JP2020185963A - 車載警報装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】乗員がより確実にルーフの半開状態に気付くことができる車載警報装置を提供する。
【解決手段】コンバーチブル車両のルーフの開閉動作に関する警報を乗員に出力する車載警報装置10であって、アラーム音を出力するブザー16と、ルーフ半開状態が検知された場合に、ブザー16にアラーム音の出力を指示する制御部12と、を備え、制御部12は、車両停車時にルーフ半開状態が検知された場合には、アラーム音を一定期間出力する停車時吹鳴動作をブザー16に実行させ、車両走行時にルーフ半開状態が検知された場合には、アラーム音を出力する走行時吹鳴動作をブザー16に実行させており、停車時吹鳴動作の実行完了後に、ルーフ半開状態のまま車両が走行開始した場合には、走行時吹鳴動作が開始される。
【選択図】図2
【解決手段】コンバーチブル車両のルーフの開閉動作に関する警報を乗員に出力する車載警報装置10であって、アラーム音を出力するブザー16と、ルーフ半開状態が検知された場合に、ブザー16にアラーム音の出力を指示する制御部12と、を備え、制御部12は、車両停車時にルーフ半開状態が検知された場合には、アラーム音を一定期間出力する停車時吹鳴動作をブザー16に実行させ、車両走行時にルーフ半開状態が検知された場合には、アラーム音を出力する走行時吹鳴動作をブザー16に実行させており、停車時吹鳴動作の実行完了後に、ルーフ半開状態のまま車両が走行開始した場合には、走行時吹鳴動作が開始される。
【選択図】図2
Description
本明細書では、コンバーチブル車両のルーフの開閉動作に関する警報を乗員に出力する車載警報装置を開示する。
従来から、車両の天井壁を構成するルーフを開閉自在とした、コンバーチブル車両が広く知られている。例えば、特許文献1には、車の天井部にルーフ開口部を形成し、そのルーフ開口部を折り畳み式の幌ユニット(ルーフ)で覆うコンバーチブル車両が開示されている。特許文献1では、幌ユニットは、左右一対の折り畳み式のリンクの間に設けられている。ルーフ開口部を閉鎖する際には、展開した幌ユニットの先端の幌ロック部をルーフ前縁に係合させ、ルーフ開口部を開放する際には、幌ユニットを折り畳んで車体後部の格納スペースに格納したうえで、当該格納スペースの開口を格納リッドで閉鎖する。そして、特許文献1では、車両走行中に幌ユニットが展開しているにも関わらず幌ロック部がアンロックとなった場合、および、車両走行中に格納リッドが閉まっていない場合には、警報手段を作動させている。このように、幌ユニットの開閉状態が不適切な場合に警報手段を出力することで、幌ユニットの開閉不良に伴う幌ユニットの破損などを効果的に防止できる。
しかし、特許文献1では、原則として、車両が走行している場合にのみ警報を出力していた。その結果、特許文献1の技術では、車両の走行前にルーフの開閉不良に気付くことが難しかった。
そこで、従来から、車両の停車時でも、ルーフの開閉不良が検知された場合には、アラームを出力することが提案されている。例えば、従来から、車両の停車時でも、ルーフ半開状態を検知した場合には、アラーム音を出力する技術が知られている。こうした従来技術によれば、車両停車中でも、ルーフの半開状態が検知されれば、アラーム音が出力されるため、車両の走行開始前に、乗員がルーフの半開状態に気付ける可能性がある程度ある。
しかしながら、こうした従来技術では、車速が所定の上限速度以下の状態でルーフ半開状態を検知した場合には、アラーム音を一定時間(例えば数秒〜数十秒)だけ単発出力していた。これは、停車時には、整備や洗車等のために意図的にルーフを半開状態にする場合があり、かかる意図的な半開状態の場合に、アラーム音が継続的に出力されることは望ましくないためである。しかし、こうした従来の車両では、停車時にルーフ半開状態が検知され、アラーム音が単発出力されれば、その後、車両が走行を開始しても、車速が上限速度超過になるまでアラーム音は出力されない。その結果、従来技術では、ルーフの半開状態に気づかないまま、車両を低速で走行し続けるおそれがあった。
そこで、本明細書では、乗員がより確実にルーフの半開状態に気付くことができる車載警報装置を開示する。
本明細書で開示する車載警報装置は、コンバーチブル車両のルーフの開閉動作に関する警報を乗員に出力する車載警報装置であって、アラーム音を出力するアラーム音出力装置と、前記ルーフの半開状態が検知された場合に、前記アラーム音出力装置にアラーム音の出力を指示する制御部と、を備え、前記制御部は、車両停車時に前記ルーフの半開状態が検知された場合には、前記アラーム音を一定期間出力する停車時吹鳴動作を前記アラーム音出力装置に実行させ、車両走行時に前記半開状態が検知された場合には、前記アラーム音を出力する走行時吹鳴動作を前記アラーム音出力装置に実行させており、前記停車時吹鳴動作の実行完了後に、前記半開状態のまま前記車両が走行開始した場合には、前記走行時吹鳴動作が開始される、ことを特徴とする。
かかる構成とすることで、車両停車時のアラーム音の煩わしさを低減するとともに、車両走行時に、乗員がルーフ半開状態に迅速に気付くことができる。
前記制御部は、車両速度に応じて、前記走行時吹鳴動作におけるアラーム音の種類を二段階以上に切り替えでもよい。
かかる構成とすることで、ルーフ半開状態の安全リスクの高さに応じて、アラーム音の強さを切り替えることができる。
また、この場合、前記ルーフの開閉動作は、前記車両速度が規定の基準速度未満の場合にのみ許容されており、前記制御部は、前記基準速度を境として前記アラーム音の種類を切り替えてもよい。
かかる構成とすることで、ルーフの開閉動作が許容されている場合と、許容されていない場合と、でアラーム音の種類を切り替えることができ、状況に応じた、アラーム音の出力が可能となる。
また、前記制御部は、車両走行中かつ前記半開状態という条件が成立している期間中、前記走行時吹鳴動作を前記アラーム音出力装置に継続させてもよい。
車両走行時には、ルーフ半開状態であることのリスクが高まるが、かかる車両走行時にアラーム音を継続出力させることで、ルーフ半開状態をより確実に乗員に認知させることができる。
さらに、アラーム情報を表示するアラーム情報表示装置を備え、前記制御部は、前記車両の停車時および走行時のいずれの場合であっても、前記半開状態が解消されるまで、前記アラーム情報表示装置に前記アラーム情報を表示させてもよい。
アラーム音という聴覚的な警報に加えて、アラーム情報表示という視覚的な警報も出力することで、ルーフ半開状態をより確実に乗員に認知させることができる。
本明細書で開示する車載警報装置によれば、乗員がより確実にルーフの半開状態に気付くことができる。
以下、図面を参照して車載警報装置10の構成について説明する。図1は、車載警報装置10の構成を示すブロック図である。この車載警報装置10は、ルーフが開閉可能なコンバーチブル車両に搭載され、ルーフの開閉状態に応じて乗員に警報を出力する。この車載警報装置10の説明に先だって、コンバーチブル車両について簡単に説明する。
コンバーチブル車両は、天井部に開口が設けられており、当該開口が折り畳み可能なルーフによって開閉自在に覆われている。このルーフには、折り畳み可能な一対のリンク部材によって支持されており、当該リンク部材を折り畳みまたは展開することで、ルーフ開口が開閉される。折り畳まれたルーフおよびリンク部材は、車両後部に設けられた格納空間に格納される。また、展開されたルーフは、フロントピラーに設けられた係合部と係合される。格納空間は、1以上のリッド部材によって覆われる。この1以上のリッド部材は、ルーフ全開状態およびルーフ全閉状態それぞれにおいて、規定の姿勢をとる。こうしたリッド部材およびリンク部材は、車両に搭載された開閉機構により駆動される。
コンバーチブル車両には、このルーフの開閉について乗員からの指示を受け付けるオープンスイッチおよびクローズスイッチ(以下、両者を区別しない場合は「開閉スイッチ」と呼ぶ)が設けられている。本例では、この開閉スイッチを押下している期間中のみ、ルーフの開閉動作を実行するようになっている。したがって、例えば、ルーフ全閉状態において、乗員がオープンスイッチを押下すると、ルーフの折り畳みが開始する。このルーフ折り畳み動作の途中で、オープンスイッチの押下を解除すると、ルーフは、折り畳み途中の状態で止まり、ルーフが半開きの半開状態となる。同様に、ルーフ全開状態からルーフ全閉状態に移行する途中で、クローズスイッチの押下を解除した場合にも、ルーフ半開状態となる。
また、開閉スイッチは、ルーフを適正に開閉できない場合には無効とされる。例えば、車両が規定の上限速度以上で走行している場合や、ルーフ開閉のための電力が不足している場合、および何らかの異常を検知している場合には、開閉スイッチを押下しても無効とされ、ルーフの開閉動作は実行されない。この場合、車載警報装置10は、開閉スイッチが無効となっていることを知らせる作動条件例外警報を乗員に出力する。
また、ルーフの開閉動作の実行途中であっても、ルーフの開閉動作が適正に継続できない場合、当該開閉動作は停止される。例えば、ルーフの開閉動作の実行途中で、車速が上限速度以上になった場合や、開閉荷重が過大になった場合、および開閉動作開始からの経過時間が規定の上限時間を上回った場合等には、駆動機構の駆動を停止し、ルーフを開閉途中で停止させる。この場合、ルーフが半開きのままで停止するルーフ半開状態になる。この場合、車載警報装置10は、開閉動作の途中で例外的に動作が中止となったことを知らせる作動中止警報を乗員に出力する。
次に、車載警報装置10の構成について図1を参照して説明する。車載警報装置10は、ルーフの開閉動作に関する警報を乗員に出力する。車載警報装置10から出力される警報としては、上述した作動条件例外警報や、作動中止警報等があるが、以下では、ルーフ半開状態であることを乗員に知らせるルーフ半開警報の出力に関する構成を中心に説明する。
車載警報装置10は、入力される各種情報に基づいて、ルーフ半開状態か否かを判断し、ルーフ半開状態の場合には、その安全リスクに応じたアラームの出力を、ブザー16、ディスプレイ18、および警告ランプ20に指示する。かかる制御部12は、プロセッサとメモリとを有したコンピュータや、プロセッサやメモリを一つの集積回路に組み込んだマイクロコントローラで構成されてもよい。この制御部12の具体的な動きについては、後述する。
ブザー16は、制御部12からの指示に応じてアラーム音を出力するアラーム音出力装置として機能する。かかるブザー16は、例えば、圧電ブザー装置などで構成され、制御部12から入力される電気信号に応じてアラーム音を発する。このブザー16は、方向指示装置等、他の車載装置のための発音体として利用されてもよい。
ディスプレイ18および警告ランプ20は、制御部12からの指示に応じて、所定のアラーム情報を表示するアラーム情報表示装置として機能する。ディスプレイ18は、例えば、制御部12から入力される電気信号に応じてアラーム情報を、具体的には、警告内容を示す文字列を表示する。かかるディスプレイ18は、例えば、液晶パネル等で構成される。このディスプレイ18は、車載警報装置10のために専用に設けられてもよいし、車両に搭載された他の装置のディスプレイ(例えば車速等をデジタル表示するデジタルメーターパネル等)を当該ディスプレイ18として用いてもよい。
警告ランプ20は、点灯することで警告図形(例えば「!」マーク等)を浮かび上がらせるランプであり、制御部12から入力される電気信号に応じて点灯/消灯する。なお、警告ランプ20は、LED等の光源を有した物理的ランプでもよいし、ディスプレイ18内に画像として表示されるデジタルランプでもよい。
こうした車載警報装置10には、車両の走行状態およびルーフの開閉状態に関する情報が入力される。具体的には、車載警報装置10には、車速センサで検知された車両の車速Vが入力される。また、車載警報装置10には、全開センサおよび全閉センサでの検知結果が入力される。全開センサは、ルーフが全開状態になったこと検知するセンサである。かかる全開センサは、例えば、感圧式センサでもよく、その場合、全開センサは、ルーフ全開状態の場合にのみ可動部材(ルーフまたはリンク部材またはリッド部材)と接触する箇所に設ければよい。また、かかる全開センサは、一ヶ所に限らず、複数箇所に設けられてもよい。
全閉センサは、ルーフが全閉状態になったこと検知するセンサである。かかる全閉センサも全開センサと同様に、例えば、感圧式センサでもよく、その場合、全閉センサは、ルーフ全閉状態の場合にのみ可動部材(ルーフまたはリンク部材またはリッド部材)と接触する箇所に設ければよい。また、かかる全閉センサも、一ヶ所に限らず、複数箇所に設けられてもよい。
車載警報装置10には、さらに、リンク部材やリッド部材を動作させる駆動機構の動作状況(駆動中または駆動停止)を示す動作信号も入力される。この動作信号は、例えば、駆動機構の駆動を制御する駆動回路から入力される。
制御部12は、全開センサおよび全閉センサでの検知結果と、停止信号と、に基づいて、ルーフ半開状態か否かを判断する。具体的には、全開センサおよび全閉センサでルーフの全開および全閉のいずれも検知されていないにも関わらず、駆動機構の駆動停止を示す信号が入力された場合、制御部12は、ルーフ半開状態であると判断する。ルーフ半開状態と判断した場合、制御部12は、所定のアラーム音を出力する吹鳴動作の実行をブザー16に指示するとともに、所定のアラーム情報の表示をディスプレイ18および警告ランプ20に指示する。
ここで、ルーフ半開状態の場合、ルーフの損傷や、車両操縦安定性の低下といったリスクが発生する。制御部12は、こうしたリスクを避けるためにルーフ半開状態の場合に、乗員に警告を出力しているが、こうしたルーフ半開状態のリスクの大きさは、車両の走行状態、特に車速Vによって大きく異なる。
すなわち、車両が停止しており、車速V=0の場合、ルーフ半開状態であっても、大きなリスクは存在しない。ただし、ルーフ半開状態のまま走行を開始した場合、後述する様々なリスクが発生するため、車両停車時であってもルーフ半開状態であれば何らかの警報を出力することが望まれる。
一方、車両が走行開始した場合、半開状態のルーフが、車外の構造物(例えば高架橋の構成要素等)に接触し、ルーフの損傷を招くリスクが発生する。さらに、車両の車速Vが大きくなると、車外構造物との接触リスクに加え、強い走行風によるリスク、具体的には、走行風によるルーフの損傷や車両操縦安定性の低下といったリスクも生じる。
このようにルーフ半開状態に起因するリスクの高さは、車速Vによって変化する。そこで、制御部12は、車速Vが高いほど、ルーフ半開状態に乗員が早急に気付けるように、車速Vに応じて警報内容を切り替えている。より具体的には、本例の制御部12は、車速Vが所定の基準速度Vdef超過となる高速走行の場合と、車速Vが0<V≦Vdefとなる中低速走行の場合と、車速V=0となる車両停車時の場合と、で警報内容を切り替えている。なお、警報内容切り替える基準速度Vdefは、特に限定されないが、本例では、ルーフ開閉動作が許容される上限速度を基準速度Vdefとしている。
図2は、三つの車速範囲ごとの警報内容を示す表である。これまでの説明で明らかな通り、ルーフ半開状態のリスクは、車両停車時には低い。そこで、車両停車時(V=0)の場合には、比較的控え目に警報を通知する。具体的には、アラーム音は単発出力とし、規定のT秒が経過すれば吹鳴動作を停止する。以下では、車両停車時に一定期間(T秒)だけ行う吹鳴動作を、「停車時吹鳴動作」と呼ぶ。このように、停車時ではルーフ半開状態であっても、アラーム音を一定時間で停止させるのは、次の理由による。停車時には、ルーフ半開状態であっても安全上のリスクがほぼない。また、洗車や整備等の際には、意図的に、ルーフ半開状態にすることがある。かかる場合において、アラーム音が長時間連続して吹鳴し続けるのは、乗員にとって不快である。そこで、停車時にルーフ半開状態となった場合は、アラーム音を単発出力し、一定時間で、吹鳴を停止する。
一方で、車両停車時でも、所定のアラーム情報は、継続的に表示する。具体的には、車両停車かつルーフ半開状態という条件が成立している期間中は、ディスプレイ18に、アラーム用の文言を表示し続ける。かかるアラーム用の文言としては、例えば、「ルーフ動作が完了していません」のように、現在の状態を通知する文言を用いてもよい。なお、停車時におけるルーフ半開状態は、必ずしも忌避される状態ではないため、この場合、警告ランプ20は、点灯させない。
一方、ルーフ半開状態のまま車両が走行した場合には、安全上のリスクが高まるため、より強い警報を出力する。具体的には、ルーフ半開状態かつ車速が中低速(0<V≦Vdef)である場合、制御部12は、ブザー16に所定のアラーム音を連続出力させる。このアラーム音の出力は、ルーフ半開状態かつ車速が中低速という条件が成立する期間中、ずっと継続する。以下では、中低速走行時にアラーム音を連続的に継続出力する吹鳴動作を、「第一走行時吹鳴動作」と呼ぶ。また、制御部12は、ルーフ半開状態かつ車速が中低速の場合には、ディスプレイ18にアラーム用の文言を表示させるとともに、警報ランプを点滅点灯させる。このディスプレイ18の表示および警報ランプの点灯も、ルーフ半開状態かつ車速が中低速という条件が成立する期間中、継続させる。なお、この場合のアラーム用の文言は、停車時のアラーム用文言と同じでもよいし、異なっていてもよい。
このように、ルーフ半開状態かつ車速が中低速の場合に、警報を継続して出力し続けることで、ルーフ半開状態であることを乗員により迅速に認識させることができ、ルーフ半開状態のままの走行をより迅速に解消できる。
さらに、ルーフ半開状態で、車速が高速(Vdef<V)となった場合には、安全上のリスクがより高くなる。そのため、この場合には、より強い警報を出力する。具体的には、ルーフ半開状態かつ車速が高速(Vdef<V)の場合、制御部12は、ブザー16に所定のアラーム音を間欠出力させる。このようにアラーム音を間欠的に出力させることで、連続出力させる場合よりも、乗員に認識されやすくなる。このアラーム音の間欠出力も、ルーフ半開状態かつ車速が高速という条件が成立している期間中、ずっと継続させる。以下では、高速走行時にアラーム音を間欠的に継続出力する吹鳴動作を、「第二走行時吹鳴動作」と呼ぶ。また、第一走行時吹鳴動作と第二走行時吹鳴動作を区別しない場合は、「走行時吹鳴動作」と呼ぶ。
また、制御部12は、ルーフ半開状態かつ車速が高速の場合には、ディスプレイ18にアラーム用文言を表示させるとともに、警報ランプを点滅点灯させる。このディスプレイ18の表示および警報ランプの点灯も、ルーフ半開状態かつ車速が高速という条件が成立する期間中、継続させる。なお、この場合、安全上のリスクが高いことから、アラーム用文言は、ルーフ開閉動作の完了を乗員に促すような文言でもよい。例えば、車速が基準速度Vdef(上限速度)超過のままでは、ルーフ開閉動作は禁止されているため、アラーム用文言は、「速度をおとしルーフ動作を完了させてください」のようなものでもよい。
以上の説明から明らかな通り、本例では、車両停車時にルーフ半開状態が検知されれば、アラーム音を単発出力する停車時吹鳴動作を実行し、車両走行時にルーフ半開状態が検知されれば、アラーム音を継続出力する走行時吹鳴動作を実行する。このように、停車時および走行時でアラーム音の出力内容を切り替える理由について、従来技術と比較して説明する。
図4は、従来の車載警報装置におけるアラーム音の出力条件の一例を示す表である。なお、図4では、アラーム情報の表示内容については図示を省略している。従来の車載警報装置では、ルーフ半開状態が検知された場合のアラーム音の出力形態は、車速が高速(Vdef<V)の場合と中速以下(V≦Vdef)の場合と、の二段階でのみ切り替えられていた。すなわち、従来の車載警報装置でも、ルーフ半開状態かつ車速が高速(Vdef<V)の場合には、本例と同様に、条件が成立している期間中、所定のアラーム音を継続して出力する。一方、従来の車載警報装置では、ルーフ半開状態かつ中速以下(V≦Vdef)の場合には、車両停車中および車両走行中のいずれであったとしても、アラーム音は、所定時間だけ単発出力されていた。換言すれば、従来の車載警報装置では、車両停車後、車両の走行を開始したとしても、改めてアラーム音が出力されることはなかった。
これについて、図5を参照して説明する。図5は、従来の車載警報装置の動作例を示す図である。図5において、上段は、ルーフの開閉状態を、中段は、車速Vを、下段は、アラーム音の出力状態を、それぞれ示している。
図5では、時刻t1〜t5までの期間、ルーフ半開状態となっている。また、車両は、時刻0から、時刻t1を経て、時刻t2まで、停車している。時刻t2において、車両は、走行を開始し、時刻t3において基準速度Vdefを超える。その後、減速を開始し、時刻t4において基準速度Vdef以下となる。
従来の車載警報装置では、この場合、ルーフ半開状態が検知された時刻t1において、アラーム音を一定期間(T秒)だけ単発出力する。その後、時刻t2において車両が走行開始したとしても、従来の車載警報装置では、車両停車と車両走行とを区別していないため、改めてアラーム音が出力されることはない。したがって、従来の車載警報装置では、ルーフ半開状態に気づかないまま、車両の走行を継続しやすかった。
その後、時刻t3において、車速が基準速度Vdefを超えれば、従来の車載警報装置でもアラーム音が継続的に出力される。また、時刻t4において、車速が基準速度Vdef以下になれば、改めて、アラーム音が単発出力される。
以上の説明から明らかな通り、従来の車載警報装置では、車両が規定の基準速度Vdef以下の場合には、車両停車中および車両走行中のいずれであったとしても、アラーム音を1回だけ単発的に出力していた。そのため、従来の車載警報装置では、ルーフ半開状態に気づかないまま車両を走行する可能性が高かった。もちろん、車両が高速走行した場合には、アラーム音が継続的に出力されるため、ルーフ半開状態に気付きやすくなるが、高速走行時には、ルーフの開閉動作ができない。そのため、高速走行した後に、乗員がルーフ半開状態に気づいたとしても、車速を落としてからでなければルーフの開閉動作を実行できず、安全上のリスクを即座に解消するのは難しかった。
ここで、車速が基準速度Vdef以下の場合にも、アラーム音を継続出力するようにすれば、車両の停車中と走行中とを区別しない従来の車載警報装置でも、乗員は、ルーフ半開状態に迅速に気付くことができる。しかし、上述した通り、コンバーチブル車両では、洗車や整備のために意図的にルーフ半開状態にする場合がある。例えば、整備のためにルーフ半開状態にした場合に、アラーム音が継続出力された場合、整備者が不快に感じるばかりではなく、他のアラーム音が聞こえないなど、整備の邪魔になることもある。また、車両停車した際、乗員が、車両から離れたまま長時間放置されることもある。かかる場合にアラーム音が継続出力された場合、無駄であるとともに周辺への迷惑になりやすい。そのため、車両停車時には、アラーム音は一定時間で停止することが望まれる。
こうした停車時における継続的なアラーム音の煩わしさを避けるとともに、ルーフ半開状態を早急に乗員に認知させるために、本例では、上述した通り、車両停車時および車両走行時でアラーム音の出力内容を切り替え、ルーフ半開状態のまま車両が走行開始した場合には改めてアラーム音を出力するようにしている。
これについて、図3を参照して説明する。図3は、本明細書で開示する車載警報装置10の動作例を示す図である。図5と同様に、図3の上段は、ルーフの開閉状態を、中段は、車速Vを、下段は、アラーム音の出力状態を、それぞれ示している。また、図5と同様に、図3の例でも、時刻t1から時刻t5まで、ルーフ半開状態となっており、車両は、時刻t2から走行開始する。
かかる場合において、本例の車載警報装置10では、ルーフ半開状態が検知された時刻t1において、アラーム音を一定期間(T秒)だけ単発出力する。その後、車両が停車している期間中は、アラーム音は出力されない。これにより、車両停車時におけるアラーム音の煩わしさを低減できる。
その後、時刻t2において、車両が走行開始した場合、ルーフ開閉状態かつ車速が中低速という条件が成立する。そのため、本例によれば、時刻t2において車両が走行開始すれば、アラーム音が連続的に継続出力される第一走行時吹鳴動作が実行される。これにより、乗員は、ルーフ半開状態に迅速に気付くことができ、ルーフ半開状態を早急に解消できる。特に、車速が基準速度Vdef以下の場合には、ルーフの開閉動作が許容されているため、車両走行中であっても、ルーフ半開状態を解消できる。
ただし、図3では、図5と合わせるために、この時点では、ルーフ半開状態は解消されず、時刻t5に解消されるものとしている。そのため、車速が高速となる時刻t3から時刻t4の期間中は、アラーム音が間欠的に継続出力される第二走行時吹鳴動作が実行される。さらに、時刻t4において車速が中低速になれば、第一走行時吹鳴動作が実行される。
以上の通り、本例の車載警報装置10によれば、車両停車時におけるアラーム音の単発出力が停止した後であっても、車両の走行が開始されれば、改めてアラーム音が出力される。その結果、停車時におけるアラーム音の煩わしさを避けつつも、ルーフ半開状態のまま走行を継続するリスクを効果的に低減できる。また、同じ走行中であっても、その走行速度に応じて、安全上のリスクは異なる。本例では、安全リスクが高まる高速走行の場合には、危険性をより認知しやすいように、アラーム音を間欠的に出力している。かかる構成とすることで、ルーフの損傷や車両操縦安定性の低下を効果的に防止できる。
なお、これまで説明した構成は、一例であり、ルーフ半開状態かつ車両停車時にアラーム音を一定期間出力する停車時吹鳴動作を実行し、ルーフ半開状態かつ車両走行時にアラーム音を出力する走行時吹鳴動作を実行するのであれば、その他の構成は、適宜、変更されてもよい。例えば、上述の例では、同じ走行中であっても、走行速度に応じてアラーム音の出力形態を切り替えているが、車両走行開始時に改めてアラーム音が出力されるのであれば、走行速度に関わらずアラーム音の出力形態は同じであってもよい。また、走行時におけるアラーム音の出力形態は、三段階以上に切り替えられてもよい。また、本例では、アラーム音とともに、アラーム情報の表示も行っているが、こうしたアラーム情報の表示形態は、適宜、変更されてもよいし、省略されてもよい。
10 車載警報装置、12 制御部、16 ブザー、18 ディスプレイ、20 警告ランプ。
Claims (1)
- コンバーチブル車両のルーフの開閉動作に関する警報を乗員に出力する車載警報装置であって、
アラーム音を出力するアラーム音出力装置と、
前記ルーフの半開状態が検知された場合に、前記アラーム音出力装置にアラーム音の出力を指示する制御部と、
を備え、前記制御部は、車両停車時に前記ルーフの半開状態が検知された場合には、前記アラーム音を一定期間出力する停車時吹鳴動作を前記アラーム音出力装置に実行させ、車両走行時に前記半開状態が検知された場合には、前記アラーム音を出力する走行時吹鳴動作を前記アラーム音出力装置に実行させており、
前記停車時吹鳴動作の実行完了後に、前記半開状態のまま前記車両が走行開始した場合には、前記走行時吹鳴動作が開始される、
ことを特徴とする車載警報装置。
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