JPS6226761Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、電子写真の乾式現像装置に関する
ものである。

表面に静電潜像を担持したシートを、スリーブ
周面に磁気的に形成させたトナーの穂に接触せし
めて静電潜像の現像を行なう電子写真の乾式現像
装置において、例えば、スリーブとの間でバイア
ス電圧を印加するための対極板を、スリーブに対
向せしめ、この対向間においてシートを搬送させ
るようにしたものが知られている。このような方
式にあつては、シート搬送時、その対極板によつ
てシートの案内機能を兼備させる場合、シート
は、この先端部を含めて対極板に対し所定の摺動
抵抗を受け乍ら進行することになり、このため、
シート搬送が安定せず、現像を高信頼性のもとで
行なうことが難しい。

そこで、対極板の代りにシート搬送方向に駆動
せられるシート搬送ベルトを用い、この搬送力に
よつてシートを移送せしめるようにすると、シー
ト搬送が安定化され現像を良好に行なうことがで
きる。

然るに、このようなベルト搬送方式において
は、ベルトとして一般的にゴム等の絶縁体材料の
ものが用いられるようになつており、このような
ベルトと、既に帯電された状態のシートとが互に
接触した状態で移動する際、静電気を生じ、これ
により、シートはベルト側に吸着され易くなり、
特に現像部以降においてシートの搬送が円滑に行
なわれにくい。例えば、ベルトのシート排出側部
分でシート先端がベルトから剥離しにくくなり、
排出側のローラに巻き付けられるベルトの表面部
分に剥離爪などを当接させる必要がある。

本考案は、上記点に鑑みなされた、シート搬送
性が良好で高信頼現像を行なうことのできる、か
つ、現像后の、ベルトからのシート分離が良好
な、電子写真の乾式現像装置を提供することを目
的とする。

以下、図示の一実施例により本考案を説明す
る。

図において、現像槽１内には現像剤即ちトナー
を付着した現像用鉄粉２が収容されており、これ
はホツパー３から漸次現像槽１へ供給される。現
像槽１内に配設されたスリーブ４は現像槽１の側
フレーム（図示されず）に固着された軸５に回転
自在に支持されており、矢印６の向きに回転する
ようになつている。軸５に固嵌されたボス７には
複数本の磁石８の基部が固着されていて、各磁石
８は磁路を形成させるためにその極性を交互に逆
向きにして配置されており、この磁力によつて鉄
粉２はスリーブ周面に吸引され、この周面には磁
気ブラシが形成されるようになつている。

かき落し板９は現像槽１内に適宜固定されるよ
うになつており、その一端部をスリーブ４の周面
に配置させてスリーブ４に付着する現像済みの鉄
粉のかき落しを行う。スリーブ４の下位にはドク
ター１１が現像槽１に固定された状態で配置され
ており、このドクター１１はスリーブ周面の磁気
ブラシを一定の高さに形成する。

スリーブ４の下部側にはローラ１３，１４間に
張設されたシート搬送ベルト１５がスリーブ周面
と対向するように配置されていて、このベルト１
５は、現像すべきシート２３の搬入部から搬出部
側に向つて図のように上り勾配に傾斜している。
シート搬送ベルト１５には対ローラ１７，１８が
それぞれ接しており、この対ローラとベルトとの
協働によりシートの搬送が行なわれる。

スリーブ４とこれと相対向するシート搬送ベル
ト１５との間の両者の最近接部には磁石８の磁路
に沿つた状態の現像処理部１９が形成せられ、同
部１９に対応するベルト１５の背面には対極板２
１が接している。そして、同板２１とスリーブ４
との間には直流電源２２によつてバイアス電圧が
印加されるようになつていて、この印加により、
シートの地肌汚れ等が防止されるようになつてい
る。

ここで、図において、静電潜像を得たシート２
３は、ガイド板２４によつてガイドされながら矢
印方向に進行し、かつ、対ローラ１７とベルト１
５との間に搬入せしめられ、次いで、シートはベ
ルトに接しつつベルト搬送力によつて搬送され、
現像処理部１９にてシート上の静電潜像が現像せ
しめられたのち、搬出側の対ローラ１８とベルト
１５との間から搬出されるようになつている。

さて、このような現像装置において、シート搬
送ベルト１５は先にも述べたように一般的にゴム
等の材質のものが用いられるが、この場合、既に
帯電された状態にあるシートと、ゴム等より成る
ベルトとの接触によつて両者間には静電気が発生
し易くなり、このため、シートはベルト側に吸着
され易くなる。

このような現象を生じると、例えば、現像部以
降において、シートの先端部がベルトから剥離し
にくくなり、例えば、ローラ１３に掛け渡される
ベルト１５の部分の表面に剥離爪などを当接させ
なければらず、構成が複雑になると共に、ベルト
表面を傷付けたりする。

この考案の実施例は、シート搬送ベルト１５が
導電性の材料となつていて、かつ、このベルト１
５が、スリーブ４との間でバイアス電圧を印加す
るための対極板２１に接し、これに導通するよう
になつているので、静電気の発生が防止され、現
像部以降のシート分離を剥離爪などを用いずに良
好に行なうことができる。

また、導電性材料とは言え、シートをベルトで
搬送する方式であるから、対極板とスリーブとの
対向間において、対極板でシートをガイドさせる
ような従来例のものと比して、シートの搬送が安
定的に行なわれ、現像を高信頼性のもとで行なわ
せることができる。

なお、シート搬送ベルト１５をスリーブ４の下
部に設け、かつ、上り勾配とすることで、現像后
の現像に寄与しないトナーをスリーブ側へ向かわ
せる傾向を強めることができ、そのベルトを水平
態位に保持させるものと比して、現像后の現像に
寄与しないトナーをスリーブ側へ向かわせる傾向
を強めることができ、従つて現像中において現像
剤がシートの進行方向に飛散する傾向が軽減化さ
れ、これによつて地肌汚れやかぶり等の発生を防
止することができる。

以上本考案によれば、シート搬送性が良好で高
信頼現像を行なうことができる。かつ、現像后
の、ベルトからのシート分離が良好な、電子写真
の乾式現像装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案一実施例の電子写真の乾式現像装置
の正断面図である。 １……現像剤槽、４……スリーブ、８……磁
石、１５……シート搬送ベルト、１９……現像処
理部、２１……対極板、２３……シート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 現像剤槽内に設けられ周面に現像剤を吸引する
   ための磁石を内装したスリーブと、該スリーブ周
   面の下部に対向し現像すべきシートの搬入部から
   上記スリーブに最近接する現像処理部を経てシー
   トの搬出部へ向けて上り勾配に傾斜させた、導電
   性のシート搬送ベルトと、該シート搬送ベルト
   の、スリーブと対向する背面に接するように設け
   られ、スリーブとの間でバイアス電圧を印加する
   対極板とを具備することを特徴とする電子写真の
   乾式現像装置。