JPH0349059Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、ミラーボデーを車体側に回動して格
納するようにした電動格納式ミラーの制御回路に
関するものである。

＜従来の技術＞ この種のミラーとしては、乗用車に設けられる
電動格納式ドアミラーや商用車に設けられる電動
ステー格納式ミラーが知られている。

電動格納式ドアミラーは、ドアに取付けられた
ベースに、ミラーを保持したミラーボデーを回動
自在に組付け、このミラーボデーの内部に設けた
駆動機構により、ミラーボデー自体をベースを基
準に回動するようになつている。

また、電動ステー格納式ミラーは、ミラーボデ
ーを支持したステーを車体に取付けたブラケツト
に回動自在に組付けて、ブラケツト内に設けた駆
動機構によりステーを回動するようになつてい
る。

そして、このような電動格納式ミラーの制御回
路として、ミラーボデーが所定の回動角度、すな
わちミラーの使用状態におけるミラーセツト位置
及びミラーボデーを前方に回動して車体側に折り
込んだミラー格納位置に回動したことを検出する
検出スイツチを用いたものが知られている。この
電動格納式ドアミラーでは、入力スイツチの操作
によつて駆動機構を作動させ、ミラーボデーが所
定の位置まで回動すると、これを検出スイツチが
検出して駆動機構を自動的に停止させてミラーボ
デーを所定位置に保持するようになつている。つ
まり、この制御回路では、ミラーボデーが所定位
置に回動すると検出スイツチが作動して入力スイ
ツチによる駆動機構への通電を強制的に遮断して
駆動機構を停止するようになつている。

＜考案が解決しようとする問題点＞ しかしながら、このような従来技術では、ミラ
ーボデーの回動中、入力スイツチを操作し続ける
必要があり、操作が煩しいという問題点があつ
た。

また、前述のような制御回路では、検出スイツ
チによつて入力スイツチの操作中に駆動機構への
通電を強制的に停止する構成であるため、いつた
ん停止した駆動機構を再び作動させるのに同じ入
力スイツチを用いることができず、別の入力スイ
ツチによる必要がある。このため従来は、ミラー
ボデーの回動範囲を増やすと入力スイツチの数も
多くなり、操作ボタンも複雑となるので、例えば
ミラーボデーの回動を、前述したミラーセツト位
置と前方のミラー格納位置の間にのみ限つて電動
とし、後方への回動は手動により行なうようにし
ており、十分な操作性が得られなかつた。

また、前述のような従来技術では、ミラーボデ
ーに過大な負過がかかつた場合等にも、駆動機構
を停止させる手段がないため、ミラー等の破損や
駆動機構の駆動モータが焼損してしまう等の事故
が生じる問題点があつた。

そこで本考案は、ミラーボデーの前後双方向へ
の回動を少ないスイツチの簡単な操作によつて自
在に制御することができ、しかも駆動機構におけ
る異常によつてミラーボデーの回動を自動的に停
止して高い安全性を得ることのできる電動格納式
ミラーの制御回路を提供することを目的とする。

＜問題点を解決するための手段＞ 本考案の電動格納式ミラーの制御回路は、パル
ス入力によりミラーボデーの駆動機構を始動させ
る入力スイツチと、そのパルス入力により自己保
持されて駆動機構を継続して作動させる自己保持
回路と、ミラーボデーが駆動機構によつて所定位
置に回動されたことを検出して自己保持回路の自
己保持を解除する検出スイツチと、駆動機構にか
かる過負荷を検出して自己保持回路の自己保持を
解除する異常停止回路を備えたことを特徴とす
る。

＜作用＞ 入力スイツチの始動操作による自己保持回路の
作動によつて駆動機構は継続して作動し、ミラー
ボデーを所定位置まで回動した後、検出スイツチ
による自己保持解除によつて停止する。一旦停止
した駆動機構は入力スイツチの始動操作により、
検出スイツチの状態にかかわらず再び回動し始め
ることとなり、これによつて検出スイツチもオン
状態に変更され、再び自己保持回路が作動してミ
ラーボデーの回動が継続される。また、駆動機構
に異常な負荷がかかると、異常停止回路が作動し
て駆動機構を停止しミラーボデーを停止させる。

＜実施例＞ 第１図は、本考案の一実施例を示す回路図であ
る。

この実施例による制御回路は、ミラーボデーの
駆動モータ１の回転方向を選択するとともにこの
駆動モータ１に始動入力を供給するための入力ス
イツチ２と、この入力スイツチ２による駆動モー
タ１の作動を継続させる一対のリレー３，４より
なる自己保持回路５と、入力スイツチ２の始動入
力に基づいてリレー３，４を介して開閉され、駆
動モータ１への電通方向を切換える切換えスイツ
チ６と、ミラーボデーが所定の回動位置に回動し
たことを検出して自己保持回路５の自己保持を解
除する検出スイツチ７と、駆動モータ１にかかる
過負荷を検出して自己保持回路５の自己保持を解
除する異常停止スイツチ８を備えて構成されてい
る。

入力スイツチ２は、一対の制御端子１０ａ，１
１ａを有する二連式のもので、該制御端子１０
ａ，１１ａをそれぞれ一対ずつ設けられた選択端
子１０ｂ，１０ｃ，１１ｂ，１１ｃに選択的に接
続することにより、前述したリレー３，４を選択
的に励磁し、切換スイツチ６を作動して駆動モー
タ１を始動させるようになつている。つまり、各
制御端子１０ａ，１１ａが一方の選択端子１０
ｂ，１１ｂに接続されると、第２図に示すよう
に、入力スイツチ２を介して電源１２から一方の
リレー３への通電経路が形成され、リレー３が励
磁されて切換スイツチ６を作動し、駆動モータ１
に正転方向の始動電流を供給するようになつてい
る。また、各制御端子１０ａ，１１ａが他方の選
択端子１０ｃ，１１ｃに接続されると、第３図に
示すように、入力スイツチ３を介して電源１２か
ら他方のリレー４への通電経路が形成され、リレ
ー４が励磁されて切換スイツチ６を反対方向に作
動し、駆動モータ１に逆転方向の始動電流を供給
するようになつている。

この入力スイツチ２は、非操作時には各制御端
子１０ａ，１１ａが第１図に示すように、中立点
で安定するものであり、従つて前述した始動入力
は、制御端子１０ａ，１１ａの操作期間に対応し
たパルス入力として各リレー３，４に供給される
ようになつている。

また、自己保持回路５は、前述のような入力ス
イツチ２の始動入力に基づいて選択されたリレー
３またはリレー４を自己保持スイツチ３ａ，４ａ
によつて自己保持し、切換スイツチ６の状態を維
持して駆動モータ１を継続して駆動させるもので
ある。なお、この自己保持状態では、入力スイツ
チ２は既にオフしているので、リレー３，４の通
電経路は、第４図または第５図に示すように、電
源１２、リレー３またはリレー４、検出スイツチ
７、異常停止スイツチ８を通る経路で形成されて
いる。従つて、リレー３，４の自己保持による駆
動モータ１の継続駆動は、検出スイツチ７及び異
常停止スイツチ８がともにオンしていることが条
件となつている。

検出スイツチは、ミラーボデーの駆動機構に設
けられたリミツトスイツチ等よりなり、ミラーボ
デーが所定の回動位置、つまり使用状態における
ミラーセツト位置、前方へ回動して折畳んだ前方
格納位置、及び後方へ回動して折畳んだ後方格納
位置の３つ回動位置に移動したときに、これを検
出してオフするものである。そして、この検出ス
イツチ７がオフすることにより、励磁中のリレー
３または４つの通電が停止して自己保持が解除さ
れ、切換えスイツチ６がオフして駆動モータ１が
停止するようになつている。なお、このような検
出スイツチ７は、リミツトスイツチに限らず、ミ
ラーボデーの機械的回動変位を検出し得るもので
あれば良く、駆動機構の構造等に応じて種々採用
できる。

また、異常停止スイツチ８は、駆動モータ１の
過負荷を検出する異常停止回路となるリレー２０
によつて開閉されるものである。

リレー２０は、ソレノイドが駆動モータ１の両
端子間に介挿されたものであり、この両端子間の
電圧によつて駆動モータ１の回転速度を検出する
ものである。つまり、駆動モータ１の回転速度が
下ると、逆起電力が小さくなつて駆動モータ１の
両端子間の電圧が低下する。これによつてリレー
２０の励磁が小さくなり、異常停止スイツチ８が
オフするようになつている。従つて、駆動モータ
１に過負荷がかかつてその回転が小さくなると、
リレー２０によつて異常停止スイツチ８がオフさ
れ、自己保持回路５の自己保持が解除されて駆動
モータ１への通電が停止するようになつている。

次に、以上のような制御回路の動作を説明す
る。

まず、ミラーボデーが所定の停止位置、例えば
ミラーセツト位置で停止されている状態では、制
御回路は第１図に示すように、入力スイツチ２、
各リレー３，４、切換えスイツチ６、検出スイツ
チ７、及び異常停止スイツチ８は、ともにオフさ
れている。そして、入力スイツチ２が例えば第２
図に示すように一方の選択端子１０ｂ，１１ｂ側
に操作されると、始動入力は一方のリレー３に供
給され、駆動モータ１が正転する。これによつて
ミラーボデーが回動し、第４図に示すように、検
出スイツチ７はオンに切換わり、異常停止スイツ
チ８のリレー２０の作動によつてオンされる。従
つて、リレー３は自己保持され、駆動モータ１の
正転が継続される。そして、ミラーボデーが例え
ば前方格納位置に回動すると、検出スイツチ７が
オフされてリレー３の自己保持が解除され、駆動
モータ１が止つてミラーボデーが停止し、第１図
に示す状態に戻る。また、入力スイツチ２を、第
３図に示すように、反対側の選択端子１０ｃ，１
１ｃ側に操作することにより、同様の動作で駆動
モータ１を逆転させ、ミラーボデーを後方に回動
させてミラーセツト位置に復帰させることができ
る。

また、これと同様の操作によつてミラーボデー
のミラーセツト位置と後方格納位置の間の制御も
共通の入力スイツチ２の操作によつて行なうこと
ができる。

また、ミラーボデーの回動中に、例えばこのミ
ラーボデーに障害物が当つてその回動を妨げられ
た場合には、駆動モータ１の回転が減速すること
から、リレー２０への通電が低下して第６図に示
すように、異常停止スイツチ８がオフされ、自己
保持を解除して駆動モータ１を停止させる。これ
によつて駆動モータ１の焼損等が防止される。

＜考案の効果＞ 以上説明したように、本考案によれば、ミラー
ボデーの前後双方向への回動を少ないスイツチの
簡単な操作によつて自在に制御することができ、
しかも駆動機構における異常によつてミラーボデ
ーの回動を自動的に停止して高い安全性を得るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例による制御回路の停
止状態を示す回路図、第２図は同実施例による制
御回路の始動操作時の状態を示す回路図、第３図
は同実施例による制御回路の第２図と逆方向の始
動操作時の状態を示す回路図、第４図は同実施例
による制御回路が第２図に示す状態から自己保持
動作に移つた状態を示す回路図、第５図は同実施
例による制御回路が第３図に示す状態から自己保
持状態に移つた状態を示す回路図、第６図は同実
施例による制御回路が異常停止回路の作動によつ
て自己保持解除された状態を示す回路図である。 １……駆動モータ、２……入力スイツチ、５…
…自己保持回路、７……検出スイツチ、８……異
常停止スイツチ、２０……リレー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パルス入力によりミラーボデーの駆動機構を始
   動させる入力スイツチと、前記パルス入力により
   自己保持されて前記駆動機構を継続して作動させ
   る自己保持回路と、前記ミラーボデーが前記駆動
   機構によつて所定位置に回動されたことを検出し
   て前記自己保持回路の自己保持を解除する検出ス
   イツチと、駆動機構にかかる過負荷を検出して前
   記自己保持回路の自己保持を解除する異常停止回
   路とを備えた電動格納式ミラーの制御回路。