JPH0355684Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は、住宅の玄関ポーチ等における庇構
造に関するものである。

〔背景技術〕

従来の庇は、外壁の外面に突設した庇屋根下地
材の上面に庇屋根板を敷設し、この庇屋根板を庇
屋根下地材に釘固定して庇を構成していた。この
ため、庇屋根板の上面に多数の釘頭が露出し外観
が悪く、しかも釘が錆びて釘固定部分から雨水が
浸入するという問題があつた。

また、庇屋根板の前縁部には庇屋根下地材の前
面を覆う簡単なリブ状の水切り板が設けられてい
るに過ぎず、水切り板に垂れ下がつた雨水が風で
逆流して水切り板と庇屋根下地材との間に浸入す
るという問題があつた。

さらに、庇屋根板は上面を多数の釘にて庇屋根
下地材に固定するので施工が困難であつた。

〔考案の目的〕

この考案の目的は、上面に固着具が露出せず外
観良く仕上がり、かつ防水性に優れ、しかも施工
が容易な庇構造を提供することである。

〔考案の開示〕

この考案の庇構造は、外壁の外面に突設した庇
屋根下地材と、この庇屋根下地材の上面に敷設さ
れ前縁部に前記庇屋根下地材の前面から下面に延
びた引掛け部を有し後縁部に前記外壁に沿つて立
上つた立上り部を有した庇屋根板と、前記立上り
部を前記外壁に固定した固着具とを備え、前記引
掛け部を前記庇屋根下地材の前端下面に引掛けて
釘打ちなしで取付け、前記立上り部および前記固
着具を面付水切で覆つたものである。

この考案の構成によれば、前縁部の引掛け部を
庇屋根下地材の前縁部に引掛けて後縁部の立上り
部を外壁に固着具にて固着して、庇屋根板を庇屋
根下地材の上面に敷設するので、庇屋根板の上面
に固着具が露出せず外観が向上し雨水の浸入が防
止できる。

また、庇屋根板の前縁部の引掛け部が庇屋根下
地材の前面から下面に延びているので、庇屋根下
地材の前面からの雨水の浸入が防止でき、防水性
が向上する。

さらに、庇屋根板は引掛け部を庇屋根下地材の
前縁部に引掛けておいて、立上り部を外壁に固定
するだけで取付けることができ、施工が容易に行
なえる。

実施例 この考案の一実施例を第１図ないし第３図に基
づいて説明する。すなわち、この実施例の庇構造
は、第１図に示すように、外壁１０の外面に突設
した庇屋根下地材１２と、この庇屋根下地材１２
の上面に敷設され前縁部に前記庇屋根下地材１２
の前面１４から下面１６に延びた引掛け部１８を
有し後縁部に前記外壁１０に沿つて立上つた立上
り部２０を有した庇屋根板２２と、前記立上り部
２０を前記外壁１０に固定した固着具２４とを備
えたものである。

庇屋根下地材１２は、外壁１０の外面から斜め
下向きに突出し、上面には外壁１０の外面にまで
達した防水シート３０が被覆されている。庇屋根
板２２は防水シート３０上に敷設され、前縁部の
引掛け部は庇屋根下地材１２の前面１４から垂下
した後上向きに折返され、さらに庇屋根下地材１
２の下面１６に沿つて延びている。庇屋根板２２
は、第１図の想像線で示すように引掛け部１８を
庇屋根下地材１２の前面に引掛けておいて、庇屋
根下地材１２の上面に落し込み、立上り部２０を
面付水切下地桟３２で押えて固着具２４にて壁１
０に固定する。さらに、面付水切下地桟３２を面
付水切３４にて覆いビス３６で面付水切下地桟３
２に固定し、かつ面付水切３４と外壁１０との間
にシーリング材３８を充填する。

第２図に庇２８の全体の構造を示す。図におい
て、２６は建物の張出し部分２６であり、張出し
部分２６の外周面に沿つて庇２８が設置されてい
る。庇２８は、張出し部分２６の前面側庇部４０
と側面側庇部４２とから構成されている。なお、
前面側庇部４０と側面側庇部４２との各庇屋根板
２２の連結部分において、両庇屋根板２２に渡つ
てカバー４４にて覆う。

第３図は、第２図の−断面図であり、庇屋
根下地材１２の前面側下面から玄関ポーチ鼻隠し
４６が垂下し、この鼻隠し４６の前面を鼻隠しカ
バー４８にて覆う。

このように構成された庇構造によると、庇屋根
板２２は、引掛け部１８を庇屋根下地材１２の前
縁部に引掛けておいて立上り部２０を固着具２４
にて外壁１０に固定して庇屋根下地材１２の上面
に敷設される。したがつて、庇屋根板２２の上面
にて庇屋根板２２を庇屋根下地材１２に固定する
必要がなく、庇屋根板２２の上面に釘頭やビス頭
が露出せず、外観が向上する。

また、庇屋根板２２の上面を固着具にて固定し
ないので、従来のように固着具が錆びてそこから
雨水が浸入するといつた問題もなく、防水性・防
錆性に優れている。

また、庇屋根板２２の前縁部に庇屋根下地材１
２の前面１４から下面１６に延びる引掛け部１８
を設けたので、この引掛け部１８に垂れ下がつた
雨水が風で逆流しても引掛け部１８の庇屋根下地
材１２の下面１６に沿つて延びる部分にて十分に
水切りが行なえ、庇屋根下地材１２の前面１４か
らの雨水の浸入が防止できる。

また、庇屋根板２２は引掛け部１８を庇屋根下
地材１２の前縁部に引掛けておいて、立上り部２
０を外壁１０に固定するだけで取付けることがで
き、施工が容易に行なえる。

さらに、庇屋根板２２は、後縁部の立上り部２
０のみを固着具２４にて固定するだけの簡単な取
付け施工にもかかわらず、前縁部の引掛け部１８
を庇屋根下地材１２の前縁部に引掛てあるので庇
屋根板２２の浮上がりを確実に防止できる。

〔考案の効果〕

この考案の庇構造によれば、次の効果が得られ
る。

前縁部の引掛け部を庇屋根下地材の前縁部に引
掛けて後縁部の立上り部を外壁に固着具にて固着
して、庇屋根板を庇屋根下地材の上面に敷設する
ので、庇屋根板の上面に固着具が露出せず外観が
向上し雨水の浸入が防止できる。しかも、立上り
部および固着具を面付水切で覆つたため、外壁の
外面と立上り部の間から雨水の侵入を防止でき、
防水性が向上する。

庇屋根板の前縁部の引掛け部が庇屋根下地材の
前面から下面に延びているので、庇屋根下地材の
前面からの雨水の浸入が防止でき、防水性が向上
する。

庇屋根板は引掛け部を庇屋根下地材の前縁部に
引掛けて釘打ちなしで取付け、立上り部を外壁に
固定するだけで取付けることができ、施工が容易
に行なえる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の断面図、第２図
はその分解斜視図、第３図はその−断面図で
ある。 １０……外壁、１２……庇屋根下地材、１８…
…引掛け部、２０……立上り部、２２……庇屋根
板、２４……固着具、３４……面付水切。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外壁の外面に突設した庇屋根下地材とこの庇屋
   根下地材の上面に敷設され前縁部に前記庇屋根下
   地材の前面から下面に延びた引掛け部を有し後縁
   部に前記外壁に沿つて立上つた立上り部を有した
   庇屋根板と、前記立上り部を前記外壁に固定した
   固着具とを備え、前記引掛け部を前記庇屋根下地
   材の前端下面に引掛けて釘打ちなしで取付け、前
   記立上り部および前記固着具を面付水切で覆つた
   ことを特徴とする庇構造。