JPH0339796Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電子写真複写機の液体現像装置に関す
る。

一般に、電子写真複写機の液体現像装置を用い
て、電子写真感光体シート（以下単に感光シート
と称す）に形成された静電潜像を現像する場合、
(イ)潜像面にムラのない適性な現像濃度が得られ、
(ロ)製造面でない裏面とトナー附着によるよごれが
生じないことが好ましく、(ハ)しかも感光シートの
スムースな進行が不可欠で、良好な複写画像を得
るための条件である。

上記要望に沿つた公知の液体現像装置が各種実
施されている。例えば特開昭49−62148に開示さ
れている液体現像装置は好ましい形態の１つでは
あるが、なおその構成が複雑であり、製造コスト
が割高になる等の欠点がある。

本考案は上記不都合に鑑みて改良され、構成が
比較的簡単な液体現像装置を提供するものであ
り、その要旨は、傾斜した体面電極板の間に形成
された現像液の流路中に感光シートを搬送して潜
像を現像する液体現像装置において、該流路の上
流に現像液の液溜め部と、該感光シートの潜像面
に対向して配設したスリツト状の現像液吐出口と
を有して成る電子写真複写機の液体現像装置であ
る。以下、従来技術と対比しながら、図面ととも
に本考案を詳述する。

第１図は一般的な従来技術（例えば実公昭56−
14525）による液体現像装置の断面図である。静
電潜像を有する感光シート１は送りローラ２，３
により矢印方向に搬送され、傾斜した主電極板４
とこれに対面して設けられた補助電極板５の間を
送られる。この際現像液は図示しないポンプにて
液供給装置６内に送られ、スリツト状の吐出口７
を通過して均一な整流となつて主電極板４と補助
電極板５の間に形成される流路に強制噴射され
る。このため感光シート１は対向電極板４，５の
間を通過する間に現像されて、静電潜像を可視像
にする。現像された感光シート１は絞りローラ
８，９にて現像装置外に送り出され、このとき、
余分て現像液は該絞りローラ８，９にて絞られ
る。上述の現像装置は最も一般的なものの１つ
で、静電潜像面が上側の場合には第１図が、その
逆の場合には第２図が適用される。

ところで、冒頭に記述した如く、良好な複写画
像を得るための条件として、一般的に次のことが
判明している。

(イ) ムラのない適性な現像濃度を得るために、主
電極板４と感光シート１と補助電極板５との間
隔の不均一を生じないこと及び対向電極板４，
５の間隔を適性に設けること。

(ロ) 裏面のトナー附着による汚れを生じさせない
ため及び感光シート上の電荷のみだれを生じさ
せないために感光シート１の裏面が補助電極板
５に接触しないこと。

(ハ) 感光シート１のスムースな進行のために摩擦
抵抗の小さいガイドが必要であること。

これら(イ)，(ロ)，(ハ)の条件を同時に満足させるた
めの多様な研究がなされ、例えば特開昭49−
62148に開示されているものは、感光シート１の
両面に現像液を塗布せしめつつ、電気抵抗が現像
液のそれより大であるナイロン糸を補助電極板５
の対向面に張設し、そのナイロン糸をガイドとし
て感光シート１の位置決めもして上記イ，ロ，ハ
の条件を解決している。しかしその構造が複雑と
なり製造コストが割高になる等の欠点がある。

また、他の例示として実公昭56−14525には、
補助電極板５の対向面に導電性メツシユを張設し
ガイドの役目と位置決めの効果を付与している
が、実験によれば、当該導電性メツシユの効果に
は、幾つかの欠陥が見られる。その１つは導電性
である故に感光シート１の裏面の分極電荷（＋）
が失われ、対応する潜像面の電荷（−）が減少す
るためクーロン力によるトナーの附着が弱めら
れ、適正な現像濃度が得られない事であり、その
２は、例えば300メツシユ程度の細かいメツシユ
を使用しても裏汚れを防止できないことであり、
その３は繰り返し使用で、メツシユにトナーが附
着して、特に乾燥した附着トナーはとれにくく、
朝一番の複写では、画像濃度の局所的なムラと、
物理的接触による裏汚れを生ずる。特に感光シー
ト１と補助電極板５との間に適当な現像液を流さ
ない場合には、これらの欠陥が顕著に見られる。

次の本考案を説明する。第３図は本考案に係る
液体現像装置の断面図である。第１図又は第２図
と第３図において、同一機能を有する構成要素は
同一符号を付して表示した。本考案と従来技術と
の顕著な差異は、傾斜する対面電極板４，５にて
形成される現像液の流路の上流に現像流の液溜め
部１０を配設した点に見られる。次に本考案によ
る動作、作用について説明する。感光シート１の
送り込みに先立つて、現像液は図示しないポンプ
にて液供給装置６内に送られ、該流路を横切るス
リツト状の吐出口７を通過して、均一な整流とな
つて該流路に強制噴射され、強制流下して該流路
を満たし、さらに上流の液溜め部１０に溜められ
る。次いで、感光シート１は潜像面を主電極板４
に対面即ち下向きにして、送りローラ２，３によ
り矢印方向に搬送される、ガイド１１，１１によ
つて該感光シート１の先端部は先ず液溜め部１０
に送り込まれ、次いで、該流路に送り込まれる。
この際に、該吐出口７から噴射される現像液によ
つて、該感光シート１は補助電極板５側へ押し上
げられ、第４図の如く、該補助電極板５に沿つて
搬送される。一方該液溜め部１０の現像液は、感
光シート１の裏面と補助電極板５の表面に形成さ
れた凹凸面１２との間に自然流下してその大部分
が消費される。このとき、自然流下する現像液
は、該凹凸面１２と感光シート１の裏面との間の
摩擦抵抗をほぼゼロにする液体ベアリング効果を
有し、該感光シートのスムースな進行を促進す
る。該液溜め部１０の容量は、少くとも１枚のシ
ート状感光体１によつて消費される現像液を消費
できる現像液を収容できるだけの大きさを必要と
する。一方、現像装置の上流と下流から流下した
現像液は図示しないトレーに回収され、図示しな
い循環ポンプによつて現像液供給装置６に送り込
まれるが、この循環ポンプと連絡された現像液供
給装置６から吐出される現像液の流量は、該流路
を満たし、かつ、比較的すみやかに該液溜め部を
満たすに十分である。

次いで該流路内で感光シート１の潜像は強制噴
射された現像液体中のトナーで可視像となり、絞
りローラ８，９にて現像装置外に送り出される。

補助電極板５の表面を（感光シート１の裏面と
の接触に際し）接触点密度を抑えた凹凸面で（例
えばサウンドプラスト法で）形成し、その表面を
少くとも帯電しない電気抵抗素材であつて、滑り
の良い弗素系樹脂（通称テフロン）で被覆したも
のである。この凹凸面１２に沿つて感光シート１
が搬送れスムースな進行が成されると共に裏面の
汚れも生じない。

以上の如く本考案は、傾斜した対面電極板４，
５の間に形成された流路の上流に現像液の液溜め
部１０と感光シート１の潜像面に対向してスリツ
ト状の現像液吐出口７を配設したから、液溜め部
１０の現像液が、自然流下の際補助電極板５と感
光シート１の間に該凹凸面１２とともに液体ベア
リング効果を生じ、スムースな搬送が行われる。
なお凹凸面１２の代りに従来技術であるナイロン
系を張設したもので実害はない。また、感光シー
ト１の両面に強制流下せしめる従来技術を比較し
て、その構成が簡単であり、製造、メンテナンス
等が容易になる。尚第５図は、他の一実施例であ
る潜像面が上側の場合を示す断面図である。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来の液体現像装置の側断
面図、第３図及び第５図は本考案による液体現像
装置の側断面図、第４図は、第３図における補助
電極板５の表面の態様を示す断面図である。 １…感光シート、２，３…送りローラ、４…主
電極板、５…補助電極板、６…現像液供給装置、
７…スリツト状吐出口、８，９…絞りローラ、１
０…液溜め部、１１…ガイド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 傾斜した体面電極板の間に形成された現像液
   の流路中に、シート状の電子写真感光体を搬送
   して静電潜像を現像する液体現像装置におい
   て、 該流路の上流に現像液の液溜め部と、該感光
   体の潜像面に対向して配設した現像液吐出口と
   を有して成る電子写真複写機の液体現像装置。 (2) 該現像液吐出口から供給される現像液が流下
   して該流路を満たし、かつ該液溜め部に溜めら
   れるに十分な流量を供給する現像供給装置を有
   する実用新案登録請求の範囲第１項に記載の電
   子複写機の液体現像装置。 (3) 該液溜め部の現像液の主要部分が該感光体の
   非潜像面に沿つて自然流下して消費されるに際
   して、該液溜め部の容量が少くとも１枚のシー
   ト状感光体に供される現像液を収容して成る実
   案登録請求の範囲第１項若しくは第２項記載の
   電子複写機の液体現像装置。