JPH0752707A - 作業車両の自動消灯装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業現場外の走行時には確実に作業灯が消灯
される自動消灯装置を提供する。 【構成】 作業車両の車速を車速センサ７で検出する。
検出された車速が作業現場内での最高走行速度よりも高
く、かつ作業灯ＷＬが点灯していると判断したとき、リ
レースイッチ５のリレーコイル５ｃを励磁してロジック
回路３へ点滅信号を与える。点滅信号の入力に応答して
リレースイッチ４のリレーコイル４ｃの励磁を解消させ
て作業灯ＷＬを電源１から遮断する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ホイールショベル等の
作業車両に取り付けられる作業灯の自動消灯装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】ホイールショベル等の作業車両では、夜
間作業時の現場をより明るくするために、備え付けのヘ
ッドライトの他に作業灯を追加することが一般的であ
る。図４に示す例では、運転室Ｃの上部に一対の作業灯
ＷＬが設けられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、ホイールシ
ョベルのような公道の走行が可能な作業車両では、夜間
作業を終えた後、車両の保管場所や次の作業現場まで公
道を自走することがほとんどである。この公道走行の
際、作業灯は対向車の眩惑を防止するために消灯させる
ことが必須であり、現に法令により消灯が義務付けられ
てもいる。しかし、その消灯をオペレータの操作に委ね
ているので消し忘れが少なくない。特に、繁華街を走行
する際は周囲の明るさにより作業灯が点灯しているか否
かの判断さえも困難となり、消し忘れのおそれが一層高
い。

【０００４】本発明の目的は、作業現場外の走行時には
確実に作業灯が消灯される自動消灯装置を提供すること
にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】一実施例を示す図１に対
応付けて説明すると、本発明は、作業中の現場を照明す
るために作業車両に取り付けられた作業灯ＷＬを特定時
に消灯させる作業車両の自動消灯装置であって、作業車
両の走行が作業現場外の走行か否かを判別する走行判別
手段と６，７、作業現場外の走行と判別したとき作業灯
ＷＬをその電源１から遮断された状態に保持する消灯手
段３，４，５とを備えることで上述した目的を達成す
る。

【０００６】

【作用】作業現場外の走行では作業灯ＷＬがその電源１
から遮断された状態に保持されて消灯する。

【０００７】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段と作用の項では、本発明を分かり易
くするために実施例の図を用いたが、これにより本発明
が実施例に限定されるものではない。

【０００８】

【実施例】

−第１実施例− 以下、図１および図２を参照して本発明の第１実施例を
説明する。図１は本実施例に係る作業灯ＷＬの点灯回路
を示すものである。図において１は電源、２は運転室に
設けられてオペレータにより操作される点滅スイッチ、
３は点滅スイッチ２の操作に応答してリレースイッチ４
の接続状態を交互に切り換えるロジック部である。点滅
スイッチ２を１回押す度にロジック回路３ａに点滅信号
が与えられ、ロジック回路３ａからトランジスタ３ｂの
ベース端子への出力信号が入切される。これに伴ってリ
レーコイル４ｃが励磁状態と非励磁状態とで交互に切り
換わり、リレー接点４ｓが点滅スイッチ２を押す度に開
閉を繰り返して作業灯ＷＬが点灯、消灯を繰り返す。

【０００９】ロジック回路３ａには点滅スイッチ２と並
列にリレースイッチ５が接続され、このリレースイッチ
５のリレー接点５ｓの開閉によってもロジック回路３ａ
に点滅信号が与えられてリレースイッチ４が開閉する。
リレースイッチ５のリレーコイル５ｃはコントローラ６
に接続されている。コントローラ６は、作業車両の稼働
中、車速センサ７が検出する作業車両の車速と、リレー
スイッチ４のリレー接点４ｓから導かれる作業灯ＷＬの
灯火電圧とに基づいて図２に示す手順によりリレーコイ
ル５ｃの励磁状態を制御する。以下、この制御手順を説
明する。

【００１０】まず、ステップＳ１では、車速センサ７の
検出した現在の車速Ｖが基準車速Ｖｋを越えるか否かを
判定する。基準車速Ｖｋは、作業車両が作業現場内を走
行するときの最高車速よりも僅かに高く定める。通常、
作業現場内での車速は最大でも毎時１０km以下のため、
Ｖｋ＝１０km／Ｈに設定するとよい。

【００１１】ステップＳ１で基準車速Ｖｋを越えると判
別したときはステップＳ２に進み、作業灯ＷＬの灯火電
圧により作業灯ＷＬが点灯しているか否かを判別する。
作業灯ＷＬが点灯しているときはステップＳ３に進み、
リレースイッチ５のリレーコイル５ｃを一定秒時励磁し
てリレー接点５ｃを一定秒時閉成させる。ステップＳ３
の処理後はステップＳ１へ戻る。ステップＳ１、ステッ
プＳ２が否定されたときはステップＳ３の処理を行なう
ことなくステップＳ１へ戻る。

【００１２】以上の処理によれば、公道の走行により車
速Ｖが基準車速Ｖｋを越えるとステップＳ１が肯定され
る。このとき作業灯ＷＬが点灯していればステップＳ２
が肯定されてステップＳ３でリレースイッチ５が一定秒
時オンとなり、ロジック回路３ａからトランジスタ３ｂ
のベース端子への出力が遮断される。この結果、リレー
スイッチ４のリレーコイル４ｃの励磁が解消されてリレ
ー接点４ｓが開放され、作業灯ＷＬが電源１から遮断さ
れて消灯する。したがって、作業現場外を走行する際に
オペレータが作業灯ＷＬを消し忘れても車速Ｖが作業現
場内での最高速度より僅かに高く設定した基準車速Ｖｋ
を越えた時点で作業灯ＷＬが自動的に消灯することとな
り、消し忘れたままで公道走行を続けるおそれがない。

【００１３】なお、作業灯ＷＬが一旦消灯すると、オペ
レータが点滅スイッチ２を操作して作業灯ＷＬを点灯さ
せない限り、ステップＳ２が否定されてリレースイッチ
５はオフ状態に保持される。したがって、公道走行中に
車速Ｖが基準車速Ｖｋより低下してもステップＳ３の処
理で作業灯ＷＬが再度点灯するおそれはない。また、作
業中は車速Ｖが基準車速Ｖｋを越えないのでステップＳ
１が否定され続け、点滅スイッチ２の操作で点灯させた
作業灯ＷＬがステップＳ３の処理で誤って消灯するおそ
れはない。

【００１４】−第２実施例− 図３により第２実施例を説明する。ただし、上述した第
１実施例と共通する部分には同一符号を付し、説明を省
略する。図３に示すように、本実施例では第１実施例の
コントローラ６および車速センサ７を省略し、リレース
イッチ４のリレー接点４ｓとリレースイッチ５のリレー
コイル５ｃとの間に高低速切換えスイッチ８を介在させ
た。高低速切換えスイッチ８は、車両の走行駆動系の変
速機を低速度段と高速度段との間で切換えるためのもの
で、Ｌ位置のときは低速度段、Ｈ位置のときは高速度段
が選択される。そして、本実施例では、リレー接点４ｓ
が閉塞しかつ高低速切換えスイッチ８がＨ位置のとき、
作業灯ＷＬの灯火電圧が高低速切換えスイッチ８を介し
てリレーコイル５ｃに導かれる。

【００１５】以上の構成によれば、高低速切換えスイッ
チ８がＨ位置側に切換えられて車両が高速度段で走行す
るときに、リレースイッチ４のリレー接点４ｓが閉成し
て作業灯ＷＬが点灯していると、その灯火電圧によりリ
レーコイル５ｃが励磁されてリレー接点５ｓが閉成す
る。これにより、ロジック回路３ａからトランジスタ３
ｂのベース端子への出力が遮断されてリレーコイル４ｃ
の励磁状態が解消され、リレー接点４ｓが開放されて作
業灯ＷＬが電源１から遮断される。したがって、作業現
場外を走行する際にオペレータが作業灯ＷＬを消し忘れ
ても、変速機が高速度段側に切換えられた時点で作業灯
ＷＬが自動的に消灯することとなり、消し忘れたままで
公道走行を続けるおそれがない。作業現場内での作業中
は、駆動力が要求されるために必ず低速度段が選択され
るので、作業中の高低速切換えスイッチ８のＨ位置側へ
の操作によって作業灯ＷＬが自動的に消灯する不都合は
生じない。

【００１６】以上の実施例において、コントローラ６お
よび車速センサ７、または高低速切換えスイッチ８が走
行判別手段を、リレースイッチ４，５およびロジック部
３が消灯手段を構成する。ただし、本発明は実施例に限
定されず、作業灯ＷＬの点灯用回路として種々の構成を
採用して構わない。

【００１７】走行判別手段としては、第１実施例および
第２実施例の双方を備えたものでもよい。また、第１実
施例または第２実施例において、車両の前後進を選択す
る前後進選択レバーが前進にあるか否かを走行の判別要
素に追加し、車速または高低速切換えスイッチ８の位置
が作業現場外での走行に対応する状態にあり、かつ前進
が選択されているときに作業灯を強制的に消灯させても
よい。さらに、これらに加えてアクセルペダルが踏込み
操作されたか否かも判断し、アクセルペダルの踏込み操
作に応答して作業灯を消灯させてもよい。

【００１８】また、作業中にはパーキングブレーキ等を
作動させて車両の位置を固定する作業車両では、上述し
た判断要素に代え、パーキングブレーキのオン・オフに
より作業現場外の走行か否かを判断してもよい。また、
フロントアタッチメントを操作するためのフロントレバ
ーの操作状態を検出し、フロントレバーが操作されない
状態でアクセルペダルが踏込み操作されたとき作業現場
外の走行と判別することもできる。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
作業現場外の走行時には確実に作業灯が消灯されるの
で、オペレータの消し忘れによって公道走行中に対向車
に迷惑をかけることがなく、法令違反を問われるおそれ
もない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例の作業灯点灯回路を示す
図。

【図２】第１実施例のコントローラの制御手順を示すフ
ローチャート。

【図３】本発明の第２実施例の作業灯点灯回路を示す
図。

【図４】作業灯の取り付け例を示す斜視図。

【符号の説明】

１ 電源 ２ 点滅スイッチ ３ ロジック部 ４，５ リレースイッチ ６ コントローラ ７ 車速センサ ８ 高低速切換えスイッチ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 作業中の現場を照明するために作業車両
   に取り付けられた作業灯を特定時に消灯させる作業車両
   の自動消灯装置であって、 前記作業車両の走行が作業現場外の走行か否かを判別す
   る走行判別手段と、 作業現場外の走行と判別したとき、前記作業灯をその電
   源から遮断された状態に保持する消灯手段とを備えるこ
   とを特徴とする作業車両の自動消灯装置。