録層を支持体上に設けた感
熱記録材料に関する。 （従来技術） 電子供与性の無色染料と電子受容性化合物を使
用した感熱記録材料は、特公昭45−14039号、特
公昭43−4160号等に開示されている。この種の感
熱記録材料は、フアクシミリ、電子計算機のプリ
ントアウト等に用いられ、メンテナンス等が不要
などの利点を有している。しかしながら、つめ等
のこすれによつても発色し、記録面を汚してしま
うという欠点を有する。すなわち摩擦カブリが生
ずる。 感熱記録材料の摩擦カブリを改善する公知の方
法は次の三種に大別される。即ち、まず第一に、
ワツクス類を塗液に添加し、表面の滑り性を上
げ、摩擦熱の発生を抑えるとともに発生した熱を
ワツクスの軟化で吸収してしまうという方法が開
示されている。（特公昭50−14531号） 第二には、でんぷんあるいはでんぷん誘導体の
微粉末を感熱層に添加し、摩擦熱を発色成分近傍
で発生させないようにすることにより摩擦カブリ
を抑える方法。（特公昭51−5947号） 第三に使用発色成分に対して消色効果を有する
物質粒子を高分子物質で被覆したものを感熱層に
付与することにより、こすられた時に消色効果を
持つ物質がにじみ出し、発色を抑えるという方
法。（特開昭56−46786） しかしながら、これらの方法は感熱記録材料と
しての印字濃度を低下させたり、印字部の保存性
が低下したりするという弊害を伴うため十分なも
のとはいえず、また摩擦カブリ防止効果も必ずし
も十分とは言えないものである。 （発明の目的） 本発明の目的は、印字濃度等の諸性能を維持し
たまま、摩擦ガブリが大幅に改善された感熱記録
材料を提供することである。 （発明の構成） 前記の本発明の目的は、電子供与性無色染料及
び、電子受容性化合物を含む、感熱記録層を支持
体上に設けた感熱記録材料において、平均粒径
0.03ミクロンないし16ミクロンのエチレン−α−
オレフイン共重合体粒子を感熱層成分の全重量に
対し、５〜50重量％含有することを特徴とする感
熱記録材料により達成された。 本発明に使用するエチレン−α−オレフイン共
重合体は粒状のものであり、特に一定範囲の粒径
のエチレン−α−オレフイン共重合体が著しい摩
擦カブリ防止効果を有しており、本発明の目的に
適している。 本発明に使用する共重合体を形成するα−オレ
フインは炭素数３ないし20のものが好ましく、そ
の具体例としては１−ブテン、１−ペンテン、１
−ヘキセン、４−メチル−１−ペンテン、１−オ
クテン、１−デセン、１−テトラデセン、１−オ
クタデセン等があげられる。 エチレン−α−オレフイン共重合体粒子は感熱
記録層の塗設量の５〜50重量％、好ましくは５〜
15重量％含有される。５重量％未満では摩擦カブ
リ改善の効果が少なく50重量％を越えると感度低
下等の併害が見られた。さらに平均粒子径（体積
平均粒径）については0.03ミクロンないし16ミク
ロンが好ましく、0.03ミクロン未満であると、添
加効果が少なく16ミクロンを越えると感熱発色層
の平面性を悪化させる。さらに好ましくは、0.5
ミクロンないし５ミクロンである。 本発明に使用する電子供与性無色染料の例とし
ては、トリアリールメタン系化合物、ジフエニル
メタン系化合物、キサンテン系化合物、チアジン
系化合物スピロピラン系化合物などが用いられて
いる。これらの一部を例示すれば、トリアリール
メタン系化合物として３，３−ビス（ｐ−ジメチ
ルアミノフエニル）−６−ジメチルアミノフタリ
ド（即ちクリスタルバイオレツトラクトン）、３，
３−ビス（ｐ−ジメチルアミノフエニル）フタリ
ド、３−（ｐ−ジメチルアミノフエニル）−３（１，
３−ジメチルインドール−３−イル）フタリド、
３−（ｐ−ジメチルアミノフエニル）−３（２−メ
チルインドール−３−イル）フタリド等があり、
ジフエニルメタン系としては、４，4′−ビス−ジ
メチルアミノベンズヒドリンベンジルエーテル、
Ｎ−ハロフエニル−ロイコ−オーラミンＮ−２，
４，５−トリクロロフエニルロイコオーラミン等
があり、キサンテン系化合物としてはローダミン
−Ｂ−アニリノラクタム、ローダミン（ｐ−ニト
ロアニリノ）ラクタム、ローダミンＢ（ｐ−クロ
ロアニリノ）ラクタム、２−ジベンジルアミノ−
６−ジエチルアミノフルオラン、２−アニリノ−
６−ジエチルアミノフルオラン、２−アニリノ−
３−メチル−６−ジエチルアミノフルオラン、２
−アニリノ−３−メチル−６−シクロヘキシルメ
チルアミノフルオラン、２−０−クロロアニリノ
−６−ジエチルアミノフルオラン、２−ｍ−クロ
ロアニリノ−６−ジエチルアミノフルオラン、２
−（３，４−ジクロロアニリノ）−６−ジエチルア
ミノフルオラン、２−オクチルアミノ−６−ジエ
チルアミノフルオラン、２−ジヘキシルキシルア
ミノ−６−ジエチルアミノフルオラン、２−ｍ−
トリフロロメチルアニリノ−６−ジエチルアミノ
フルオラン、２−ブチルアミノ−３−クロロ−６
−ジエチルアミノフルオラン、２−エトキシエチ
ルアミノ−３−クロロ−６−ジエチルアミノフル
オラン、２−アニリノ−３−クロロ−６−ジエチ
ルアミノフルオラン、２−ジフエニルアミノ−６
−ジエチルアミノフルオラン、２−アニリノ−３
−メチル−６−ジフエニルアミノフルオラン、２
−フエニル−６−ジエチルアミノフルオラン、等
があり、４アジン系化合物としてはベンゾイルロ
イコメチレンブルー、ｐ−ニトロベンジルロイコ
メチレンブルー等があり、スピロ系化合物として
は、３−エチル−スピロージナフトピラン、３−
ベンジルスピロージナフトピラン、３−メチル−
ナフト（３−メトキシ−ベンゾ）スピロピラン、
３−プロピル−スピロ−ジベンゾピラン等があ
る。これらは単独もしくは混合して用いられる。 また電子受容性化合物の例としてはフエノール
化合物、有機酸もしくはその金属塩、オキシ安息
香酸エステルなどがあり、特にフエノール化合物
は融点が希望する記録温度付近にあり、特に低融
点化合物を用いる必要がないか、その量が少なく
てすむため好んで用いられ、例えば、特公昭45−
14039号、特公昭51−29830号等に詳しく述べられ
ている。具体的には４−ターシヤリーブチルフエ
ノール、４−フエニルフエノール、４−ヒドロキ
シジフエノキシドα−ナフトール、β−ナフトー
ル、メチル−４−ヒドロキシベンゾエート、２−
2′−ジヒドロキシビフエニール、２−２−ビス
（４−ヒドロキシフエニル）プロパン（ビスフエ
ノールＡ）４−4′−イソプロピリデンビス（２−
メチルフエノール）、１，１−ビス−（４−ヒドロ
キシフエニル）シクロヘキサン、１，１−ビス−
（３−クロロ−４−ヒドロキシフエニル）−２−エ
チルブタン、４，4′−セカンダリ−イソブチルデ
ンジフエノール４−ヒドロキシ安息香酸ベンジ
ル、４−ヒドロキシ安息香酸オクチル３，５−ジ
−ターシヤリブチルサリチル酸、３，５−ジ（−
α−メチルベンジル）サリチル酸などがあげられ
る。 次に本発明に係る感熱記録材料の製造方法の具
体例を示す。感熱記録材料の最も一般的な製造方
法としては、先にあげたような電子供与性無色染
料と、電子受容性化合物を各々別々に１〜10重量
％の水溶性高分子溶液中で、ボールミルサンドミ
ル等の手段により分散させ、混合した後、カオリ
ン、タルク、炭酸カルシウム等の無機顔料を加え
て作成する。これに、本発明のエチレン−α−オ
レフイン共重合体粒子を混合し更に必要に応じて
熱可融性化合物、金属石けんなどを添加すること
ができる。 塗液はもつとも一般的には原紙上に塗布され
る。 一般に塗布量は、固形分として２〜10ｇ／m²で
あり、下限は加熱発色時の濃度により、上限は主
に経済的制約により決定される。 （発明の実施例） 以下の実施例を示すが、本発明は、この実施例
のみに限定されるものではない。 実施例 １〜４ 第一表の電子供与性無色染料５ｇを５％ポリビ
ニルアルコール（ケン価度99％重合度1000）水溶
液50ｇとともにボールミルで一昼夜分散した。一
方同様に、第一表の電子受容性化合物20ｇを５％
ポリビニルアルコール水溶液200ｇとともに一昼
夜分散した。これら２種類の分散液を混合した
後、炭酸カルシウム20ｇを添加してよく分散さ
せ、さらにエチレン−α−オレフイン共重合体
（三井石油化学製タフマーを平均粒径0.05〜12μｍ
に分散）を10ｇ加え塗液とした。 塗液は50ｇ／m²の秤量を有する原紙上に固形分
塗布量として７ｇ／m²となるように塗布し、キヤ
レンダーにかけ塗布紙を得た。 比較例 １ 実施例１において、添加するエチレン−α−オ
レフイン共重合体の平均粒子径が0.015μｍのもの
を分別して用い、塗布紙を作成した。 比較例 ２ 実施例１において、添加するエチレン−α−オ
レフイン共重合体の平均粒子径が20μｍのものを
分別して用い、塗布紙を作成した。 比較例 ３ 実施例１において、エチレン−α−オレフイン
共重合体の添加量を塗液の総固形分量60重量％に
し、塗布紙を作成した。 比較例 ４ 実施例１において、エチレン−α−オレフイン
共重合体の添加量を塗液の総固形分量2.5重量％
にし、塗布紙を作成した。 比較例 ５ 実施例１においてエチレン−α−オレフイン共
重合体のかわりにパラフインワツクス粒子（平均
粒径4.0μｍ）を10ｇ加え、塗布紙を作成した。 比較例 ６ 実施例１においてエチレン−α−オレフイン共
重合体未添加の塗液を用い、塗布紙を作成した。 以上の様にして作成した感熱記録材料につき耐
摩擦カブリ性を試験した。 さらに印字発色させ、感度と色像の保存性を測
定した。評価は下記の基準により行つた。

【表】 第１表に示した摩擦カブリ、感度及び保存性の
評価は次の基準で行つた。 摩擦カブリ ◎ 感熱紙をガラス板等硬いものの上でこすつて
もほとんど発色しない。 ○ ガラス板等の上でこするとわずかに発色する
が、ボール紙等柔かいものの上でこするとほと
んど発色しない。 △ ボール紙等の上でこすつてわずかに発色す
る。 × ボール紙等の上でこすつてわずかに発色す
る。 感 度 ○ 添加物を添加しない場合と比較し感度低下が
５％未満。 △ 添加物を添加しない場合と比較し感度低下が
５％以上10％未満。 × 添加物を添加しない場合と比較し感度低下が
10％以上。 保存性 ○ 印字部を60℃24時間及び40℃90％RH、24時
間保存後の残像率が95％以上。 △ 印字部を60℃24時間及び40℃90％RH、24時
間保存後の残像率が80％以上95％未満。 × 印字部を60℃24時間及び40℃90％RH、24時
間保存後の残像率が80％未満 第１表の結果から本発明に係る感熱記録材料が
極めて優れた耐摩擦カブリ効果を有することがわ
かる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 電子供与性無色染料及び電子受容性化合物を
   含む感熱記録層を支持体上に設けた感熱記録材料
   において、平均粒径0.03ミクロンないし16ミクロ
   ンのエチレン−α−オレフイン共重合体粒子を感
   熱層成分の全重量に対し、５〜50重量％含有する
   ことを特徴とする感熱記録材料。