JPH0530456Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、パチンコ機の遊技板面に備えられる
障害用の風車に関するものである。

［従来の技術］ パチンコ機の遊技板には板面に設けられる入賞
口に打球を誘導し、また飛入を阻止するために多
数の障害釘が植設されるが、これに併せて打球の
落下方向を変換させ入賞口に近づけたり、遠ざけ
るために障害物となる風車が備えられている。

この風車は、支軸に複数枚の羽根を備えた風車
体を回転自由に軸着させてなるもので、一般には
支軸を直接遊技板面に打ち付けて植設したり、或
はこの支軸の端部を取付基板に垂直に起立させ、
この取付基板を介して遊技板に取付ける等の方法
によつて遊技板面に取付けられるようになつてい
る。

この様に風車は回転体と支軸からなる極めて簡
単な構造にかゝつてはいるが、落下球の方向を変
える上で変化に富むことから永く使用されてい
る。

しかし、この風車は多くの場合、打球が飛び込
む遊技板の上部の設けられ、打球の落下方向に大
きな影響が与えられるようになつている一方、こ
れに伴つて弾かれた打球の強い衝撃を受けるもの
となつていることから従来しばしば衝撃力で支軸
が変形し、風車体の回転を損ね、またときには回
転が不能となる問題があつた。

［考案が解決しようとする問題点］ 本考案は、上述従来のパチンコ機用風車におけ
る問題点に鑑み、これを解消すべく研究開発され
たもので、その目的とするところは打球の衝突に
よる衝撃力を吸収して支軸の変形を回避し、常時
風車体の円滑な回転を保障し、障害物としての機
能を保つと共に飾り効果を損わないようにしたこ
とにある。

［問題点を解決するための手段］ 即ち、本考案は上述目的に基づき考案されたも
ので、遊技板に固着する取付基板に軸受孔を開設
して支軸を貫通状に挿通しすると共に、該軸受孔
を支点にして揺動自由に軸承せしめる一方、前記
取付基板の前方に突出する軸部分に風車体を回転
自由に転着してなるパチンコ機用風車を提供する
とにある。

［作用］ 本考案の風車は取付基板を介して遊技板面に取
付けられる。そして、支軸を支点に自由に回転す
る一方、打球を強く受けて直接支軸にその衝撃力
を受けたとき、この支軸を取付基板の軸受孔を支
点にして揺動させ上記衝撃力を吸収して支軸の変
形を回避するものである。

次に、本考案を図示する実施例について説明
し、その特徴とするところを明らかにする。

［実施例］ 第１図は本考案に係る風車の正面図であり、第
２図は中央縦断右側面図、第３図は第２図の−
線断面図である。

図面において１は遊技板に固定するための取付
基板で、２は支軸、３はこの支軸によつて軸承さ
れる風車体である。

ここに示した取付基板１は円形の板にしてその
中央部に貫通状に軸受孔４を開設し、この軸受孔
に支軸２を挿通するようにしてある。

軸受孔４は支軸２の軸径に略等しい口径に開設
すると共に、孔の前後の縁を切削して挿通した支
軸がこの軸受孔を支点にして自由に揺動できるよ
うにしてある。そして、支軸２は長さの途中に膨
径したストツパー５を設け、このストツパーを軸
受孔４の背後に当接させて前方への抜き出しが不
能になるようにしてある。

風車体３は円形の基板３ａの中心部から筒状の
軸受部３ｂを垂設し、この軸受部３ｂの周面から
３方向に等間隔をおいて羽根３ｃを延設してな
り、上記軸受部３ｂを前記支軸２の取付基板１の
前方に突き出す軸部分２ａに滑合させ、ストツパ
ー６で抜止めして回転自由に軸承させてある。

図中７は上記支軸２の軸後端部を支える支持板
であり、８はこの支持板を支える支柱である。上
記支持板７は取付基板１に並行させてあり、その
前面の中央部には第３図に示したように環状の軸
受溝９を設け、これに支軸２の軸後端部を滑合さ
せてある。

本考案風車は上述の様に構成され、その取付け
は遊技板に開設する取付孔に前方から支持板７を
嵌め込むようにして収め、取付基板１を遊技板の
前面に添わせたのちこれに設ける透孔１０にビス
を通してネジ止めされる。

遊技板に取付けられた風車は風車体３の重量で
支軸２を幾分前下りに傾けた状態で取付き、風車
体の羽根３ｃに打球が衝突したとき従来の風車と
同様に回転してその落下方向に変化を与えること
になる。

そして、落下球が風車体３の中心に向けて衝突
し、支軸２の長さ方向に対して直角に、且つ直接
的な衝撃を与えたときには風車体３の回転によつ
て衝撃を緩和すると同時に、軸受孔４を支点に支
軸２を揺動させて打撃の反対方向に傾けて衝撃を
回避することになり、この回避後支軸は風車体の
重量を受けて再び原状に復帰することになる。

尚、実施例では支軸２の軸後端部を支持板７の
軸受溝９に滑合させてあるので打球の衝突時この
軸受溝に沿つて支軸を弧状に揺動させることにな
り、特に左右方向からの衝突を緩和することにな
る。

勿論、支持板７は通常時における支軸２の安定
的保持を目的としたもので、軸部分２ａに風車体
３を軸承する支軸２の保持のため有効であるが、
例えば取付基板１の軸受孔４の周囲の板厚を大に
してこの軸受孔を奥行きのある長い孔にすると、
支軸２を略水平に支持することが可能となるの
で、支持板７を省略することができる。

［考案の効果］ 以上、実施例につき説明した如く本考案風車は
風車体を支持する支軸が揺動自由であつて打球の
衝突を受けたとき、風車体の回転によつてこの衝
撃力を回避するのに併せて支軸の向きを傾け直角
方向からの衝撃力を吸収することから従来の様に
支軸が屈曲したり揉れたりすることがなく常に安
定した風車体の回転を期待することができ、損傷
を有効に回避することができる。また、この衝撃
吸収力によつて風車自体に対する衝撃が小さくな
ることから、従来の風車においてもみられるよう
に例えば図示する如く風車を照明するため照明用
ランプ１１を取付基板の背後に備えたときにはこ
のランプに強い衝撃を与えることがないので、そ
の寿命を保つ上で極めて有効なものとなる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示したもので、第１
図は本考案に係る風車の正面図であり、第２図は
中央縦断右側面図、第３図は第２図の−線断
面図である。 １……取付基板、２……支軸、２ａ……軸部
分、３……風車体、４……軸受孔、５……ストツ
パー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 遊技板に固着する取付基板に軸受孔を開設し、
   該軸受孔に前端軸部分に風車体を回転自由に軸着
   してなる支軸を貫き通し、前記取付基板の背後に
   おいてストツパーで抜け出し不能に止め付け、軸
   受孔を支点にして上記支軸と共に前記風車体を任
   意の方向に揺動自由に軸承してなることを特徴と
   したパチンコ機用風車。