JPH0341363B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は自動車用ウインドモールの取付構造に
関する。

従来の技術 自動車のフロントウインドパネルやリヤウイン
ドパネルの中でも、特にウインドパネルを車体開
口部の周縁フランジ上に接着剤により固定する接
着タイプのものでは、例えば実開昭57−109911号
公報に示されているように、ウインドパネル周縁
と車体開口部の周縁立上り壁との間の間隙に断面
略Ｔ字状のモール本体を挿入配置して、ウインド
パネル周縁部を装飾するようにしている。これを
第３図により具体的に説明すると、１はウインド
パネルを示し、該ウインドパネル１はその周縁部
を車体開口部２の周縁フランジ３上に接着剤５に
より接着固定している。６はウインドパネル１周
縁と車体開口部２の周縁立上り壁４との間の間隙
δに挿入配置したモール本体で、このモール本体
６は両側面に複数個の抜止めフイン７ａを突設し
た脚部７を一体成形して断面略Ｔ字状に形成して
ある。前記周縁立上り壁４面には両面接着テープ
９により側面に突起８ａを形成したテープ状のフ
アスナー８を貼着してあり、前記モール本体６の
脚部７を間隙δに挿入すると、該フアスナー８の
突起８ａにフイン７ａ先端が係着して抜止めでき
るようにしてある。図中１０は接着剤５の車室側
へのはみ出しを防止するダム部材を示す。

発明が解決しようとする問題点 テープ状フアスナー８を両面接着テープ９で周
縁立上り壁４面に貼着するのであるが、フアスナ
ー８が長尺であるため貼着作業に多くの手間を要
してしまい作業性が悪く、また、両面接着テープ
９はフアスナー８に予め貼着処理しておくもの
で、フアスナー８自体のコストが嵩むことと相俟
つてコストアツプの大きな要因ともなつている。
また、モール本体６は前記間隙δに脚部７を押込
んでフイン７ａにより抜止めされるのであるが、
ウインドパネル１の周縁側ではフイン７ａが上向
きの倒れ方向に撓んでウインドパネル１の周端面
に密接しているだけであるため、接着剤５が固化
する間にウインドパネル１側のモール端が浮上が
る傾向にあつて、外観、品質を損なつてしまう不
具合があつた。

そこで、本発明はモール本体の浮上がりを生じ
ることがなく、しかも、組付作業を改善できてコ
ストダウンに大きく寄与することができる自動車
用ウインドモールの取付構造を提供するものであ
る。

問題点を解決するための手段 ウインドパネル周縁と車体開口部の周縁立上り
壁との間の間隙に、断面略Ｕ字状のフアスナーを
嵌挿して一側壁を前記周縁立上り壁に密接させる
と共に、他側壁に形成したシヨルダー部をウイン
ドパネル周縁の下縁に係着し、このフアスナーに
断面略Ｔ字状のモール本体の脚部を挿入して、脚
部両側面の抜止めフインをフアスナー両側壁の内
側面に形成した突起に係着して、該モール本体を
固定してある。前記フアスナーの底部には接着剤
の流入孔を形成してあり、ウインドパネル周縁と
車体開口部の周縁フランジとの間に充填した接着
剤をこの流入孔からＵ字状断面内に流入、充填さ
せて、前記モール本体の脚部を没入させ、該脚部
およびフアスナー自体を前記接着剤で固着してあ
る。

作 用 モール本体はその脚部両側面に突設した抜止め
フインがフアスナー内側面に形成した突起に係合
して抜止めされると共に、フアスナー底部の流入
孔からフアスナー内部に流入した接着剤により確
実に固着される一方、フアスナー自体がウインド
パネル周縁に係着され、かつ、接着剤により固着
ることによつてモール本体の浮上がりをなくして
モール本体、フアスナー自体を確実に、かつ、適
正に固着することができる。

実施例 以下、本発明の実施例を図面と共に前記従来の
構成と同一部分に同一符号を付して詳述する。

第１，２図において、１１はウインドパネル１
の周縁と車体開口部２の周縁立上り壁４との間の
間隙δに嵌挿配置した断面略Ｕ字状のフアスナー
で、その内周側の周壁外面にはウインドパネル１
周縁の下縁に係合するシヨルダー部１２を有段成
形して、前記間隙δへの押込み嵌挿によりその一
側壁を周縁立上り壁４に密接させ、かつ、該シヨ
ルダー部１２によりウインドパネル１周縁に係着
してある。フアスナー１１の内側面には断面略Ｔ
字状のモール本体６の脚部７両側面に突設した抜
止めフイン７ａが係着する突起１３を形成してあ
り、モール本体６はその脚部７をＵ字状のフアス
ナー１１に挿入して、抜止めフイン７ａと突起１
３との係合によつてフアスナー１１に係着、固定
されている。また、フアスナー１１の底部にはウ
インドパネル１周縁と車体開口部２の周縁フラン
ジ３との間に充填した接着剤５の流入孔１４を形
成してあり、この流入孔１４よりフアスナー１１
内部に流入する接着剤５に前記モール本体６の脚
部７を没入させて確実に固着するようにしてあ
る。

ここで、前記フアスナー１１のコーナー部Ｃの
内周側の周壁から底壁に亘つて切欠部１５を形成
してあると共に、外周側周壁の切欠縁に複数個の
切込み又は切欠き１６を形成して、略90度の折曲
げに対する追従性を高めてある。

以上の実施例構造によれば、モール本体６はそ
の脚部７両側面の抜止めフイン７ａがフアスナー
１１内側面の突起１３に係合して偏寄りなく抜止
めされ、しかも、フアスナー１１底部の流入孔１
４からフアスナー１１内部に流入、充填した接着
剤５により脚部７が確実に固着される。一方、フ
アスナー１１自体はその内周側の周壁外面のシヨ
ルダー部１２がウインドパネル１周縁の下縁に係
着していることから、フアスナー１１が抜止めさ
れ、以つて、モール本体６の浮上がり現象を生じ
ることがなく、接着剤５の固化によりモール本体
６、フアスナー１１を完璧に固着することができ
る。また、フアスナー１１のシヨルダー部１２が
ウインドパネル１周縁の下縁に係着することか
ら、該フアスナー１１がウインドパネル１の沈み
方向に対するスペーサとしての機能を併有し、ウ
インドパネル１の適正な接着固定を図ることがで
きる。

発明の効果 以上のように本発明によれば、断面略Ｕ字状の
フアスナーをウインドパネル周縁と車体開口部の
周縁立上り壁との間の間隙に嵌挿し、そして、こ
のフアスナーにモール本体の脚部を挿入、係着す
ればよいので、従来両面接着テープを用いてテー
プ状フアスナーを前述の立上り壁に貼着してモー
ル本体を係着するものと較べて遥かに作業性が良
く、しかも、特にフアスナー固定のための接着部
材を必要としないので作業性が向上することと相
俟つて大幅なコストダウンを実現することができ
る。また、モール本体はその脚部両側面の抜止め
フインがフアスナー内側面の突起に係合している
ので抜止めのバランスが良く、しかも、フアスナ
ー自体はシヨルダー部がウインドパネル周縁に係
着しているため従来のようにウインドパネル側の
モール端部が浮上がるようなことが全くなく、外
観、品質感を一段と高められる利点がある。更に
は、ウインドパネルを固定する接着剤が流入孔を
通してフアスナー内部に流入し、モール本体脚部
を固着すると共に、フアスナー自体も固着するこ
とができるため、完璧なモール取付を図ることが
できるという実用上多大な効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す断面図、第２
図は同実施例のモール本体とフアスナーを示す分
解斜視図、第３図は従来の構造を示す断面図であ
る。 １……ウインドパネル、２……車体開口部、３
……周縁フランジ、４……周縁立上り壁、５……
接着剤、６……モール本体、７……脚部、７ａ…
…抜止めフイン、１１……フアスナー、１２……
シヨルダー部、１３……突起、１４……流入孔、
δ……間隙。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ウインドパネル周縁と車体開口部の周縁立上
   り壁との間の間〓に、両側面に抜止めフインを突
   設した脚部を有する断面略Ｔ字状のモール本体を
   挿入配置する構造にあつて、断面略Ｕ字状に形成
   されて、一側壁が前記周縁立上り壁に密接し他側
   壁にウインドパネル周縁の下縁に係合するシヨル
   ダー部が形成されると共に、これら両側壁の内側
   面に前記抜止めフインと係合する突起が形成さ
   れ、かつ、底部に接着剤の流入孔が形成されたフ
   アスナーを前記間〓に嵌挿し、前記シヨルダー部
   をウインドパネル周縁の下縁に係着すると共に、
   ウインドパネル周縁と車体開口部の周縁フランジ
   との間に充填した接着剤を前記流入孔からＵ字状
   断面内に流入、充填させ、前記モール本体の脚部
   を該フアスナーに挿入して抜止めフインを突起に
   係着すると共に、Ｕ字状断面内の接着剤に没入
   し、該脚部およびフアスナー自体を前記接着剤で
   固着したことを特徴とする自動車用ウインドモー
   ルの取付構造。