JPH0341739Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔利用分野〕 この考案は、パチンコ遊技機における入賞装置
さらには遊技部内を流下する打球を制御する装置
に利用して有効な技術に関し、特に打球の流下方
向および入賞流入方向を制御するための風車を備
えた入賞装置に関する。

〔従来技術〕

パチンコ遊技機は周知のように、遊技客が遊技
盤下部に設けられた発射装置により一個ずつ打球
を遊技部内に打ち込むと、障害釘に衝突してラン
ダムに方向を変えながら落下して行く途中で、あ
る確率をもつて入賞領域に入ることにより所定数
の賞品球が遊技者に与えられるようにしたもので
ある。従来、このようなパチンコ遊技機において
は、遊技部内を流下して来る打球のスピードを殺
したり、流れの方向を変えてやるため、いわゆる
風車と呼ばれる装置や、特定の入賞口に打球が入
賞すると打球が入賞し易くなるように連続的に入
賞口を広く開放する変動入賞装置等が設けられ
る。

〔問題点〕

ところが、従来のパチンコ遊技機における上記
風車装置や入賞装置は、独立した装置として構成
され、それぞれ遊技部内の別々の位置に取り付け
られていた。また、近年入賞装置はますます多様
化されて大型になる傾向がある。そのため、風車
装置と入賞装置とが別個に構成されていると、そ
れらを幾つも遊技部内の適当な位置に設けて遊技
の興趣を高めようとすると、遊技盤の大きさに制
約があるため打球が自由に流下することのできる
空間が狭められてしまい、他の面で遊技の興趣性
が低下してしまう。

また、従来の風車装置は、比較的単純な構造で
あるため、そこに施される意匠を変えてみても変
化性が乏しく、新規なものあるいは意匠性のある
ものを求める遊技客の興味を満足させるに至らな
いという問題点があつた。

〔考案の目的〕

この考案は、上記のような背景の下になされた
もので、その目的とするところは、遊技部内の打
球の自由な流下空間を狭めることなく遊技の興趣
を高めるとともに、新規かつ意外性のある動作に
より遊技客の興味を充分に満足させることができ
るようなパチンコ遊技機用の打球制御装置を提供
することにある。

〔考案の概要〕

そこで、この考案は、前面に開口部を有し略箱
形をなす枠体と、この枠体の周縁に設けられた取
付け基板とからなる装置本体の上記開口部内に上
下方向回動可能な軸を配設し、この軸の先端部に
は回転可能な風車を装着するとともに、上記枠体
には上記軸を回動させるための駆動機構を設け、
この駆動機構の作動により上記軸に装着された風
車の姿勢を変換して流下する打球を当該風車を介
して上記開口部内に流入可能に構成することによ
つて、風車が下方に傾動したとき入賞口を形成で
きるようにし、従来別々の装置であつた風車装置
と入賞装置を一体化し、これによつて遊技部内に
風車と入賞装置を別々に取り付ける場合に比べて
取り付けられる部品もしくは装置の数を減らして
打球の自由な流下空間を広くし、しかも遊技の興
趣を高めることができるとともに、その新規かつ
意外性のある動作により遊技客の興味を充分に満
足させることができるようにするという上記目的
を達成するものである。

〔実施例〕

第１図および第２図は、本考案に係るパチンコ
遊技機の打球制御装置の一実施例を示す。

この実施例の打球制御装置は、遊技盤に接合さ
れて装置を固定するための取付け基板１ａと、こ
の取付け基板１ａの中央に形成された矩形状の開
口部１ｂの左右両側と上端縁に沿つて後方へ突出
するように形成した包囲枠１ｃとによつて装置本
体１が構成されている。装置本体１の開口部１ｂ
には、この開口部の上半分を覆うように、例えば
フレネルレンズ等の透明もしくは半透明の部材か
らなる開閉部材としての開閉板２が揺動可能に垂
下されている。

上記開閉板２は、その上端部に形成された筒状
基部にピン３を挿通し、そのピン３の両端を上記
装置本体１の包囲枠１ｃの側壁に固定させること
によつて、このピン３を軸として揺動可能に垂下
されるようにしてある。

また、上記包囲枠１ｃ内には水平なピン１７が
配設されており、このピン１７には保持アーム１
８が上下方向傾動可能に取り付けられ、この保持
アーム１８の先端には、風車５を回転自在に支承
する軸６が固着されている。この軸６の基部は水
平姿勢にされたとき、上記開閉板２の下部中央に
形成したスリツト２ｄに係合されるように、保持
アーム１８の高さを調整して取り付けてある。風
車５は、軸６の先端にＥリングを係合させてるこ
とによつて抜止めさせるようにしてある。

さらに、上記保持アーム１８の後端側部には、
係合ピン１４を設け、この係合ピン１４に、包囲
枠１ｃに固定されたピ９によつて支承された作動
アーム８の先端のコの字状係合部８ｂを係合さ
せ、ソレノイド１１の駆動力で作動アーム８を介
して上記保持アーム１８およびこれと一体の風車
５を上下方向に傾動させるようにしてある。１２
は裏蓋体４の上部に配設された表示ランプで、上
記ソレノイド１１を励磁させたときに点灯させる
ことにより、風車５が傾動されたことを遊技者が
容易に知ることができるようになつている。

また、特に限定されるものではないが、装置本
体１の取付け基板１ａの下部には、長円形の釘穴
１ｇが形成され、この釘穴１ｇを通して遊技盤に
障害釘２０（第２図参照）を抜ち込めるようにな
つている。

この実施例においては、風車５の軸６が水平姿
勢に保持された通常状態で、風車５が本来の作用
をなすとともに、開閉板２の下方に形成された入
賞口１３には、下方の障害釘２０に衝突した打球
が跳び上がつて入賞できるいわゆる飛込み型の入
賞装置として作用することになる。

一方、ソレノイド１１が励磁されると、風車５
が破線B″のごとく下方へ傾動されるため、前記
実施例と同様に、風車５が流下して来た打球をか
き込むように回転し、打球が非常に入賞し易い状
態をつくり出す変動入賞装置として作用する。

さらに、この実施例では、包囲枠１ｃの下辺に
ガイドプレート１ｈを設けて入賞した打球を後方
へ案内するとともに、後端部に配設した非接触型
近接スイツチもしくはマイクロスイツチのような
検出器２１によつて、入賞した打球を検出できる
ようになつている。

従つて、この実施例によれば、他の実施例と異
なり通常状態でも打球が入賞可能となるため、こ
の打球制御装置下部の入賞口１３への入賞に基づ
いてソレノイド１１を励磁させ、風車５を下方へ
傾動させて入賞確率を増大させるように動作させ
ることも可能となる。

〔効果〕

以上説明したごとくこの考案は、前面に開口部
を有し略箱形をなす枠体と、この枠体の周縁に設
けられた取付け基板とからなる装置本体の上記開
口部内に上下方向回動可能な軸を配設し、この軸
の先端部には回転可能な風車を装着するととも
に、上記枠体には上記軸を回動させるための駆動
機構を設け、この駆動機構の作動により上記軸に
装着された風車の姿勢を変換して流下する打球を
当該風車を介して上記開口部内に流入可能に構成
したので、従来別々の装置であつた風車装置と入
賞装置を一体化でき、これによつて遊技部内に風
車と入賞装置を別に取り付ける場合に比べて取り
付けられる部品もしくは装置の数を減らして打球
の自由な流下空間を広くし、しかも遊技の興趣を
高めることができるとともに、新規かつ意外性の
ある動作により遊技客の興味を充分に満足させる
ことができるようになるという効果がある。

また、上記枠体の前面開口部の略上半分を覆う
開閉部材を揺動可能に垂下させたので、前面開口
部内の駆動機構が外から直接見えたりすることが
なく、また入賞した打球が駆動機構に衝突して故
障を誘発するのを防止し、かつ開閉部材の前面に
模様を付けたり形状を工夫することにより装飾的
効果を高めることもできる。

なお、前記実施例では、風車を傾動させる駆動
手段としてソレノイドを用いているが、それに限
定されるものでなく、モータその他の駆動手段を
用いるようにしてもよい。

また、ソレノイド等の駆動手段によつて風車を
傾動させる代わりに、他の入賞口へ入賞した打球
を誘導して物理的な力の伝達で風車を傾動させる
機構を設けるようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係る打球制御装置の一実施
例を示す断面側面図、第２図は、その正面図であ
る。 １……装置本体、１ａ……取付け基板、１ｂ…
…開口部、１ｃ……枠体（包囲枠）、２……開閉
板、４……裏蓋体、５……風車、６……軸、８…
…作動アーム、１１……駆動手段（ソレノイド）、
１２……表示ランプ、１３……入賞口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 前面に開口部を有し略箱形をなす枠体と、こ
   の枠体の周縁に設けられた取付け基板とからな
   る装置本体の上記開口部内に上下方向回動可能
   な軸を配設し、この軸の先端部には回転可能な
   風車を装着するとともに、上記枠体には上記軸
   を回動させるための駆動機構を設け、この駆動
   機構の作動により上記軸に装着された風車の姿
   勢を変換して流下する打球を当該風車を介して
   上記開口部内に流入可能としたことを特徴とす
   るパチンコ遊技機の打球制御装置。 (2) 上記枠体の前面開口部の略上半分を覆う開閉
   部材を揺動可能に垂下させたことを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載のパチンコ
   遊技機の打球制御装置。 (3) 上記開閉部材の下端中央部には上記軸が挿通
   可能なスリツトを形成し、上記軸の先端を上記
   スリツトを貫通して上記開閉部材の前方へ臨ま
   せ、その突出端に風車を装着したことを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第２項記載のパチ
   ンコ遊技機の打球制御装置。