JPH0362265B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、有彩色透光画像を形成する際にその
取り扱い性を向上させる有彩色透光画像形成シー
トに関するものである。

［背景技術］ 電子写真法、静電印刷法等を用いた画像形成技
術の利用は、現代の情報複雑化、多様化に伴ない
急激に広がつている。それにつれてその画像形成
技術もデジタル化、カラー化等多角的な利用に応
じられるものが要求される。これらの要求される
技術の中でも透明フイルム上に黒色又は有彩色
（カラー）のトナーにより文字、画像を形成した
コピー（以下、透光性コピーという）を、オーバ
ーヘツドプロジエクター（OHP）等によりスク
リーン上に投影することは現在すでに広く行われ
ている。ところが、こうした電子写真複写機等で
透光性コピーを作つた場合、そのトナー画像が黒
色以外の有彩色であつても得られる投影画像は有
彩色とはならず、黒灰色になつてしまう。

このように、トナー画像による透光性コピーに
おいて鮮明なカラー投影画像が得られなかつた理
由は、トナーの透明性が低い事、トナー画像表面
の凹凸により光が散乱、もしくは乱反射するた
め、又は、その両方によつて、トナー画像部分の
光が被投影面まで到達できず、画像部分は影とし
て現われるためである。

そこで、本発明者らは、トナー中に含まれてい
るバインダーと染料、顔料の相溶を改善し、かつ
トナー画像表面の凹凸を除くために、第４図に示
すように透明フイルム上に形成した有彩色トナー
画像面に前記透明フイルムよりも薄いフイルムを
接触重ね合せ加熱源を有するローラー間を挾持搬
送し、加熱されたトナー画像が冷えた後に、透明
フイルム上のトナー画像面から前記薄いフイルム
を曲率をもつて剥離する方法を提案した。

［発明が解決しようとする問題点］ しかしながら、このようにフイルムを重ね合わ
せる方法においては上に重ね合せる薄いフイルム
が薄い程、シワになりやすく、正確な重ね合せも
難しく、また先端部において薄いフイルムがはみ
出した状態で挟持搬送すると、第４ａ図，第４ｂ
図に示されるようにローラー通過後にフイルムが
ローラーに巻きついてしまい、さらに薄いフイル
ムを剥離後くり返して使用する場合においては、
静電気を帯びて扱いにくい等の欠点があつた。

本発明はこのような問題点を解決するためなさ
れたもので、有彩色透光画像形成方法における取
扱い性を改善した有彩色透光画像形成シートを提
供することを目的としている。

［問題点を解決するための手段］ 上記問題点を解決する本発明は、有彩色トナー
画像が形成された透明フイルム上に、この透明フ
イルムよりも薄いフイルムを重ねて加熱及び加圧
を行い、有彩色トナー画像が冷却した後、薄いフ
イルムを透明フイルムから剥離する画像形成法に
用いられる有彩色透光画像形成シートであつて、
基材の一端に上記薄いフイルムが固定され、基材
と薄いフイルム間に上記透明フイルムが挿入可能
であることを特徴とする有彩色透光画像形成シー
トである。

［実施例］ 第１図は本発明の実施例の有彩色画像形成シー
トの基本構成を示したもので、図中１は透明フイ
ルム。２は透明フイルム１の表面上に形成された
有彩色トナー画像。３は該有彩色画像形成シート
のベースとなるフイルム又は紙等からなる台紙。
４は前記透明フイルム１に重ね合せる薄いフイル
ムを表わしている。

なお、台紙３と薄いフイルム４はその先端部の
一辺が図中５の接合部で接着されている。

なお、透明フイルム１の材質及び厚さとして
は、例えばポリエステルフイルム12μ〜200μが用
いられるが、取扱い性から50μ〜120μの範囲が好
ましい。一方、薄いフイルム４の材質としては耐
熱性があり、トナーとは加熱による相溶的接着を
起さないもので、例えばポリエステルフイルム、
ポリイミドフイルムが用いられ透明フイルム１よ
り剥離する際に大きな曲率を有し、かつトナー画
像表面の凹凸をより改善するため、トナー画像接
触面側の平滑性が高いものが望ましい。具体的な
厚さとしては50μ以下が好ましく、その場合には
どの様な剥離の仕方でも透明フイルム１のトナー
画像が該フイルム４に転写されることはない。ち
なみに他のフイルムを用いる場合においてもその
材質との関係で好ましい厚さが決まるものと推定
されるがいずれにせよ、前記各条件を満たすもの
で、およそ50μ以下の厚さのものが望ましいもの
といえる。

第２図に本実施例の画像形成シートを用いてト
ナー画像表面を平滑化する様子を示す。６，７は
任意に加圧されたローラー。８はトナー画像面側
のローラー６を加熱するためのヒーターである。
まず、第１図に示したように表面上に有彩色トナ
ー画像を形成した透明フイルム１を有彩色透光画
像形成シートに突きあてるように差し込み、薄い
フイルム４を上から重ね合せる。次に第２図に示
されるようにローラー間を挟持搬送させる。その
後取り出した透光性コピーのトナー画像２が冷え
てから（あるいはトナーの粘着性が低下してか
ら）薄いフイルム４を剥離する。第３図にその剥
離工程を示す。このようにして得られた有彩色透
光性コピーによつて繊細で鮮明なカラー投影画像
を再現することができる。なお、台紙３と薄いフ
イルム４の接着部は第１図に限らず第５図や第５
ａ図のようにしても良い。

本発明の画像形成シートは次のように作用す
る。すなわち、台紙３がその先端部の一辺で薄い
フイルム４と接着により一体化しているため電子
写真複写機等によつて作られた透光性コピーをそ
の間に突きあてるようにはさみ込むだけで、上か
ら薄いフイルム４、トナー画像面、透明フイルム
１、台紙３の順に正しく簡単に重ね合せることが
できる。したがつて、重ね合せの時に、薄いフイ
ルム４がズレたり、シワになることがない。しか
も、透光性コピーは、台紙３によつて保持されて
いるため、ローラーに巻きつくことなく取り出す
ことができる。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明は有彩色透光画像
形成法に用いられる有彩色透光画像形成シートを
ベースとなる台紙と薄いフイルムを一辺で接着さ
せ一体化した形成シートとしたことにより、その
取り扱い性の向上において大きな効果が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の基本概念を示す構成図、第
２図はこの発明の実施例を示す構成図。第３図は
ローラー通過後の剥離工程を示す図。第４図は本
発明の背景となる画像形成法を示す図。第４ａ図
及び第４ｂ図は透光性シートがローラーへ巻きつ
いた状態を示した図。第５図はこの発明の台紙と
薄いフイルムの接着部における他の実施例を示す
断面図。第５ａ図はこの発明の台紙と薄いフイル
ムの接着部におけるさらに他の実施例を示す断面
図。 １…透明フイルム、２…トナー画像、３…台
紙、４…薄いフイルム、５…台紙と薄いフイルム
の接着部、６，７…ローラー、８…ヒーター。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 有彩色トナー画像が形成された透明フイルム
   上に、この透明フイルムよりも薄いフイルムを重
   ねて加熱及び加圧を行い、有彩色トナー画像が冷
   却した後、薄いフイルムを透明フイルムから剥離
   する画像形成法に用いられる有彩色透光画像形成
   シートであつて、 基材の一端に上記薄いフイルムが固定され、基
   材と薄いフイルム間に上記透明フイルムが挿入可
   能であることを特徴とする有彩色透光画像形成シ
   ート。 ２ 上記薄いフイルムの厚みが50μｍ以下である
   特許請求の範囲第１項記載の有彩色透光画像形成
   シート。