JPH07137580A - 電動格納式ディスプレイ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電動格納式のディスプレイ装置にあって、乗
員に作動状態にあることを認識させて、その作動を妨害
したり、異物が挟み込まれたりすることがないようにす
るとともに、作動時に異物が挟み込まれたときには、そ
のときの作動状態を自動的に反転させてセーフティ機能
を発揮させる。 【構成】 電動格納式ディスプレイ装置の作動時に音ま
たは光による警報を発するようにするとともに、駆動用
モータに過負荷がかかったことを検出して、その検出信
号に応じてそのときの作動状態を強制的に反転させるよ
うにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電動格納式によるディ
スプレイ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】最近、ナビゲーション用などの各種情報
を表示する車載用ディスプレイ装置として、車室内のイ
ンストルメントパネルにおけるコンソールとの接続部分
に液晶ディスプレイを格納して、必要に応じてその液晶
ディスプレイを駆動機構を介して引き出したうえで、そ
の画面をみることができる所定位置にまで液晶ディスプ
レイをチルトアップさせるようにした格納式によるディ
スプレイ装置が開発されている（特開平５−５５４号公
報、特開平５−２２４１７０号公報参照）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、電動格納式によるデイスプレイ装置を車室内のイ
ンストルメントパネルにおけるコンソールとの接続部分
に設置するのでは、液晶ディスプレイが前方に引き出さ
れたり前後に傾倒したりするものであるので、その液晶
ディスプレイの作動方向に異物があると、それにより作
動が妨害されたり、また液晶デイスプレイとインストル
メントパネルとの間に異物を挟み込んでしまうおそれが
あることである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、電動格納式の
ディスプレイ装置にあって、乗員に作動状態にあること
を認識させて、その作動を妨害したり、異物が挟み込ま
れたりすることがないように、作動時には音または光に
よる警報を発する手段をとるようにしている。

【０００５】また、本発明は、特に異物を挟み込むこと
がないようにするべく、異物によって作動が妨害された
ことにより、駆動用モータに過負荷がかかったことを検
出する手段を設けて、その検出信号に応じてそのときの
作動状態を反転させるようにしている。

【０００６】

【実施例】電動格納式ディスプレイ装置としては、図１
ないし図４に示すように、液晶ディスプレイ１がケース
２内に格納されており（図１）、第１の操作指令に応じ
てモータによる駆動機構（図示せず）が一方向の作動状
態となって、液晶ディスプレイ１をケース２から引き出
したうえで（図２）、その前方に引き出された液晶ディ
スプレイ１をチルトアップして（図３）、液晶ディスプ
レイ１の画面をみることができる所定位置にまで立ち上
げる（図４）。

【０００７】そして、液晶ディスプレイ１が立ち上げら
れているセット状態において、第２の操作指令が与えら
れると、それに応じてモータによる駆動機構が逆方向の
作動状態となって、液晶ディスプレイ１をチルトダウン
したうえでケース内に引き込んで格納するように構成さ
れている。

【０００８】なお、モータによる駆動機構としては一般
的なものが用いられる。図中、３は駆動機構の一部をな
すスライダで、そのスライダ３の先端に液晶ディスプレ
イ１が回動自在に取り付けられており、モータの正転駆
動により、駆動機構の働きによって、スライダ３が前方
に大きなストロークをもってスライドすることによって
液晶ディスプレイ１がケース２から引き出され、続い
て、その引出し状態からスライダ３が小さなストローク
をもって後方にスライドすることによって液晶ディスプ
レイ１がチルトアップされ、その液晶ディスプレイ１が
所定の位置に立ち上がったときにセット位置検出用のス
イッチが働いてモータが停止するようになっている。

【０００９】そして、そのセット状態から、モータが逆
転駆動すると、スライダ３が小さなストロークをもって
前方にスライドすることによって液晶ディスプレイ１が
チルトダウンされ、続いて、スライダ３が大きなストロ
ークをもって後方にスライドすることによって液晶ディ
スプレイ１がケース２内に引き込まれ、その格納位置で
格納位置検出用のスイッチが働いてモータが停止するよ
うになっている。

【００１０】図５は、このような電動格納式ディスプレ
イ装置を車室内のインストルメントパネルにおけるコン
ソール５との接続部分４に組み込んだ状態を示してい
る。図中６は、車両のギヤシフト操作レバーを示してい
る。

【００１１】液晶ディスプレイ１が前方に引き出された
り、チルトアップまたはチルトダウンされたりする際
に、その液晶ディスプレイ１の作動方向に異物がある
と、それにより作動が妨害されたり、液晶ディスプレイ
１とインストルメントパネルの部分４との間に異物を挟
み込んでしまうことになる。

【００１２】そのため、本発明では、乗員に電動格納式
ディスプレイ装置が作動状態にあることを認識させて、
その作動を妨害したり、異物が挟み込まれたりすること
がないように、作動時には音または光による警報を発す
る手段を設けるようにしている。

【００１３】そして本発明では、特に異物を挟み込むこ
とがないようにするべく、異物によって作動が妨害され
たことにより、駆動用モータに過負荷がかかったことを
検出する手段を設けて、その検出信号に応じてそのとき
の作動状態を強制的に反転させるようにしている。

【００１４】図６は、本発明の電動格納式ディスプレイ
装置における制御系統の構成例を示している。

【００１５】ここでは、コントローラ７により、操作ス
イッチＳＷからのスイッチ信号に応じてモータＭの正，
逆転駆動を行わせるドライバ８に駆動指令を与えるとと
もに、モータＭの過負荷検出回路９からの過負荷検出信
号に応じてドライバ７にモータＭを反転させる駆動指令
を与えるようになっている。

【００１６】そして、コントローラ７は、液晶ディスプ
レイ１が所定位置にセットされたときにオン状態となる
位置検出用のスイッチＰＳ１からの検出信号、および液
晶ディスプレイ１がケース２内に格納されたときにオン
状態となる位置検出用のスイッチＰＳ２からの検出信号
に応じて、ドライバ７にモータＭの停止指令を与えるよ
うになっている。

【００１７】また、コントローラ７は、操作スイッチＳ
Ｗが押されてから位置検出用のスイッチＰＳ１またはＰ
Ｓ２から検出信号が与えられるまでの間、すなわちモー
タＭが駆動されて電動格納式ディスプレイ装置が作動状
態にある間、警報器１０に動作指令を与えて、警報音を
生じさせ、または警報ランプを点滅させ、あるいは警報
音を生じさせるとともに警報ランプを点滅させるように
なっている。

【００１８】図７はドライバ８の具体的な回路構成を示
しており、ここでは操作スイッチＳＷが押されるたび
に、コントローラ７からハイレベルの駆動信号ＤＳが出
されてフリップフロップＦＦの出力が反転し、モータＭ
の正転，逆転の駆動がくり返し行われるようになってい
る。また、モータＭの過負荷検出回路９において過負荷
が検出されてコントローラ７からハイレベルの駆動信号
ＤＳが出されると、フリップフロップＦＦの出力が反転
して、モータＭが逆方向に回転駆動されるように構成さ
れている。

【００１９】そして、特に図示しないが、位置検出用の
スイッチＰＳ１またはＰＳ２から検出信号に応じたコン
トローラ７からのモータ停止信号によってリレーＲＹが
付勢され、そのリレー接点を開くことによってモータＭ
の電源回路がしや断されるようになっている。

【００２０】また、図８はモータＭの過負荷検出回路９
の具体的な回路構成を示しており、ここでは、電動格納
式ディスプレイ装置の作動が妨害されてその駆動用モー
タＭに過負荷が加わり、それによりモータＭに異常電流
が流れてａ点の電位が、しきい値として設定されている
ｂ点の電位よりも高くなると、コンパレータＣＭＰから
過負荷検出信号ＬＳとしてハイレベルの出力信号が生ず
るように構成されている。

【００２１】コントローラ７は、コンパレータＣＭＰか
らの過負荷検出信号ＬＳを読み込んで、その検出信号Ｌ
Ｓがハイルベルになっている期間をタイムカウントする
ことにより過負荷状態が所定時間継続して生じているこ
とを確認したうえで、そのとき異物が挟み込まれたもの
として、ドライバ８にモータＭを反転させるための駆動
信号を与える。

【００２２】このように構成された本発明による電動格
納式ディスプレイ装置の動作を、図９に示すフローとと
もに以下説明する。

【００２３】操作スイッチＳＷが押されると、コントロ
ーラ７の制御下において、モータＭが駆動されて電動格
納式ディスプレイ装置が一方向の作動状態になるととも
に、警報器１０から警報が発せられる。

【００２４】この電動格納式ディスプレイ装置の作動状
態の途中にあって、操作スイッチＳＷが押されると、コ
ントローラ７の制御下において、モータＭが反転駆動さ
れて、電動格納式ディスプレイ装置が逆方向の作動状態
になる。

【００２５】そして、電動格納式ディスプレイ装置の作
動中、過負荷検出回路９によってその作動が妨害されて
モータＭが過負荷状態になっていないかどうか監視し
て、過負荷状態が検出されたときには、コントローラ７
において、それが所定時間のあいだ続けて検出されてい
るか否かをみたうえで、タイムオーバしたときに、モー
タＭが強制的に反転駆動されて、電動格納式ディスプレ
イ装置が逆方向の作動状態になる。

【００２６】次いで、電動格納式ディスプレイ装置の作
動によって液晶ディスプレイ１が所定位置にセットされ
て、それが位置検出スイッチＰＳ１により検出され、あ
るいは、液晶ディスプレイ１がケース２内に格納され
て、それが位置検出スイッチＰＳ２により検出される
と、コントローラ７の制御下において、モータＭが停止
されるとともに、警報器１０が不動作状態となって、そ
れまで出されていた警報が停止する。

【００２７】

【効果】このように、本発明によれば、電動格納式ディ
スプレイ装置の作動中には、警報を発して乗員に作動中
であることを認識させて、その作動を妨害したり、異物
が挟み込まれたりすることがないように注意を与えるこ
とができる。

【００２８】また、電動格納式ディスプレイ装置の作動
に際して、異物が挟み込まれたときには、自動的にその
作動状態が反転して、セーフティ機能を有効に発揮でき
るようになる。

【００２９】そして、１つの操作スイッチＳＷを押すだ
けで、液晶ディスプレイ１のセットおよび格納を操作性
良く自在に行わせることができるようになり、特に車載
用のものとして有利となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】電動格納式ディスプレイ装置における液晶ディ
スプレイの格納状態を示す図である。

【図２】電動格納式ディスプレイ装置における液晶ディ
スプレイの引き出し、引き込み状態を示す図である。

【図３】電動格納式ディスプレイ装置における液晶ディ
スプレイのチルトアップ、チルトダウン状態を示す図で
ある。

【図４】電動格納式ディスプレイ装置における液晶ディ
スプレイのセット状態を示す図である。

【図５】電動格納式ディスプレイ装置を車室内のインス
トルメントパネル部分に組み込んだ状態を示す図であ
る。

【図６】本発明の電動格納式ディスプレイ装置における
制御系統の構成例を示すブロック図である。

【図７】ドライバの具体的な構成例を示す電気回路図で
ある。

【図８】モータの過負荷検出回路の具体的な構成例を示
す電気回路図である。

【図９】本発明による電動格納式ディスプレイ装置の動
作フローを示す図である。

【符号の説明】

１ 液晶デイスプレイ ２ ケース ３ スライダ ４ インストルメントパネル ７ コントローラ ８ ドライバ ９ 過負荷検出回路 １０ 警報器 Ｍ モータ ＳＷ 操作スイッチ ＰＳ１ セット位置検出用スイッチ ＰＳ２ 格納位置検出スイッチ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディスプレイ部分がケース内に格納さ
   れ、第１の操作指令に応じたモータ駆動によって一方向
   の作動状態となって、ディスプレイ部分をケースから引
   き出したうえで所定位置にまでチルトアップするととも
   に、第２の操作指令に応じたモータ駆動によって逆方向
   の作動状態となって、ディスプレイ部分をチルトダウン
   したうえでケース内に引き込んで格納する電動格納式デ
   ィスプレイ装置であって、作動時に音または光による警
   報を発する手段をとるようにしたことを特徴とする電動
   格納式ディスプレイ装置。
2. 【請求項２】 モータ駆動に際して、そのモータに過負
   荷がかかったことを検出する手段を設けて、その検出信
   号に応じてそのときの作動状態を反転させるようにした
   ことを特徴とする前記第１項の記載による電動格納式デ
   ィスプレイ装置。