JPH0357540Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、車両におけるエンジン後部に接続さ
れたトランスミツシヨンケーシングを車体に取り
付ける装置に関するものである。

（従来技術） 従来より、この種のマウント装置として、例え
ば実開昭56−48914号公報に開示されるようにト
ランスミツシヨンケーシング（エクステンシヨン
ハウジング）の下面に固定された上部金具（第１
ブラケツト）と、該上部金具の下方で車体に連結
された下部金具（第２ブラケツト）と、上記上部
金具と下部金具との間に設けられた弾性部材と、
上記下部金具に設けられた貫通孔を貫通し、上部
が上記上部金具に固定されたストツパ部材と、上
記上部金具の貫通孔周縁部に装着されたストツプ
ラバーとを備えて、上記ストツパ部材下部のスト
ツプラバーへの当接によりトランスミツシヨンケ
ーシングの上方移動を規制しながら上記弾性部材
により該トランスミツシヨンケーシングを弾性支
持するようにしたものは知られている。

しかしながら、このようなマウント装置は下部
金具（第２ブラケツト）を車体のクロスメンバ上
に固定し、このクロスメンバによりトランスミツ
シヨンケーシングを支持するようになるため、上
記のようなマウント装置を用いる場合には、スト
ツパ部材のための貫通孔を下部金具のみならずこ
のクロスメンバ上にも設ける必要があり、このた
めクロスメンバの強度が低下するという問題があ
る。

（考案の目的） 本考案はこのような問題に鑑み、クロスメンバ
に貫通孔を設けることなく、上部金具（第１ブラ
ケツト）の上方移動規制およびトランスミツシヨ
ンケーシングの弾性支持を行なうことができるト
ランスミツシヨンマウント構造を提供することを
目的とするものである。

（考案の構成） 本考案はトランスミツシヨンマウント構造は、
トランスミツシヨンのケーシング下面に第１ブラ
ケツトを固定し、この第１ブラケツトの下方に位
置する第２ブラケツトを車体に固定し、第１ブラ
ケツトと第２ブラケツトの間に弾性部材を配し、 この第２ブラケツトには、上方に湾曲した湾曲
部を形成し、一方、第１ブラケツトにはこの湾曲
部の両端開口部にそれぞれ対向する位置まで垂下
した一対の垂下部を形成し、 この一対の垂下部を上記湾曲部内を貫通して配
されたストツパ部材を介して連結してなることを
特徴とするものである。

（実施例） 以下、本考案の好ましい実施例について図面に
より説明する。第１図は本考案に係る車両の縦置
き搭載型のエンジン部を示し、１はエンジン、２
はエンジン１後部に連設されたトランスミツシヨ
ン、３はトランスミツシヨン２後部に連結された
エクステンシヨンケーシングであり、エクステン
シヨンケーシング３内にはトランスミツシヨン２
側からの駆動力を後輪側に伝達するアウトプツト
シヤフト（図示せず）等が配設されている。

４はエクステンシヨンケーシング３を車体に取
り付けるためのマウント装置である。このマウン
ト装置４は詳細に示すのが第２図〜第４図であ
り、以下これらの図を併用して説明する。マウン
ト装置４は、エクステンシヨンケーシング３の下
面に車幅方向に伸びて固定される第１ブラケツト
５と、この第１ブラケツト５の下方で車幅方向に
伸びて配されるとともにボルト２１ａ，２１ｂに
より車体クロスメンバ２０の上面に固定される第
２ブラケツト６と、これら第１ブラケツト５およ
び第２ブラケツト６の両端５ａ，５ｂおよび６
ａ，６ｂの間に配される２個の弾性部材７ａ，７
ｂとを有してなる。これにより車体クロスメンバ
２０により、エンジン１およびトランスミツシヨ
ン２を一体にしてエクステンシヨンケーシング３
が弾性部材７ａ，７ｂを介して弾性支持されるよ
うになつている。

この弾性部材７ａ，７ｂはラバー等の弾性材料
からなる円筒形状体であり、この円筒体の軸線が
エクステンシヨンハウジング３の中心面上で一致
するように車幅方向に対称的に傾斜した状態で、
第１および第２ブラケツト５，６の両端間に配置
されている。この各弾性部材７ａ，７ｂは、それ
ぞれ軸線方向両端部に締結ボルト８ａ，８ｂを有
していて、この締結ボルト８ａ，８ｂにより第１
および第２ブラケツト５，６の両端５ａ，５ｂお
よび６ａ，６ｂに固定されている。

第２ブラケツト６の車幅方向中央部には上方に
凸で軸線が車体前後方向に伸びた略半円筒状の湾
曲部６ｃが形成されており、一方、第１ブラケツ
ト５の車体前後端は下方に折り曲げられて上記湾
曲部６ｃの前後端開口部に対向する位置まで垂下
する一対の垂下部５ｃ，５ｄが形成されている。
そして、この一対の垂下部５ｃ，５ｄを連結する
ストツパボルト９が上記垂下部６ｃ内を通つて配
されている。なお、ストツパボルト９の外周面に
はラバー等の弾性体１０が固着されている。

以上のように構成したマウント装置４を用いれ
ば、エクステンシヨンケーシング３は車体クロス
メンバ２０に対して弾性部材７ａ，７ｂにより弾
性支持されて振動、騒音が低減し、さらにエンジ
ン振動、車体振動等によりエクステンシヨンケー
シング３が弾性部材７ａ，７ｂの弾性変形に応じ
てクロスメンバ２０に対して上下に変位した場合
に、この変位が所定量を超えて大きいときはスツ
トパボルト９の弾性体１０が湾曲部６ｃの円周面
に当接してこれがストツパとして作用し、所定量
以上の変位を防止するようになつている。

なお、ストツパボルト９の外周に弾性体１０を
固着する代わりに湾曲部６ｃの内面に弾性体を固
着してもよい。また、この弾性体はなくても良い
が、騒音等の点からは設けるのが好ましい。さら
に、上記第２ブラケツト６の湾曲部６ｃは、半円
筒状のみならず、上方に凸となつた三角柱状、四
角柱状等の形状であつても良い。

（発明の効果） 以上説明したように、本考案によればトランス
ミツシヨンケーシングに固定される第１ブラケツ
トと車体に固定される第２ブラケツトとを弾性部
材を介して連結するとともに、第２ブラケツトの
湾曲部の両端開口に対向する位置まで垂下された
第１ブラケツトの一対の垂下部を、湾曲部を貫通
して配されたストツパ部材によつて連結している
ので、弾性部材により車体に対しトランスミツシ
ヨンケーシングを弾性支持することによつて騒
音、振動の低減を計ることができ、トランスミツ
シヨンケーシングに大きな上方移動荷重が作用し
た場合でも、ストツパ部材が湾曲部に当接するこ
とによつてトランスミツシヨンケーシングの所定
量以上の上方移動を確実に防止することができ
る。さらに、本考案の場合、マウント装置は車体
クロスメンバ上にそのまま取り付けるだけでよ
く、従来のマウント装置のようにストツパ部材の
ための貫通孔をクロスメンバ上に形成させる必要
がないため、クロスメンバの強度を低下させるこ
ともなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のマウント装置を有する車両
のエンジンおよびトランスミツシヨン部を示す概
略側面図、第２図から第４図は、本考案に係るマ
ウント装置の１例を示す図で、第２図は正面図、
第３図は平面図、第４図は第２図の矢印−に
沿つた断面図である。 １……エンジン、３……エクステンシヨンケー
シング、４……マウント装置、５……第１ブラケ
ツト、５ａ，５ｂ……垂下部、６……第２ブラケ
ツト、６ｃ……湾曲部、７ａ，７ｂ……弾性部
材、９……ストツパボルト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) トランスミツシヨンのケーシング下面に固定
   された第１ブラケツトと、 該第１ブラケツトの下方に位置し、車体に固
   定された第２ブラケツトと、 前記第１ブラケツトと前記第２ブラケツトと
   の間に配設された弾性部材とを備え、 前記第２ブラケツトには上方に湾曲した湾曲
   部を形成し、前記第１ブラケツトには該湾曲部
   の両端開口部にそれぞれ対向する位置まで垂下
   した一対の垂下部を形成し、 該一対の垂下部を、前記湾曲部内を貫通して
   配されたストツパ部材を介して連結したことを
   特徴とするトランスミツシヨンマウント構造。 (2) 前記ストツパ部材の周囲および前記湾曲部内
   面の少なくともいずれか一方に弾性体を固着さ
   せたことを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項記載のトランスミツシヨンマウント構
   造。