JPH0356916B2

JPH0356916B2 -

Info

Publication number: JPH0356916B2
Application number: JP62132844A
Authority: JP
Priority date: 1987-05-28
Filing date: 1987-05-28
Publication date: 1991-08-29
Also published as: JPS63296982A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）この発明は、転写方法に係り、特に、電子写真
（PPC）の技術と転写シートの技術とを巧みに組
み合せてなるものに関する。

（従来技術）近年デザイン業界では、電子写真（PPC）に
よつて複写層を形成し、更に加えてカラーフイル
ムを利用しカラーを有する転写印字、図画（以
下、「転写印字」と略称する。）を得ることが行わ
れている。

ここで、カラーフイルム５とは、第２図に示す
ように、下から感熱接着剤層１、合成樹脂塗料層
２、シリコン樹脂層３、例えばポリエステルフイ
ルム等基材４を積層して成る積層構造物である。
そして上記カラーフイルム５を利用した電子写真
法とは、複写専用紙又はこれに準ずる用紙やフイ
ルム（以下、「複写用紙６」と称する。）上に複写
層７を第３図イに示すように形成し、この複写用
紙６を第３図ロに示す如く上記カラーフイルム５
に重合させ、複写用紙６の複写層７上に感熱接着
剤層１及び合成樹脂層２を熱ローラ８，８で転着
させる（第３図ハ参照）ものである。

そしてこの方法は、上記合成樹脂塗料層２の働
きによつて、種々の色の転写印字が得られるとい
う長所を有する。

（発明が解決しようとする問題点）しかし、上記電子写真及びカラーフイルムを利
用した方法は、転写対象物が前記の「複写用紙
６」に限定される結果、当該転写対象物は複写可
能な紙、若しくはフイルムでなければ適用でき
ず、転写対象物が例えば、厚紙、ダンボール、極
薄手の紙、フイルム、アクリル板、金属板などの
場合には適用できない。

そこで従来、デザイン業界では、上記電子写真
法の適用不能な転写対象材に対しては、一般にい
わゆる転写レタリングと呼ばれる転写層を有した
シート物を作成し、該シート物の転写層を上記ダ
ンボール等の転写対象材に転写していたのである
（以下、この方法を「転写レタリング法」と称す
る。）。

上記転写レタリング法には、シルク印刷と称さ
れる製造方法或いはカラーイーズクロマツテイツ
クと呼ばれる製造方法があるが、いずれも設備面
でコストがかかり、製造において技術的熟練を要
するという問題点があつた。

（問題点を解決するための手段）本発明は上記実情下において、種々の転写対象
物に幅広く適用可能な転写方法を提案する目的で
なされ、具体的には、下記技術手段を採用する。

すなわち、本発明は、基板の表面にシリコン樹
脂層を有する転写シート上に電子写真により複写
層を形成する一方、別途に基材、シリコン樹脂
層、合成樹脂塗料層及び感熱接着剤層を順次積層
してなるカラーフイルムを用意し、このカラーフ
イルムの前記感熱接着剤層に前記転写シートの複
写層を重合させ、これらの転写シートとカラーフ
イルムを加熱下において圧接させた後、転写シー
トをカラーフイルムから取り除いて、前記複写層
を感熱接着剤層に転移付着させることを第１の発
明とし、更に、基板の表面にシリコン樹脂層を有
する転写シート上に電子写真により複写層を形成
する一方、別途に基材、シリコン樹脂層、合成樹
脂塗料層及び感熱接着剤層を順次積層してなるカ
ラーフイルムを用意し、このカラーフイルムの前
記感熱接着剤層に前記転写シートの複写層を重合
させ、これらの転写シートとカラーフイルムを加
熱下において圧接させた後、転写シートをカラー
フイルムから取り除いて、前記複写層を感熱接着
剤層に転移付着させ、更に、この複写層を転写対
象物に重合させ、カラーフイルムと転写対象物を
加熱下において圧接させた後、カラーフイルムを
転写対象物から取り除いて、前記複写層、感熱接
着剤層及び合成樹脂塗料層を転写対象物に転移付
着させることを第２の発明として構成した。

（作用）上記本発明の技術手段に依れば、転写シートに
複写層を付着形成するものであるため、電子写真
による複写層の形成が可能となり、この転写シー
トは、転写対象物ではないが、該転写シート上の
複写層は、一且カラーフイルムに転移付着され、
この転着した複写層を有するカラーフイルム自体
がカラー転写シートを構成する。更に、前記カラ
ーフイルムから転移対象物に転移付着されて、転
移対象物上に合成樹脂塗料層を備えた複写層の付
着形成された状態を得る。このとき、複写層は感
熱接着剤として作用する。そして上記の処理過程
においてカラーフイルム上の複写層は逆転（逆
像）しているが、再度転写対象物への転写が行わ
れることにより、転写対象物上においては、正常
な形態すなわち正転（正像）して付着されること
になる。

（実施例）以下、例示図面に基づいて本発明を詳述する。

第１図は本発明のフローチヤートを示し、図示
するように、転写対象物１０への転写は、基板１
２の表面に離型剤たるシリコン樹脂層１３の形成
された転写シート１１と、上記した構成のカラー
フイルム５を用い、いわゆる電子写真法を利用し
てなされる。

本発明は、転写対象物１０に電子写真法による
複写層７の形成を行わず、予め用意してある転写
シート１１のシリコン樹脂層１３表面に電子写真
法によつて複写層７を付着形成する。この複写層
７の形成は、適度の厚みの転写シート１１上にな
されるゆえに電子写真法が容易に適用できる。な
お、転写シート１１は、好ましくは静電防止処理
の施されたものを用いる。

次に、上記形成された複写層７は、一旦、上記
構成のカラーフイルム５の感熱接着剤層１の表面
に転移付着せしめられる。

具体的には、上記複写層７を有する転写シート
１１をカラーフイルム５に重合させ、熱ローラ１
４によつて両者１１，５に熱と圧力を及ぼす。こ
の処理によつて、感熱接着剤層１が溶けて複写層
７と接着すると共に、該複写層が離型材たるシリ
コン樹脂層から離れ、カラーフイルム５側に添着
する。従つて、転写シート１１の離型力をカラー
フイルム５の離型力よりも大きくしておくこと、
すなわち転写シート１１の方が離れやすくしてお
くが肝要である。かくしてカラーフイルム５の感
熱接着剤層１に複写層７が転着され、これにより
カラー転写シートが形成される。なお、ここに転
着された複写層７は逆転している。

次に、転写対象物１０上に、上記複写層７を有
するカラーフイルム５を、同複写層７を、図面上
下向きにして重合させ、しかる後、熱ローラ１５
によつて熱及び圧力を加える。この場合、実施例
では一対の熱ローラ１５，１５によつて圧接して
いるところ、転写対象物１０が厚手のもののとき
は、カラーフイルム５の側から熱ローラやコテな
どを用いて熱と圧力を加えればよい。更に、カラ
ーフイルム５の基材４を取り除けば、転写対象物
１０上に、複写層７、合成樹脂塗料層２が積層付
着された状態を得る。このとき、複写層は感熱接
着剤の役目を行う。

このようにして転移付着された複写層７は、逆
向きの状態物から転移付着されているので、正常
な状態となつており、しかも合成樹脂塗料層２が
表面にあつて、着色状態を得ることができる。

（発明の効果）以上説明したように本発明は、電子写真法を利
用していて複写層の形成が安価且つ容易に行わ
れ、ここに形成された複写層を一旦カラーフイル
ムに転着するので、カラー転写シートを得ること
ができる。更に、前記カラー転写シートたるカラ
ーフイルムから転写対象物へと複写層及び合成樹
脂塗料層が転写する構成を採つているので、複写
層は二度の転着処理によつて正常な形態を保持
し、何よりも最終段階での複写層の転移が転写シ
ート態様の押圧転移であるため、転写対象物に制
限がなくなり、あらゆる物に任意所望のデザイン
を転写することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すフローチヤー
ト、第２図はカラーフイルムの拡大断面図、第３
図イ，ロ，ハは従来技術の説明図である。１…感熱接着剤層、２…合成樹脂塗料層、３…
シリコン樹脂層、４…カラーフイルム基材、５…
カラーフイルム、７…複写層、１０…転写対象
材、１１…転写シート、１２…基材、１３…シリ
コン樹脂層。

Claims

【特許請求の範囲】１基板１２の表面にシリコン樹脂層１３を有す
る転写シート１１上に電子写真により複写層７，
７を形成する一方、別途に基材４、シリコン樹脂
層３、合成樹脂塗料層２及び感熱接着剤層１を順
次積層してなるカラーフイルム５を用意し、この
カラーフイルム５の前記感熱接着剤層１に前記転
写シート１１の複写層７，７を重合させ、これら
の転写シート１１とカラーフイルム５を加熱下に
おいて圧接させた後、転写シート１１をカラーフ
イルム５から取り除いて、前記複写層７，７を感
熱接着剤層１に転移付着させることを特徴とする
転写方法。２基板１２の表面にシリコン樹脂層１３を有す
る転写シート１１上に電子写真により複写層７，
７を形成する一方、別途に基材４、シリコン樹脂
層３、合成樹脂塗料層２及び感熱接着剤層１を順
次積層してなるカラーフイルム５を用意し、この
カラーフイルム５の前記感熱接着剤層１に前記転
写シート１１の複写層７，７を重合させ、これら
の転写シート１１とカラーフイルム５を加熱下に
おいて圧接させた後、転写シート１１をカラーフ
イルム５から取り除いて、前記複写層７，７を感
熱接着剤層１に転移付着させ、更に、この複写層
７，７を転写対象物１０に重合させ、カラーフイ
ルム５と転写対象物１０を加熱下において圧接さ
せた後、カラーフイルム５を転写対象物１０から
取り除いて、前記複写層７、感熱接着剤層１及び
合成樹脂塗料層２を転写対象物１０に転移付着さ
せることを特徴とする転写方法。